MATE-AのI/Oポート04BEh


UNDOCUMENTED 9801/9821 Vol.2 - メモリ・I/Oポート編(注) --> io_fdd.txt で,3モードFDDのI/F制御のI/Oポートである04BEhに関する情報が公開されています.これの状態読み出し時のbit 4が1.44MB対応ドライブ識別フラグで,これが1であれば1.44MBアクセス可能,すなわちドライブ/モード指定時にbit 5・6で指定された内蔵FDDが3モード対応と判断され,またこれが0であれば1.44MBアクセス不可能,すなわち当該FDDが2モード対応と判断されます.
 注:この資料を公開していたウェブテクノロジ社が2021年10月に親会社であるCRI・ミドルウェア社に吸収合併され,後者のウェブページにてこの資料の公開が継続されるか不明な状況となりましたので,Internet Archiveに保存されたこの資料のトップページへのリンクを示しました.本ウェブページにおける他の記事でも同様です.なおこのトップページの下にあるすべての資料もInternet Archiveに保存されていることを確認しています.

筆者がPC-9801BX4(FD1231Tを内蔵)でテストしたところ,本体起動時にマザーボードのFDDケーブルコネクタの360/300信号ピンがNCであればI/Oポート04BEhのbit 4の値は1であり,GNDに接続されていれば0でした.これらの値は本体起動後に360/300信号ピンの接続状態を変えても変化しませんでした.

ところがどるこむの [53468] PC-9821Ap3の、内蔵FDD I/Fへ5"接続時の設定 で,PC-9821Ap3/C8Wでは360/300信号ピンをGNDに接続しても内蔵FDDは3モードとして認識されるとの報告がありました.MATE-Aで追試したところ,元々の内蔵FDDが3モード対応のFD1138TであるAp/U2とAs3/U8Wでは,この報告の通り360/300信号ピンをGNDに接続してもI/Oポート04BEhのbit 4の値は1でした.一方Ap2/M2では,元々の内蔵FDDであるFD1158C(2モード)接続時の04BEhのbit 4の値は0でした.また同じFD1138T内蔵機種であるXs/U7Wでは,本体起動時に360/300信号ピンがNCであればI/Oポート04BEhのbit 4は1で,GNDに接続されていれば0でした.

要するに,MATE-Aのうち元々の内蔵FDDがFD1138T/FD1148Tの機種では,5インチFDDなどの2モードFDDを内蔵させた場合にファイルベイバックボード上のFDDケーブルコネクタの360/300信号ピンをGNDに接続しても,その2モードFDDは本体側では3モードFDDとして誤認識されてしまいます(Windowsのアイコンでも3.5インチFDDのものが誤表示されます).FDのフォーマットを行う場合には1.44MBメディアが選択できてしまいますので注意が必要です.なお同様の現象はPC-9821Ls12等の98ノートでもみられます(試運転さんより情報を頂きました).

ファイルベイアダプタであるPC-9821A3-E01に含まれる30ピン-34ピン変換ケーブルでは,バックボード側の360/300信号ピンが内蔵FDDに接続されていません.このためファイルベイアダプタを装着したAp3/M2とAs3/M2では,内蔵FD1158Cが3モードFDDとして誤認識(NECの立場では「仕様」ということなのでしょうが)されてしまいます.手元に保存してあったPC-98関連掲示板のログを調べると,この現象は既にえーめいたーず掲示板(12)やスピたま掲示板(注)でも報告されていました.
 注:当該ログはlog012.htmlとlog014.htmlです.但しスピたま掲示板の過去ログはInternet Archiveにも保存されていません.



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