PC-98/エプソン98互換機の
電源ユニットの電解コンデンサ


試運転さんに多数のデータをいただきました.

PC-98とエプソン98互換機の電源ユニットの電解コンデンサを交換(注1)したという報告自体は少なくありませんが,具体的な電解コンデンサのリストまで公開しているものは多くありません(注2).本記事ではそのような報告についてまとめました.元々使用されていたコンデンサの代替品情報を含む報告もあります.コンデンサの個数や個数とサイズのみの報告(メーカーや型番の情報のないもの)も含めています.なお本記事では,本体機種名は直接の調査の対象となったものだけをを示しています.同一型番の電源ユニットが,本記事での複数のカテゴリーの本体機種で使用されている場合もありますので注意して下さい(注3).PC本体と電源ユニットの対応についてはPC-98本体-電源ユニット対応表 を参照.また電源ユニット代替に関しては,PC-98/エプソン98互換デスクトップ機の電源ユニットのコネクタのピンアサイン を参照.またノート機のACアダプタの電解コンデンサに関しては,98ノート/ラップトップのACアダプタエプソン98互換ノート/小型ラップトップ/BOOKのACアダプタ を参照.
 注1:ハンダづけについては,PC-98 tips集の "ハンダづけ関連" の項も参照.
 注2:本記事を初めて公開した時点ではこの通りでしたが,下に見る通りその後電解コンデンサのリストの報告も大分増えてきました.2020年を過ぎた辺りから,コンデンサ交換を中心とした電源の修理の必要性の認識が広まり,また実際の修理の試みも増えたことを示すものでしょう.
 注3:例えばPU716はFA/FS/FX(PC-9801型番機)とAp/As(MATE-A)で,またPU727はBX2/BA2(PC-9801型番機),Bs/Bp(MATE-B),Xe/Xs(MATE-X)などで使用されていることを確認しています.

電解コンデンサ(注1)の交換は万能修理法ではありません.PCの電源ユニットの故障は,ダイオードや抵抗(注2・3・4・5)の劣化によるものも多く,電解コンデンサの修理だけでは直らない場合も多いといいます(かおるさんの2020年6月9日のツイート などを参照).フォトカプラの経年劣化(フォトダイオード部の出力低下)によるものもあるといいます(sakohitiさんの2023年6月23日のツイート を参照).また電源部の故障の報告は,外付け機器(外付けFDDユニットや外付けHDDなど)でも増えています.
 注1:電解コンデンサは小型化が進んでおり,PC-98などの電源ユニットで使用されている古い電解コンデンサと容量や耐圧等の定格が同じでも,現行品ではリード線の間隔が狭く,古い電解コンデンサが取り付けられていた基板の取付穴の間隔と合わない場合が出てきています(PC-9821/9801スレッド Part102の335番の投稿を参照).この場合リード線の適切な成型を行わずに無理に取り付けると,リード線により電解コンデンサ底面の封口ゴムの穴が変形して電解液の漏出が起きやすくなります(はんだ付け職人「はんだ付けに光を!」さんの2024年10月29日のツイート を参照).
 注2:スイッチング電源では,一般の整流用ではなくファストリカバリダイオード(FRD)が使用されています(Lynfieldさんの2023年11月2日のツイート を参照).一般的な整流用ダイオードをファストリカバリダイオードを使うべきところに使用すると焼損します.
 注3:電源ユニットで使用されているものに限らず,電解液が浸透した抵抗は損傷を疑う必要があるといいます(元ファミコンランド中標津店中の人さんの2021年2月27日のツイート を参照).漏れ出した電解液を除去するために基板を洗浄(丸洗い)することについては,マザーボード上の四級塩電解コンデンサの交換の枠内の記述を参照.なお四級塩電解コンデンサは,製造していたメーカーにとって都合の悪い存在であるために公式資料の入手は困難ですが,型番などはある程度判明しています[Susumu's Hobby --> 趣味(AV) - 音質レポート・1 --> 修理技術・ポリシーについて →→ ここをクリック!(記事名:修理技術・ポリシー)などを参照].
 注4:動作確認時に最初の一回はPC本体を起動できるが,二回目以降は出力がない電源ユニット(恐らく古い機種用でしょう)では,過電流検出用と思われる値の低い抵抗が破裂している場合がありますが,この場合は,終段のスイッチング用トランジスタ/FETや逆流防止用ダイオードのGNDショートの故障が疑われます.従って単に当該抵抗を交換したり焼損したパターンを修復するだけでは修理したことになりません(リサイクル掲示板2022年11月過去ログの "汎用スレッド2022年11月 パート1" スレッド,PC-9821/9801スレッド Part94の49番と56番の投稿を参照).
 注5:電源ユニットのものに限りませんが,セラミックコンデンサは内部で電極が折れていることが間々あるといいます(WIDENETさんの2024年4月4日のツイート を参照).

※本体前面の電源ボタンと電源ユニットのプッシュスイッチとの間に棒状のプラスチック部品がある機種では,電源ユニットを本体に戻す際にこの部品に注意して下さい.この部品が本体背面側にズレている時に,電源ユニットのプッシュスイッチのバネが伸びている状態で電源ユニットを本体に取り付けようとすると,これと電源ユニットのプッシュスイッチとが干渉します.この状態で電源ユニットを無理に取り付けようとすると,これを折ってしまうことがあります.電源ユニットは,この部品が本体前面方向に正しくセットされている状態(前方の端が本体の電源ボタンに接触している状態)で,プッシュスイッチのバネを押し縮めた状態で本体に取り付けて下さい.なおこの部品は,マザーボードが取り外されている状態で何かをぶつけたり,上から不用意に力を加えてしまった場合にも折れることがあります.

※※一部のエプソン98互換デスクトップ機では,Cバスライザボードが装着されていなければ本体が起動しません(どるこむの過去ログ,[488] 586RAのマザー 等を参照).本体を分解して電源ユニットに手を入れた後の動作確認時には注意して下さい.

情報収集の真っ最中であり,新しい情報が見つかれば本文中に追記するやり方を採っていますので,代替コンデンサに関する記述が整理されておらず,大変雑然とした状態となっています(本記事を執筆している筆者自身が混乱するほどです).代替コンデンサの選定に際しては,ターゲットとなる電源ユニット以外の電源ユニットの項も参照して下さい.なお本記事の公開後,いくつかの製品が新たに廃番品(生産終了品)となりましたが,本記事は全体として完成には程遠く,それらを一々後継品に書き換えてはいません.筆者にはこの方面の知識がなく,対象が対象だけに,筆者の素人考えによる情報の統廃合などの余計な試みは行うべきではないとも考えています.

またこれは情報を収集している間に気付いたことですが(当初は予想していませんでした),メーカーと型番・P/N(一部のユニットでは "指定" 表記)が同じ電源ユニットでも,リビジョン(電源ユニットのシャーシのラベルで REV の右隣に記載されている文字列)により,内部の基板の構成や使用されている部品が異なる場合があります(型番とP/Nが同じでもメーカーが異なるユニット同士では,内部構造や使用されている部品の構成が異なるのは言うまでもありません).従って下に挙げる各データはあくまでも参考データという位置付けになります.コンデンサを交換する場合には,お手元の電源ユニットの実物で使用されているコンデンサの耐圧・容量・型番等を実際に確認した上で代替コンデンサの選定を行う必要があります.

また一部は本文中にも書きましたが,2022年あるいは2023年になって,いくつものメーカーで電源修理における定番の代替用電解コンデンサ(シリーズの全部あるいは一部)が廃番(製造中止,販売中止)となる,あるいは近いうちに廃番となることが予告されることが増えています.


電源ユニットの出力コネクタのピンアサインについては,PC-98/エプソン98互換デスクトップ機の電源ユニットのコネクタのピンアサイン を参照して下さい.


