筆者自身はPC-9821La10および875542-001のケーブルを所有してはいませんが(875542-001のFDDユニット部分は持っています),種々の断片的情報を寄せ集めてPC-9821La10用の外付けFDDユニットである875542-001のケーブルの結線の推定を行ったことがあります.個人的に面白い経験でしたので,ここにその過程について記録を残しておきます.なお後日tshさんにこの推定結果が正しかったことをケーブルの現物で確認していただけたため,PC-9821La10の外付けFDDケーブル において結線情報を公開しました. (1) どるこむの二つの過去ログ,[560] La10の事で!・[4859] PC-9821La10/5の外付FDDに,PC-9821La10でPC-9821Nb/Nr用のFDDユニットが使用できた(逆も可)という情報があります. (2) この情報から,La10とNb/Nrとでは,外付けFDDケーブルの本体側コネクタからFDDユニット内部のFD1238Tまでの信号の流れは等しくなっていると考えました. (3) この推測を行った時点で,875542-001に内蔵されているFD1238Tのピンアサインの推定作業は済んでいました(FD1238Tのピンアサイン).またPC-9821Nb7・Nr13等の外付けFDDユニットの結線も調べてありました(PC-9821Nb7・Nr13等の外付けFDDユニットの結線). (4) また,PC-9821La13の外付けFDDユニットである875542-002のケーブルの結線と,ケーブル接続用コネクタとFD1238Tとを繋ぐフィルケーブルの配線(パターン)も調べてありました(PC-9821La13の外付けFDDケーブルとFDDユニット内部結線). (5) さらに,875542-001と875542-002のフィルムケーブルは共通であることも実物で確かめてありました. (6) (2)の推測の下,(3)-(5)の資料に基づいて本体側コネクタのピン番号 - 875542-001側コネクタのピン番号の関係について考えてみました. |
結線はかなり規則的なものと推定されましたが,いくつか腑に落ちない点も残りました. (6.1) GNDピンはできるだけ規則的な配列になるよう配置してみました.875542-001の18ピンもGNDですが,上のように考えると,本体接続用コネクタ側に対応するGNDピンがないことになります. (6.2) HEAD LOAD信号についてですが,この信号はNb/Nr用のFDDユニット内部のフィルムケーブル上でGND信号と合流していますので,La10でもGNDに接続されているはずなのですが,875542-001内部のフィルムケーブルではHEAD LOAD信号(と思われるライン)はGNDに合流していません.この段階ではHEAD LOADと思われるピン同士を結線と予想(9 - 22?).GNDに接続ならここが 9 - 18 となって,より規則的な結線になることはなります. (7) ここでLa13用の外付けFDDケーブルをLa13に接続した状態で,875542-002側のコネクタの導通状況を調べてみたところ,2・4・10・12・14・18・22ピン間およびコネクタ枠間に導通が認められました(ケーブル単体ではGNDピンとコネクタ枠との間に導通はなし).6・8ピンとの間には導通はありませんでした. (8) このことから,875542-001の22ピンがLa10本体側でもGNDに落ちている可能性が高いと考えました.またこの場合NCピンはNCにしておく必然性はありません. (9) またLa10の外付けFDDケーブルは両端がともにハーフピッチ26ピンオスコネクタなはずですが,恐らくヒロセ電機(HRS)製のコネクタが使われているでしょう.ヒロセ電機製のハーフピッチ26ピンオスコネクタが何タイプあるのか調べてはいませんが,恐らくデザインが同じで色が異なる(黒・灰など)程度のバリエーションしかないでしょう.La10の外付けFDDケーブルでは,La10本体と875542-001間でケーブルの逆接続を防止するためにケーブルの両端でコネクタの種類が異なっているとは考えにくく,どちらのコネクタがどちらに接続されてもいいような配線になっているのが自然であろうと考えました. (10) インターネットの画像検索結果からも,La10側と875542-001側とでケーブルのコネクタ形状は同一,本体側コネクタは875542-001側のものと同じく幅の広い方が上,等の示唆が得られました[そう断定できる画像は(当時は)見つけることができませんでしたが]. (11) 以上より,最終的にLa10の外付けFDDケーブルの結線を,列間完全クロス全結線と予想しました. |