1MB FDD I/Fの製作


本体に1MB FDD I/Fコネクタを持たないPC-9801BX/BA以降のPC-98で外付けFDDを使用するためには,Cバススロットに挿す1MB FDD I/Fが必要となります(注).
 注:本記事の末尾に,1MB FDD I/Fを使用せず,一対の内蔵FDDケーブルのそれぞれに最大2台のFDDを接続し,それらを切り替え器などで切り替えて使用する方法の案を示しました.

1MB FDD I/Fはすべて生産終了となりましたので,新たに入手しようとする場合にはインターネットオークションを含む中古市場で探すことになりますが,相当品を自分で作ることもできます.

本記事では1MB FDD I/Fの製作のための資料を提供します.結線の調査に使用した1MB FDD I/Fは,SAFRONICの11-0671-B,LogitecのLFA-19,NECのPC-9821A2-E02です(注).また,HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_24 A_MATE用FDD_I/F にて公開されている,まささん作成のMATE-A用1MB FDD I/F回路図,およびCanBe以外のFD1231T内蔵機種用1MB FDD I/F回路図[まささんのYahoo!ブリーフケースで2007年10月24から一時的に(?)公開されていたもの.ファイル名 MATE_X.pdf,2000年9月26日版]も参照させていただきました.またaochanさんとまささんよりご指導を賜りました.
 注:余談ですが,基板上のコネクタ間の結線状態と付属ケーブルの種類と結線状態の調査を行うためだけに,大変な出血をしてLFA-19の新古品を購入しました.LFA-19はすべてのタイプの1MB FDD I/Fとして使用できる製品の一つであるため,1MB FDD I/Fの全貌を手っ取り早くかつ確実に明らかにするためには,どうしてもこれの未開封品を手に入れる必要がありました.既に持っていた11-0671-B(注1)では,MATE-AとMULTi/CanBe用のFDD I/Fの結線が明らかにできず,またPC-9821A2-E02(注2)では独自の統合チップが使用されているため,MATE-Aでの一部の信号の処理内容が明らかにできませんでした.
   注1:以前住んでいた土地で,近所の人が廃棄するというので譲り受けたPC-9801BX2/U2に取り付けられていたもので,34ピンコネクタのFDDを内蔵した機種用のケーブルはありませんでした.
   注2:地方の中古PCショップの店頭の無料品段ボール箱から貰ってきたもので,ケーブル類は一切ありませんでした.当時はこれが何のボードなのか知らず,いくつか再利用できそうな部品が付いているし,うまくいけばパラレルI/Oボードを自作する際のベースにできるかもしれないくらいに考えていました.「お一人様どれでも一個のみ」の条件で,ボールが失われた古いバスマウス(ぱそこん倶楽部の商品画像のと同じものだったと思います)とこれのどちらにしようか迷った記憶がありますが,こちらを選んで正解でした.


 ※外付けFDDユニットの作成についてはVFOありFDDの外付け化 をご覧下さい.

1MB FDD I/FはCバススロットに装着するボードの形状をしてはいますが,そこで伝達される信号は,内蔵FDDケーブルから分岐した信号と,マザーボード上の8ピンないし12ピンコネクタから引いた信号(VFO関連信号等)のみであり,Cバススロットと電気的に接続されているのは,バッファICやプルアップ抵抗に供給するための電源(+5V)とGNDの2種類の端子のみです.従ってバッファICを用いない場合,Cバスボードの形状である必要はなくなります.そこで本記事では,バッファICを省いて結線を簡単にしたケーブル状の1MB FDD I/Fについて記述します.

バッファICを信号伝達経路中に挿入すれば,市販の1MB FDD I/Fと同等のものが作成できます.バッファICは,74LS125などの3ステートICでなくても構いません.またバッファと称していなくとも,バッファ的に機能するものであれば構いません.実際には,11-0671-B,LFA-19,PC-9821A2-E02では,74LS125,74LS38,74LS06,74LS14が用いられています.この場合,FDD信号は負論理であること,信号の方向(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_2 FD1231Tとマザーボードとの接続回路図,FDD_5 2台接続用ケーブル回路図 34PIN_FDD用PC9821XA-E02 添付ケーブル,FDD_6 2台接続用ケーブル回路図 26PIN_FDD用 PC-9801BX2/U2標準接続回路図,FDD_10 PC-9821-K08ケーブルとその接続 などを参照),出力回路はオープンコレクタ出力であることなどに注意して下さい.ICの使い方にあまり馴染みのない方は,HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_24 A_MATE用FDD_I/F や,Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> 殆どAT機のPC-9821V166(こだわりV166) の記事で公開されている回路図などを参考にして下さい.MATE-Aや用FD1231T内蔵機種用であれば,これらの回路図の通りに作るのが一番簡単でかつ確実でしょう。FD1138TやFD1158C内蔵機種用でも,これらの回路図でのICの使い方が参考になります(というよりも,殆どそのままの形で適用できます).ところで回路図というものは,慣れていないと読むのに幾分抵抗を感じる人もいるかもしれません.その場合には,その回路図を見ながら,手書きでも何でも結構ですので,ご自分にとってわかりやすい形に(さらには実際の回路を組み立てやすい形に)その回路図を書き直してみるとよいでしょう.これは筆者もよくやっています.

非常に古い外付けFDDケーブルの中にはかなりの長さを持つものが存在しますが(恐らく8インチFDDユニットを接続するためのものでしょう),信号経路中にバッファICを挟まない場合には,PC-98本体内部のICのドライブ能力と外付けFDD側のターミネーション条件を考えると,そのようなケーブルの使用は避けた方がよいでしょう[筆者が実験した限りでは,1.5m程度の外付けFDDケーブルを用いた場合でも,バッファICを用いないこのケーブル状の1MB FDD I/Fでも外付けFDDの動作に支障は認められませんでした.勿論短いケーブルが利用できるならそれを使用した方がよいでしょう(SCSIケーブルは外付けFDDケーブルとしても使用できます.逆は不可です).なおFDDのターミネーションに関しては,FDDの信号レベルとターミネータの値 を参照して下さい].

1MB FDD I/Fをケーブル状のものにした場合,外部コネクタの固定の問題があります.市販の1MB FDD I/Fでは外部コネクタの形状はアンフェノールフルピッチ(メス)です.Cバス用のSASI I/Fの多くや一部のSCSI I/Fではこの型の外部コネクタが使用されていますので,1MB FDD I/Fで同じ型のコネクタを採用する場合には,コネクタをユニバーサル基板などに取り付けてから基板をブラケット(I/FのCバス用コネクタと反対側の端にある金属部分)にネジ留めするなどすれば,これらのI/Fのブラケットを利用できます(これらのI/Fのブラケットには,I/Fの基板部分をネジ留めするための耳状の出っ張りがあるのが普通です).

