EP-RB02 (I・Oデータ) エプソン製デスクトップ機,PC-486SE/SR/FE/FR/FS/MU/MR/MS/RS/MV用内蔵RAM ベースボード.ロータリースイッチ脇の基板上にEP-RB02-2の文字列がある. これ自体は0MB.ボード上にSIMMソケット4本,8連ディップスイッチ1個, ロータリースイッチ2個あり. PC-486P/GR/GF等での動作報告あり(注1・2・3・4・5).また公式にはSE/SR/FE/FR/FSでは Windows95での使用は不可とされるが,これも実際には問題なく動作するケースは多い らしい.不具合の症状はWindows95インストール時に先に進めなくなる(インストール 途中でのリセットがうまくいかずに,堂々巡りになって結果的にインストールが終わらない) というものだと聞いている(注6).インストールさえ完了できれば問題なく使用できる という. 筆者所有のSR/SEでは,3台ともWindows95のインストール時に本ボードを使用したが, この不具合は認められなかった.恐らくだが,SE/SR/FE/FR/FSのいずれかの機種(一機種 とは限らない)で上述の不具合が発生する個体が存在することが確認されたため,その 機種が属するシリーズが丸ごとWindows95での使用は不可とされたのではなかろうか.  注1:これらの機種では,拡張スイッチ2-2(システム予約:通常OFF)をONにする     ことにより,14.6MB以上のメモリを認識するようになる.勿論16MB以上の     メモリを搭載した状態でWindows95を使用する場合は,RECMEM.SYSあるいは     それと同等の機能を持つドライバをCONFIG.SYSの先頭に記述する必要がある.     なおPC-486GRの最初期ロット(の一部?)では,拡張スイッチ2-2をONにしても     14.6MB以上のメモリが認識されないとの報告があるというが,16MB以上のメモリ     を認識させるためのドライバソフトを組み込めば,本体起動後に14.6MB以上の     メモリを認識させられるのではないだろうか.筆者のPC-386GS(1992年1-6月期     製造なので後期ロットか)では,この方法により14.6MB以上のメモリを認識させる     ことに成功した.なお本ボードと同じメモリ制御チップが使用されていると     いうエプソン製PC-RB02では,PC-486SR/GRでの不動作事例がいくつか報告されて     いるが,動作事例は筆者の知る限り存在しない.この事実は非常に気になる.     一方でメルコのERFでは,GR等における同様の不具合は筆者の知る限り確認されて     いない.  注2:PC-486GR/GFでは,メモリが認識されない,動作が不安定,Windows95の起動に     失敗するといった報告も少なくない(製造時期が遅いもので不具合が出る場合が     多いとの推測もあるが,はっきりしない).  注3:PC-486GRではメモリアクセスが非常に遅くなるという報告がある.筆者は     本ボードをGRで使用していたことがあるが,エプソン機のメモリアクセスは遅い    ものと思っているので,特に気になったことはない.メモリアクセスが遅く     なったというのは,本ボードのスイッチ設定(SW1-6?7?)が関係していた     のではなかったか.ただ,筆者がPC-486P/SE/GRで調べた限りでは,本ボードは     メルコのERFよりウェイトが多いようである.  注4:これら正式には対応していない機種で本ボードを使用する場合には,固定を工夫     する必要がある(そのままではフレームに固定できない).筆者は固定用の金具     を自作したが,固定用の部品はプラスチック板などで作成してもよいだろう.     固定具はボードの固定用のネジ穴とフレームのネジ穴の両方にネジ留めする     ように作成するが,非金属製の固定具の場合には,ネジに絡めたコードで両者を     短絡させるとよいだろう.  注5:これらの機種での動作が初めて報告されたのは,Nifty ServeのFEPSONXフォーラム     らしい.  注6:どるこむの過去ログ,"[2058] PC486GRのメモリー"     (http://weblabo.griffonworks.net/dorlog/2nddorcom/epson98/2058.html)     を参照. ・8連ディップスイッチSW1 1:ソケット1に装着するSIMMの種類の指定  ON=EP-SIM327を装着  OFF=EPSON仕様のSIMMを装着 2,3,4:2-4の各ソケットに装着するSIMMの種類の指定  ON=EP-SIM327を装着  OFF=EPSON仕様のSIMMを装着,あるいは何も装着しない ※実際にはEP-SIM327でなくとも,SIMM-IDつきの32MBまでのJEDEC仕様のSIMMであれば,  パリティ/ECCの有無,FP/EDOの別なく使用可能(EDOの場合はハイパーページモード  ではなくファーストページモードでの動作となると思われる.