MATE-A等専用SCSI I/F一覧


PC-9801FA/FS/FXやMATE-Aの本体背面左のSCSIインターフェーススロットに装着するSCSI I/Fの一覧です.SCSIスルー機能を持つI/Fも含みます.いずれのI/Fも,外部SCSIコネクタはアンフェノールハーフ50ピンメスです.なお,同人サークル "笛を吹く男" の2003年刊行の同人誌,"PC-9821 A-MATEの本(資料編)"(これの刊行後に内容を改訂増補した版が出ています.今のところ第3版までの刊行を確認しています)に,製品名と画像に関するより網羅的な記事が掲載されています.

スイッチ設定が不明なI/Fでは,PC-9821およびDOS/Vソフトウェアのページ --> システム状態表示ソフトウェア(解析・検証用ツール)--> SCSI_DSW(CバスSCSIボードのディップスイッチやジャンパスイッチの設定を知るプログラム) を用いてスイッチの設定内容を自分で調べることができます.なお一部のI/Fのデータ転送速度や認識可能なHDDの容量(1GBのものさえ正常に認識できないI/Fも存在します)については,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定MATE-A等専用SCSI I/Fの転送速度 に資料があります.

RD-0069-STを除くI/FのSCSIコントローラは以下の通りです:
   WDC WD33C93AJM : PC-9801FA-02,HA-FA02,MDC-FA552,B55F-BMN
   WDC WD33C93BJM : PC-9821A-E10,HA-FA02W
   AMD AM33C93A-20JC : IF-2560,EIF-98FB,IF-55TF,PC98M31,CPC-FISA,,B55FM,PN040331H1
   AMD AM33C93A-20JC09 : LHA-15FA(LHA-25FAについては不明ですが,LHA-15FAと同じかもしれません)

また筆者の所有するI/Fでは,PC-9801FA-02でBI NS11-5-331/221J 228,LHA-15FAでBI M11-5-221/331J 214,EIF-98FBとB55F-BMNでS 221-331-18Z IAMと書かれた11本足の集合抵抗ががそれぞれ一対,HA-FA02でRMLS9 331JとRMLS9 221Jと書かれた10本足の集合抵抗が1個ずつ使用されています.これらはパッシブターミネータと思われます.またヤフーオークションのIF-55TF(注2.1.3)の出品物画像とBeijingDuckさんの2023年5月7日のツイート のB55FWの画像でも基板上に11本足の集合抵抗(パッケージの文字列は不明)が一対ありますが,これらのI/Fのターミネータもパッシブと思われます.一方,IF-2560(MATE対応版)でBI M10-1-111G 239また,IF-2560(MATE対応版)でBI M10-1-111G 239,IF-2560(MATE非対応版)ではBI M10-1-111G 216(または末尾221),HA-FA02WでBI M10-1-111J 430 と書かれた10本足の集合抵抗がそれぞれ一対使用されていますが,これらはアクティブターミネータの可能性があります(かかっくんさんよりご教示をいただきました).CPC-FISAは基板上に集合抵抗が見当たりません.恐らく自社製のカスタムチップ(CRC SC91001-096)がターミネータを内蔵しているのでしょう.PC-9801FA/FS/FX時代の製品と思われ,その著しく低い性能なども考えるとターミネータはパッシブであろうと考えています.PC-9821A-E10ではアクティブターミネータが使用されていることが確認されています.

MATE-Aではシステムセットアップメニューで内蔵固定ディスクを "切り離す" の設定にすると,内蔵固定ディスクがIDE HDDの場合でも,専用SCSI I/Fに接続されたファイルスロットSCSI機器や外付けSCSI機器も切り離されてしまいます.これはPC-9821Ap2/As2,PC-9821An,PC-9821Ap3/As3の各機種のガイドブックに記載があります.平成5年2月の日付のある3枚の正誤表を含め,PC-9821Ap/As/Aeガイドブックには記載がありません.


□SCSI I/F
■PC-9801FA-02(NEC)
 本I/FはNECチェックを行います.画像のものの基板名は G8KZH A7・ で,P/Nは 136-458269-E-05 です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


■PC-9821A-E10(NEC)
 基板の新旧や認識可能なHDDの最大容量等の問題の真相については,PC-9821およびDOS/Vソフトウェアのページ --> 特定のハードウェア環境でOS起動前に使う「IPLウェア」 --> SCSI_RAM や PC-98用拡張ボードのスイッチ設定 のPC-9821A-E10のところを参照して下さい.画像左のものの基板名は G8NVDA B3・で,P/Nは 136-459672-A-01,右のものの基板名は G8NVD C?(判読不可)・ で,P/Nは 136-459411-B-02 です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.