また,このコネクタを小さくした形のアンフェノールハーフピッチメスコネクタを外部コネクタにする場合には,コネクタの固定に一般的なSCSI I/Fのブラケットが利用できます("MATE-Aの場合" で紹介するように,MATE-Aの場合にはSCSI専用スロット用のSCSI I/Fのブラケットに取り付けることも可能です).この場合,外付けFDDケーブルにはハーフピッチコネクタとフルピッチコネクタを各端に持つSCSIケーブルやPC-H98用のFDDケーブルが利用できます.Dサブハーフコネクタを外部コネクタに用いる場合も同様です.

これらのコネクタは50ピンですが,25ピンや37ピンのコネクタを用いることも可能です.ただしこの場合は,利用できるブラケットの入手が難しく(前者は一部のSCSI I/Fで,後者はICMのSASI I/Fと一部のSCSI I/Fで採用されていました),また外付けFDDケーブルを自作する必要もあるので作業が大変です.

金属板にコネクタ取り付け用の穴を開けるのは,卓上ボール盤(注1),テーパーリーマ(穴を拡げるための工具),金工用ヤスリ等の工具がなければ大変ですし,これらの工具を用いても,作業には結構な手間が必要です.卓上ボール盤の代わりに100円ショップで売られている下図上のような小型ドライバ状のハンドドリルを用いても穿孔は不可能ではありませんが(注2),穴を1個開けるだけでもかなりの時間と労力がかかります.特に鉄板の場合は本当に作業が大変です.アルミ板の場合は,厚さにもよるものの,鉄板の場合ほど労力はかかりませんが,作業が大変なのは同じです.一方,金属板ではなく,アクリル板や厚めのプラスチック板にコネクタ取り付け用の穴を開けるのは,100円ショップで売られているハンドドリルとヤスリセット程度の工具を用いても比較的容易に行えます.なお下図下のような手回しドリル(ホームセンターなどで2,000-3,000円程度)は,ある程度扱いに習熟していないと,小さな金属板に正確に穿孔する作業には向きません.なお穴を開けると円周に沿ってバリが出ますが,これはヤスリで削り落としてもよいですし,ネジ穴などの場合には面取りリーマを使って削り取ると簡単です.
 注1:ホームセンターなどで売られている7,000-10,000円程度のもので十分です.バイス(穿孔対象物を固定するための万力)も付属しています.ただしドリルビット(ドリル部分.螺旋状の歯が刻まれている棒状の部品)は別に購入する必要があります.勿論金属加工用のものを選ぶ必要がありますが,100円ショップなどでも扱いがあります.購入の際は店頭で実物を見て機種を選定するのがよいでしょう.また持っている人が身近にいれば,頼めば使わせてもらえる場合もあるでしょう.
 注2:ダイソーの商品の名称は "精密ハンドドリル" (工具-穴あけ-No.4)で,ドリル部分の直径は0.5-3.0mmまでの10種類がありますが,販売時期や店舗によっては,一部のものしか,あるいは全く置いていない場合もあります.例えば筆者の最寄りの店舗では,直径2mmのものだけを置いていましたが,工具コーナーの大幅縮小により現在は扱いがなくなってしまいました.なお手芸用として販売されている製品もありますが,これはビーズ等の比較的柔らかい素材に穿孔するためのものですので,金属への穿孔には使用できません.
   ドリルビット(直径1-6mm程度のものなら,100円ショップでも鉄工用のものも含め扱いがあります)に柄の部分を取り付けてハンドドリルとして使用できるようにするピンバイスという道具もあります.これはホームセンターなどで1,500円前後で売られています.直径3mm程度までのドリルビットに対応するものが多いようです.筆者が使用しているものは,兼古製作所(ANEX)製のNo.98(対応ドリル径0.1-3.2mm)です.ただしこれらは本来プラスチックなどに穿孔するための工具で,金属材料への穿孔作業用に用意されているものではありません.


しかしそれでも,SCSIボード,640KB-1.2MBハードウェア切換ボードPCカードスロット増設アダプタのI/Fボードなど,使用されていない部分の大きなブラケットをもつI/Fでは,その部分に穿孔して外部FDD接続用のコネクタを取り付けることができれば,スロットの節約になります(下の "CanBe以外のFD1231T内蔵機種・MATE-A以外の5インチFDD(FD1158C)内蔵機種の場合" の完成画像を参照).またI・OデータやICMのセカントバス対応のベースボードでは,セカンドバスI/Fの外部コネクタ取り付け用のブラケット開口部に,他のSCSI I/Fなどから切り出したハーフピッチSCSIコネクタ取り付け部分を固定し,そこに外部FDD接続用コネクタとしてハーフピッチSCSIコネクタを取り付ければ,同様にスロットの節約になります(ICM製のI/Fの場合には開口部付近の加工が必要となります).ただしこの工作を行った場合,I/F本来の外部機器接続用SCSIコネクタと新たに増設した外部FDD接続用コネクタとが隣接することになりますので,接続先の機器を間違えないよう十分注意する必要があります.SCSIコネクタ(エマティなリサイクル --> 研究発表会 --> SCSIケーブルピンアサイン表 を参照)とFDDコネクタでは,GNDピンの位置が上段・下段間で逆になっていますので,ケーブルを誤接続して通電してしまった場合には,ケーブルや機器が焼損してしまいます.実際,筆者は3.5inch FDDと100MBのSCSI HDDのコンボドライブであるTEAC製DD-1101A(外部コネクタはFDD・HDD側ともにアンフェノールハーフピッチ50ピンで同型)でこの事故を起こしてしまったことがあります(DD-1101Aについては HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_25 外付けFDD一覧表 を参照).

この工作を行ったI・Oデータ製SC-98IIIPの画像です.左側(Dサブハーフコネクタ)がSCSIコネクタで,右側(アンフェノールハーフピッチコネクタ)がFDD接続用コネクタです.右側のコネクタが取り付けられている金属板は,古いPCI SCSI I/Fのブラケットの一部を切り出したものです.


※このような "複合ボード" 型の1MB FDD I/Fには,メーカーから製品として発売されていたものもありました.α DATA製のAD-FS2は,PC-9801-26K互換のFM音源と1MB FDD I/F(外部コネクタはアンフェノールフルピッチコネクタ)の複合ボードでした.ジョイスティック端子もついていました.ヤフーオークションで出品者IDが nio1384o,オークションIDが o333607025(2019年8月12日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換)した画像を引用します.