PC-98型番機
■PC-98DO(PC-98DO POW. UNIT V46)
 たけるん通信 --> OLDパソコンコーナー --> PC98x1/互換機 (NEC・EPSON) こちらです --> PC-98DO/DO+レトロなPCとか --> PC-98DO のコンデンサ(2018年1月20日の記事),ZKZK/8801.tokyo --> PC-98DO|分解清掃と電池除去、コンデンサ交換、ホワイトニング,Donbeiさんの2022年2月15日のツイート

 ※これまでに,PC-98DO POW. UNIT V46-206PG,PC-98DO POW. UNIT V46-207PG,PC-98DO POW. UNIT V46-298PG の三種類があることを確認しています.
 ※※DC-ATXを使用して内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月17日のツイート を参照].プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開されています.
 ※※※初回動作確認時に電源は入ったが数秒でにダウン,再度電源スイッチを押しても無反応,長時間放置後に電源スイッチを押すと電源が入るもののやはり数秒でダウン,という状態の電源ユニットの修理の試み(最終的に断念されたようです)の報告があります[Sasabonさんの2022年10月25日26日27日29日・30日(12345)・11月3日 のツイート,かおるさんの2022年10月30日のツイート(注)(12345678910),MCtek《えむして》さんの2022年10月27日のツイート(1234)を参照].
 注:これらのツイートはすべて削除され現在は参照できなくなりましたが,貴重なコメントを多数含むため各ツイートの内容を簡単に書いておきます:1.電源が入ってすぐ落ちるというのは安全回路が動作している証拠.フォトカプラは問題なく,トランジスタ・ダイオード・抵抗の交換が必要と思われる.ガラス管型のダイオードは四級塩電解液の浸潤に弱い/2.瞬時でも電圧が出ていれば,過電圧保護回路が動作している可能性が高い.ダイオードと抵抗の故障か/3.一次側は問題ないようだが,二次側の厚膜ICと半固定抵抗の劣化が気になる.回路図が参照できればよいのだが/4.一次側の回路が故障していれば電源投入後即ヒューズが切れるが,それがないということから二次側の回路の故障と推測/5.数分間動作というのは信じ難くもあるが,動作時に正しい電圧が出力されているかの確認が必要/6.厚膜ICの手前のダイオード4つを交換する必要がある.カソードバンドが視認できないほど損傷が酷い.部品番号がZDかDかを教えて欲しい/7.半固定抵抗をグリグリと回してみたらどうか/8.ZD651-653が全滅しているようだ.半固定抵抗は3枚目の画像の左下にある白い縦長の部品.ZDは電圧が不明なので,回路図で確認するか,正常動作品と比較する必要がある/9.抵抗も交換した方がよい.SANKEN STR9012だが,ZDの電圧は不明.動作品との比較しかない/10.半固定抵抗はSTR9012に接続されていて固定抵抗とペアで12Vの電圧の調整を行うためのものと思われる.接点を持つ部品で経年劣化により故障するので,これも交換した方がよい.


■PC-98DO+(PC-98DO POW. UNIT V46?)
 ZKZK/8801.tokyo --> PC-98DO+|分解と電池除去PC-98DO+の修理|コンデンサ交換
 ※電源ユニットは三種類あるといいます.基板の異なるものでしょうか(幸せに生きる@貴子ちゃんさんの2022年4月4日のツイート を参照).
 ※※DC-ATXを使用したPC-98DO用の電源ユニット(PC-98DO POW. UNIT V46)内部の基板の代替品[ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月17日のツイート を参照.プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開]は本機でも使用可能[ETHYLE~1.SYSさんの2023年9月24日のツイート(12)を参照].


■PC-98XA(メーカー・型番不明)
 電源ユニットは修理しようとせず,外部電源を接続するべきとの見解があります[リサイクル掲示板2023年10月過去ログの "買い物ヤフオクX(旧ツイッター)ウォッチ2023年10月" スレッド を参照].


■PC-98GS(XB905 POW. UNIT XB907 W42-11ZPG)
 この資料は試運転さんよりいただきました.上段左が下側基板,右が上側基板の画像です.電機コンデンサはいずれも基板貫通型(ラジアルリード型)です.なお電源ユニット名は実際にはXB905ではない可能性があります.


また,ASAYAN-TOWN --> サイトマップ --> PC-98GS にも電解コンデンサの耐圧と容量のデータがあります.


■PC-98RL(PU470)
 おふがおさんの2021年9月22日のツイート


PC-9801型番機
■PC-9801(メーカー・型番不明)
 katmai(情報垢)さんの2021年8月9日のツイート


■PC-9801E(PU101)
 noconaさんの2023年12月12日のツイート.実装されている部品が一部異なるものの,基板のレイアウトはPC-9801F2のPU102のものとほぼ同一(ツイート内の画像はPU102のもの).


■PC-9801F2(PU102)
 noconaさんの2021年11月23日(12)・2022年5月10日のツイート


■PC-9801F3/M3(TDK製PU410)
 noconaさんの2022年12月21日2023年1月3日のツイート


■PC-9801U(PU105)
 おふがおさんの2022年3月28日のツイート


■PC-9801VF(PU418)
 Zilfhumさんの2020年7月31日8月2日のツイート


■PC-9801CV(Display Kit CU-1001MS)
 おふがおさんの2021年4月13日のツイート(12
 ※Zilfhumさんの2022年3月20日のツイート(1234567)に,NEC製のCRT(型番不明)の電源ユニット(SANKEN ELECTRIC SRS-201- ●B POWER SUPPLY)がCVに流用できた(内蔵CRT用でしょうか)との報告があります.


■PC-9801VX(東北金属工業製PU432)
 雪下製作所さんの2021年10月22日25日のツイート
 ※PC-9821/9801スレッド Part93の94番と99番の投稿も本機の電源ユニットのコンデンサのデータなのでしょうか.


■PC-9801EX(PU471)
 uts --> NEC PC-9801EX2 の修理<(2015年5月23日の記事)
 ※noconaさんの2021年3月17日(12)・18日(123)のツイートに,EXとESのPU471の電解コンデンサや抵抗等に関する資料があります.わんくんさんの2023年1月30日のツイート(12)も参照.なおPU471は無負荷状態では+5V出力が実際よりも高い値となり,+12V出力は実際よりも低い値となるが,ある程度の負荷をかければ正しい電圧が出力されるとの報告があります[わんくんさんの2023年1月30日のツイート(12),noconaさんの2023年9月15日のツイート を参照].


■PC-9801ES(PU471)
 ASAYAN-TOWN --> サイトマップ --> PC-9801ES
 ※PU471では電解コンデンサの漏れた電解液が電源ユニットの外部にまで流れ出るといいます[第三研究所@TRISSさんの2022年4月28日のツイート(12),Jillyさんの2023年6月10日のツイート を参照].
 ※※電源ユニットの故障によるものとは限らないでしょうが,筆者の経験(長期間使用されていなかった機体でのものですが)では,2003年辺りの時期には電源が入らなくなっているEXやESが既に出始めていました.


■PC-9801UX(PU456)
 noconaさんの2021年3月17日のツイート


■PC-9801UV(PC-9801UV21,PU106)
 電解コンデンサのデータではありませんが,PU106の内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月15日のツイート(12)を参照].プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開されています.
 ※PU106は無負荷状態では+5Vが正しく出力されない(より高い値が出力される)ようです(PC-9821/9801スレッド Part93の170番と176番の投稿を参照).+9.5V程度まで出るといいます(Lynfieldさんの2022年8月10日のツイート を参照).


■PC-9801UV11(PU461)
 web6047 --> diary - 2021_09 --> PC-9801 UV11 購入に踏み切った - その4(2021年9月24日の記事)


■PC-9801UF(PU495F 808-891186-101 REV:A4・)
 おふがおさんの2020年11月26日のツイート
 ※REV:A1・とは部品の構成が一部異なるといいます[おふがおさんの2021年10月4日のツイート(12)を参照].


■PC-9801UR(PU495)
 おふがおさんの2020年12月8日のツイート


■PC-9801US(PU720)
 ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の PC-9801USのメンテナンス(その5その6その7その8その9その14),および めーちゃんさんの2019年7月6日のツイート(12),Youtubeの動画,【PC-9801USレストア#11】昭和生まれのレトロ電池でモザイク画面を直そう&電源のコンデンサ交換【ジャンクPC】の4分30秒-34秒付近.


