PC-286L/LE/LF/LP専用FDD I/F


■EPSON製PC286LFDIF
PC286LFDIFはLスロットに装着するEPSON製の増設FDD I/Fであり,付属の専用ケーブルで外付け1MB FDDユニットを接続することが可能といいます.吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ では,PC-286L/LE/LF/LP専用のオプションとされています.同書では,Lスロットを持つ他の機種(Lスロットの信号 を参照)は,対応機種から明確に除外されています.

やや小さいものですが,下に画像を示します.ヤフーオークションで出品者IDが stakenaka2786,オークションIDが 165759798(2013年3月23日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して半分に縮小したもの(左上:未使用品のセット一式)と,ヤフーオークションで出品者IDが taka2727729,オークションIDが f116765228(2013年3月24日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出したもの(右:I/Fボードと外付けFDD接続用専用ケーブル)および半分に縮小したもの[左下:PC-286LPに取り付けて,サードパーティー製の一般的な外付けFDDユニット(恐らくLogitec製LFD-51)を動作させている様子]を併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.


PCの内部と接続するケーブル類は付属していません.また基板上にも,マザーボードと接続するケーブルや内蔵FDDケーブルを接続するコネクタはありません.Lスロットには,VFO関連のものを含めFDD信号は出ていませんが,一般的な外付けFDDを接続できるようです.なお外付けFDD接続ケーブルとして,ハーフピッチ(ピン数・形状不明ですが,恐らくハーフピッチ50ピン)-フルピッチ50ピンの外付けFDD接続用ケーブルが付属しています.

追記:PC286LFDIFの外付けFDD接続用コネクタのあるブラケット部分の大きな画像が見つかりましたので掲載します.ヤフーオークションで出品者IDが moorygoo,オークションIDが j719014359(2021年7月19日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換した画像を引用します.Lスロット下段がこれで,上段は内蔵HDD I/Fのブラケットです.PC本体はPC-286LE-H20です.



■TSUKUMO製TS-5L286-02
TSUKUMO製のTS-5L286-02という製品で,Lスロットに装着し,専用外付けFDDを接続するものです.全く資料がありませんが,これもPC-286L/LE/LF/LP専用である可能性があります.下に画像を示します.上段にヤフーオークションで出品者IDが hbktj294,オークションIDが t661561245(2020年3月10日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して1/3に縮小し,コントラストとガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換した画像,下段にヤフーオークションで出品者IDが gzi6kne829,オークションIDが j458684613(2017年11月16日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出してガンマ補正値を上げたもの(上),切り出し後80%に縮小したもの(左下),切り出し後半分に縮小したもの(右下)の三つを併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.いずれもPC-286LEで使用されていたものといいます.なお下段の画像で,二段目のLスロットに装着されているものはFM音源ボードであり,TS-5L286-02とは関係ありません.



PC本体のLスロットメスコネクタに装着するカードエッジコネクタ部分(の少なくとも部品面)には端子がないことから,Lスロットの信号と電源を使用しないボードと思われます.基板の左上の34ピンフラットケーブル(CN1の文字のあるコネクタに直接ハンダづけ)は,マザーボードのFDDケーブル接続用コネクタに接続するものでしょう.左下の34ピンオスコネクタ(CN2)は,基板上に3.5 INCH FDDの文字列があることから,内蔵FDDケーブルを接続するものと考えられます.また右のロック(mold clamp)付きの34ピンオスコネクタ(CN3:基板上に5 INCH FDDの文字があります)は,付属のフラットケーブルで専用外付けFDDユニットと接続されます.

上述の構造から,本I/Fは,PCのマザーボードに最大4台(内蔵2台,外付け最大2台)のFDDが接続されている状態を作り出し,そのうち2台を同時に使用できるようにするものと推測されます.PC-286L/LEの内蔵FDDはエプソン製SMD-400,LFの内蔵FDDはキヤノン製MD3521,またLPの内蔵FDDは不明ですが(キヤノン製MD3541あたりではないかと考えていますが,確かではありません),いずれもVFOを内蔵していないタイプと思われますので(少なくとも前二者は確実です),このI/Fに接続できる外付けFDDユニットは,VFOのない,あるいはVFOが無効にされているドライブが使用されている専用品と考えられます.付属の外付けFDDユニットのラベルを見ると,型番の TS-5L286 と VFO(VF0?) の箇所にチェックが入れられており,PC-286L/LE/LF/LP用にドライブのVFOが無効にされたもののように思えます.