本体のリアパネルの空いている位置にコネクタを取り付けた例もあります(Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> 殆どAT機のPC-9821V166(こだわりV166) を参照).ただしリアパネルの鉄板は厚いため,加工には大変な労力を要します.

外部アンフェノール/セントロニクスフルピッチ50ピンメスコネクタのピンアサインは,VFOありFDDの外付け化に示してありますが,Electrelic --> コネクタ資料集 --> DDK 57シリーズコネクタ --> 57シリーズ 50ピン コネクタ --> 【コネクタ】 FDD (PC-9801系 8インチ・2HD) にも資料があります.

外部50ピンメスコネクタのRead Data信号ピンは,内蔵FDDケーブルのコネクタのRead Data信号ピンでなく,8ピン/12ピンミニコネクタの方のRead Data信号ピンと結線します.VFOを内蔵した5インチFDDを内蔵させるためのケーブルで,VFOを内蔵した5インチFDD(これは増設形態は内蔵であっても,PCからは外付け扱いとなります)のRead Data信号ピンが8ピン/12ピンミニコネクタのRead Data信号ピンと結線されるのも同じ理由によります(5インチFDD内部増設用ケーブルを参照).
 Read Data信号はVFOのない内蔵FDDのものとVFOを内蔵した外付けFDDのものとで異なります.内蔵FDDがRead Data信号(Raw Data:データビットとクロックビットが合成された信号."データ" はこの状態でメディアに記録されています)をそのまま出力するの対して,外付けFDDからは,VFO(データセパレータ)によりRaw Dataから分離されたデータビットのみがRead Data信号として出力されます[藤井 敦 (1988). フロッピ・ディスク・システムの基礎 トランジスタ技術SPECIAL No.11 特集 フロッピ・ディスク・インターフェースのすべて ――需要の急増するFDDシステムの基礎から応用―― CQ出版社, pp.2-31.].これがマザーボードの8ピン/12ピンミニコネクタを通じてPCのFDCに伝えられます.

内蔵FDDが3モードFDDの場合,1MB FDD I/F側に360/300信号を入力させる必要はありませんので,この信号は単に不接続(NC)としています.市販の1MB FDD I/Fでは,360/300信号ピンに対応する基板上のピンを1kΩまたは10kΩ抵抗でプルアップしてありますが(11-0671-B,LFA-19,およびPC-9821A2-E02で確認),NEC純正の内蔵5インチFDD増設ケーブルであるPC-9801B3-K01・PC-9821-K08ともに,5インチFDDコネクタ側ではこの信号ラインは切断されているだけですので,1MB FDD I/FでもNCで問題なかろうと判断しました.実際,筆者のところではそれで動作上の問題が生じたことはありません.

アンフェノール/セントロニクスフルピッチ50ピンメスコネクタの現行品には,第一電子工業(DDK)の下記の製品があることを確認しています(この情報はtshさんよりいただきました):
  57-4500(ハンダづけ型),57-40500-9(ハンダづけ型),57GE-40500-751-FA(ハンダづけ型),57GE-40500-751(D15)-FA(ハンダづけ型),57FE-40500-20S(圧着型),57RE-40500-7(または8)30B-FA・および57RE-40500の他のファミリー(L型・ハンダづけ型)
 参考リンク:57シリーズ57Eシリーズ57FEシリーズ57GEシリーズ57REシリーズ.嵌合表もあります.

また,26/30/34ピンのフラットケーブル圧着(圧接)用コネクタは,国内外の様々なメーカーの現行品があります.ここでは,ヒロセ電機(HRS)の製品の型番を記します.なおユニバーサル基板などにハンダづけするタイプのコネクタは,これらのものとは型番が異なりますので,購入時には注意して下さい(メーカーや通信販売のサイトで確認して下さい).圧着に必要な工具については,コネクタ圧着用の工具を参照して下さい.
 (1) フラットケーブル圧着(圧接)用26/30/34ピンMILメスコネクタ("ソケット")
    HIF3B-26D-2.54R(26ピン)/HIF3B-30D-2.54R(30ピン)/HIF3B-34D-2.54R(34ピン)
    HIF3BA-26D-2.54R(26ピン)/HIF3BA-30D-2.54R(30ピン)/HIF3BA-34D-2.54R(34ピン)
 (2) 同オスコネクタ["プラグ",ロック(mold clamp)*付き]
    HIF3BA-26PD-2.54R-MC(26ピン)/HIF3BA-30PD-2.54R-MC(30ピン)/HIF3BA-34PD-2.54R-MC(34ピン)
   *両脇から内側に折り込むレバーのような部品

8ピン/12ピンミニコネクタの型番や調達方法については,26/30ピンコネクタと8/12ピンミニコネクタの作り方を参照して下さい.


以下,10kΩとあるところでは,外部50ピンメスコネクタの端子を10kΩ程度の抵抗でプルアップ(抵抗の他方の端を+5Vに接続)します.

□MATE-A以外のFD1138T・FD1148T(26ピン)内蔵機種の場合
■メインケーブル(内蔵FDDケーブルと接続)
(1) マザーボード上のFDDケーブル接続用30ピンオスコネクタと接続されている30ピンメスコネクタと接続する場合
コネクタ配置は,30ピンオスコネクタ(内蔵FDDケーブルと接続) - 30ピンメスコネクタ(マザーボードと接続) - 50ピンメスコネクタ(外部FDDコネクタ)の順となります.
以下,30ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ 部分の結線です.プルアップ用の+5Vは30ピンコネクタの1,3,5ピンのいずれかから取るのがよいでしょう.


GNDライン同士はすべてを結線しなくてもよいようですが,なるべく多くのラインを結線した方がよいと思います(筆者はすべて結線しています).

(2) 1台目のFD1138T・FD1148Tと接続されている26ピンメスコネクタと接続する場合
コネクタ配置は,26ピンオスコネクタ(1台目のFDDと接続されていたFDDケーブルのコネクタと接続) - 26ピンメスコネクタ(1台目のFDDと接続) - 50ピンメスコネクタ(外部FDDコネクタ)の順となります.プルアップ用の+5Vは26ピンコネクタの1,3,5ピンのいずれかから取るとよいでしょう.
以下,26ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ 部分の結線です.


■サブケーブル(Cバスボックス脇の8ピンミニコネクタと接続)
これは上の(1),(2)とも同じです.
以下,8ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ の結線です.