■PC-9801RA21(SANKEN製およびトーキン製PU463)
 noconaさんの2021年3月17日のツイート
 ※SANKEN製PU463の初期型[例:RA2のもの(REV:C2A,基板名 PS10183-2B M  PKG2)]では,後期型[例:DX2のもの(REV:C3・,基板名 PS10183-2D M  PKG2)]と異なり,シルク印刷からは CX1とCX6の位置の電解コンデンサが無極性(両極性)品のように思えますが,実際には後期型のものと同じく極性のあるタイプが使用されています[noconaさんの2021年7月30日のツイート(123)を参照].
 ※※DELTA製PU727(DPS-102CB)の中身をSANKEN製PU463のシャーシに移し替える工作が,リサイクル掲示板の2022年9月過去ログ の "汎用スレッド2022年9月 パート1" スレッド で報告されています.
 ※※※SANKEN製PU463A/PU463Bの内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年4月23日(123)・26日(12)・8月25日(12)のツイートを参照].
 ※※※SANKEN製PU463/PU463A/PU463Bの基板と実装されているコンデンサは共通[sakohitiさんの2023年11月6日のツイート(12)を参照].
 ※※※※トーキン製PU463にはシャーシの形状が異なるものが複数存在します[指定 808-891023-001 は同じですが,号機(例:P-Q156947 REV:D12・ と V-C280102 REV:D12・)が異なります(注).PC-9821/9801スレッド Part94の20番の投稿を参照].内部の基板も異なっているのでしょう.
     注:PC-98本体-電源ユニット対応表にも書きましたが,トーキン製電源ユニットの "号機" は単なるシリアルナンバーではないようです.しかしこれが何を指す文字列なのかは把握できていません.
 ※※※※※PU463をはじめとするSANKEN製電源ユニットには厚膜IC?CRモジュール?が使用されており,回路の解析も代替部品の選定も,従って修理も困難.コンデンサの劣化がアクティブ素子の破壊に繋がりやすい設計か?(リサイクル掲示板2022年11月過去ログの "汎用スレッド2022年11月 パート1" スレッド を参照).
 ※※※※※※PC-9801RXのDELTA製PU463では,電解コンデンサの漏れた電解液が電源ユニットの外部,時にPC本体の外部にまで流れ出るといいます[第三研究所@TRISSさんの2022年4月28日のツイートを参照].

■PC-9801DA(SANKEN製PU463A)
 noconaさんの2021年3月17日のツイート
 ※GAMERnium.com --> PC-9801DA2電源修理(2016年2月2日の記事)にも関連記事があります.
 ※※この頃の機種の電源ユニットは,(不調なものを?)無理に起動させるとスイッチング用のMOSが故障するといいます(つねごんさんの2021年8月13日のツイート を参照).
 ※※※SANKEN製PU463/463AのP2Mの文字列のある3本足の部品はサイリスタ.型番 03P2M,画像左からゲート・アノード・カソードの順(noconaさんの2022年9月20日のツイート を参照).
 ※※※※基板上のZ3のシルク印刷の位置の部品(松下 AN1431T/NEC μPC1093J/日立 HA17431P)はシャントレギュレータ(noconaさんの2022年9月24日のツイート を参照).1431T(NEC製のものはμPC1431)については,リサイクル掲示板2024年6月過去ログの "汎用スレッド2024年6月" スレッド も参照.
 ※※※※※すべてが電源ユニットの故障によるものとは限らないでしょうが,筆者の経験と伝聞では,2001-2003年辺りの時期には,電源が入らなくなっているDSやDAが既に結構な台数ありました.


■PC-9801DX(トーキン製PU463A,指定808-891023-003,号機A-E,REV:A1・)
 新かべきんブログ --> PC-9801DX 電源部(TOKIN PU-463A) 分解メモ(2022年4月28日の記事)・PC-9801DX PU4683A電源のコンデンサ寿命を調べてみる(2022年5月5日の記事).電源ユニットのシャーシの分解方法についても書かれています.またかべきん (KbKz)さんの2022年5月1日のツイート にこの電源ユニットで使用されていた電解コンデンサのESR値の実測値が掲載されています.
 ※一部で日本ケミコン製SXEは液漏れしないと言われており,実際に液漏れが認められないケースも報告されていますが,四級塩品との指摘は古くからあったらしく[かべきん (KbKz)さんの2022年4月28日のツイート を参照],実際にPC-9801LX5Cの電源ユニット(日本電気精器製PU477)で使用されているものでの液漏れが確認されています(おふがおさんの2022年5月8日のツイート を参照).またSXEは岩通製のロジックアナライザーの電源部分の故障の原因となっていることも多いようです[新かべきんブログ --> PC-9801DX PU4683A電源のコンデンサ寿命を調べてみる(2022年5月5日の記事)を参照].PC-H98 model8-002のPU702で使用されているSXE(16V-220μF,C204)のESR値の実測値が,げしょさんレトロ垢さんの2023年4月27日のツイート で報告されています.これを見るとESRは0.00です.日本ケミコンはSXEの後継としてLXVやKYを指定していましたが(かおるさんの2020年7月8日のツイート,まえ製作所[ 動作周波数7.5GHz]さんの2024年9月25日のツイート を参照),KY(KMFの代替推奨シリーズ)は廃番品となりました(実質的な後継品はKYA/KYB?)[かおるさんの2021年5月17日のツイート(123)を参照].SXEを耐圧や容量によっては日本ケミコン製LXYやnichicon製PSで代替している例もあり[レジンスキーさんの2023年1月29日のツイート(12)を参照](注),またKYもRubycon製YXHで代替している例があります(ちま??ちまさんの2021年10月12日のツイート を参照).
  注:耐圧や容量によっては,パナソニック製FC-Aや日本ケミコン製LXVが代替コンデンサとして選定されるケースもあるといいます(レジンスキーさんの2023年4月15日23日 のツイートを参照).


■PC-9801BA(SANKEN製PU463B)
 cirrusさんの2018年8月14日のツイート(123
 ※基板名 PSA10120C-1 M PKG1 および PSA10120C-2 M PKG2.トーキン製PU463Bとはユニットのシャーシの形状も基板も異なります(cirrusさんの2018年8月14日のツイート を参照).


■PC-9801BX(メーカー不明 PU463B)
 ??漆黒ノ天使??*yuina*??JK2共同垢??さんの2020年12月31日のツイート
 ※上記のcirrusさんのデータとは異なっています.基板と実装部品の異なるロットのものなのでしょう.


■PC-9821BX2[トーキン製PU727 REV:A1・,B2・(REV欄にリビジョン番号が二つ併記)]
 noconaさんの2021年10月5日のツイート
 ※BX2本体が1993年末の製造であり,上のツイートではトーキン製PU727の前期型と推測されています.


■PC-9801BX3(DELTA製PU739/DPS-102EB)
 SAKURA工房の修理備忘録的なナニカ --> PC9801関連
 ※使用されている電解コンデンサの型番については,きょろサンチームさんの2021年7月27日のツイート(12)を参照.なおこの電源ユニットを分解する場合には,シャーシに取り付けられている電源ケーブル接続用コネクタ・サービスコンセント・ファンへと繋がるケーブルを基板のハンダを溶かして取り外す必要があります(きょろサンチームさんの2021年9月7日のツイート を参照).


■PC-9801BX4(DELTA製PU739V DPS-102EB)
 鴨 川 ネ ギさんの2021年1月8日のツイート

筆者も調べました.DELTA PU739V REV:B5・ MODEL DPS-102EB REV:B0(基板はDPS-102EP REV:B)のものです.コンデンサの寸法については,基板に取り付けたままでやや雑な測り方をしたため,実際のものと1mm程度異なるかもしれません.



※不明1はC501と判明しました[UME-3さんの2023年6月10日のツイート(12)を参照].不明2・3はこのツイートからも不明です.

