+5Vと+12Vのピンが通常とは逆の
内蔵機器用電源ケーブル


aochanさん,はむはむさん,RIIさん,リウさん,tshさんより情報をいただきました.またはむはむさんより画像をいただきました.

 (1) PC-9801BX,BA,BX2(注1),BS2,BA2,PC-9821Be,Bs,Bp,Bf,Xa,Xe,Xs,Xp,Xn,Ce2,Cs2,Cx,Cx13,Cr13(注2)の内蔵HDD用の電源ケーブル
 (2) PC-9801BX2,BS2,BA2,PC-9821Be,Bs,Bp,Bf,Xa,Xe,Xs,Xp,Xn,As3,Ap3,PC-9821A3-E01(ファイルベイアダプタ)のファイルベイ増設機器用の電源ケーブル
 (3) PC-9821As3/M2,PC-9821Ap3/M2,PC-9821A3-E01,PC-9821A3-E02(ファイルスロットアダプタ)の内蔵FDD用電源ケーブル

では,マザーボードあるいはファイルスロット/ファイルベイバックボードと接続する4ピン(小)コネクタ(白いコネクタ:4ピンEIメスコネクタ)の小突起を向かって右に見た場合,このコネクタのピンアサインが,上から+12V(純正品では赤ラインまたは橙ライン,またサードパーティー製品では橙ライン),GND(黒ライン),GND(黒ライン),+5V(赤ライン)となっています(下図のa,b,c).なおファイルスロット5インチFDDユニットであるPC-FD511Fのカードエッジ基板の4ピン(小)コネクタ(FD1158D用電源ケーブル)も同じピンアサインとなっています(PC-FD511Fの内部結線 を参照).


 注1:I・Oデータ製CPUアクセラレータのPK-586x4には,PC-9801BX2専用の内蔵HDD用電源ケーブルが付属していました.このケーブルでは+5VラインとGNDラインの間に大容量電解コンデンサが取り付けられています.恐らくHDDを内蔵させたBX2にこのCPUアクセラレータを取り付けて動作させた場合,一部の本体で+5Vラインが貧血を起こす場合があるのでしょう.電解コンデンサは黒い筒に入っていて,筒の開口部(コードと反対側)から十字状の防爆弁が見えますので,nichicon製品が使用されているのでしょう.


 注2:他のCanBeも該当する可能性がありますが,確認できていません.なおマザーボード側のコネクタがEIメスコネクタではないようですが,Cb2の内蔵FDD電源ケーブルとIDE機器用電源ケーブルも同様のケーブルではないかと考えています.しかし断定は控えます.

一方,PC-9801FA2,FS2,BX/M2,PC-9821Ap2/M2,An/M2の内蔵5インチFDD用の電源ケーブルでは,4ピン(小)コネクタの+5Vと+12Vのピンの位置がこれとは逆になっています(二つ上の図のd).これは一般的な電源ケーブルの場合と同じです(下図:この製品では+12Vが黄ラインです).実機による確認は果たせていませんが,発売時期からみて,PC-9801FX2,BA/M2,BX2/M2,BA2/M2,BS2/M2,PC-9821Ap/M2,Ap/M7(W),As/M2,As/M7 (W),Ae/M2,Ae/M7(W),Af/M9W,As2/M2でも,内蔵FDD用電源ケーブルとして,このケーブルと同様の "一般的な" 配線のケーブルが使用されている可能性があります.



ジャンクで入手した電源ケーブルや自作した電源ケーブルを上の (1)-(3) のケース(他にもある可能性がありますので注意して下さい)で使おうとする場合には,マザーボードやファイルスロット/ファイルベイバックボードの電源コネクタのピンアサインと,増設機器の電源ケーブル接続用コネクタのピンアサインを,テスターなども用いて十分に確認して下さい.電源ケーブル接続用コネクタの左右どちらの端のピンに+5Vが出力されているかは,基板上のTTL ICの電源ピンなどとの間の導通を調べることで確認できます.

なおMATE-Aなど用のいわゆるSCSI籠とIDE籠内部のHDD用電源ケーブルにおいても,コネクタの+5Vと+12Vのピン位置について注意すべき問題があります.詳しくは SCSI籠とIDE籠の電源ケーブル の記事を参照して下さい.


トップページ