TSUKUMO製外付けFDDユニットとCRC製外付けFDDユニットの36ピンコネクタのピンアサインです.PC本体の1MB FLOPPY DISKコネクタあるいは1MB FDD I/Fのコネクタ(アンフェノールフルピッチ50ピンメスコネクタ)のピンアサインは,VFOありFDDの外付け化の記事に載せていますが,アスキーテクライト(編) (1993). 改訂版 PC-9800シリーズ テクニカルデータブック HARDWARE編 アスキー や, 吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ, Electrelic --> コネクタ資料集 --> DDK 57シリーズコネクタ --> 57シリーズ 50ピン コネクタ --> 【コネクタ】 FDD (PC-9801系 8インチ・2HD),JE1VUJ HOME PAGE --> PC98資料館 --> コネクタピンアサイン --> 1MBフロッピーディスク用コネクタ,レトロゲーム漫遊記 : episode2 --> HxCをPC-9801シリーズで使う。(その?) (2017年1月22日の記事)にもあります. ■TSUKUMO(ツクモ)製外付けFDDユニット用ケーブルの36ピンコネクタ 各社FDD修理いたします/FD1238T/FD-235GF というブログ(閉鎖されました)の2015年3月17日の記事,TSUKUMOの98用外付けFDD 36ピン端子ピンアサイン に,TSUKUMO製の外付けFDDユニット(注)の取扱説明書の,付属ケーブルの外付けFDDユニット側のアンフェノール36ピンフルピッチコネクタのピンアサインに関する記述のある箇所を撮影した画像が掲載されていました. 注:このケーブルが付属していた外付けFDDユニットの型番は不明です.上の取扱説明書の画像では本文中にERシリーズとあり,またページの一番下に TS-ER.20 の文字列(20は20ページ目の意?)があり,これらが外付けFDDユニットの型番のヒントになりそうです.HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_25 外付けFDD一覧表 で,型番がこの文字列に最も近いTSUKUMO製の外付けFDDユニットはTS-3ER(3.5インチデュアルドライブ)ですが,外部FDDコネクタが50ピンフルピッチコネクタということですので,これは明らかに違います.また同表での外部FDDコネクタが36ピンのTSUKUMO製外付けFDDユニットは,TS-5SR(5インチシングルドライブユニット)ですが(注),この型番はERシリーズのものとは考えにくいように思います. 注:TS-5SRに適合するTSUKUMO製110ピン-36ピンケーブル(PC-98/エプソン98互換ノート機用)の型番がTS-NS3CAと判明しましたので,本記事の内容とは全く関係ありませんが情報を載せておきます. 追記:九太郎さんの2025年1月13日のツイート に,TSUKUMO製TS-3NR1(3モード対応外付け3.5インチシングルドライブユニット)/TS-3NR2(同デュアルドライブユニット)の取扱説明書の一部のページの画像が掲載されましたが,その中の二つのページでは,一番下に TS-3NR.18 ないし TS-3NR.18 の文字列があります.このことから,上記のTS-ER.20 の文字列のうち .20 はページ数を示すものらしいとわかりました.また TS-ER は外付けFDDユニットの型番そのもの,あるいは少なくともシリーズ名を示しているものと思われます.従って上記の資料は,TS-ER,あるいはTS-3ERでないTS-ERシリーズの取扱説明書に掲載されている図と推測されます. この資料に基づき36ピンコネクタの各ピンの信号の推定を行いました.表中に記載された信号方向は外付けFDDユニット側からみたものです. |
14番ピンの "D2" と17番ピンの "D1" の二つの信号(いずれも外付けFDDユニットからPC本体へと送られる筈の信号)の正体が不明です.ドライブごとの何らかの独自信号と思われます.またいくつかの信号の方向には疑問があるようにも思われます. PC本体の1MB FDD I/Fの50ピンコネクタはDensity信号ピンを持たないので,外付けFDDユニット側のコネクタにHIGH(恐らくHigh Density)信号ピン(19番ピン)が用意されているということから,このケーブルとセットになっていた外付けFDDユニットは,デバイスドライバによって少なくとも2モードで動作させることが可能な製品であったと推測されます.しかしこのケーブルとセットになっていた外付けFDDユニットが具体的にどのようなものであったかは,この資料だけからは十分明らかにできません.14番ピンと17番ピンは,例えばデバイスドライバによる3モード動作に必要な信号のピンかとも考えましたが,通常の360/300信号はFDDに入力する信号であるため,この推測には無理がありそうです. PC本体の1MB FDD I/Fの50ピンコネクタの18・20・22番ピンはNCということになっていますが,14・17番ピンと18番ピンは,これら三つのピンを介して本体と接続されているのかもしれません(VFOありFDDの外付け化も参照).いずれにせよ14番ピンの "D2" と17番ピンの "D1" の問題があるため,上記の資料からは当該FDDユニットに対応(少なくとも当該FDDユニットの全機能に対応)した外付けケーブルの結線を確定することは困難です. あだちの再生工房 日記2 --> PC-9801の外付け5インチFDDケーブル(36pinー50pin 変換)の作成(2022年3月27日の記事)に,TSUKUMO製外付け5インチFDDユニット,TS-FHD MKII(内蔵ドライブはFD1157D)のアンフェノール36ピンフルピッチコネクタのピンアサインの情報が掲載されました[ユニット内部の画像もあり,外部接続用36ピンコンネクタがFD1137D(コネクタは34ピン)とストレート結線のフラットケーブルで接続されているのがわかります].ドライブが2モードのためか,14ピンと17ピンがGNDである以外は上記の推定と同じピンアサインとなっています.