また末尾の注1も参照).  ただしSIMM-IDつきでなければ正常に認識しない(末尾の注2を参照).  また,本体が認識できるメモリの総量には制限がある(PC-486SE/SR/FE/FR/FS (および486P/GR/GF)では63.6MB,またPC-486MU/MR/MS/MV/RSでは61.6MB). この限界を超えた分のメモリは無視される. 5:つねにOFF(システム予約) 6:本体機種の指定  ON=PC-486SE/FE  OFF=それ以外の機種 ※ONはベースクロック25MHz機用の設定らしく,PやGRなどでもこの設定. 7:つねにON(システム予約) ※OFFではWAITが減るらしい(ただしPC-486MUではアクセススピードが上がるが,  PC-486GRでは逆に下がるという). 8:つねにOFF(システム予約) ※EP-RB01互換設定用らしい.ONにするとソケット1と2,3と4をそれ  ぞれ対として同容量・同チップ数のSIMMでないと認識せず. ・ロータリースイッチSW2, SW3:EP-RB02のスタートアドレスの指定  PC本体に実装されているメモリ容量に応じてEP-RB02が割り当てられるスタート  アドレスを指定する. 以下,起動時にカウントされるメモリ容量■SW2■SW3■スタートアドレス の順:  1.6MB■2■0■200000H~  3.6MB■4■0■400000H~  5.6MB■6■0■600000H~  7.6MB■8■0■800000H~  9.6MB■A■0■A00000H~  11.6MB■C■0■C00000H~  13.6MB■E■0■E00000H~  15.6MB■0■1■1000000H~ ※メモリを15.6MB以上増設した場合,本体の16MBシステム空間を「使用する」  に設定すると,本体の仕様上,メモリカウント時には実際に増設したメモリ  容量より1MB少なく表示される.上の表での"15.6MB"は,16MBシステム空間を  「切り離す」に設定した場合に表示されるメモリ量. 注1:EDO SIMMを複数枚挿す場合,ソケットに注意. (1)32MBのEDO SIMMを2枚用いた場合,それらが隣接するソケットに挿して   あると,NEC版DOS6.2のhimem.sysが「信頼性のないXMSメモリを00200004h に見つけました」というメッセージを表示する.1-3あるいは2-4の離れた ソケット同士ならエラーは出ない.ただし2-3ではチェックを通過する模様.   また3枚を連続するソケットに挿した場合は,"エラー"アドレスが0220000Ah となる. (2)32MBのEDOをソケット1に,32MBのFPをソケット2にそれぞれ挿すと, 00200004h云々のメッセージが出る.逆の順でソケットに挿すと00200008h   云々となる. (3)16MBのEDOでは,2枚を隣接するソケットに挿した場合にはやはり00200004h 云々が示され,3枚を連続するソケットに装着した場合は,1-2-3では01200006h, 2-3-4では00200004h云々が表示される.1-2-3-4全てを埋めた場合には00200004h 云々の"エラー"メッセージが表示される. (4)32MBのEDOを2枚挿した場合,やはり隣接する2つのソケットにSIMMが挿して   あると起動に失敗する.具体的には,"SYSTEM.INIファイルに指定された デバイスファイルは壊れています"云々のメッセージが表示される. "壊れている"というファイルはdynapage,vpd,int13,vkd,enable,VPICD, VDMAD,VTD等だが,同じSIMMを1-3,1-4,2-4のいずれかのソケットに挿し 直して再度立ち上げるとWindows95が正常に立ち上がる.   但しソケット2-3に挿した場合には正常に立ち上がる模様. 以上より,EP-RB02に16MBまたは32MBのEDO SIMMを2枚挿す場合には,ソケット1と3, 2と3,2と4のいずれかを用いるべきである. 注2:SIMM-IDのないSIMMは容量が1/4だけ認識されるという報告があるが,どのSIMM でもそうであるわけではなく,筆者のところでは,8MBx2で6MBとなったり,    複数のSIMMを装着した場合,ソケットの位置で認識される容量が異なるなどの    現象もみられた. なおSIMM-IDのないSIMMが1枚でも混じっていると正常に認識されない.これは    本ボードではSIMM-IDに基づいてPC本体に容量の値を通知する仕組みになっている    ためである(メルコのERFでも同じ).