CITIZEN製OSDE-15G-Uについて


かかっくんさんとまりもさんに情報をいただきました.

PC-9821Ce2/Cs2/Cx/Cf(実物を確認してはいませんが,恐らくCbも)の内蔵3.5インチFDDであるCITIZEN製OSDE-15G-U(注1)は,FD1231Tと,DX設定はジャンパスイッチでなくスライドスイッチにより行う(FDDのドライブ番号の設定方法 を参照),信号コネクタ部分の切り欠きが上向きでなく下向きである(注2),アクセスランプ(LED)の色と位置が異なる,といった違いがありますが(注3),信号コネクタのピンアサインも一部異なり,PC-9821 FDDのページ(注4) --> 資料室 --> 特殊なFDD…98Multiの一部機種内蔵のFDD によれば,3番ピンがGNDとなっています.

Ce2用の内蔵FDDケーブルでも,1台目FDD接続用コネクタの3番ピンが抜かれています.またPC-9821C2-E01に付属しているケーブルでは,1台目FDD接続用コネクタと2台目FDD接続用コネクタの間で1番ラインがカットされ,3番ラインが2台目FDD接続用コネクタの1番ピンに接続されています(PC-9821C2-E01/PC-9821CX2-E01付属ケーブル相当ケーブル を参照).従ってOSDE-15G-Uを内蔵している機種では,Cバスバックボード上の内蔵FDDケーブル接続用コネクタの1番ピンと3番ピンの信号は,順に360/300 0信号と360/300 1信号と推定されます.

さらにおふがおさんの2021年7月25日のツイート によれば,内蔵FDDがOSDE-15G-UであるPC-9821Cfの内蔵FDDケーブルにFD1231Tを接続した場合,HEAD LOAD信号ピンである4番ピンがLにならず,アクセスランプが点灯しなかったといいます(注5).このことから,OSDE-15G-Uは4番ピンの状態に関わりなくメディアアクセス時にアクセスランプが点灯するようになっているはずですが,このことは,OSDE-15G-Uの4番ピンはHEAD LOAD信号ピンではないことを意味します(注6).なお,PC-9821Cs2ではHEAD LOAD信号はCバスバックボードの12ピンサブコネクタの9番ピンから出力されていることが,シエルさんの2022年4月21日のツイートで報告されています(注7).

以上より,OSDE-15G-Uの信号は,3番ピンがGNDであり,4ピンがHEAD LOAD信号ピンでないという二点を除けば,FD1231Tと同じと断定してよいでしょう(FD1231Tの3番ピンは360/300 DRV 1信号で,4番ピンはHEAD LOAD信号).この点に注意すれば,OSDE-15G-Uの代わりにFD1231Tを使用することも,両者を混在使用することもできます.

実際に,3番ピンをマザーボードと接続せずにFD1231Tの代替FDDとして使用できているとの報告があります.内蔵FDDが1台の場合でしょう(リサイクル掲示板2019年4月過去ログ の 汎用スレッド2019年4月 パート1 を参照).またどるこむの過去ログ, [20453] FDDについて・・・ および Xa7のFDD にはPC-9821Xa12で使用できているとの報告がありますが,これも内蔵FDDが1台の場合でしょう.この場合,マザーボードの内蔵FDDケーブル接続用コネクタの3番ピン(360/300 DRV 1信号)がGNDに接続されますが,オープンコレクタ出力である上,内蔵FDDが1台のみの場合にはこの信号は出力されないでしょうから,問題は出ないのでしょう.また前者の過去ログには,(本体機種は不明ですが,スレッドの内容から本来FD1231Tを内蔵しているMATE-X等でしょう)OSDE-15G-Uを1台目のFDDとした場合,2台目のFDDとして接続されたOSDE-15G-UないしFD1231Tがメディアを認識しなくなるとの報告もあります.これは,マザーボードの内蔵FDDケーブル接続用コネクタの3番ピンが1台目のOSDE-15G-Uの3番ピン(GND)に接続されるために2台目のFDDの1番ピンに360/300 1信号が入力しないことが原因でしょう.このケースではFD1231Tの4番ピンに入力するべきHEAD LOAD信号がOSDE-15G-Uの4番ピンにより阻害され,アクセスランプが正常に点滅しないという症状も出ていたと思われます.