LXFは四級塩品,またYXBも有名な四級塩品です.PF(M)も未使用品であっても液漏れすることが確認されています[永氏(ながし)さんの2023年12月20日のツイート を参照].KME(注)は標準品,またVTも標準品の可能性があります(試運転さんより情報をいただきました).なおPC-98で使用されているかは不明ですが,似た型番のnichicon製VT(M)は四級塩品の疑いがあり,酷く液漏れすることも確認されています(しろやぎさんの2024年7月11日のツイート を参照).
 注:古い時代のKMEは,現行の同型番の両極性のものと別物であり,極性を有します.直接の後継品種としてKMGが指定されていましたが,これも廃品種となりました.KMGの後継品はKMQですが(ここを参照),これも一部は既にNRND(非推奨品:生産中止が予定されているため新規設計での採用は非推奨)です[PC-9801FX/FA(トーキン製PU716)の項を参照].

本ユニットは負荷監視回路を持っており,無負荷状態で通電させると数秒後に出力がオフになるといいます(PI.さんの2023年6月3日のツイート を参照).


■PC-9801FX/FA(トーキン製PU716,SANKEN製は下を参照)
 レトロゲーマーZ(http://fanblogs.jp/retrogamerz/)--> PC-9801FX 電源ユニット PU716 の4級塩コンデンサを交換(2018年10月2日の記事)
 このブログは2019年春頃に閉鎖され,Internet Archiveにも記事が保存されていません.この記事において公開されていたコンデンサのリストの誤記を訂正したものを下に引用します.


 追記1:RG-Z ファイル置き場 にて,このブログに掲載されていた画像や文章の下書き等が公開されました.上記のコンデンサのリストのデータもあります【追記:ここも閉鎖されたことを2024年8月に確認しました】.
 追記2:トーキン製PU716には2種類あり,使用されている部品が全く異なるといいます(WIDENETさんの2020年11月8日のツイートを参照).これについては調べましたので,以下に記載します.
 追記3:筆者のPC-9801FAのトーキン製PU716(指定 808-891351-001,号機 H-C REV:B4・)で使用されている電解コンデンサです.追記2のWIDENETさんの分類によれば,前期型J1のものです.基板上の型番は D9064-B002-J1-2 Sc(?) 96S▲ です[Sc(?)の部分は変形文字ですが,明らかにNEではありません].基板に取り付けたままでやや雑な測り方をしたため,コンデンサの寸法は実際のものと1mm程度異なるかもしれません.
     画像から見て,上記のレトロゲーマーZのPC-9801FXのトーキン製PU716も前期型J1と考えられますが,電解コンデンサの内訳が筆者が調査したものと若干異なります.C205はC203の誤記であり(これは基板上の文字の位置から見ても間違いないと思います),C311の容量は単純な誤記と考えます.
     また,ちゃんご56さんの2022年2月6日のツイート で報告されているPC-9801FAのトーキン製PU716[指定 808-891351-001,号機 H-E REV:B4・,基板上の型番は D9064-B002-J1-2 Sc(?) 96S▲ ]で使用されている電解コンデンサも筆者が調査したものと若干異なっています.電源基板は,予め複数のメーカーの(容量等の)異なる電解コンデンサにも対応できるように設計されていることがあるといいますが(PC-9821/9801スレッド Part91の551・552番の投稿を参照),これなどもそのケースなのでしょう.
     同じ前期型J1でも,D9061-B002-J1-3 Sc(?) 96S▲ ではコンデンサの容量が一部異なり,C102が35V-390μF,C103が16V-47μFですが(リサイクル掲示板2020年7月分過去ログ汎用スレッド2020年7月 パート2 を参照.ICHIGOさんのお仕事 --> PC-9801FA/U2の修理(25年目編)(2017年8月11日の記事)のデータも同じ電電ユニットのものでしょう),コンデンサのメーカーや型番の違いを無視すれば,これは D9064-B002-J1-3 Sc 96S▲ でも同じです(柳瀬みっく@ハードウェア趣味垢さんの2021年12月11日のツイート を参照).またC102が35V-390μFで,C103の容量はD9064-B002-J1-2 Sc(?) 96S▲でのもの(16V-10μF)と変わらないとの報告もあります(noconaさんの2021年5月23日のツイート を参照),さらにPC-9801FXのトーキン製PU716[指定 808-891351-001,号機 H-W REV:B8・,基板上の型番は D9064-B002-J1-3 Sc(?) 96S▲ ではC102が35V-220μFで,C103は16V-10μFとの報告もあります[年中なにかの花粉でアレルギー --> 電源ユニット(PU716/PU727)の電解コンデンサ情報(2017年3月15日の記事)を参照].



 追記4:筆者の別なPC-9801FAのトーキン製PU716(指定 808-891351-001,号機 Q-L REV:C10・)で使用されている電解コンデンサです.追記2のWIDENETさんの分類によれば,後期型J2のものです.基板上の型番は D9064-B002-J2-2 NE49S▲ です(注).なお前期型J1と後期型J2ではシャーシの構造も異なり,従って分解の仕方も異なります.
  注:号機" が Q-Q REV:C10・(基板上の型番は同じ)のものもあります(リウさんより情報をいただきました).