またTSUKUMO製外付け3.5インチFDDユニットである TS-3EX(TS-MFD)(注1)の外部接続用36ピンコンネクタも,ケース内でFD1137D(34ピンコネクタ,P/N 134-500534-201-0)とストレート結線のフラットケーブルで接続されています(おふがおさんの2022年7月26日のツイート を参照).外部接続用36ピンコネクタのうち,一方の端の18番ピンと36番ピンを除く(この2本のピンはNC)34ピン分がFD1137Dのコネクタとピン番号の順に一対一で結線されています[おふがおさんの2022年7月26日のツイート を参照].外部50ピンコネクタと36ピンコネクタとを持つPCLINE 5SH(内蔵ドライブはFD1157D)の36ピンコネクタ側の内部結線もほぼ同じでが,このユニットには2HD/2DD切替スイッチがあるようで,Density信号ピンは切替スイッチに結線されています[おふがおさんの2022年6月16日のツイート(1・2)を参照].またTSUKUMO製TS-3NR1(3モード対応外付け3.5インチシングルドライブユニット)/TS-3NR2(同デュアルドライブユニット)のアンフェノール36ピンフルピッチコネクタは,Drv Sel 2・3信号ピンがなく,Density信号ピンに対応すると思われる19ピンがシステム予約ピン(内部接続ありといいますが,このユニットは2HD/2DD切替スイッチがありますので,そちらに結線されているものと思われます)である以外は,上のTS-FHD MKIIのコネクタとピンアサインは同じ(注2)と思われます(九太郎さんの2025年1月13日のツイート を参照). 注1:TS-3EXに元々付属していたケーブルは,PC本体の1MB FDD I/Fコネクタに接続するものではなく,内蔵FDDケーブルから信号を分岐させてPC外部に引き出すケーブル(信号切り替え用スイッチボックス付き)とのことです(この情報はかかっくんさんよりいただきました).このケーブルについては,1MB FDD I/Fの製作の記事の ここ を参照. 注2:TS-3NRシリーズの9ピンの "2SID" は "Two Side Disk" を意味すると思われますが,このピンはTS-ER(あるいはTS-3ERでないTS-ERシリーズ)やTS-FHD MKIIでの Drive Selected ピンに対応するものでしょう.TS-3NRシリーズのFDD(TEAC製FD235HGあたりでしょうか)は Drive Selected ピンを持たないと思われますので,このピンは "GNDに接続されるピン" と理解すればよいでしょう. TSUKUMO製外付け5インチFDDユニットTS-5ARの外部接続用36ピンコンネクタもこれらとほぼ同じピンアサインと思われます(UME-3さんの2025年1月13日のツイート を参照).Drv Sel信号ピンやDensity信号ピンなどの扱いに注意すれば,これらの外付けFDDユニットに対応したケーブルを作成できそうです(具体的には各ハイパーリンク先を参照).両端に50ピン-36ピン両コネクタを持つTSUKUMO製の外付けFDDユニット用ケーブルには,結線の異なるものが複数あるとの説を耳にしたことがあり,長くその真偽が不明でしたが,結線が互いに全く異なるケーブルが存在するわけではないが,一部の結線には際があるらしいという意味で,その説は正しかったということになります. ■コンピュータリサーチ(CRC)製外付けFDDユニット用ケーブルの36ピンコネクタ コンピュータリサーチ(CRC)製外付けFDDユニット(型番は CRC-FD3.5SS らしく,またVFO基板は CPC-VFOB)のアンフェノールフルピッチ36ピンメスコネクタのピンアサインが,sakuradai11さんの2020年12月29日・31日・2021年1月16日のツイートで報告されています.このFDDユニット用のケーブルの36ピンオスコネクタのピンアサインは,ツイートの画像にあるメスコネクタのものを左右反転したものとなります. 【追記】上記のツイート群が非公開となり,その後アカウントが削除されて参照できない状態となりましたので,手元に保存してあった2020年12月31日のツイートの画像を2/3に縮小しjpg形式に変換した画像を下に引用します. |
Sync信号ピンがありませんが,これはCRC-FD3.5SSのVFO基板(CPC-VFOB)に採用されているVFO ICであるSED9421C0BがSync信号を持たない(= sync信号を使用しない)ためです(注).SED9421C0BのデータシートとSED9421C0Bを使用したVFO回路の例については,VFO ICについての記事を参照. 注:コンピュータリサーチ製の外付けFDDユニットのコネクタの10ピンはSync信号ピンとの情報があります(なおさんの2023年9月5日のツイート を参照).同社製の外付けFDDユニットでSED9421C0B以外のVFO ICが使用されているものがあるのでしょうか.sakuradai11さんの2021年1月16日のツイートのCRC-FD3.5SSの36ピンコネクタの裏面と思われる画像(当該ツイートが削除されて閲覧できなくなってしまっていますので,元画像を半分に縮小後ガンマ補正値を上げjpg形式に変換した画像を下に引用します)には,SYNCの文字列が書かれたジャンパスイッチがありますが,SED9421C0B以外のVFO ICが使用された外付けFDDユニットでショートの設定にするものなのでしょうか. |
追記:わんくんさんの20233年8月8日(1・2)・9日のツイートに,上記のsakuradai11さんのデータを確認したとの報告があります. ※CRC-FD3.5SS付属のACアダプタ(CRC AC ADAPTER,+7V-800mA,丸ピンセンタープラス)は同社製CRC-FD3.5ST-2でも使用可能といいます(sakuradai11さんの2020年12月31日のツイートを参照). 他にランドコンピュータ(LAND COMPUTER)製の外付けFDDユニット(2HDモード)にもアンフェノールフルピッチ36ピンコネクタを持つものがありますが,コネクタのピンアサインは判明していません. |