JEDEC仕様のSIMMを増設することのできる,エプソン98互換デスクトップ機用増設RAMベースボードであるI・Oデータ製のEP-RB02とメルコ製のERF(ERF-4M)の外観です. ■EP-RB02 特殊なSIMMであるEPSON仕様のSIMMしか増設できないEP-RB01(下図上段)と似ていますが,SIMMソケット側の基板左下にある金色の文字列でこれと区別できます.なおなおEP-RB01の裏面右端には EP-RB01-1 IOD39414 の文字列があり,EP-RB02の裏面最下部には EP-RB02-2 IOD4X595 の文字列があります. |
■ERF(ERF-4M) 同じメルコ製のERC-4000,ERD-4000,ERE-4Mといった,EPSON仕様のSIMMしか増設できないRAMベースボードと似ています(下図上段はERE-4M.ただし基板左右上隅の固定用金具が欠損しています).ボードの裏面にメルコ製品特有の型番等が書かれた黒いプラスチック製のボードが貼られたままであれば,これらと簡単に区別できるのですが,ジャンク品ではこのボードが失われている場合があります(これはERFに限りません). しかしその場合でも,基板上にERE-4MならERE,ERC-4000ならERC,ERD-4000ならERD,ERFならERFをそれぞれ含んだ白い文字列が印字されていますので,容易に区別できます[ERCではシリアル番号(?)やERC-4000Sなどの文字列が印字された細長い紙シールに隠れている個体もありますが]. |
またさらに簡単な判別法に,SIMMソケットの数で見分けるというやり方があります.EPSON仕様のSIMMは,通常同容量のものを2枚一組で増設しなければならないのですが,JEDEC仕様のSIMMが使えるERFでは,1枚単位でのSIMMの増設が可能です.そのため,エプソン98互換デスクトップ機用のメルコ製の増設RAMベースボードで,SIMMソケットの数が奇数の3個というものはERFしかありません(注1・2).ERC-4000,ERD-4000,ERE-4000のSIMMソケットはいずれも2個です. 注1:ただし,同じくメルコ製のPC-9821Ce用の増設RAMベースボード(ECE-4000)もSIMMソケットが3個で,しかもそれらがERFと同じような位置に付いています.筆者が現物を確認した限りでは,ECE-4000には黒いコネクタが使用されており,また基板正立時の一番上のSIMMソケットの上側の基板上に,"4000ECE-A BUFFALO" の白い文字列が印字されています.なおSIMMソケットが3個の増設RAMベースボードは,他にも例えばNEC製のものだけでも,PC-9801T-01(PC-9801T用),PC-9801RS-01(PC-9801RS用),PC-H98T-B01(PC-H98T用),FC-9801F-01(FC-9801F用)があり(radioc.dat --> NEC PC-98 基本情報 書庫目録 --> NEC純正増設メモリ PC-98対応表 [PC98] を参照),サードパーティー製品も含めればその数はさらに増えるでしょう. 注2:ヤフーオークションの出品物では,PC本体の内部画像が示されている場合がありますが,そこに増設RAMベースボードが映っていることがあります.多くは真上に近い位置から撮影されたものですが,そうであってもスイッチ類の位置や装着されているSIMMの種類などから,増設RAMベースボードの型番が絞り込めることがあります. 追記:JEDEC仕様のSIMMとエプソン仕様のSIMMの両者に対応した増設RAMベースボードである,エプソン製PCRB02の画像が見つかりましたので掲載します.ヤフーオークションで出品者IDが hikari_wifi,オークションIDが p826056322(2021年1月17日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して40%に縮小)した画像(下段左:基板表)と,おふがおさんの2021年3月16日のツイートの画像を加工(元画像から切り出して1/5に縮小)した画像(下段右:基板裏面)とを併置してjpg形式に再変換した画像を引用します.また比較のため,EPSON仕様のSIMMしか増設できないエプソン製PCRB01の画像を上段に示します. |
PCRB02では基板裏面に PCRB02 の文字列とともに 1905RM Board と UNIT 201513700 の文字列があります.PCRB01では,最下段のSIMMソケットの下に PCRB01 1699RM BOARD UNIT 201157900 の文字列があります.なおPCRB01の電解コンデンサは液漏れします. |