 追記5:Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の おまけその5 水没機・ヤニ漬けAnを磨こう! ~PC-9821Anのレストア~ の項で,Anの電源ユニット(PU732)において,マルコン製のコンデンサが使用されているものと日本ケミコン製のコンデンサが使用されているものとの比較が行われています.それによれば,Marcon製CE-BSは日本ケミコン製KMGシリーズで代替可能です(追記5.1・5.2・5.3).またこの資料によれば,マルコン製DWF-Mと日本ケミコンの旧製品SMHは日本ケミコン製SMQで,またマルコン製EFMは日本ケミコン製KMGでそれぞれ代替が可能です(追記5.4).
     追記5.1:KMGシリーズは廃番品となりました(追記5.1.1).後継品はKMQシリーズですが,KMQシリーズでも50V-1μFや25V-100μFのものなどはNRND(非推奨品:生産中止が予定されているため新規設計での採用は非推奨)とされています[Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2022年6月28日のツイート(12),かおるさんの2022年10月3日のツイートを参照].他社製の小型同等品にはnichicon製UVZシリーズ,Rubycon製PXシリーズ,ELNA製RJ3シリーズがありますが,KMQシリーズに比べ入手性はあまり良くないようです(かおるさんの2022年6月28日10月3日のツイートを参照).なおKMGやPXは105゜Cの一般品で代替できるとの見解もあります(かおるさんの2022年10月19日のツイート を参照).
          追記5.1.1:販売終了は2024年3月末のようです(かおるさんの2022年6月27日のツイート を参照).なおKMGシリーズの現行品は,1~33μFまでは50V,47μFは25Vまたは35V,100μFは16V(追記5.1.1.1)が耐圧の最低値であり,これらより低耐圧のものは長期在庫品の可能性があります(かおるさんの2022年6月28日のツイート を参照).
                追記5.1.1.1:16V-100μF等の小容量品は2022年10月の時点で店頭・流通在庫を残すのみとなっているようです(かおるさんの2022年10月2日3日のツイートを参照).
     追記5.2:Marcon製CE-BS(一般品)にはPanasonic製NHG-Aでの代替報告もあります(レジンスキーさんの2023年1月29日のツイート を参照).
     追記5.3:Marcon製CE-US(一般品)はPanasonic製NHG-A(レジンスキーさんの2023年4月23日のツイート を参照),nichicon製VZ[レジンスキーさんの2023年1月29日のツイート(12)を参照],日本ケミコン製KMQ(レジンスキーさんの2023年2月27日のツイート を参照)での代替報告があります.なおCE-US/CE-BS(ともに一般品)を低ESR品としている資料があるようですので注意して下さい(レジンスキーさんの2023年3月21日のツイート を参照).Marcon製CE-BSのESRの実測値は,目崎 学さんの2022年2月6日のツイート や げしょさんレトロ垢さんの2023年4月27日のツイート で報告されています.
     追記5.4:日本ケミコン製品では,EFMの直接の代替推奨品はLXJ,それの代替推奨品はLXVまたはKY(まえ製作所[ 動作周波数7.5GHz]さんの2024年9月25日のツイート を参照).
 追記6:PC-9821Cxの電源ユニットから取り外された日本ケミコン製LXF(25V-470μFのもの)のESR(0.1Ω)と損失係数(100Hz時0.044-100kHz時0.925)の実測結果が,おふがおさんの2021年1月30日のツイート(123)で報告されています.LXFの代替推奨シリーズはLXYとされていますが,KMGやGPAもLXFと特性が似ているといいます.またCt20の電源ユニットから取り外した16V-2200μFのLXFのESRはもう少し低かった(0-0.03Ω)といいます(おふがおさんの2021年2月16日のツイートを参照).LXFにはnichicon製PSでの代替例もあります(レジンスキーさんの2023年4月2日のツイート を参照).LXFの代替品としてLXVやPanasonic製FCを使用するという案(きょろサンチームさんの2022年1月8日のツイート を参照)やnichicon製PMを使用するという案(レジンスキーさんの2022年12月9日2023年1月29日のツイートを参照)もあります.
 追記7:noconaさんの2021年3月17日のツイートにも,Apのトーキン製PU716の電解コンデンサの一覧があります(2021年6月6日のツイート も参照).
 追記8:雪下製作所【公式】さんの2021年12月2日のツイートにも一部の(雪下製作所【公式】さんの同日のツイート を参照)電解コンデンサに関する資料があります.
 追記9:日本ケミコン アルミ電解コンデンサ 1999年版(?)カタログ(pdfファイル直リンク)の存在を試運転さんより教えていただきました.KME,KMF,SMG等の特性が書かれており,また16ページには代替推奨シリーズ一覧表もあります.またマルコン電子品代替え推奨品一覧表(1998年5月22日更新) の存在も試運転さんに教えていただきました.代替コンデンサについては,試運転の資料館 --> 電算機部 --> FM TOWNS SN のアルミ電解コンデンサを交換する の記事もあわせて参照して下さい.
 追記10:1984年のマルコン電子株式会社のカタログに掲載されていた(一部の?)電解コンデンサの特性が,まえ製作所 --> 電子部品規格関係 --> マルコン製コンデンサのスペックについて に掲載されています.
 追記11:続:低速PC鈍行記。 --> 【黒歴史シリーズ】エルナー四級塩コンデンサRSG(LongLife)【ELNA】(2014年10月3日の記事)にELNA製RSG("LongLife")の特性に関する資料があります.RSGはPU716では使用されていませんが,PC-98の一部の電源ユニットで使用されていることが確認されています.今のところ他に適当な場所もないため,ここに載せておきます.
      追記11.1:エルナーの1998年頃(?)のカタログ(12)にRSGシリーズの特性が掲載されています(この情報は試運転さんよりいただきました).
 追記12:トーキン製PU716の内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月14日のツイート を参照).プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開されています.
 追記13:nichicon製PR(M)も液漏れすることが確認されています[爆裂海鼠博士さんの2022年9月8日のツイート,レジンスキーさんの2022年9月9日11月17日のツイートを参照.レジンスキーさんの2022年11月17日のツイートにある電源ユニットはPC-H98 modelU70のトーキン製PU464(レジンスキーさんの2022年11月15日のツイート を参照)].nichicon製PSでの代替例があります(レジンスキーさんの2023年4月23日のツイート を参照).


MATE-A
■PC-9801FA,PC-9821Ap/Ae(SANKEN製PU716,トーキン製は上を参照)
 南三陸の部屋PC部 -->PC-9821Ae/M7(記事名:PU716(SANKEN製)の修理),~MPzero~ --> Ap電源 PU716 コンデンサ部品表(2020年1月20日の記事),Zilfhumさんの2020年5月27日(12)・8月2日(12)のツイート(注)
 注:雪下製作所【公式】さんの2021年12月2日のツイートにも一部の(雪下製作所【公式】さんの同日のツイート を参照)電解コンデンサに関する資料があります.

Zilfhumさんの2020年8月2日(1)のツイートにある表のリンク先のコンデンサです.


筆者も調べました.P/N 808-891351-001 REV:C4・ で,Ap/U2のものだろうと思います.但し寸法については,基板に取り付けたままでやや雑な測り方をしたため,実際のものと1mm程度異なるかもしれません(実際,別な同型電源のものを測ったら,やはり1mm程度値が異なっている場合がありました).なお PSA10175D-3 M PKG3 と PSA10175D-2 M PKG2 という基板のものも,コンデンサの構成は同じでした.



PC-9821/9801スレッド Part94の678・679番の投稿で,C42の耐圧と容量が逆に記載されているとの指摘(でしょう)を受けましたので,確認の上訂正しました.下はC42の画像です.確かに10V-100μFでなく100V-10μFです.後日調査時のメモを確認したところ,100V-10μFと正しい値が書き込まれていました.この種の資料の記事化では,ちょっとした気の緩みが命取りになることを改めて思い知らされました.