 注1:OSDE-15G-UにはトップカバーのラベルにOSDE-15G-Uの文字列がありますが,OSD-uとあるもののうち,トップカバーの背面側のシール(信号コネクタの上に位置)にE15Gの文字列があるもの[イジェクトボタンはOSDE-15G-Uと同様楕円型(小判型)]も同等品として使用できます(OSDE-15G-Uの背面側のシールにもE15Gとあります).なおトップカバーのラベルにOSD-uとあるFDDには,他に,PC-98用FD1231Tと互換性のあるE26Jと,PC/AT互換機用のFDDであるE04JおよびE24Kが存在することが確認されています(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_1 PC-9821・9801・PC98-NX・PC/AT互換機用3.5インチFDDの互換性一覧表 を参照).

 注2:FDD 1台接続用の元々の内蔵FDDケーブルと,2台接続用のPC-9821C2-E01付属ケーブルでは,突起を下に向けた状態でコネクタを接続するようになっています.ただし本ウェブページでは,OSDE-15G-Uを "コネクタの突起が上になるようにFDDケーブルを接続するFDD" と見なす立場を取っているため(コネクタの種類とピン番号 を参照),PC-9821C2-E01/PC-9821CX2-E01付属ケーブル相当ケーブルの記事の結線図では,突起が上向きになるようコネクタを接続するようにしています.

 注3:HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_1 PC-9821・9801・PC98-NX・PC/AT互換機用3.5インチFDDの互換性一覧表 によれば,イジェクトボタンの位置とその形状も異なるとのことですが,まりもさんによる実物の画像とパソコンコンビニエンスMURAOKAの商品画像(注3.1)に基づいて判断する限り(リサイクル掲示板2018年2月過去ログ の BX4とかK08とか スレッドを参照),OSDE-15G-Uは,楕円ボタンのOSD-uとイジェクトボタンの位置と形状が等しく(注3.2),角ボタンのFD1231Tとイジェクトボタン固定用の金具の穴の位置と形状が等しく,またイジェクトボタンの右端の位置がFD1231Tの角ボタンの右端の位置と等しいように見えます(注3.3).


   注3.1:内蔵 3.5"FDD CITIZEN OSD-U 楕円ボタン(NEC FD1231T 互換) [商品番号 0102] に掲載されていた画像ですが,同店の閉店に伴いウェブページが閉鎖されたため現在は閲覧できず,またInternet Archiveにも保存されていません.
   注3.2:PC-9821 FDDのページ(注4) --> 資料室 --> 特殊なFDD…98Multiの一部機種内蔵のFDD によれば,OSDE-15G-UのイジェクトボタンはFD1231TTのイジェクトボタンより中心の位置が2mm程上にあるといいます.
   注3.3:OSDE-15G-Uのイジェクトボタンを3Dプリンタで作成するためのstlデータが,samo1000's blog --> PC --> PC-9821 Ce2用の部品を作った(2020年3月23日の記事)で公開されています.イジェクトボタン作成用のstlデータは,Googleドライブ でも公開されています[ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月16日のツイート(123)も参照].なお公開されているzipファイルには,FD1231Tの互換FDDであるOSD-u(でしょう)のイジェクトボタン作成用のstlデータも含まれているようです.

 注4:このウェブページ(閉鎖されました)については,こちらを参照して下さい.

 注5:FD1231Tでは,HEAD LOAD信号ピンである4番ピンの状態がHレベルの時にはアクセスランプがつねに消灯し,Lレベルの場合にはメディアアクセスに同期してアクセスランプが点滅します(おふがおさんの2020年11月11日のツイート を参照).従ってFD1231Tの4番ピンは実質的にはアクセスランプ制御ピンと言えます(ヘッドロード機構のあるFDDでは,FDDがREADY状態にあって,HEAD LOAD信号ピンがLレベルとなった場合に,ヘッドが時期媒体表面に接触します).なおPC-9821Cr13ではPC本体にあるアクセスランプにより内蔵FDDであるFD1231Tのメディアアクセスの状態を表示するようになっているため,FD1231Tの4番ピンはH固定(アクセスランプは常時消灯)で,FD1231Tの動作にHEAD LOAD信号が使用されていません.PC本体のアクセスランプはDS0信号とREADY信号の両方がLとなった時に点灯します(おふがおさんの2020年11月11日のツイート を参照).OSDE-15G-Uのアクセスランプの点灯に使用されている信号は明らかではありませんが,このようにHEAD LOAD信号以外の信号によりアクセスランプの点灯を行わせることが可能ですので,OSDE-15G-UもHEAD LOAD信号以外の何らかの信号によりアクセスランプの点灯を行っているのでしょう.なお同じCITIZEN製のFD1231T互換FDDであるOSD-E26Jも,4番ピンが内部接続されていません(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_4 OSD E26Jとマザーボードとの接続回路図 を参照).