左が FSCSI FIFO チップの載ったもので,右が SAGAT 7777 チップの載ったものです.基板の色が異なっているのは,撮影条件の違いのためです.右の画像は,出品者IDが fatty0x,オークションIDが o336693812 のヤフーオークションの出品物(2019年8月25日に落札)の商品説明画像から切り出して180゜回転し2/3に縮小後jpg形式に再変換したものを引用します.


■FC-9801F-02K(NEC)
 ゲぺック・カステン --> ストレージコントローラー雑感 --> PC/FC-9800 Series SCSIスロット対応SCSIボード --> FC-9801F-02K / NEC に解説があります.FC-9801F専用ですが,PC-9821A-E01からブラケット(ボード背面の金具)を取り去ったものと同等のようで, PC-9821A-E10として使用可能といいます.基板には "PC-9821A-E10" の文字列の上に "FC-9801F-02K" と書かれたシールが貼られています.基板の画像です.eBayでsellerが storefarm,item numberが 123806028842 の出品物の商品説明画像のサムネイル画像から切り出しjpg形式に再変換した画像を引用します.また靖間 誠さんの2018年6月17日のツイートにも本ボード(PC-9801FA-02のブラケットを取り付けたもの)の大きな画像があり,基板名が G8XCE(C9・)でP/Nが 136-459411-B-02 で,SAGAT 777 チップが使用されていることが確認できます.


■IF-2560(ICM)
 新旧二つのタイプが存在します.MATE対応版と呼ばれる新型は,白地に灰文字でM対応と印刷された丸型の紙シールがブラケットに貼られており,また基板上に多数のジャンパ線が配線されています.ICMはこのMATE対応版の方だけをWindows95正式対応としていました(注).MATE非対応版(旧型)のWindows95での動作報告もありますが,長期間使用した結果の報告や,条件を変えてのテストの報告は,筆者の知る限りありません.また,MATE非対応版をWindows95環境で使用した場合の不具合の具体的な内容に関する報告も見たことがありません(筆者自身もMATE非対応版をWindows95環境で使用した経験がありません).スイッチ設定については,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.両タイプともスイッチの設定は同じです.
  注:ICM製CバスSCSI I/FであるIF-2761などでもMATE対応版と非対応版が区別されていました.IF-2761のMATE対応版には,中央の白い矩形領域にMATE対応版の黒文字列が印字された黒い大きなプラスチック板(ディップスイッチが露出する部分に開口部があり,また角の一つの切り欠き部分からスイッチバーと電解コンデンサが露出)が貼り付けられています(MATE非対応版にも黒い大きなプラスチック板が貼られていますが,記載されている内容は全く異なり,ICM INTERFACE CARD IF-2761 等の文字やディップスイッチの設定の図解などが記されています).筆者がこれまで確認した限りでは,MATE対応版/非対応版とも,基板のリビジョンは IF-2761 REV.B でした.またIF-2761のMATE対応版には,黒い大きなプラスチック板はMATE非対応版と同じで,代わりにIF-2560のMATE対応版のものと同じ丸シールがブラケットに貼られているものもありました.

MATE非対応版とMATE対応版ではICも一部異なります.筆者の手元のもの各3枚では(MATE非対応版/MATE対応版 の順),
   U1:SONY CXK58257AM-70L または 富士通 MB84256A-10L / SHARP LH52250AN-90L または 川崎製鉄 KMS20256S10LL
   U6:American Microsystems 18CV8SC-25 / AMD PALCE16V8H-15SC/4
   U11:ICM MB622822 9214 W30(または 9223 E06 または9224 E06) / ICM MB622822 9243 W42
となっています(U11は単なるロット違いなのかもしれません.筆者の所有するMATE対応版は3枚とも 9243 W42 でしたが,偶然かもしれません).

左がMATE非対応版で,右がMATE対応版です.


MATE対応版のジャンパ線が配線されている部分の拡大画像です.少し見にくいですが,U6(PALCE16V8H)の7,8ピンが順にSW1の7,8ピンに,16ピンがU4(74F74)の13ピンに,17ピンが同じくU4の左端と重なるスルーホールにそれぞれ接続されています.さらにU4の11ピンがU2(AM33C93A)の10ピンに接続され,U4の10・12・14ピンは短絡されています.その他の配線箇所は画像から分かると思います.この配線(の一部)はDMAのタイミングの調整(ウェイト挿入)のためではないかとの推測があります(A-MATEr's BBS 過去ログ その30その74を参照).