 追記1:Crusher-KさんよりYXBのデータシートの在処を教えていただきました.但し筆者の環境ではアクセスできないため,特性を確認できておりません.なおRubyconが2000年頃に配布したと思われる "カタログ削除品,旧シリーズについてのお願い" という文書では,小形("小型" でなくこう表記するようです)低インピーダンス品 PS2, G2A, GXA, GXB, GXF, YXB, YXC は YXF, JXA, YXG, ZL への代替が指示されています.Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2020年8月16日のツイートでも,YXBをYXGの旧モデルと推定した上で,(日本ケミコンの)KYシリーズや(Panasonicの)FCシリーズ等の低ESR品に交換していると述べられています.実際,Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2020年7月24日のツイートにある修理後のSANKEN製PU716の画像では,C22としてKYが取り付けられているのが確認できます.またスリーブ(胴体の外皮)の色から,C29・C30・CX2もKY,C28・C42(・C12?)はKMG,C31・C32・C39はFCかFK(Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんご自身は,上記のようにFCの名前を挙げています),C6はGQかGUではないかとする見解(C38はKYかKMG?,またC13は画像には写っておらず不明)もあります(リサイクル掲示板2020年7月過去ログの汎用スレッド2020年7月 パート4 を参照).
 追記2:V13のDELTA製電源(DPS-156BB Aか?)でYXBをKYに交換して問題なかったとの報告があります(きょろサンチームさんの2021年7月27日のツイート を参照).なおその際VTをKMGに,LXFをLXYにそれぞれ交換したといいます.
 追記3:関連すると思われるツイート:(1) 日本ケミコン製KZE/KZHは,SXEよりもインピーダンスがかなり低く,場合によっては動作不良を起こす危険性がある[インピーダンスが低すぎる,いわば "超低インピーダンス" 品のため,電流が流れ過ぎて半導体などに負担がかかる(きょろサンチームさんの2021年1月31日のツイートを参照)]ため,SXEの代替品としては仕様の近いKYを推奨.低インピーダンス品は日本ケミコン製KY[一部LXZ(注1)]かPanasonic製FC-A/FM-A/FS-Aを使用している.電源用の基板自立型(基板貫通型)には日本ケミコン製KMM/KMSを使用.一般品は日本ケミコン製KMGやnichicon製UVR/UVZを使用.低背(5mm)品(注2)はRubycon製MS5・nichicon製UMT/UMAを,低背(7mm)品:Rubycon製MH7・nichicon製UST/USAを使用[かおるさんの2020年7月9日(12)・2021年4月19日のツイートを参照].(2) 低インピーダンス品は日本ケミコン製KYまたはPanasonic製FCで代替(後者を選択する理由は,容量が小刻みに用意されていて便利なこと).後者は国内流通を止めるらしいので,KYに容量のないものの代替品にはLXVを推奨(Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2020年7月9日のツイートを参照).日本ケミコン製LXJもPanasonic製FCと特性が似ている[おふがおさんの2022年6月14日のツイート(12)を参照].(3) 日本ケミコン製KMHをKMSで代替(レジンスキーさんの2022年12月9日のツイート を参照).
     注1:LXZは電源ユニットに使用すべきでないとの見解があるようです[かおるさんの2022年6月14日のツイート(123)を参照].
     注2:2023年5月の時点で,nichicon,東信工業,Rubycon各社の低背品は生産が終了したようです[小さな、レトロゲーム機の修理屋さん。by 広島さんの2023年4月1日5月6日のツイート,かおるさんの2023年5月6日のツイート(12)を参照].
 追記4:noconaさんの2021年3月17日のツイートにも,FXのSANKEN製PU716の電解コンデンサの一覧があります(2021年6月6日のツイート も参照).
 追記5:正常なSANKEN製PU716・PU463とも,±12Vは電源ユニット単体で無負荷の状態では実際よりも低い電圧が出力され,マザーボードに接続するなどしてある程度の負荷をかければ正しい電圧が出力されるといいます[noconaさんの2021年5月23日のツイート(12),新かべきんブログ --> PC-9801DX修理完了(2022年4月30日の記事)を参照](注).An用のPU732でも同様であり(ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の Anの電源ユニットのコンデンサを交換する その5,ぽてぽてさんの2022年6月12日のツイート,おふがおさんの同日のツイート を参照),これがMATE-Aの電源ユニットの特徴との見解もあります.動作チェックの際には注意が必要です.
     注:無負荷状態では+5Vが出力が実際よりも高い値となる電源ユニットや(PC-9801UVのPU106:PC-9821/9801スレッド Part93の170番と176番の投稿を参照),無負荷状態では+5V出力が実際よりも高い値となり,+12V出力は実際よりも低い値となる電源ユニット(PC-9801EX/ESのPU471)もあります[わんくんさんの2023年1月30日のツイート(12)を参照].なお負荷は各電源ユニットの定格出力電流の1-3%程度が消費されるように選定するのがよいようです(PC-9821/9801スレッド Part93の170番と176番の投稿を参照).
 追記6:SANKEN製PU716で+12V出力が低く出力されるのは,2SK1346のゲート端子に接続されているR53抵抗(15kΩ)の断線(2SK1346からの熱による破壊?)が原因との事例があります(PC-9821/9801スレッド Part93の179・185・192番の投稿を参照).
 追記7:DC-ATXを使用してSANKEN製PU716の内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月13日・19日(12)のツイートを参照].プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開されています.ボルゲン電機(Volgen)やコーセル(COSEL)製の+5V/+12V/-12Vの3出力電源ユニット(注)を使用する案もあります(PC-9821/9801スレッド Part93の643・644番の投稿を参照).
     注:この目的に合う電源ユニットの型番は不明ですが,少なくとも電流値が十分なものを選ぶ必要があります.またサイズ(出力電流値の大きなものには割に大型のものが多いと思います)や形状(長さのあるものもあります)にも注意する必要があるでしょう.
 追記8:P2Mの文字列のある3本足の部品はサイリスタ.型番 03P2M,画像左からゲート・アノード・カソードの順(noconaさんの2022年9月20日のツイート を参照).
 追記9:基板上のZ3のシルク印刷の位置の部品(松下 AN1431T/NEC UPC1093J/日立 HA17431P)はシャントレギュレータ(noconaさんの2022年9月24日のツイート を参照).

SANKEN製PU716とトーキン製PU716は,シャーシ背面の冷却ファン用の開口部の左上の部分(下の画像の赤矢印の先)の形状が異なります.前者では円弧状で,後者は直線状です.この部分はPC本体に内蔵されてバックパネルにより一部が遮られている状態でも判別が可能です.


この部分に着目することで,(部品の劣化の程度と故障の内容は個体毎に異なるでしょうが)一般に不調なものや不動品が多く,修理の成功率も高くないとされるSANKEN製のPU716を内蔵した本体の入手を回避することができるでしょう.なお採用されている冷却ファンのメーカー名ではSANKEN製とトーキン製を区別することはできません.冷却ファンは上の画像のものではともにSANYO DENKI製ですが,MINEBEA製の冷却ファンが使用されている個体もあります.


■ASTEC製PU716
 noconaさんの2021年3月17日のツイートによれば,ASTEC製PU716の電解コンデンサは,同社製PU729(下を参照)のものと同じということです.WIDENETさんの2020年11月8日のツイートにある "J2型はPU729と共通の機構" の文句は,恐らくこのことを指すものでしょう.


■PC-9821Ap2/Ap3[ASTEC製PU729(MODEL AA19095)]
 ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の PU729の搭載コンデンサ調査・Ap2の電源ユニットのコンデンサを交換する(その1その2その3その4その5),Ap3の電源ユニットのコンデンサも交換する(その1その2その3
 追記:noconaさんの2021年3月17日のツイート にもAs2のASTEC製PU729の電解コンデンサの一覧があります.また,わんくんさんの2022年6月10日のツイート と じゅんさまーさんの2022年6月18日8月6日のツイートにもAs3/U2とAp3/U2のASTEC製PU729の電解コンデンサの耐圧と容量の一覧があります.


■PC-9821As2[トーキン製PU729(号機 Q-V REV:B3・)]
 基板に取り付けたままでやや雑な測り方をしたため,コンデンサの寸法は実際のものと1mm程度異なるかもしれません(実際,別な同型電源のものを測ったら,やはり1mm程度値が異なっている場合がありました).直径の小さなものは周囲の空間に余裕があります.但しC29・C30・CX2は取り付け位置が非常に近く,あまり大きなものには交換できません.



 追記1:ロットにより使用されているコンデンサのメーカーに一部違いがあるようです(Jillyさんの2020年8月6日のツイート などを参照).またnoconaさんの2021年3月17日のツイートにも,As2のトーキン製PU729の電解コンデンサの一覧があります.またきょろサンチームさんの2021年6月2日のツイートにトーキン製PU729 Q-G REV:B4・の 電解コンデンサの一覧(含交換品)の一覧があります.
 追記2:トーキン製のものかASTEC製のものか不明ですが,PU729の電解コンデンサが劣化して出力が低下していると,電源をオンにしても本体を起動できず,しばらくすると電源が落ちるといいます(目崎 学さんの2021年10月31日のツイート と つねごんさんの2021年11月1日のツイート を参照).
 追記3:Youtubeのジャンク98の修理 Part5 (PC-9821As2の電源のメンテナンス) でトーキンPU729の修理に関する動画が公開されています.

トーキン製PU729とASTEC製PU729は,シャーシ背面の冷却ファン用の開口部の形状が異なるため,PC本体に内蔵された状態でも判別が可能です.



■PC-9821As2[TAMURA製PU729(REV:B2(B2・?)]
 目崎 学さんの2022年2月6日のツイート(12).基板名2P-P1-1159/1 TK-MF5▲RU(? RUは変形文字?).トーキン製の同型ユニットととはシャーシの構造も異なるといいます.


■PC-9821Af[PU726 REV:A3・,A4・,A4A(REV欄にリビジョン番号が三つ併記)]
 おふがおさんの2022年4月21日のツイート


■PC-9821An(PU732)
 ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の Anの電源ユニットのコンデンサを交換する(その1その2その3その4その5①その5②その6その7その8その9),および ぽてぽてさんの2020年2月15日のツイート(12

出力がない,あるいは不十分な場合には,画像にある50V-22μFと10V-2200μFの2個の電解コンデンサを交換するとよいといいます(ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月11日のツイート を参照).

PU732の故障の原因として,電解コンデンサの他,ダイオードやFET(おふがおさんの2022年6月12日のツイート を参照),レギュレータ(自宅ゲーセンプロジェクト Miniさんの同日のツイート を参照)の破壊なども報告されています.いずれも直接の原因は恐らくコンデンサの液漏れでしょう.

一次側の巨大な電解コンデンサ(180V-1200μF)も液漏れすることが報告されています(Lynfieldさんの2023年11月2日のツイート を参照).

ユニットのシャーシから露出している可変抵抗のうち,冷却ファンに近いものは+5V調整用,遠いものは+3.3V調整用(おふがおさんの2023年9月22日のツイート を参照).


