PC-9821La13の外付けFDDケーブルと
FDDユニット内部結線


PC-9821La13の外付けFDDユニット(875542-002)のケーブルの結線とFDDユニットの内部結線です.試運転さんより,本記事を元に作成したケーブルでFD1238Tが使用できたとの報告をいただきました.

"スリム26ピンコネクタ" の呼称は筆者が便宜的に命名したものですので,下に実物の画像を載せておきます.アンフェノールハーフピッチオスコネクタとは形状が明らかに異なり,全体的に薄く,嵌合面の端子のついた板状の部分の厚みもかなり少なくなっています.



以下, 外付けFDDケーブルの本体接続用スリム26ピンオスコネクタのピン番号  外付けFDDケーブルのFDDユニット接続用ハーフピッチ26ピンオスコネクタのピン番号(左右反転すればFDDユニットのハーフピッチ26ピンメスコネクタのピン番号)  FDDユニット内部のFD1238T(FD-05HG 4688-U)接続用26極フィルムケーブルのピン番号(FD1238Tの信号コネクタのピン番号)  (FD1238Tの信号名) の順です.

要するに各列の最初の2つの数字は外付けFDDケーブル両端のコネクタのピン番号で,3つ目の数字はFD1238Tのピン番号です.


【注】スリムコネクタの1・26ピンはフレキシブルケーブルの5ピンと導通がありません.FD1238T(調査に使用したのは互換品のFD-05HG 4688-U)の制御基板上に1・3・5ピン間の導通パターンがあります.

なお,875542-002とLa10用のFDDユニットである875542-001はケース(およびケーブル)の色が異なるだけで(前者は黒で後者は灰色),内部のフィルムケーブルは同一であることを実物で確認しています.

PC/AT互換ノート機でも,スリム26ピンコネクタとハーフピッチ26ピンコネクタを持つ外付けFDDケーブルにFDDユニット(内部で薄型FDDが26極フィルムオスコネクタに接続されているもの)を接続して使用するものがありますが,それらの外付けFDDケーブルやFDDユニット内部のフィルムケーブルは(少なくともそのままでは)PC-9821La13で使用できる見込みは恐らくないものと思われます.例として,下に IBM MPF72E-1[ASM P/N 05K8973, FRU P/N 05K8990(ThinkPad 240/310/560/701用)](左) と NEC Floppy Disk Drive MODEL 875542-006(PC-LM500J32D用.ケーブルのハーフコネクタ側に "NX TypeA" と印字されたテープが巻かれてます)(右)の外付けFDDケーブルの結線と,FDDユニット内部の26極フィルムケーブルとの結線状態を示します.いずれも,上の表と同じく 外付けFDDケーブルの本体接続用スリム26ピンオスコネクタのピン番号  外付けFDDケーブルのFDDユニット接続用ハーフピッチ26ピンオスコネクタのピン番号  FDDユニット内部のFDD接続用26極フィルムケーブルのピン番号 の順です.


875542-006では,本体接続用スリム26ピンオスコネクタのすべてのピンがFDDユニット接続用ハーフピッチ26ピンオスコネクタのピンと結線されており(このことは,スリム26ピンオスコネクタのすべてのピンに信号ラインが結線されていることを意味します),このケーブルを加工してPC-9821La13にFDDを接続することは比較的容易でしょう [PC-9821La10/La13のFDDユニットのFD1238TをFD1138Tで代替を参照.またPC-9821Nb7・Nr13等にFD1238T以外のFDDを接続するケーブル,またPC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(3)――制御基板改造編――なども参照].一方MPF72E-1では,スリム26ピンオスコネクタの13・18・19ピンには信号ラインが結線されていません.PC-9821La13用の外付けFDDユニットのケーブルのスリム26ピンオスコネクタの13ピンはGNDで,19ピンはNCですので,このケーブルをPC-9821La13にFDDを接続するためのケーブルに加工する上でこれら二つのピンに信号ラインが結線されていないのは問題となりませんが,18ピン(PC-9821La13用のケーブルではWRITE ENABLE信号)に信号ラインが結線されていないのは問題であり,このピンに新たにケーブルをハンダづけする必要があります.スリム26ピンオスコネクタの構造は調べていませんが,当該ピンを外部に露出させるためには,プラスチック部分の接合部に刃を入れる必要があるかもしれません.


トップページ