 注6:おふがおさんの2022年4月21日のツイート には,PC-9821Cfの内蔵FDDケーブルコネクタの4ピンは+5Vか0V固定とあり,さらにおふがおさんの2021年7月25日のツイート によれば,内蔵FDDがOSDE-15G-UであるPC-9821Cfの内蔵FDDケーブルにFD1231Tを接続した場合,HEAD LOAD信号ピンである4番ピンがLにならないとありますので,OSDE-15G-Uを内蔵した機種のマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタの4ピンは+5V固定[TTLレベルでのH固定(?)]と推測されます.

 注7:これはSAFRONIC製の1MB FDD I/Fである11-8671-Dの信号解析によるものですが(シエルさんの2022年2月22日のツイート を参照).筆者もLogitec製のLFD-19でこれを確認しました.MULTi/CanBe用12ピンサブコネクタの9ピンはMATE/Fellow用メイン26/34ピンコネクタの方のHEAD LOADピンと繋がっています.MULti/CanBe用34ピンコネクタの4ピンはNCとなっていますので,FD1231Tを内蔵したCanBeでも,12ピンサブコネクタの9ピンからHEAD LOAD信号が出力されていると考えられますが,どるこむの過去ログ,[25142] Cx13に87ボード の報告では,PC-9821Cx13の内蔵FDDケーブルの4ピンからの信号により外付けFDD(ドライブはHEAD LOAD機構を有するFD1157D)のHEAD LOAD機構を動作させていますので,少なくとも一部のCanBeでは内蔵FDDケーブルコネクタの4ピンにもHEAD LOAD信号が出力されていると考えられます.


MULTi/CanBe用のNEC製1MB FDD I/Fには,PC-9821C2-E02(1994年1月27日発売)とPC-9821CX2-E02(1995年6月22日発売)の二種類があります.121WAREの商品説明では,前者の対応機種については記載がなく,後者の対応機種はPC-9821Cx2のみが挙げられていますが(注1),Logitec製1MB FDD I/FであるLFA-19の対応機種は,ユーザーズマニュアル(1998年10月改訂版)によれば,"Dタイプ" の本体では,PC-9821Ce2/Cs2/Cx/Cf,およびPC-9821Cx2/Cx3/Cx13となっています.Ce2/Cs2/Cx/CfのFDDはOSDE-15G-Uであり,Cx2/Cx3/Cx13のFDDはFD1231Tということから,PC-9821C2-E02の対応機種はCe2/Cs2/Cx/Cf,またPC-9821CX2-E02対応機種はCx2/Cx3/Cx13と考えられます.
 注1:本体のカタログからは,PC-9821CX2-E02に対応する機種として今のところCx2とCx3を確認しています.