完成品の画像です.


マザーボード上のFDDケーブル接続用30ピンオスコネクタ,FD1138T・FD1148Tの26ピンオスコネクタとも11ピンがDENSITY信号ピンであり,この信号を2HD/2DDハードウェア自動切り替えに対応した外付けFDDに接続すれば,外付けFDDを2HD/2DDメディア自動判別で動作させることができます(VFOありFDDの外付け化を参照).ただしこの方法では2DDメディアからのシステムブートはできません.
 ※2モード切替の外付けFDDにセットされた2DDメディアからのシステムブートを可能にするソフトウェアが,PC-9821およびDOS/VソフトウェアのページEXT2DDBT (IPLware) で公開されています.対応機種は,PCIバスのない機種ではAp/As/Ae/An/Ap3/As3/BX3/BA3(およびこれらに相当するアーキテクチャの機種)およびPCIバス搭載のintel chipset機(初代Xa/Xt/Xf/St15/St20を除く),WildCat(VLSI)chipset機種(Xa7/C-Xa16/K/Xt13-Xt16,一部のXa7e),RCC/Server Works chipset機(RvII26/RsII26)とのことです.


□CanBe以外のFD1231T内蔵機種(注)・MATE-A以外の5インチFDD(FD1158C)内蔵機種の場合

:Owltec製の1MB FDD I/FであるEX98-F05の取扱説明書には,PC-9821V7/C4KとPC-9821V10/C4R(いずれもCRT一体モデル)ではこのI/Fが使用できないとあります(Logitec製のLFA-19の取扱説明書には,対応機種・非対応機種のいずれにもこれらの機種の名前がありません).これはこれらの機種には8ピンミニコネクタがないためなのかもしれません(未確認です).もしそうならば,通常の方法では外付けFDDユニットを接続して使用することはできません(どうしても使用したいという場合には,"MULTi/CanBeの場合" のここを参考にして下さい.ただし,機種によっては内蔵FDDケーブルコネクタにDS1信号が出力されていないものがあるようで(注),これらの機種がそれに該当するのであれば,この方法でも外付けFDDは使用できません).
 注:大熊猫のぺぇじ --> HDDモデルなA-MATE数機種の2FDD化 の記事(注1),および おふがおさんの2020年11月9(123)・10(12)・11(12)・12日(12)のツイートを参照].
   注1:PC-9821AfでもDS1信号自体は出力ないし生成されている可能性があります(PC-9821/9801スレッド Part86の649・650番の投稿 を参照).なお公開されずに終わったようですが,零工房ホームページへようこそ! --> 旧ホームページ(初代)はこちらから --> 工作室 に "内蔵FDDの2台化(工事中)" の見出しがあり,Afに2台のFDDを内蔵させる工作に成功した例があったものと思われます.

■メインケーブル(内蔵FDDケーブルと接続)
コネクタ配置は,34ピンオスコネクタ(1台目のFDDと接続されていたFDDケーブルのコネクタと接続) - 34ピンメスコネクタ(1台目の内蔵FDDと接続) - 50ピンメスコネクタ(外部FDDコネクタ)の順となります.
以下,34ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ 部分の結線です.この34ピンコネクタはコネクタの種類とピン番号 の "34ピンコネクタ①" です.


■サブケーブル(Cバスボックス脇の8ピンミニコネクタと接続)
「MATE-A以外のFD1138T・FD1148T(26ピン)内蔵機種の場合」と同一ですが再掲します.
以下,8ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ の結線です.


FDDケーブル,FDDともに2ピンがDENSITY信号ピンであり,この信号を2HD/2DDハードウェア自動切り替えに対応した外付けFDDに接続すれば,外付けFDDを2HD/2DDメディア自動判別で動作させることができます(VFOありFDDの外付け化を参照).ただしこの方法では2DDメディアからのシステムブートはできません.
 ※2モード切替の外付けFDDにセットされた2DDメディアからのシステムブートを可能にするソフトウェアが,PC-9821およびDOS/VソフトウェアのページEXT2DDBT (IPLware) で公開されています.対応機種は,PCIバスのない機種ではAp/As/Ae/An/Ap3/As3/BX3/BA3(およびこれらに相当するアーキテクチャの機種)およびPCIバス搭載のintel chipset機(初代Xa/Xt/Xf/St15/St20を除く),WildCat(VLSI)chipset機種(Xa7/C-Xa16/K/Xt13-Xt16,一部のXa7e),RCC/Server Works chipset機(RvII26/RsII26)とのことです.

完成品の画像です.内蔵FDD2台接続用ケーブルと一体化させ,またPC-9821XA-E01のブラケットを加工して外部FDD接続用コネクタを取り付けてあります.またDENSITY信号を引き出してミニジャックに接続してあります.なおサブケーブルが二つに分かれているのは,8ピンミニコネクタの手持ちがなく,代わりに4ピンミニコネクタを2個使用したためです.


 ※本記事で紹介しているケーブル型の1MB FDD I/Fでは,PC-9821V233などのいわゆる青札タワー型機(同時期以降の機種も?)では(筆者は当該機種を所有していないため確認できません),内蔵FDDケーブルの先に外付けFDDが直接接続される形となるため,FDDの合成抵抗値の関係から,内蔵FDD(FD1231T)と外付けFDDの合計が3台以上では外付けFDDが動作不良を起こすと思われます(5インチFDD内部増設用ケーブル を参照).この場合には,信号経路中にバッファ用のICを挟むなどする必要があります.ICとの結線に関しては本記事の最初の方にある黒枠内を参照して下さい.


□MATE-Aの場合
MATE-Aでは過去の資産の継承という点から,8インチFDDの動作に必要な信号(Low Write Current,Two Side Disk,File Unsafe,File Unsafe Reset)もマザーボードより出力されており,PC-9821A2-E02とその互換I/Fでは8インチFDDも使用できるようになっていますしかし実際にはこれら四つの信号を欠いた状態でも8インチFDDが読み書きできる場合があります(注).しかし現在では8インチFDDが使用されるケースは稀であろうとの考えから,ここで紹介する結線では上の四つの信号のラインが省かれています.なおこれら四つの信号も含めた12ピンミニコネクタの全信号については,LFA-19のMATE-A用12ピンサブケーブル接続用コネクタと外部50ピンコネクタとの結線 を参照して下さい.
 注:PC-9801-87(およびその互換I/F)に8インチFDDを接続を参照.検討が十分ではありませんが,MS-DOSでの読み書きには問題がないかもしれませんが,DISK版N88-BASIC(86),いわゆるDISK BASIC使用時に何らかの不具合があるのかもしれません.

