FD1231TをFD1137Dで代替


FDDに関する知識など全くなかった頃,FDD(FD1231T)が抜き取られて(実際にはCPUもメモリもHDDも筐体のカバーもありませんでしたが)廃棄されていたPC-9821Xe10の内蔵FDDケーブルにFD1137Dをそのまま接続して3年程使用していたことがあります.1.25MBメディアの読み書きだけでしたが,全く不具合なく使えていました.計測用途でしたが,新規プログラムのインストールとデータの移動にはFDを使っていましたので,FDDもそれなりの頻度で動かしていました.

FD1137Dを接続したのは,偶然手元にあったFDDだったのと,これも偶然ですが内蔵FDDケーブルとコネクタのピン数が一致したという理由からだったはずです.今から考えると,FD1137DのDXが0に設定されていたのも,コネクタ上部のスペースが狭くて接続しにくいにもかかわらず,どういうわけかFDDケーブルのコネクタの突起を下向きではなく上向きになるように接続したのも幸運な偶然でした(注).無知な人間というものはその無知ゆえに時として非常に大胆になれるもののようで,多少なりともFDDに関する知識を持つようになった現在では,何も考えずにいきなりこのような暴挙に出ることなど恐ろしくてとてもできません.
 注:FD1231TとFD1137Dの信号コネクタは,接続されるFDDケーブルのコネクタのタイプが異なりますが(コネクタの種類とピン番号 を参照),ピン番号は共通です(FDDの型番別の信号コネクタピン番号 を参照).なお,当時どういう理由から突起が上向きになるようにFDDケーブルのコネクタをFD1137Dに接続したのかは,今となっては全く記憶にありません(上記のように不具合なく使えてはいましたので,FDDケーブルをこのような形で接続していたこと自体は間違いないでしょう).恐らくコネクタの突起を下向きになるように接続すれば接続しやすいことには気付いたのでしょうが,FDDケーブルを180゜捻ることになるため,さすがにそういう接続の仕方をするものではあるまいと考え(全く知識のなかった当時は,FDDにより信号コネクタに違いがあるなどとは考えてもみなかったでしょう),突起が上になるようFDDケーブルのコネクタを無理矢理FD1137Dの信号コネクタにはめ込んだというのが真相といったところでしょう.

結果的に1台目のFD1231TがFD1137Dで代替できていたのですが,今考えると,これはマザーボード側の360/300 0信号ピン(1ピン)と360/300 1信号ピン(3ピン)が順にFD1137DのGNDピンとWINDOW信号ピンに(前者はマザーボードからのオープンコレクタ出力のためGNDに直結しても問題なし,後者は出力自体なし),またFD1137DのMFM/FM信号ピン(7ピン),SYNC信号ピン(11ピン),DRIVE SELECTED信号ピン(17ピン)がマザーボード側のGNDピンに接続された形(いずれもマザーボードからの信号出力なし)になっていたためでしょう.

マザーボード側の360/300信号ピンが本体起動時にGNDに落ちていると,接続されているFDDが2モードFDDと認識されます(このピンがNCだと3モードFDDとして認識されます.MATE-AのI/Oポート04BEhの冒頭の二段落を参照).またVFO関連の信号がGNDに接続されていると(VFO関係の信号がマザーボードから出力されない状態),FDD内部のVFO回路は動作しません.その結果,FD1137DはPC本体からVFOなしFDDとみなされて動作するのでしょう.

なお,どるこむの過去ログ,Xa7のFDD には,Xa9でFD1137Dが使用できたとの報告があります.DAからFDDケーブルごと移したとのことですが,DA2の内蔵FDDケーブルはXa7などのFD1211T内蔵機種のものと同様に(FDD接続用コネクタの形状は異なりますが)反転ケーブルですので(PC-9801RX/DA等の内蔵5インチFDDケーブル を参照),使用できたというのも理解できます.

HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_17 PC-9821用3.5インチFDD補足情報 にも,2モードFDD(例としてFD1138Dが挙げられていますが,VFOの有無に関しては言及がありません)をFD1231Tを内蔵した機種に取り付けた場合,FDDが1台だけならば2モードFDDとして "一見使用可能のよう" だとの記述があります[実際にも,例えば たけるん通信 --> 日記のページ --> NEXT --> 2001年の日記 にはPC-9821Xa12でFD1137Dが使用できたとの報告があり,またどるこむの過去ログ,[27368] 内蔵5インチFDD にはXv13/W16でFD1158Dが使用できたとの報告(この場合は1台ではなく2台ですが)があります(注1)].しかし同時に破損防止の観点からは2モードFDDをFD1231T内蔵機種で使用することは避けた方がよいとも述べられています(注2).筆者のところではXe10とFD1137Dの組み合わせで使用してもFDDに関して不具合はみられませんでしたが,本記事はこのようなFDDとPC本体の組み合わせを積極的に推奨するものではありません.FDD・PC本体とも本来このような組み合わせでの使用を想定して設計が行われているわけではないのは事実でしょう.常識的に考えても,マザーボードとFDDの間で異なる信号ピン同士を結線した状態でFDDを動作させるのは,(結果的に動作が正常だったとしても)異常な事態と言えないこともありません.タイトル中に "代替" の語を含んでいますが,本記事は筆者の個人的な経験の事例報告程度に考えて下さい.

 注1:他にも,感電自作マニュアル --> 実用・電子工作 --> PC-9821X,A,V-MATEにE−IDEのHDD・二台目FDD増設 に,FD1231Tを内蔵した機種に2台目のFDDとして2モードFDD(VFOの有無を含め具体的はは不明)を接続して,少なくとも5か月の間問題なく使用できていたとの報告があります.このケースでは2台のFDD間でFDDケーブルの1番ラインと3番ラインの入れ替えを行っていません.この場合,マザーボード側の360/300 1信号ピン(3ピン)が,2台目の2モードFDDのGNDピン(VFOなしFDDの場合),またはWINDOW信号ピン(VFOありFDDの場合.VFOを無効にした場合にはこのピンも無効になるはずです)に接続される形になります.
 注2:ここで想定されているのは,FD1231Tを内蔵した機種にストレート結線の反転ケーブルで2モードFDDを接続する事態ですが,信号ラインを適切に結線さえすれば,FD1231T内蔵機種に2モードFDDを内蔵させて使用することは危険ではありません(VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル5インチFDD内部増設用ケーブル の記事等も参照).


トップページ