MATE-B
■PC-9821Bf(トーキン製PU727A)
 noconaさんの2021年10月5日のツイート


MATE-X
■PC-9821Xe(PU727)
 この資料も試運転さんよりいただいたものを加工しました.試運転さんのコメントです:
 ・ニチコン製LQシリーズを代替できる現行品はLSシリーズです.また日本ケミコン製KMEシリーズは,現行品の両極性の品種とは異なる旧品種であり,代替できる現行品はKMGシリーズ,またLXFシリーズを代替できる現行品はLXYシリーズです.


 追記:年中なにかの花粉でアレルギー --> 電源ユニット(PU716/PU727)の電解コンデンサ情報(2017年3月15日の記事)に,この機種のDELTA製PU727(REV:A4・,DPS-102CB REV:A0)の電解コンデンサに関する資料が掲載されています.


■PC-9821Xs(DELTA製PU727 DPS-102CB)
 noconaさんの2021年3月17日のツイート


■PC-9821Xp(トーキン製PU727)
 noconaさんの2021年10月5日のツイート
 ※Xp本体が1993年前半期の製造であり,上のツイートではトーキン製PU727の後期型と推測されています.


■PC-9821Xf(トーキン製PU733)
 noconaさんの2021年7月23日10月5日 のツイート
 ※直下のPC-9821Xaのトーキン製PU733とは構造が全く異なります.
 ※※DC-ATXを使用して内部の基板の代替品を作成した例があります[ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月27日のツイート を参照].プリント基板のガーバーデータがGoogleドライブで公開されています.


■PC-9821Xa(トーキン製PU733)
 noconaさんの2021年10月5日のツイート(12
 ※直上のPC-9821Xfのトーキン製PU733とは構造が全く異なります.


■PC-9821Xa(INEBEA THAI Ltd.製PU733)
 noconaさんの2022年12月21日のツイート
 ※基板を取り外すにはハンダゴテを用いる必要があるといいます.


■PC-9821Xt(トーキン製PU735)
 noconaさんの2021年10月5日のツイート


■PC-9821Xn(トーキン製PU736 808-891706-001 REV:E5・)
 noconaさんの2021年10月5日のツイート


MULTi/CanBe
■PC-9821(M11 SW. REG PWB ASSY 指定 M11-BB84Y0-3A0)
 じゅんさまーさんの2022年5月21日のツイート に,電解コンデンサの耐圧と容量のデータがあります.


■PC-9821Ce(M21 SW. REG PWB ASSY 指定 M11-BB84Y2-2A0)
 めーちゃんさんの2019年7月61011・12(12)日のツイート,osimasanのページ --> PC-9821Ceの電源のコンデンサ交換(2023年4月8日の記事)
 ※電源ユニットの故障(電源が入ったり入らなかったりする・入っても出力電圧が安定しない)は,多く50V-10μFのコンデンサの劣化が原因か? PC-9801DA等の電源ユニット(PU463A)でも50V-10μFのコンデンサの劣化が原因で起動しない例あり.


■PC-9821Cs2(トーキン製PU730)(注)
 ASAYAN-TOWN --> サイトマップ --> PC-9821Cs2,じゅんさまーさんの2022年5月23日のツイート[REV:A3・? のものでしょうか]
   注:じゅんさまーさんの2022年5月26日のツイート から,上のじゅんさまーさんのデータはトーキン製PU730のものと推測されます.また電源ユニットのメーカーの記載のないASAYAN-TOWNのデータ,下の試運転さんのデータとも,じゅんさまーさんのデータと一致します.

また下の資料は試運転さんよりいただいたものを加工したものです.試運転さんのコメントです:
 ・そこまで極端な液漏れは起こしていない様でした.とは言え,日ケミの末尾Fの電解コンは四級塩の可能性が高い事から,そう遠くない日に液漏れを起こすか,漏れ出した電解液が電解コンの真下にだけ広がっているパターンでしょう.



■PC-9821Ce2/T2D(DELTA製PU730/DPS-90KB)
 じゅんさまーさんの2022年5月26日のツイート に,電解コンデンサの耐圧と容量と個数のデータがあります.またDELTA製かトーキン製かは明らかではありませんが,鴨 川 ネ ギさんの2021年3月24日のツイート にもデータがあり,前者のものとは全く異なっています.またいずれのメーカーの製品かは不明ですが,コンデンサの容量抜けによる発振によってICが破壊されることがあるといいます(つねごんさんの2023年10月23日のツイート を参照).

電源スイッチの修理に関する情報が,Framのレトロハードメンテナンス記録 --> PC-9821Cs2の電源スイッチ劣化対策検討中(2022年1月17日の記事)・PC-9821Cs2の電源スイッチ劣化対策(2022年1月25日の記事)・PC-9821Cs2の電源スイッチ劣化対策パート2(2022年1月27日の記事)にあります.なお●PC-9821スレッド Part2●の39-45番の投稿 と じゅんさまーさんの2022年10月13日のツイート に,PC-9821Ce2/Cs2でキーボード入力を受け付けなくなるのは電源スイッチの劣化が原因かとありますが,キーボード入力を受け付けなくなる故障はCxでも確認されており,真の原因は電源スイッチではなくキーボードまわりの不具合である可能性があります(リサイクル掲示板2022年12月過去ログの "汎用スレッド2022年12月 パート1" スレッドを参照).


■PC-9821Ce2/Cs2(NEC製PU730 REV:A3・)
 えふでぃさんよりいただいた画像を加工して掲載します.基板もNEC製で,裏面に CMK-P3X,PMD-1141の文字列があります. えふでぃの備忘録 --> PC-9821Ce2/T2D PU730 (PWD-1141)(2024年4月30日の記事),PC-9821Ce2/T2D PU730の画像資料(2024年4月16日の記事)も参照.



■PC-9821Cx(PU738)
 ちゃんご56さんの2022年1月22日のツイート
 ※Youtubeの動画,【Qハチ君#4】PC-9821Cxの電源ユニット(PU738)のコンデンサを交換します【98MULTi CanBe / 四級塩電解コンデンサ】の7分25秒-55秒付近と8分30秒-33秒付近にもコンデンサの耐圧と容量のリストがあります.しかしこの電源ユニットの電解コンデンサは,以前の持ち主によって既に交換されていた可能性があるようです.動画のコメント欄にもデータがあります.
 ※※第三研究所 --> 広報課 --> 電算機研究棟ゲストブック の PC-9821CXの電源修理(2020年9月1日の投稿) に,電解コンデンサの液漏れによりスタンバイ用回路が故障して電源が入らなくなったPC-9821Cxの電源ユニットの修理に関する情報があります.


■PC-9821Cx13(PU743A REV:A6)
 じゅんさまーさんの2022年8月9日のツイート(12


■PC-9821Cf(PU738 REV:A3・)
 noconaさんの2022年5月10日のツイート


■PC-9821Cr13(PU748 REV:A1・)
 きょろサンチームさんの2021年6月3日2022年4月30日のツイート


その他のPC-9821型番機
■PC-9821Es(PU737)
 おふがおさんの2021年2月23日のツイート(12


PC-H98
■PC-H98 model8-002(PU702)
 レジンスキーさんの2023年1月29日のツイート(12345)に,交換後の電解コンデンサの一覧があります.元々取り付けられていた電解コンデンサの型番や容量・耐圧は不明(以前の所有者により取り外されていたため)であり,部品構成の酷似したトーキン製PU713(本体機種不明)で使用されている電解コンデンサのものを参考に交換品の選定を行ったといいます.レジンスキーさんの2024年6月10日のツイート(12)も参照.
 追記:げしょさんレトロ垢さんの2023年5月5日のツイート(12)で,REV:B2・ ユニットで元々取り付けられていた電解コンデンサのデータが報告されました.