上記のように,取り付けられているICが一部異なっていますので,MATE非対応版に同様の追加配線を行ってもMATE対応版相当品にできるかどうかは筆者には分かりません.そのような報告も聞いたことがありません.

■LHA-15FA(Logitec)
 基板の画像です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボード・拡張機器のスイッチ設定を公開しているウェブページを参照して下さい.



■LHA-25FA(Logitec)
 基板の画像です.出品者IDが timspenrod,オークションIDが r79601563 のヤフーオークションの出品物(2012年1月2日に落札)の商品説明画像から切り出して80%に縮小しガンマ補正値を上げてjpg形式に再変換した画像を引用します.


どるこむの過去ログ,[15982] Logitech LHA-25FAのスルー化によれば,LHA-15FAと比較して,転送方式設定用のスイッチが増えているといいます.上の画像からも,8連ディップスイッチが一つ増えているのがわかります.

■HA-FA02(日本TEXA)
 基板上にシルク印刷された型番は EZPHA-FA02-1 です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


■HA-FA02W(日本TEXA)
 基板上にシルク印刷された型番は EZP0184A です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.



■MDC-FA552(緑電子)
 基板の画像です.出品者IDが hyper_lines,オークションIDが 427345215 のヤフーオークションの出品物(2019年10月28日に落札)の商品説明画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.


スイッチの設定については,どるこむの過去ログ,[49537] MDC-FA552に参考資料があります(設定について確定してはいないようですので,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定には収録していません).なお2本ジャンパスイッチJP3は,120ピンコネクタのA30ピン(I/F存在検出)とGNDに接続されているとのことです(リサイクル掲示板2020年9月過去ログの 汎用スレッド2020年9月 パート2 スレッドを参照).

■EIF-98FB(ELECOM)
 基板の画像です.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


■IF-55TF(TEAC)
 基板の画像です.出品者IDが yumixpop,オークションIDが w108260722 のヤフーオークションの出品物(2015年11月18日に落札)の商品説明画像から切り出してjpg形式に再変換した画像を引用します.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


本I/Fの缶型表面実装コンデンサは液漏れすることが確認されています(おふがおさんの2023年4月17日のツイート を参照).

■PC98M31(Caravelle)
 基板の画像です.出品者IDが tubaki_jk,オークションIDが r131008225 のヤフーオークションの出品物(2016年1月29日に落札)の商品説明画像から切り出して90゜回転し2/3に縮小した後jpg形式に再変換した画像を引用します.スイッチ設定は,PC-98用拡張ボード・拡張機器のスイッチ設定を公開しているウェブページを参照して下さい.


PC98M31には,同一型番でSCSI専用スロット用ボード形態のものの他にCバスボード形態のものが存在するといいます.また後者と同一のものかは不明ですが,SCSI専用スロット用ボード形態のものをアダプタ状の基板(凹字状の形状をしたCバスボードで,中央の矩形に切り抜かれた部分にSCSI専用スロット用ボードを取り付けるようになっています)に装着したCバスボード形態のものも存在します.下の "PN040331H1" と同様の形状のものです.ヤフーオークションに何度か出品されたことがありましたが,当時は本記事を作成することなど全く考えておらず,データを保存しておかなかったのが悔やまれます.aucfanやaucfreeなどでも調べましたが,当該出品のデータに辿り着けませんでした.なお "PC-9821 A-MATEの本(資料編)" にCバスボード形態のものの画像が掲載されています.

■CPC-FISA(Computer Research)
 基板の画像です.スイッチの設定は不明ですが,筆者所有のもの(画像のもの)の未開封新古品入手時のスイッチの状態については,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


本I/Fの缶型表面実装コンデンサは四級塩品らしく,液漏れして基板を損傷します.なお間近の二本の長いパターンにより,IC4(74F573)の6ピンは内部接続用120ピンコネクタのB14ピンと,また7ピンはB15ピンとそれぞれ繋がっています.

