エプソン98互換デスクトップ機用
エプソン仕様SIMM一覧


エプソン98互換デスクトップ機用のEPSON仕様(JEDEC仕様などでない独自仕様)SIMMの一覧です.

本記事は主として,EPSON PC`s HOMEPAGE(編) EPSON98開発公団(発行)の同人誌,"Oh! EPSON PC" (2000年12月30日発行)の ペンネーム希望/○0o 氏の記事,"EPSON PCとメモリ" (pp.55-64)に拠り(注),吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ と筆者の経験から情報を追加しました.価格改定により型番が変更されたもの(型番の末尾が変化します.例:PCZRM4 --> PCZRM4A,EP-SIM2M --> EP-SIM2MY)は省略しています.
 注:この記事は,EPSON98サービス機構・EPSON98互換機同人誌復刻委員会(編)の同人誌,"E-SaPa別冊 蘇るEPSON PC伝説 永久保存版" (2004年8月15日発行)の "EPSON PCとメモリ" (pp.38-46)に再構成の上再録されています.なお "Oh! EPSON PC" には,"Oh! EPSON PC DATABOOK出張版 2000年冬号" というクリーム色のB4版二つ折りの紙が添付されており,そこに正誤表も掲載されています(注1・2).古書で入手される際にはご注意下さい.なおこの同人誌の記事の一部は,上記の通り,後に "E-Sapa別冊 甦るEPSON PC伝説 永久保存版" に再録されましたが,そこでは正誤表にある誤記が修正されている箇所とされていない箇所があります(筆者が所有している冊子版の場合.PDF版の場合は不明).
   注1:正誤表に記載のある事項以外にも誤記があることを確認しています.いくつかのものについては訂正の上本ウェブページの記事で紹介していますが,他のものについては誤記の具体的内容に関する指摘は行いません.筋から言って筆者はその任では全くないからです.
   注2:この注は,これらの同人誌を所有あるいはこれから入手される方々への注意として載せています.

EPSON仕様のSIMMの判別法といくつかのものの外観については,EPSON仕様のSIMMの判別法 を,またエプソンノート/ラップトップ/BOOK用のメモリの型番については エプソン98互換ノート/ラップトップ/BOOK用のメモリ一覧 をそれぞれ参照して下さい.

本記事中の "PCRB7以降" とは,筆者が把握している限り,エプソン製PCRB7,PCRB8,PCRB81(注1),PCRB01,PCRB02,PCRB41(注2),I・Oデータ製EP-RB7,EP-RB8,EP-RB81,EP-RB01,EP-RB02,メルコ製ERB-4000,ERC-4000,ERD-4000,ERE-4000,メディアインテリジェント製MIRB81の各増設RAMベースボードが該当します(注3).
 注1:PCRB81については,上記の同人誌の記事以外に情報を見つけられずにいます.PC-486SR PC-486SEユーザーズマニュアル にも,PCRB8とPCRB01についての記載はありますが,PCRB81への言及はありません.
 注2:PCRB81(注1)については不明ですが,他のものの発売時期はこの並びの通りです.EP-RB8はEP-RB01より前(PC-386P/486Pの時代)に発売されています.
 注3:これらのボードについては,エプソン98互換デスクトップ機用内蔵RAMボード一覧 を参照して下さい.

※PRO-486(標準メモリ7.6MBまたは11.6MB,最大35.6MB)に対応するSIMMもEPSON仕様のもののようです.二段重ねになっているCPUボードのCPU側とは別の段の基板上に2枚(1枚とする資料がありますが,出荷時に1枚装着済みだったのでしょうか.4MBのSIMMが装着できることは確認しています),また増設RAMベースボード(1930RD Board)上に6枚(5本あるSIMMソケットのうち1本には出荷時にSIMMが装着済み)増設できます.最大メモリ量が35.6MBということから,増設RAMベースボードには4MBのものまで(恐らく2MBと4MBのものが可能.8MBも可能性はありますが不明)装着可能なのでしょう.またローカルバス接続の専用内蔵SCSI HDDユニットであるPROHDシリーズのディスクキャッシュ用に合計8MB以下のSIMMが装着できるといいます(PC-98/エプソン98互換機のHDD内蔵用金具を参照).