■メインケーブル(内蔵FDDケーブルと接続)
(1) 3.5インチFDD(FD1138T,FD1148T)内蔵機種の場合
「MATE-A以外のFD1138T・FD1148T(26ピン)内蔵機種の場合」と同一です.ただしMATE-Aではサブケーブル中にインバータICを含むため,30ピンコネクタ・26ピンコネクタいずれの場合でも,1,3,5ピンのどれか1つをプルアップ抵抗とインバータICのVCCピンに結線します.

(2) 5インチFDD(FD1158C)内蔵機種の場合
「CanBe以外のFD1231T内蔵機種・MATE-A以外の5インチFDD(FD1158C)内蔵機種の場合」と同一です.ただし,PC-9821As3/M2またはPC-9821Ap3/M2にファイルベアイアダプタ(PC-9821A3-E01)を装着した場合には,ファイルベアイアダプタのセットに含まれる短いケーブルを介して内蔵FDDケーブルをファイルベイバックボードに接続するため,(1)と同じ結線となります(このケーブルがない場合には,30ピン-34ピン変換ケーブル(ファイルベイアダプタ付属ケーブル同等品)を参考に製作して下さい).
プルアップ抵抗とインバータIC用の+5Vは,As2,Ap2,Anの各機種では,HDD籠の電源コネクタ,内蔵FDDケーブル(3.5インチFDD搭載機種ではケーブルの1・3・5番),Cバスのバックボード裏面[Cバス端子のA49・A50・B49・B50(Cバスの信号を参照)],ファイルスロット/ファイルベイバックボード上のFDD電源ケーブル接続用コネクタの裏面(+5Vと+12Vのピンが通常とは逆の内蔵機器用電源ケーブルを参照)等から取ります.

■サブケーブル(Cバスボックス脇の12ピンミニコネクタと接続)
以下,12ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ の結線です.12ピンコネクタの1,2,5,6の各ピンからの出力はインバータを介して50ピンコネクタのピンに結線します.この4本のラインでは12ピンコネクタから50ピンコネクタに信号が流れます.インバータの向きに注意して下さい.


インバータICにはオープンコレクタタイプのTTL ICである74(LS)05や,シュミットトリガタイプの74(LS)14の使用を推奨します.


完成品の画像です.


MATE-AではSCSI専用スロット開口部に外部FDD接続用コネクタを設置することもできます.ブラケットは(NECチェックを行うため,今となっては一般的にはあまり利用価値のない)PC-9801FA-02などのものを利用するか,金属板やプラスチック板を加工して自作するとよいでしょう.


3.5インチFDD内蔵機種ではファイルスロット/ファイルベイバックボード上のFDDケーブル接続用コネクタ・内蔵FDDともに11ピンが,また5インチFDD搭載機種ではこれらの2ピンがそれぞれDENSITY信号ピンです.このDENSITY信号を,2HD/2DDハードウェア自動切り替えに対応した外付けFDDに接続すれば,外付けFDDを2HD/2DDメディア自動判別で動作させることができます(VFOありFDDの外付け化を参照).ただしこの方法では2DDメディアからのシステムブートはできません.2DDメディアからシステムを立ち上げるためには,本体の拡張スロットに640KB-1.2MBハードウェア切換ボード(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_26 640KB-1.2MBハードウェア切換ボード と640KB-1.2MBハードウェア切換ボードについてを参照)を増設する必要があります.この場合,外付けFDDのDENSITY端子は,640KB-1.2MBハードウェア切換ボードのミニジャックか,内蔵FDDのDENSITY端子と接続します.ただし筆者が確認した限り,この方法での2DDメディアからの起動が可能なのは,PC-9821Ap/Ap2(後者では起動を可能にするシステムセットアップメニューのFDDの設定に個体差?があるようです)で,PC-9821As3/C8Wでは起動はできませんでした.
 ※2モード切替の外付けFDDにセットされた2DDメディアからのシステム起動を可能にするソフトウェアが,PC-9821およびDOS/VソフトウェアのページEXT2DDBT (IPLware) で公開されています.対応機種は,PCIバスのない機種ではAp/As/Ae/An/Ap3/As3/BX3/BA3(およびこれらに相当するアーキテクチャの機種)およびPCIバス搭載のintel chipset機(初代Xa/Xt/Xf/St15/St20を除く),WildCat(VLSI)chipset機種(Xa7/C-Xa16/K/Xt13-Xt16,一部のXa7e),RCC/Server Works chipset機(RvII26/RsII26)とのことです.


□MULTi/CanBeの場合(注)
筆者はMULTi/CanBeを所有しておらず,実機での動作確認を自身で行うことはできません.しかしLFA-19の解析結果およびどるこむの二つの過去ログ,[25026] PC-9821C2-E02をMATE-Xで使う[25142] Cx13に87ボードに基づく限り,下記の結線で正しいはずです.
  注:PC-9821Cb/Cb2/Cb3/Cb10/Cr13/Cu10/Cu13/Cu16/Ct16/Ct20には1MB FDD I/Fを増設できません(どうしても5インチFDDを接続したいという場合には,ここを参考にして下さい).

■メインケーブル(内蔵FDDケーブルと接続)
これは信号的には「CanBe以外のFD1231T内蔵機種・MATE-A以外の5インチFDD(FD1158C)内蔵機種の場合」と同じはずですが,コネクタ配置を,34ピンメスコネクタ(1台目の内蔵FDDと接続) - 34ピンオスコネクタ(1台目のFDDと接続されていたFDDケーブルのコネクタと接続) - 50ピンメスコネクタ(外部FDDコネクタ)の順に変更した方が接続しやすいかもしれません.
以下,34ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ の部分の結線です.34ピンコネクタはコネクタの種類とピン番号 の "34ピンコネクタ①" です.



■サブケーブル(Cバスボックス脇の12ピンミニコネクタと接続)
これは,「MATE-Aの場合」のサブケーブルでインバータを挟まないものに等しいはずです.以下,12ピンメスコネクタ - 50ピンメスコネクタ の結線です.


FDDケーブル,FDDともに2ピンがDENSITY信号ピンであり,この信号を2HD/2DDハードウェア自動切り替えに対応した外付けFDDに接続すれば,外付けFDDを2HD/2DDメディア自動判別で動作させることができます(VFOありFDDの外付け化を参照).ただしこの方法では2DDメディアからのシステムブートはできません.
 ※2モード切替の外付けFDDにセットされた2DDメディアからのシステム起動を可能にするソフトウェアが,PC-9821およびDOS/VソフトウェアのページEXT2DDBT (IPLware) で公開されています.ただしこれがMULTi/CanBeで使用できるかどうかは確認が取れていません.