■PC-H98 model70(トーキン製PU464)
 レジンスキーさんの2023年4月23日のツイート(12345
 ※報告はN5200モデル70(N5270-04)のトーキン製PU464に関するものですが,この電源ユニットはPC-H98 model70等にも使用可能とあるため,PC-H98 model70のPU464と同じものと考え(型番が同じですのでこのようなことを書くまでもないとは思いますが)紹介します.トーキン製PU464はPC-H98 model100やOP-98X/20H(N1141-07)でも採用されています.なおPU464はトーキン製の他にYEC(ユタカ電機製作所)製のものもあり,構造が全く異なるといいます(レジンスキーさんの2023年4月23日のツイート を参照).YEC製のPU464でもnichicon製PLが激しく液漏れしている場合があるといいます(レジンスキーさんの2021年3月18日のツイート を参照).
 ※※Marcon製CE-SF(低ESR品)を日本ケミコン製LXVで置き換えています.


■PC-H98 modelU90(PU712)
 試運転の資料館 --> 電算機部 --> FM TOWNS SN のアルミ電解コンデンサを交換する --> PC-H98 U90-002 の数量調書 ( Excel形式 )


■PC-H98 modelU105(PU721)
電解コンデンサのリストではありませんが,ex709さんの2019年5月18日のツイートの画像によればKMFが使用されており,液漏れもしているようです.


FC-98
■FC-9801B,FC-9821Ke/Ks/X(PU-S21)
 おふがおさんの2020年10月17日のツイート(12),レジンスキーさんの2023年4月2日のツイート(12).後者では日本ケミコン製LXA(50V-4.7μF)をnichicon製TBで試験的に代替していますが,これは後にPanasonic製FRに変更されました(レジンスキーさんの2023年5月29日のツイート を参照).


■FC-9801K(PU-S22)
 おふがおさんの2024年3月10日のツイート


■FC-9801S(PU-S16)
 電解コンデンサのリストではありませんが,レジンスキーさんの2023年5月9日のツイートに,KMFやLXFが使用されているとの報告があります.


■FC-9801F model1(PU-S18)
 電解コンデンサのリストではありませんが,レジンスキーさんの2023年5月22日のツイートに,LXFが使用されているとの報告があります.


エプソン98互換機
■PC-286V(MODEL NJD-2263)
電解コンデンサのリストではありませんが,この電源ユニットは何も接続されていない状態(無負荷状態)では±12Vが±10~11V程度しか出力されず,ある程度の負荷(5インチFDD 1台接続程度)が接続された状態では正常な出力が得られるといいます(EPSON 98互換機 Part7の132番の投稿を参照).


■PC-286VF[PSV-2(MODEL NJD-2439A)]
筆者のPC-286VFの MODEL NJD-2439A PSV-2 Y. NO. Y175505000(Nagano Japan Radio Co. Ltd.)で使用されている電解コンデンサです.電解コンデンサは基板に取り付けられたままの状態で採寸しましたので,寸法は若干の誤差を含みます.C14の右上の円柱状の部品(L3)はコイルと思われます.



 ※この電源ユニットはある程度の負荷(5インチFDD 1台接続程度)が接続された状態でないと正常に動作しないといいます(EPSON 98互換機 Part7の130番と132番の投稿を参照).


■PC-286VJ[PSV-5(APS-22)]
電解コンデンサのリストではありませんが,noconaさんの2023年6月25日のツイートに,四級塩電解コンデンサが使用されているとの報告があります.


■PC-386M(PSU-1A)
 Lizard(トカゲマン)さんの2020年7月24日(123)・25日のツイート.コンデンサは日本ケミコン製SXFやKME(こちらは標準品)が使用されており,10V-3300μFや10V-1500μFのものの液漏れが酷いといいますので(ぱんだネコさんの2024年8月4日のツイート を参照),SXFは四級塩品なのかもしれません.


■PC-386GE2(PSV-21)
この資料も試運転さんよりいただきました.試運転さんのコメントです:
 ・すべて日本ケミコン製KMEかSMGで(筆者注),置き換えるのに大した苦労は要らなさそうです.
   筆者注:いずれも標準品で,代替推奨シリーズはKMQ(ここを参照.KMGの前の品種がKME).


筆者のPC-386GS3のPSV-21で使用されている電解コンデンサです.上の試運転さんの報告と同じでした(電解コンデンサの採寸は基板に取り付けられた状態で行いましたので,寸法は試運転さんのデータとわずかに異なっている場合があります).



PSV-2とPSV-21は,出っ張り部分を含めた外形・寸法(100mm×160mm×100mm)も同じで,両者とも最大出力は160Wです.シャーシ側面の開口部は若干異なり,また内蔵FDD用の給電ケーブルの出る位置も異なっていますが,これらの違いは使用に影響しません.コネクタのピンアサインも一致しますので(PC-98/エプソン98互換デスクトップ機の電源ユニットのコネクタのピンアサイ を参照),両者は相互に交換使用が可能と思われます.



■PC-386P/486P(PSU-2)
 おふがおさんの2022年5月3日のツイート.またおふがおさんの2021年10月28日(12)・11月3日8日・6月21日(12)・2022年8月7日のツイートに,漏れ出した電解液により損傷したPC-486Pの電源ユニットの基板の修理に関する情報が掲載されています.なお本ユニットはサイズが小さいこともあり,漏れ出した電解液によりユニットのシャーシが広い範囲にわたって酷く錆びている場合があります.ツイッターの画像やヤフーオークションの出品物画像でそのような状態のものをいくつか確認しました.


■PC-486GF/GR(PSV-22)
 おふがおさんの2021年4月5日のツイート(12
 ※この電源ユニットはある程度の負荷(5インチFDD 1台接続程度)が接続された状態で一見正常に動作しますが,マザーボードに接続された状態でないとPWR_OK信号ピン(PC-98/エプソン98互換デスクトップ機の電源ユニットのコネクタのピンアサインを参照)に十分な電圧が出力されないといいます(EPSON 98互換機 Part7の130・132・133番の投稿を参照).


■PC-486SE/SR(PSU-3)
 るるさんの2021年10月28日のツイート


■PC-486HG(PSV-25)
 動作しない "CODE NO. 201198100 2-439-621-01" ユニットでは,APS-48M基板の黄丸部分(画像参照)の二個の電解コンデンサを交換したところ動作するようになったとの報告があります(柳瀬みっく@ハードウェア趣味垢さんの2022年10月15日のツイート を参照).


■PC-486MU/MV/MR(PSM-1A)
 るるさんの2022年2月22日のツイート
 ※この電源ユニットは,小さな2ピンコネクタがマザーボードに接続された状態でないと正常に動作しないといいます(おふがおさんの2022年2月27日のツイート を参照).
 ※※メイン基板上に垂直に取り付けられているサブ基板の根元(メイン基板との接続部分)のハンダクラックが故障の原因である場合もあります(おふがおさんの2023年7月12日のツイート を参照).
 ※※※TAMURA CORPORATION製とDELTA製があるといい(筆者は後者を確認できていません),前者ではリレーが故障する場合があるといいます(Flyingharukaさんの2019年6月14日のツイート,アリゾナさんの2023年7月11日のツイート を参照).


■PC-586RA(PSM-3A TYPE1)
 基板上にある三つの半固定抵抗は,それぞれ+5V出力の調整,+12V出力の調整,PS_ON信号の閾値の調整用です(おふがおさんの2022年8月23日のツイート を参照).


■PC-586RV(PSM-3A TYPE2)
 るるさんの2022年2月27日のツイート
 ※486M族と586R族の電源ユニットでは,マルコン製のEFM(50V-22μF)を1個交換するだけで,不動品が動作するようになることが少なくないといいます(おふがおさんの2021年6月28日2022年8月23日のツイート を参照).EFMの代替品については,PC-9801FX/FA(トーキン製PU716)の追記5を参照.マルコン製の電解コンンデンサは外観では問題がないようでも,実際には故障の原因となっている場合があるとの見解もあります(おふがおさんの2024年3月30日のツイート を参照).なおPC-586R族のPSM-3AのTYPE1とTYPE2とでは基板の部品の構成が異なるといいます(るるさんの2022年2月25日のツイート を参照).


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