PC-98/エプソン98互換機のHDD内蔵用金具


PC-98デスクトップ機のHDD内蔵用金具に関しては,HAMLIN's PAGE --> 筐体関係 --> CASE_4 専用金具 において詳細な資料が公開されており,またかつては東映無線のウェブページにもまとまった資料が掲載されていました(後者はInternet Archiveで閲覧できますが,残念ながら一部の金具の画像が失われるなどしています).本記事では主としてこれらの資料に収録されていないHDD内蔵用金具を取り上げます.


■PC-9801VM11/RX/RS/RA2・5/RA21・51/DX/DS/DA用
PC-9801RA-34・-35, PC-9801DA-35(SASI HDDユニット),PC-9801RA-37, PC-9801DA-37, PC-98RL-37(SCSI HDDユニット)およびその同等品(VM11, RA2・5, RXではSASI HDDユニットのみ対応)が対応します.

SASI I/F基板またはSCSI I/F基板がユニットに組み込まれています(前者のカードエッジは一枚,後者のものは二枚).I/F基板のカードエッジ部はHDDに給電するための電源端子を備えておらず,HDDへの電源供給は本体の専用コネクタと接続されるケーブルにより行われます.なおNEC製のSCSI HDDユニットのI/F基板はNECチェックを行っています.

PC-9801EX/ES等用のものはこれらのユニットとI/F基板が異なりますが,金具の部分をHDDマウンタとして利用する場合には代用できる製品もあります.

SCSI HDDユニットのI/F基板が認識できるHDDの容量は製品により異なります.1GB程度のHDDでは容量が大きすぎて認識できない場合がありました.I/F基板を残したままHDDを換装する場合にはご注意下さい.

下の画像はサードパーティー製のSCSI HDDユニット(メーカーと型番のメモは残っていません)です.上段がHDDとSCSI I/F基板が組み込まれている元々の状態で,下段がこれらが取り外されて金具だけになった状態です.元々のHDDは金具の幅の狭い方の側面にネジ留めされていましたが,一般にこのネジの位置はより新しいHDDのものとは異なるため(二カ所だけであれば元々のネジ穴を利用して固定できます),幅の広い方の側面に新たに四個のネジ穴を開けてあります.


■PC-9801BX/BA/BX2/BA2/BS2, PC-9821Xa/Xf/Xe/Xs/Xp/Xn用
PC-9801B-36・-37・-38のHDD固定用金具およびその同等品が対応します.


■PC-9801BX3/BA3用
PC-9801B3-E01およびその同等品が対応します.


■PC-9801BX4,PC-9821Xe10用
PC-9801B4-E01およびその同等品が対応します.BX3/BA3用のものと似ていますが,少し異なっています.下の画像はメルコ製のDBN-BX4です.


■PC-9801FX/FS/FA,PC-9821Ae/As/Ap/Af/As2/Ap2/An/As3/Ap3用
(1) 固定ディスク専用スロット用
PC-9821A-E05・-06・-07,PC-HD170A・-240A・-340A・-510A(IDE HDDユニット,通称 "IDE籠"),PC-9801FA-35・-37・-39(SCSI HDDユニット,通称 "SCSI籠")およびその同等品が対応します(PC-9801FX/FS/FAはSCSI HDDユニットのみ対応).NEC製のSCSI HDDユニットのうち,PC-9801FA-35・-37・-39あたりに内蔵されているHDDはNECベンダを返しますが,NECチェックを行うSCSI I/Fを使用しない限り,これらのドライブを他のものに換装することはもちろん可能です.なおICM製のSCSI籠の初期型?(富士電機製のセミカスタムHDDが使用されていたようです)では,カードエッジのパターンが他のSCSI籠と異なり(端子が一本少ない),ドライブを換装して使用することができないとも言われますが(A-MATEr's BBS 過去ログ その63 など),筆者はそれを現物で確認したことはありません.