基板右上のトグルスイッチSW1・SW2は,内蔵FDD(2台)と外付けFDD(最大2台)のうちから,同時に使用する2台のFDDを選択するためのものでしょう.またその左斜め下にスライドスイッチ(?)SW3があり,ここからSW1との間に2本のパターンが伸びているように見えます.基板上にはW-Sの文字列(実際には縦書き)がありますが,これが何を意味するものかは不明です.

追記1:基板上のパターンの読み取りがある程度可能な画像が見つかりました.ヤフーオークションで出品者IDが kuma_san0214,オークションIDが m367573573(2021年12月20日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像を25゜回転したものから切り出して1/3に縮小しコントラストを上げたもの(左)と,切り出し後左右反転し30%に縮小した同じ画像2枚を加算合成したもの(右)を併置し,jpg形式に再変換した画像を下に引用します.


元画像からは,例えば以下の配線パターンが読み取れます.
 ・CN1の12ピンへの信号(DS1信号と思われる)は,SW2をEXT側に設定した場合にはCN2の12ピンへ,INT側に設定した場合にはSW3の中央のピンへと入力.
 ・CN1の10ピンへの信号(DS0信号と思われる)は,SW1をEXT側に設定した場合にはCN2の10ピンへ入力.INT側に設定した場合の入力先は不明.
 ・SW3のS側のピンはSW1のピンに接続されており,SW1をEXT側に設定した場合にCN3の14ピン(DS2信号ピンと思われる)と導通する.SW3のW側のピンはどこへも繋がっていないように見える.

これらのことから,例えば,
 ・SW1=EXT・SW2=EXT の設定で,内蔵FDD 2台有効
 ・SW1=EXT・SW2=INT・SW3=S の設定で,内蔵FDD 1台・外付けFDD 1台有効(ドライブレターは前者の方が若い)
 ・SW1=EXT・SW2=EXT・SW3=W の設定で,内蔵FDD 1台のみ有効
といった動作が予想できます.しかしCN3のDS3信号ピンと思われる6ピンへの信号を切り替えるスイッチが同定できず,またCN3の他のピンに繋がると思われるパターンやSW1のピンに繋がるパターンにも十分に読み取れないものがあり,興味も続かなかったため基板上のスイッチの機能とボードの動作全体を推測できるところまではいっていません.

追記2:工学社の雑誌であるI/O(アイ・オー)の1988年12月号の53ページに "TS-5L286" の広告が掲載されていました.TS-5L286(1) が外付け5インチシングルFDDユニット,TS-5L286(2) が同デュアルFDDユニットとそれぞれセットになった商品とのことです("TS-5L286-02" はI/F部の型番なのでしょう).また同じページに(ツクモから通信販売されていた)PC-286LEの広告もあるのですが(With98 --> EPSON PCシリーズ --> ◆ EPSON PC - ラップトップ - の記事によれば,PC-286L/LEともに発売は1987年12月です),"TS-5L286" はPC-286LSTD専用とされています(しかし上記の通り,ヤフーオークションにはPC-286LEで使用されていたというものが出品されていました).以下にこの広告の商品説明文を引用します.
 ・増設ボードを上側拡張スロットに実装し,内部コネクタの接続を変更します.(ハードディスクタイプには使用できません.)
 ・増設ボードのスイッチで内蔵3.5インチと切り替えて使用し,2HD/2DDの自動認識ドライブとして動作します(筆者注).
   筆者注:PC-286L/LEの内蔵3.5インチFDDであるSMD-400はDensity信号が反転しているといいますので(試運転の資料館 --> 電算機部 --> EPSON 98 互換機用 SMD-400 を PC-9821 で使用する を参照),ボード上にインバータがあると予想しましたが,ボードの画像からは確認できません.Density信号の反転は専用外付け5インチFDDユニット内部で行われているのかもしれません.
 ・5インチ,3.5インチを各1台づつ(ママ)に設定できますのでメディアコンバートも可能です.
 ・接続ケーブルは増設ボードの所で切り離すことができ,PC-286LSTD単体での使用もできます.


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