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LFA-19の取扱説明書の記述によれば,PC-9821Cb/Cb2/Cb3/Cb10/Cr13/Cu10/Cu13/Cu16/Ct16/Ct20では,1MB FDD I/Fが増設できないということですが,それはこれらの機種が12ピンミニコネクタを備えていないためではないかと思われます(Cr13/Cu10/Cu13/Cu16/Ct16/Ct20ではCバススロットもありません.また98CEREBことPC-9821C166/C200/C233にもCバススロットがなく,当然これらの機種も1MB FDD I/Fが増設できません).そうであれば,一般的な外付け5インチFDDユニットを増設することはできません.しかし,(1) 3.5インチFDD1台と5インチFDD1台,(2) 5インチFDD2台 のいずれかの状態で,これらのPCを使用することは不可能ではないかもしれません(注1・2).この場合,5インチFDDはVFOのない,あるいはVFOを無効にしたものを使用します.この5インチFDDはPC本体からは内蔵ドライブとして扱われますが,上記のCanBeにはこれを内蔵するスペースがありませんので,外付け状態で使用することになります[従って電源(外部電源か,PC本体内部から引き出す)を用意する必要があります].なお3.5インチFDDが2台の状態では,さらに5インチFDDを追加することはできません.

(1)では,5インチFDD内部増設用ケーブル の "FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル" を使用します.また(2)では,同じく5インチFDD内部増設用ケーブル の "FD1231T内蔵機種にVFOなし5インチFDDのみを2台内蔵させるケーブル" を使用します.これらのケーブルを使用した場合,5インチ2DDメディアからのシステム起動もできます.なお(1)・(2)(,およびFD1231T 2台)をスイッチで切り替える工作も,面倒ですが不可能ではありません(注2を参照).

筆者はCanBeを所有しておりませんので,CanBe実機でのテストはできませんが,信号上はこれで問題はないはずです.しかし(1)・(2)の状態は見映えがよろしくありません.どうしても5インチFDDを接続して使用したいという場合には参考にして下さい.

 注1:筆者はこれらのCanBeの内部を調べたことがありませんが,Cu10/Cu13/Cu16/Ct20では不可能かもしれません(注1.1・1.2・1.3).実際,CanBeではありませんが,内蔵FDDケーブル用コネクタが2台目のFDD用の信号のピンを持たない機種が存在することを確認しています.Cb2/Cb3/Cb10は2台目の内蔵FDDを増設するキットに対応することを確認しており,内蔵FDDケーブル用コネクタに2台目のFDD用の信号が出ていることは確実ですので,この項の方法で5インチFDDを増設することはできるはずです.Cb(2FDDモデルもあります)も同じではないかと考えています.
   注1.1:Ct16/Ct20については,マザーボードのFDDケーブル接続用コネクタにDS1信号が出力されていることが明らかになっています(おふがおさんの2021年2月13日16日のツイートを参照)
   注1.2:Cr13については技術的には可能であることが明らかにされています[おふがおさんの2020年11月9(123)・10(12)・11(12)・12日(12)のツイートを参照].
   注1.3:(CanBeではなくCEREBですが)C200は内蔵FDDが1台しかなく,2台目FDD増設用キットも提供されていませんが,マザーボードのFDDケーブル接続コネクタにはDS1信号が出力されており,取り付け位置の問題はともかく,2台目の内蔵FDDを接続することは可能といいます(おふがおさんの2020年11月22日のツイートを参照).C166/C233でも同様の可能性があります.