■1MB
・エプソン
  PCZRM(PCRB3,PCMRB,PCLRB2対応機種専用)
  PCZRM2[PCRB3H以降対応(RB01系,RB02系,PCRB41非対応)]
・メルコ
  XRB-1000[PCRB3H以降対応(RB01系,RB02系,PCRB41非対応)]
※PC-386GEのCPUボード上への増設は不可能.PC-486Pのマザーボード上へは1枚単位で2枚まで増設可能(注).PC-386GS,PC-486GF/GR/GR+/GR SupeのCPUボード上には2枚一組で増設可能.
  注:PC-486Pのマザーボード上への増設は不可能とする資料があるが,ぱんだねこさんの2021年12月26日のツイートに掲載されているPC-486Pのカタログには,PCZRM2を1枚ずつ2枚まで増設可能とある.実際に,ヤフーオークションにもマザーボード上のSIMMソケットに1MBのSIMMと思われるチップ配列のSIMMが2枚装着されたPC-486Pが出品されたことがある(出品者の説明では,起動しないため動作確認はできないが,以前はこの状態で自分で使用していたとのことだった).PC-386Pのマザーボード上への増設(1枚)の可否については,不可能とする資料はあるが,PC-486Pのマザーボード上への増設を不可能とする資料と同じ資料である.
※※PCZRMは,ラップトップ機であるPC-286LS,PC-386LS/386LSR用のPCLRB2(2MB)にも2枚まで増設可能.

■2MB
・エプソン
  PCZRM4(PCRB7以降対応)
  PCZRM4相当・パリティなし(PC-486MR2/MS2/FR2/FS2標準装備)
・アイオーデータ
  EP-SIM-2M(PCRB7以降対応)
・メルコ
  XRB-2000(PCRB7以降対応)
  XRD-2M(PCRB7以降対応)
※PC-386GSのCPUボード上に2枚一組で,PC-386GEのCPUボード上とPC-386P,PC-486FE/FR/FSのマザーボード上には1枚,PC-486GF/GR/GR+/GR SuperのCPUボード上とPC-486Pのマザーボード上には1枚単位で2枚まで増設可能.またPC-486HA2/HX2/HX5/HX3/HG2/HG5/HG3MのCPUボード上に1枚単位で2枚まで,PC-486HA3JW/HX2GW/HX3JW/HG2GWのCPUボード上に1枚装着可能.またPC-486MU/MV/MR/MSのマザーボード上に1枚単位での増設が可能.またPC-486HA/HX/HG専用のPCI接続SCSI HDDユニットPCSHD200A/320A/500Aのキャッシュメモリ用ソケットに1枚単位で2枚まで装着可能[異なる容量のSIMM(1MBのものは使用可能かどうか不明)を混在装着できるが,合計容量が8MBまでの分が有効で,それ以上は無効となると思われる].