■B55F-BMN(不明)
 型番から,テクノジャパン,ニューテック,(日本)アルトスいずれかの製品の可能性があります.起動時に表示される "SCSI BIOS Ver.2.11.N 1989-1992 Buffer Mode" の文字列にNが含まれることから,ニューテック(Newtech)製かとも考えましたが,ELECOM製EIF-98FBが起動時に表示する "Fixell SCSI BIOS Ver1.0N 1992 Buffer Mode Copyright ELECOM Co., Ltd." のメッセージ中の同様の箇所にもNの文字があり,これがニューテックの頭文字を意味するとは限らないこと,比較的小規模のメーカーのSCSI I/FにはSCSI BIOSを外注したものがあることなどから,現段階ではやはりメーカーは不明と言わざるを得ません.基板の画像です.スイッチの設定は不明ですが,筆者所有のもの(画像のもの)の中古入手時のスイッチの状態については,PC-98用拡張ボードのスイッチ設定を参照して下さい.


■B55FW(不明)
 型番や基板上の部品の配置などに直上のB55F-BMNと似たところがありますが,同じメーカーの製品かは不明です.基板上に8連ディップスイッチが3つあり,ジャンパスイッチはありません.資料が全くなく,スイッチの設定内容も不明です.基板の画像です.BeijingDuckさんの2023年5月7日のツイートの画像を1/3に縮小してjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PN040331H1(不明)
 基板上の部品やブラケット(I/FのCバス用コネクタと反対側の端にある金属部分)の形状,基板上の文字列などから,加賀電子(TAXAN)の製品かとも考えましたが,恐らく違います(電子機器・PC周辺機器の老舗メーカーである加賀電子の製品には,かなり古い時代のものであっても,どこかにKAGA ELECTRONICSやTAXANやの文字列があるものですが,これにはそれがありません).コニックに "PN04010H" なるCバスSCSI I/Fがあるようですので,コニックの製品,あるいはコニック製品(や加賀電子製品)と同じ工場で製造された比較的小規模のメーカーの製品(注1)である可能性もあります.本記事では便宜的に基板上の文字列であるPN040331H1を本ボードの製品名と見なしましたが,これは実際には製品名ではない可能性があります("PN04010H" についても同様です).Cバスボードに変換するアダプタボードに取り付けられた状態のものですが,MATE-A等専用SCSI I/F部分が単体で販売されていたかはやや疑問です.というのは,MATE-A等専用SCSI I/Fとアダプタボードでブラケットが分離しておらず(上のPC98M31のCバスボード形態のものでは両者が分離していたように記憶しています),ブラケットが通常のCバスSCSI I/Fのように一枚の金属板からできており,MATE-A等専用SCSI I/F部分のみを使用する場合,ブラケットがない状態になるからです(FC-9801F-02Kのように元々ブラケットを欠いたI/Fも存在しますが,これはFC-9801F本体に取り付ける上でブラケットを必要としないためです).MATE-A等専用SCSI I/F部分をアダプタボードに取り付ける場合には,前者のブラケット部分を取り外すようになっていたのかもしれません.あるいはブラケットの付いたMATE-A等専用SCSI I/FとCバスボード形態のI/Fが,それぞれ別な製品として販売されていた可能性もあります.なおアダプタボードには SEC93005 の文字列があります(注2).出品者IDが trgetter,オークションIDが t1053734025 のヤフーオークションの出品物(2022年6月11日に落札)の商品説明画像から切り出して270゜回転し半分に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.


 注1:CバスSCSI I/F,外付けFDDユニット,98ノート用HDDパックをデスクトップ機で使用するためのアダプタ等の中には,比較的小規模な複数のメーカーの製品で,殆ど同じもの,あるいは共通の基板類が使用されているものがいくつも存在します.筆者はこの事実を,これらの製品が同じ設計図に基づいて,あるいは同じ工場で製造されたことを示すものと考えています.本ボードの基板上のPN…の文字列の与える感じなどは,メーカー不明な(MET'S CORPORATIONあたりかもしれません)ファイルベイHDDパックアダプタであるNOTE BAY(ex709さんの2020年11月7日のツイート を参照)や外付けIDE-SCSI変換ユニットであるHN-DT/W(98ノート/エプソン98互換ノート用2.5インチHDDパック を参照)のものとよく似ており(注1.1),これら製品(の少なくとも基板部分)が同じ工場で製造されたことを思わせます.少なくともこれらの製品の製造設備が全く独立していたとは思えません.
     注1.1:キュービジョンの製品(WaveStarなど)でも,基板上の文字列の与える感じは,これらの製品のものに似ているようにも思えます.
 注2:基板上の文字列が SEC93005 でなく PN050823I1 であるアダプタボードも確認しました.文字列の位置も異なっています.取り付けられているPN040331H1ボードは,BIOS ROMチップに貼られたシールの文字が手書きのものでなくスタンプで押されたものであることを別にすれば,画像のものと同じものに見えます.SEC93005 の文字列のあるものと基板上のパターンが異なっていますが,基板裏面のものも合わせれば両者でパターンは同等なのでしょう.