 注2:内蔵FDDと外付け(内蔵FDDケーブルに接続はするものの,多く設置場所の都合でPC本体の外部に設置の意.以下も同じ)FDDの信号ラインの切り替えには,切替器の類が流用できるでしょう(注2.1).DISK CHANGE信号は実際には使用されていないと考えられますので,信号ラインは,2モードFDDではFDDが1台の場合15本・2台の場合16本,3モードFDDではFDDが1台の場合16本(360/300信号が追加)・2台の場合17本を切り替えます(注2.2・2.3).GNDラインは全FDDで共通にしてもよいのかもしれませんが,FDDのグランドラインは信号ラインを挟むように配置されているものが少なくないことから,ノイズの影響を軽減するためのいわゆるシグナルグランドでもあると考えられますので,GNDを含むライン全体を切り替えるようにするのがよいでしょう.この観点からすれば,機械的接点を持つ手動スイッチ式の切替器では,プリンタ用の切替器(外部コネクタはアンフェノールフルピッチ36ピンメス)が適当と思われます(注2.4).またコネクタのピン数は少ないですが,RS-232C用の切替器(外部コネクタはDサブフルピッチ25ピンメス)も何とか使えるかもしれません(注2.5・2.6).勿論内蔵/外付けFDD兼用のFDDケーブル接続用コネクタを用意しておいて,そこに内蔵FDDケーブルと外付けFDDケーブルのいずれか一方のみを接続するという形で信号の切り替えを行うことも可能です.工作としてはこれが最も簡単でしょう(注2.7).この場合,ケーブルの抜き差しは必ず本体の電源をオフにした状態で行います.また他に電子式接点を持つ切替器という選択肢もあるかもしれませんし,簡単な電子式スイッチを自作して使用することも可能でしょう.
   注2.1:内蔵FDD2台のうち任意の1台と,外付けFDD2台のうち任意の1台を同時に使用するようにもできますが,切替器の台数が多くなります.
   注2.2:内蔵FDDケーブルに接続されたVFOなしFDDの信号は,GND以外では,360/300,DENSITY,HEAD LOAD,INDEX OUT,DRIVE SELECT 0または1,MOTOR ON,DIRECTION,STEP PULSE,WRITE DATA,WRITE ENABLE,TRACK 00,WRITE PROTECT,READ DATA,SIDE,(DISK CHANGE),READY OUTの各信号です.DISK CHANGE信号については,筆者は上記の通りPC-98では実際には使用されていないと考えています.
   注2.3:FDD全体でのターミネータの値が十分高ければ,信号ラインをすべて切り替えずに,最大4台のFDDを並列に接続しておき,DS信号ラインだけを切り替えてもよいでしょう.この場合には工作もずっと簡単になります(FDDの電源をすべて本体の電源ユニットから供給する場合,電源ユニットの容量に注意).おふがおさんの2021年1月18日19日のツイートの報告では,PC-9821Ce2にOSDE-15G-Uを2台とFD1158Cを2台をこの方法で内蔵させています.OSDE-15G-Uのターミネータの値は不明ですが,仮にFD1231Tのものと同じ2kΩとすれば,FD1158Cのターミネータが1kΩですから,1本の内蔵FDDケーブルに接続された4台のFDD全体でのターミネータの値は333Ωとなります.FDDインターフェースがTTLレベルのものであれば,FDDを動作させるにはターミネータの値が150Ω程度より高い必要があるようですので(>FDDの信号レベルとターミネータの値を参照),FDDのターミネータの合成抵抗値がこの程度(FD1155D 1台ののものとほぼ同じ)であれば,FDDの動作に問題はないのでしょう.
   注2.4:ちまちまさんの2020年5月28日のツイート(12)に,関西電器製のプリンタ切替器を改造して(内部の基板を取り出して配線を追加した後,その基板をCバスボード大のアクリル板に取り付けCバススロットに固定),内蔵FDDと外付けFDD(含FDDエミュレータ?)を切り替えられるようにした工作の例が報告されています.もっとも,切替器は必ずしもPC本体に内蔵させる必要はなく,外付けのまま使用した方が操作がしやすい場合も多いでしょう.
   注2.5:25ピンコネクタではGNDラインが若干貧弱となるようにも思われますが(GNDラインが貧弱だと,信号がノイズの影響を受けやすくなります),切り替え器のコネクタのピンに接続し切れなかったGNDラインを切り替え器の外部に引いてラインの不足を補うことも可能です.
   注2.6:プリンタ切替機もRS-232C切替機も,見かけることは少なくなりましたが,いずれも現在の需要はほぼ皆無ですので,インターネットオークションやハードオフなどでは安価に売られていることが多いようです.但し現役時代に酷使されて接点が劣化しており,購入者自身による手入れを必要とするものがたまにありますので注意して下さい.なお筆者がジャンク品として入手したディスプレイ切替器の場合は,ロータリースイッチ式のものはそれほどでもありませんでしたが,華奢な造りのプッシュスイッチ式のものでは,かなりの割合で接点の不良(劣化?)が認められました.
   注2.7:ぜせむ(xsm)さんの2020年3月14日4月22日のツイートに,3.5インチFDD(FD1138T 2台)と5インチFDD(FD1155C 2台)を別々に接続した2本の内蔵FDDケーブルのいずれか一方を,マザーボード上のFDDケーブル接続用コネクタに直接接続することで,動作させるFDDの切り替えを行っているとの報告があります(注2.7.1).但しこのケースでは,FDDケーブルの長さの都合とケーブルの差し替えのしやすさの都合で,PC本体のカバーを開けた状態で使用しています.ケーブルの差し替えに相当する操作をPC本体の外から行えるようにする工作も勿論可能です.
       注2.7.1:PC-9801BX2/BA2/BS2では[Bfを除く(?)MATE-Bでも同様だったかもしれません],マザーボード上に3.5インチFDDケーブル接続用の30ピンコネクタと5インチFDD接続用の34ピンコネクタが併存しているため(VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル を参照),ここでは3.5インチFDDと5インチFDDで異なるピン数のFDDケーブルが使用されています.マザーボード上のFDDケーブル接続用コネクタが30ピンのものしかない機種にVFOのない5インチFDDを接続するためのFDDケーブル,34ピンのものしかない機種にFD1138Tを接続するためのFDDケーブル,および34ピンのものしかない機種にVFOのない5インチFDDを接続するためのFDDケーブルの結線については,30ピン-34ピン変換ケーブル(ファイルベイアダプタ付属ケーブル同等品)VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル5インチFDD内部増設用ケーブル などを参照して下さい.


CanBe以外の機種でも,同じようにしてマザーボードの内蔵FDDケーブルに接続する3.5インチ/5インチFDDを,内蔵/外付け(多く設置場所の都合でPC本体の外部に設置の意.以下も同じ)間で切り替えて使用ことができます(注1・2・3).この場合,VFOありFDDを内蔵している機種では,外付けにするFDDにもVFOありのものを使用します(注4).また内蔵FDDにVFOなしのものが使用されている機種では,外付けにするFDDにもVFOなしのものを使用します(注5).なお2モードFDD内蔵機種の場合,PC本体起動後でもFDDの切り替えを行うことができるかもしれませんが,切り替えはPC本体起動前の電源オフの状態で行うべきでしょう.なお3モードFDD内蔵機種の場合,PC本体起動後に外付けの2モードFDDへの切り替えを行うと不具合が出ます(MATE-AのI/Oポート04BEh を参照).また3モードFDD内蔵機種では,マザーボードの360/300信号ピンと接続される外付けFDD(2モード動作品)のピンは,GNDに接続せずにNCとして下さい.この場合,外付けFDDもPC本体からは3モードFDDに見えてしまっていますので,メディアフォーマット時などには注意して下さい(5インチFDD内部増設用ケーブル を参照).

 注1:同時に動作可能なFDDは2台までです.また,PC本体の1MB FLOPPY DISKコネクタや1MB FDD I/Fに接続された一般的な外付けFDDユニットにセットされた2DDメディアからシステムを起動させるには,特定の機材やソフトウェアの組み込みが必要ですが(640KB-1.2MBハードウェア切換ボードについて を参照),この方法では,FDDは内蔵FDDケーブルに接続されるため,何ら特別なことをしなくても,本来の内蔵FDDとサイズ(3.5インチ/5インチ)の異なるFDDにセットされた2DDメディアからもシステムを立ち上げることができます.