しかし両I/F間にどのような差異があるか,筆者には全く見当がつきません.OSDE-15G-U内蔵機種,FD1231T内蔵機種とも,Cバスバックボード上の34ピンFDDケーブルコネクタの1ピンは360/300 0信号で,3ピンは360/300 1信号で同じはずです.またOSDE-15G-U/FD1231T内蔵機種共通の1MB FDD I/FであるLogitecのLFD-19では,12ピンサブコネクタの9ピンがボード上のMATE/Fellow用34ピンコネクタのHEAD LOADピンと結線されており,OSDE-15G-U/FD1231T内蔵機種とも12ピンサブコネクタの9ピンにHEAD LOAD信号が出力されていることも共通なはずです(注1).LFA-19の "Dタイプ" 用ケーブルは,どちらのFDDを内蔵した機種でも共通で,かつ全結線となっています.またOSDE-15G-Uでは3ピンがGNDで4ピンがNC(Hレベル固定?),FD1231Tでは3ピンがNCで4ピンがHEAD LOAD信号という違いがありますが,これらの違いにはFDDに直接接続されるFDDケーブルのコネクタ部分で対処できますので(内蔵FDDが1台の場合,3ピンに信号ラインが繋がらないようにすれば,両FDDとも同じケーブルで使用できるはずです),I/F上の34ピンコネクタに何らかの違いを設ける必要はありません.従って両I/Fで34ピンコネクタ,および12ピンサブコネクタまわりに違いがあるとは考えにくいのです(注2).
 注1:LFD-19のMULTi/CanBe用34ピンコネクタの4ピンはNCとなっています.FD1231T内蔵機種では34ピンFDDケーブルの4ピンにもHEAD LOAD信号が出力されているはずですが(注1.1),外付けFDDには12ピンサブコネクタの9ピンからのHEAD LOAD信号が供給されることになります.
   注1.1:内蔵FDDがFD1231Tで1MB FDD I/Fに対応しているすべてのCanBeでそうなのかは不明ですが,少なくともPC-9821Cx13では,12ピンサブコネクタの9ピンでなく,マザーボードのFDDケーブル接続用34ピンコネクタの4ピンからHEAD LOAD信号を供給しても,外付けFDDユニット(ドライブはFD1157D)が動作することが報告されています(どるこむの過去ログ,[25142] Cx13に87ボード を参照).
 注2:PC-9821C2-E02(基板名G8QAV)のリビジョン A2・ と B4・ では,基板表側の12ピンサブコネクタから外部50ピンコネクタ方向へ延びているパターンが異なっています(画像上中段).またPC-9821CX2-E02(基板名G9UXR)のリビジョン A1・ の基板表側の12ピンサブコネクタから外部50ピンコネクタ方向へ延びているパターンは,PC-9821C2-E02のリビジョン B4・ のもの(画像中段)と同じに見えます(画像下段).但しそれぞれのパターンが12ピンサブコネクタのどのピンと接続されているかはこれらの画像からは明らかではありません.ヤフーオークションで出品者IDが angel_symphony,オークションIDが n501921721(2021年7月11日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して70%に縮小しガンマ補正値を上げてjpg形式に再変換したもの(上段),出品者IDが trgetter,オークションIDが x673554348(2020年11月1日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出してを90%に縮小しjpg形式に再変換したもの(中段),出品者IDが trgetter,オークションIDが u402129610(2020年11月23日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出してjpg形式に再変換したもの(下段)を併置したものを引用します.なお基板裏側のパターンは三枚の基板とも同じに見えます.


またHAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_9 PC-9821/9801シリーズ用フロッピィディスクドライブインターフェイスボードとその付属品について に掲載されている両I/Fの画像を調整して重ね合わせると,I/F上の34ピンおよび12ピンコネクタの位置はまず同じと見てよいことがわかります.従って,Ce2/Cs2/Cx/CfとCx2/Cx3/Cx13で,内蔵FDDケーブルの長さに(あるとしても)大きな差があるとも考えられません.さらに上記の FDD_9 PC-9821/9801シリーズ用フロッピィディスクドライブインターフェイスボードとその付属品について の記事によれば,PC-9821C2-E02,PC-9821CX2-E02とも,34ピン・12ピンケーブルとも長さは60mmとなっています(これらの値はコネクタ部分の長さを含んだものと考えられます).またLogitec製のLFA-19の34ピンケーブルは60mmで,12ピンケーブルは65mmです.従ってケーブルの長さが二種類のI/Fで異なっているわけでもないと判断できます.


本FDDの制御基板上の表面実装型の電解コンデンサは2個(16V-22μF,25V-33μF)であり(注),交換時には,取り付け方を工夫すればラジアルリード型(基板貫通型)のものも使用可能とのことです(試運転さんより情報をいただきました).なお本FDDの分解方法は,きょろサンチームさんの2020年7月18日のツイート(123)を参照して下さい.
 注:じゅんさまーさんの2022年5月23日のツイート によれば,16V-33μFの電解コンデンサが使用されている個体もあるといいます.


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