IDE籠では認識されるHDDの容量はMATE-A本体により決まり,PC-9821Ae/As/Ap/Af/As2/Ap2/An(BIOSアップデート前)では540MB,PC-9821An(BIOSアップデート後)/As3/Ap3では4.3GBが認識される最大の容量となります.
一方,SCSI籠ではSCSI I/Fにより認識されるHDDの最大容量が決まります.特に古いI/Fでは1GBのHDDを正常に認識できない製品も存在します.
例えば,IBM製のDPES-31080(容量1034MB,Cyln/Hed/Sec = 4902/ 4/ 108)を接続した場合,SCSIインタフェーススロットに装着するSCSI I/Fのうち,
 ・CPC-FISA (Computer Research製) ではHDDのアクセスランプが点灯しっ放しとなり使用できない
 ・LHA-15FA (BIOS ROM ver.1.00,Logitec製)では容量が170MBと誤認識される
 ・EIF-98FB (BIOS ROM ver.1.00N,ELECOMM製) では容量が170MBと誤認識される
 ・B55F-BWN (BIOS ROM ver.2.11N,テクノジャパン製?) では容量が170MBと誤認識される
 ・HA-FA02 (EZPHA-FA02-1) (BIOS ROM ver.3.20A,日本TEXA製)では容量が850MBと誤認識される
など,SCSI I/Fの認識容量限界に起因すると思われる現象が認められました(SCSI専用スロットI/Fの読み書き速度比較(暫定版)を参照).またスルーボードの類を介するなどしてCバスSCSI I/FとSCSI籠内のHDDとを接続する場合には,使用できるHDDの最大容量はCバスSCSI I/Fにより決まります.下記の "ファイルスロット籠" でも事情は同じです.

下の画像は左がIDE籠(Logitec製LHD-MA240P),右がSCSI籠(NEC製PC-9801FA-37)で,いずれも元々のHDDが取り外されている状態です.サードパーティー製品を含め,SCSI籠ではカードエッジ基板とHDDのアクセスランプ用端子とをケーブルで接続する必要があります(画像のPC-9801FA-37ではこのケーブルは失われていますが,カードエッジ基板左上隅(SCSCIケーブルコネクタの左側・ネジの上側)にこのケーブルを接続するための2ピンオスコネクタがあります).


(2)ファイルスロット用
PC-9801-F01・-F02・-F03,PC-HD100F・-170F・-240F・-300F・-340F等およびその同等品が対応します(通称 "ファイルスロット籠").NEC製のSCSI HDDユニットのうち,PC-9801-F01・-F02・-F03等に内蔵されているHDDはNECベンダを返しますが(筆者は少なくともPC-HD300FB2に内蔵されているNEC製D3872あたりまではNECベンダを返すことを確認しています),NECチェックを行うSCSI I/Fを使用しない限り,これらのドライブを他のものに換装することはもちろん可能です.

下の画像はNEC製のPC-HD170FB2です.元々のHDD(NEC製D3865,これもNECベンダを返します)は取り外してあります.アクセスランプを点灯させるためには,籠内部左上から伸びているケーブル(籠のフロントパネルのLEDに接続されています)をHDDのアクセスランプ用端子と接続する必要があります.


■PC-286VEからPC-486GR・GR+・GR Superまで(486HA/HX/HGまで?)のエプソン98互換デスクトップ機用
SASI HDDユニットとSCSI-1 HDDユニットとがあり,前者はPCVHD41等およびその同等品が対応します(エプソン製のSCSI-1 HDDユニットの型番は不明.SCSI-1 HDDユニットはPC-386G/GS/GE/GS以降が対応.なおSCSI-2 HDDユニットであるPCSHD200A・320A・500AはPC-486HA/HX/HG専用).両者ともI/F基板がユニットに組み込まれています.電源はI/F基板のカードエッジ部より供給されます.

下の画像はICM製のSCSI HDDユニット,INTER-120GE で,左がSCSI I/F基板が組み込まれている状態(HDDは取り外してあります),また右が金具だけにした状態です.幅の広い方の側面にHDDを固定するための四つのネジ穴を開けてあります.


SCSI HDDユニットのI/F基板が認識できるHDDの容量は製品により異なると思われます.上のInter-120GEは1GBのHDDに換装していますが,これ以上の容量のHDDの接続試験は行っていません.なおこのHDDではアクセスランプ用端子を直接PC(PC-386GS)のフロントパネルのLEDとケーブルで接続しています.

■PC-486MU/MR/MS/MV,PC-586MV/RA/RV/RX/RT/RJ用
HDD内蔵用の金具は出荷時から本体に組み込まれています.これは二段構造になっていて,幅の狭い下段にHDDが(底面でネジ留め),幅の広い上段にCD-ROMが(側面でネジ留め)それぞれ取り付けられています.


筆者はCD-ROMの代わりに5インチFDD(FD1155D)を取り付けていますが,5インチFDDのフロントベゼルをPC(PC-586RX)のフロントパネルの開口部に合わせるには,金具の左右にある本体固定用のスリット状のネジ穴をさらに長辺方向に拡張する必要がありました(下図左).


なおPC-586機でCPUを換装して冷却ファンをCPU上に設置する場合,冷却ファンとFDD固定金具の底面とが干渉する/底面との隙間がほとんどなくなり冷却効率が低下する場合があります.そのためCPUをWinchip2A(200MHz版)に換装した筆者の586RXでは,CPUの真上のFDD固定金具の底面に大きな穴を開けてあります(上図右).