 注2:デスクトップ機(PC-9821Ce2)のフロントパネルを加工して,3.5インチFDD(OSDE-15G-U)2台と5インチFDD(FD1158C)2台の計4台のFDDを内蔵させた例もあります[おふがおさんの2021年1月17日18日・19日(12)・4月15日のツイートを参照].5インチベイを3つ備えているミニタワー機(注2.1)で,5インチベイをすべて使えば,フロントパネルを加工することなしに同様の工作が可能でしょう[ドライブ切り替えスイッチは,2台目の3.5インチFDDを取り付けるマウンタ金具(内蔵3.5インチFDD(2台目)増設用キットを参照)のフロントパネルの空きスペースにでも設置できるでしょう.勿論PC本体のフロントパネルに穿孔してそこに設置することもできます].
     注2.1:青札タワー機等ではFDDインターフェースがCMOSレベルの可能性があり,最大4台のFDDを並列に接続しておいてDS信号ラインだけを切り替える方式はそのままでは使えないと思われます.V233などの青札タワー機(同時期以降の機種も?)では,FDDのターミネータの合成抵抗値が約280Ωを下回ると5インチFDDの動作不良が起きるようです(5インチFDD内部増設用ケーブル を参照).この場合には信号ラインをすべて切り替える方式にするか,下の注2.1.1の方法を検討することになるでしょう.
         注2.1.1:FD1155Cはケーブルの終端(マザーボードのFDDケーブル接続用コネクタから最も遠い端)に取り付けられた場合にのみ終端抵抗を有効にするというのが本来の使い方であり(但し実際には,必ずしもこのルール通りに実装されているわけではありません.ここを参照),そのようにした場合の合成抵抗値は,FD1138T×2+FD1155C×2では310Ω,FD1231T×2+FD1155C×2では248Ωとなります(FD1138TやFD1231Tは終端抵抗を無効にすることはできません).FD1155Cを2台とも終端抵抗を無効にした上でケーブルの途中に接続するのであれば,合成抵抗値は,FD1138T×2+FD1155C×2では5kΩ,FD1231T×2+FD1155C×2では1kΩとなります.FD1155Cの終端抵抗を4.7kΩのものに取り替えた場合には(これはかかっくんさんからご教示いただきました),FD1155Cの終端抵抗を両方とも有効にした場合の合成抵抗値は,FD1138T×2+FD1155C×2では約1.6kΩ,FD1231T×2+FD1155C×2では701Ω,またケーブル終端に取り付けられたFD1155Cの終端抵抗のみを有効にした場合の合成抵抗値は,FD1138T×2+FD1155C×2では約2.4kΩ,FD1231T×2+FD1155C×2では824Ωとなります.なおFD1158Cの終端抵抗は,FDDケーブルへの取り付け位置にかかわらず,必ず有効にして下さい(FDDのドライブ番号の設定方法を参照)

 注3:マザーボードのFDDケーブル接続用コネクタに最大4台のFDDを接続し,手動スイッチでDS信号を切り替えることにより,同時に2台のFDDを内蔵FDDとして扱えるようにする製品はいくつかのメーカーから出ていました.いずれも古い機種を対象としたものです.例えばランドコンピュータ製のLDS-5UV(注3.1)は,3.5インチFDD内蔵機種(実質的にUV専用)で3.5インチFDDも内蔵FDDとして扱えるようにした製品であり,LDS-3VM(注3.2)は,5インチFDD内蔵機種で3.5インチFDDも内蔵FDDとして扱えるようにした製品でした(いずれもI/Fと専用外付けFDDユニットのセット).
     注3.1:PC-9801 コレクション --> 98周辺機器・パーツ -->フロッピーディスクドライブ LDS-5UV(2014年7月31日の記事) に詳しい説明があります.
     注3.2:試運転の資料館 --> 電算機部 --> LDS-3VM について に,専用外付けFDDユニットのFDDケーブル接続用コネクタと電源ケーブル接続用コネクタのピンアサイン,およびスイッチの設定内容に関する調査結果が掲載されています.
また型番からコンピュータリサーチの製品と思われますが,CPC-FDSという製品もありました.VXなどで,ボード上に2つある34ピンコネクタからのケーブルをそれぞれマザーボードと内蔵FDDに接続して使用するといいます.
 下にそれぞれのI/F(部)の画像を示します.ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが d239441090(2017年9月20日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して半分に縮小してjpg形式に再変換)した画像(左,LDS-5UVのI/F部に一部のケーブルが接続されたもの)と,ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが r195519631(2017年8月2日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して半分に縮小してjpg形式に再変換)した画像(中央,LDS-3VMのI/F部にケーブルが接続されたもの),およびヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが m112620487(2013年8月25日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して半分に縮小してjpg形式に再変換)した画像(右,_CPC-FDSにケーブルが接続されたもの)をそれぞれ引用します.CPC-FDSの元画像にはDS切り替え用スイッチのようなものは見当たりませんので,実際にはこの種の製品ではない可能性もあるのですが,画像に写っているボードの構造からはこの種の製品としか考えられませんでしたので,ここで取り上げました(専用外付けFDDとセットになっており,DS信号の切り替えはそちらについているスイッチで行うものかとも考えましたが,想像の域を出ません).


    またツクモからも同様の機能のケーブルが出ていました.型番は不明ですが,リサイクル掲示板2018年3月分過去ログ の "のっぺらボード関連隔離スレッド" にかかっくんさんによる結線データが掲載されています.下はこのケーブルの画像です.ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが h193041375(2014年9月21日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して半分に縮小したものと,元画像から切り出して2/3に縮小したものとを併置してjpg形式に再変換)した画像を引用します.画像のケーブルはDXで使用されていたものといいます.


 注4:ランドコンピュータのファイルスロット用FDDユニットであるLDK-3WFでは,内蔵FDDケーブルに接続された4台のVFOなし2モードFDDのうち同時に2台が動作するようになっています(5インチFDD内部増設用ケーブル を参照).このユニットには,動作させるFDDを選択(切り替え)するためのスイッチがフロントパネル部分にあり,これはPC本体の起動後に操作するものではないかと思われるのですが,筆者はこのユニットの実物を所有しておらず,PC本体が動作中でのFDDの安全な切り替え(電子式の切り替えと思うのですが)のためにどのような仕掛けがなされているのかは不明です.もっともこれは,3モードFDDを内蔵したモデルのあるMATE-Aが発売される前のPC-9801FA/FS/FX時代の製品であり,これらの機種に取り付けた場合,すべてのFDDが2モードですので,FDD間で単純にDS信号を切り替えるような造りになっているのかもしれません(FAに対応させるために,FAに取り付けた場合には,LDK-3WFのFD1139CにVFO回路が接続されるようになっているのかもしれません).もしそうならば,LDK-3WFをMATE-Aの3.5インチFDDモデルに取り付けた場合(内蔵FDDが1台のモデルではそのような取り付け方をする場合もあり得るでしょう)には,PC本体の起動後のFDDの切り替え後に不具合が出るように思われます.

 注5:一般的な外付けFDDユニット(内蔵FDDにVFOありFDDが採用されているもの,もしくはVFO回路の載った基板を介してVFOなしFDDが使用されているもの)も使用できる可能性があります.これについてはPC-486FS/FR/FE用のFDD I/Fと思われるものの末尾を参照して下さい.


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