■4MB
・エプソン
  PCZRM5(PCRB7以降対応)
  PCZRM5相当・パリティなし(PC-486MU/MV/MR2GW/MS2IW/FE1GW/FR1GW/FS1GW,PCRB41標準装備)
・アイオーデータ
  EP-SIM-4M(PCRB7以降対応)
・メルコ
  XRB-4000(PCRB7以降対応)
  XRD-4M(PCRB7以降対応)
・メディアインテリジェント
  MIZRM5A(PCRB7以降対応)
・エレコム
  SME-72-4M(PCRB7以降対応.ユーティリティなしはSME-72-4MH)
※PC-386GSのPUボード上に2枚一組で,PC-386GEのCPUボード上とPC-486FE/FR/FSのマザーボード上には1枚,PC-486GF/GR//GR+/GR SuperのCPUボード上とPC-486Pのマザーボード上には1枚単位で2枚まで増設可能[PC-386Pのマザーボード上への増設(1枚)の可否については資料を見つけられていないが,恐らく可能と思われる(本ウェブページの PCRB01, PCRB8(EPSON)のスイッチ設定表 を参照)].PC-486HA2/HX2/HX5/HX3/HG2/HG5/HG3MのCPUボード上に1枚単位で2枚まで,PC-486HA3JW/HX2GW/HX3JW/HG2GWのCPUボード上に1枚装着可能.PC-486MU/MV/MR/MSのマザーボード上には1枚単位での増設が可能.PC-486HA/HX/HG専用のPCI接続SCSI HDDユニットであるPCSHD200A/320A/500Aのキャッシュメモリ用ソケットに1枚単位で2枚まで装着可能[異なる容量のSIMM(1MBのものは使用可能かどうか不明)を混在装着できるが,合計容量が8MBまでの分が有効で,それ以上は無効となると思われる].

■8MB
・エプソン
  PCZRM81(PC-486MU/MV/MR/MS,PC-586MV,PCCPUB21,PCRB41,RB02系専用)
・アイオーデータ
  EP-SIM32-8M(PC-486MU/MV/MR/MS,PC-586MV,PCCPUB21,PCRB41,RB02系専用)
・メルコ
  XRH-8000(PC-486MU/MV/MR/MS,PC-586MV,PCCPUB21,PCRB41,RB02系専用)
※PC-486GF/GR/GR+/GR SuperのCPUボード上に(情報がないが,恐らく1枚単位で2枚まで)増設可能.PC-386GE/GSのCPUボード上とPC-386P/PC-486Pのマザーボード上には増設不可能.PC-486FE/FR/FSのマザーボード上への増設の可否は不明.またPC-486HA2/HX2/HX5/HX3/HG2/HG5/HG3MのCPUボード上に1枚単位で2枚まで,PC-486HA3JW/HX2GW/HX3JW/HG2GWのCPUボード上に1枚装着可能.またPC-486MU/MV/MR/MSのマザーボード上には1枚単位での増設が可能(エプソン98互換機のオンボードジャンパスイッチの設定 を参照).またPC-486HA/HX/HG専用のPCI接続SCSI HDDユニットPCSHD200A/320A/500Aのキャッシュメモリ用ソケットに1枚単位で2枚まで装着可能[異なる容量のSIMM(1MBのものは使用可能かどうか不明)を混在装着できるが,合計容量が8MBまでの分が有効で,それ以上は無効となると思われる].


EPSON仕様のSIMMを2枚一組で増設するよう指示されている場合には,同容量のものを一組で使用します.異なる容量のSIMMを2枚セットにして増設した場合,PC本体は,容量の少ない方のSIMMが2枚増設されたものと判断します.例えば2MBのSIMMと4MBのSIMMを増設した場合,2MBのSIMMが2枚,合計4MBのメモリが増設されたものとして扱われます.

PCCPUB11(A)上に装着できるEPSON仕様のSIMMの容量については不明です.またPCCPUB21に2MBないし4MBのSIMMが装着できるかについても情報がありません.

デスクトップ/ラップトップ機用のEPSON仕様のSIMMの容量は最大8MBであり,16MBや32MBのものはありません(ノート機用のSIMMには16MBのものも存在します).

アイオーデータのEP-SIM327シリーズ(-4M,-8M,-16M,-32M)は,型番が "EP-" から始まっていますが,正体はSIMM-IDのついたJEDEC仕様のパリティなしSIMMと思われます.これらは同社製EP-RB02用に用意されたラインナップではなかったかと推測します.これらはインターネットオークションなどで,エプソン機専用SIMMなどと称して売られていることがありますが,勿論EPSON仕様のSIMMとの互換性はありません.


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