 追記:本ボードには設計ミスがあるらしく,またやはりアダプタボードと接続された状態でのみ販売されていた可能性があります[おふがおさんの2023年2月28日(123456789)・3月1日(12)のツイートを参照].

■RD-0069-ST(不明)
 BIOS ROMには SCSI-BIOS V5.0(0) (c) C-Lab と書かれたシールが貼られていますが,これはSCSI I/Fではなく,なんとSASI I/Fのようです[Dさんの2020年6月25日(123)・26日(12)のツイートを参照].このI/Fが単体で販売されていたとも考えにくいですので,内蔵用 "SASI籠" や外付けSASI HDD,あるいはPC-9801FA-03のように内蔵SASI HDDユニットを外付けするためのユニットとセットになっていたのかもしれませんが,全く情報がありません("笛を吹く男" の同人誌,"PC-9821 A-MATEの本(資料編)" に何らかの情報があるかもしれませんが,確認していません).下は基板の画像です.出品者IDが trgetter,オークションIDが h450193121 のヤフーオークションの出品物(2020年6月20日に落札)の商品説明画像から切り出して270゜回転し35%に縮小したものと,商品説明画像から切り出して180゜回転し55%に縮小したものとを併置し,jpg形式に再変換した画像を引用します.


型番からα DATAかR&Dの製品の可能性がありますが,確かではありません.外部コネクタ側から見た場合,RD-0069-STの文字列は基板の左隅にあります.スイッチは8連ディップスイッチが2個あるのみで,画像のものではディップはすべてOFF側に設定されています.SASIコントローラとおぼしきチップは OKI M70H041 0X0IVI と書かれた長辺19ピン・短辺13ピンの64ピンのQFPチップですが,このチップに関する資料は見つけることができていません.なお基板上にはPL-0200と追記されたAMD製のIC(PALでしょうか)もあります.

なお本I/FのCバスボード版と思われるRD-0068-STというI/Fも存在します.OKIやAMDのICも本I/Fと共通ですが,外部接続用コネクタはアンフェノールフルピッチとなっています.これもやはりSASI I/Fのようです[Dさんの2020年8月19日のツイート(12)を参照].BIOS ROMのシールには SCSI-BIOS V5.0(0) (c) 1993 C-Lab.[(c)は実際は○の中にc] とありますので,1993年製のボードなのでしょうが,IDE(に近い) I/Fを内蔵したPC-9801BX/BA・PC-9821Ap/As/Aeの発売が1993年1月であることを考えると,出荷数が極めて限られていたボードの可能性もあります.


□SCSIスルーボード
 PC-9821A-E10その他の "スルーボード化工作" については,MATE-A等専用SCSI I/Fのコネクタピンアサインとスルーボード化工作 を参照して下さい.
■MDC-FA001(緑電子)
 CバスSCSI I/Fの外部SCSIコネクタと,本I/Fの二つある外部SCSIコネクタの一方とをSCSIケーブルで接続します.それにより,PC内部のSCSI機器をCバスSCSI I/Fにより動作させることができます.CバスSCSI I/Fからの信号は,最終的には本I/Fのもう一方の外部SCSIコネクタに出力されます.つまりSCSI信号は,CバスSCSI I/F --> 本I/F --> 内蔵SCSI機器 --> 本I/F の経路で流れます.本I/Fの空いている方の外部SCSIコネクタには,普通はターミネータを装着するのだと思いますが,ここにさらに外部SCSI機器を接続することも可能です.出品者IDが takuhatu_gorou,オークションIDが v505095176 のヤフーオークションの出品物(2017年6月21日に落札)の商品説明画像から切り出して90゜回転したものを2/3に縮小しガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換した画像を引用します.なお本ボードの基板名(基板上に印字されている型番)は MD-278A で,基板に貼られたシールには 型式名称 MDC-FA001 と記されています.基板上に実装されている部品は1kΩの抵抗二本とダイオード一本のみです.


■二種盛り合わせ(PK98-2SYUMORI)(玄人志向)
 SCSIスルー機能とLAN(10BASE-T)との複合I/Fです.LAN部はメルコ製CバスLANボードであるLGY-98相当で,LGY-98と同じくI/OポートアドレスとIRQはLGYSETUP.EXEで設定します.基板上にシルク印刷された型番は MORIAWA-AA CP です.



トップページ