5インチFDD内部増設用ケーブル


3.5インチFDD[FD1138T/26ピンFD1148T, FD1231T/MPF520-F/OSD/OSD-u(E26J)/34ピンFD1148T]を1台または2台,および5インチFDD(FD1158C)を1台内蔵したPC-98に5インチFDDを内部増設するためのケーブルの結線図です.コネクタ間の長さは機種に合わFて決めて下さい.以後本記事では,FD1138Tと26ピンFD1148TをまとめてFD1138Tと,また FD1231T,MPF520-F,OSD,OSD-u(E26J),34ピンFD1148TをまとめてFD1231Tと表記します.

結線図にはコネクタ各ピンの信号名を記載していません(信号名を含む結線図も用意してあります.コネクタのピンアサインと信号名については,HAMLIN's PAGE --> FDD関係 の他,FD1231TとVFOなし5インチFDDの信号の異同FD1138T 2台内蔵用ケーブルFD1138TをFD1231TまたはVFOなし5インチFDDで代替30ピン-34ピン変換ケーブル(ファイルベイアダプタ付属ケーブル同等品)VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル 等の記事も参照して下さい).またFDDのターミネーションに関してはFDDの信号レベルとターミネータの値を参照して下さい.

ピンが描かれているコネクタは嵌合面,描かれていないコネクタは配線面がそれぞれ示されています.また図中の_| ̄|_は,メスコネクタでは切り欠きの方向を,またオスコネクタでは突起の方向をそれぞれ示します.

5インチFDDのコネクタは,FD1158D等に接続するための34ピンフラットケーブル接続用メスコネクタで図示していますが(コネクタの種類とピン番号 の "34ピンコネクタ①"),これをFD1155Dなどの34ピンカードエッジメスコネクタとすることもできます(コネクタのピン番号と信号の関係は両者で共通. コネクタの種類とピン番号 の記事を参照)(注1・2・3).なお "FD1158Cを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを内部増設するケーブル" を除き,下に示す各ケーブルは,入手が最も容易と思われるFD1155D(VFOを無効にしたものも含む)を含むいくつかの5インチFDDで動作することを確認してあります.
 注1:FD1155Dのジャンパスイッチの設定方法については エマティなリサイクル --> 研究発表会 --> 98FDDドライブ設定表 などを参照して下さい.
 注2:FD1155C/Dで,特に天板がなくヘッド部分が剥き出しの構造をしている初期型のものは,PC本体に内蔵した場合に電源ユニット由来のノイズによって読み書きに障害が出る場合があるようです.この問題の対策については,VFOありFDDの外付け化を参照して下さい.
 注3:34ピンカードエッジメスコネクタには,3・4ピンと5・6ピンの間に切り込みがあります.通常34ピンカードエッジオスコネクタには,嵌合方向を誤らせないために,3・4ピンと5・6ピンの間にこの切り込みにはまる板状の仕切がありますが,中にはこれがないものもあります.このようなコネクタでも,ハウジングに1ピンの位置のマーキングを行うなどすれば誤嵌合を減らせるでしょう.またプラスチック板などで作った仕切をコネクタに填め込むこともできます.下のコネクタの仕切(白い部分)はヨーグルトの容器の蓋から切り出したものです.

26/30/34ピンのフラットケーブル圧着(圧接)用コネクタは,国内外の様々なメーカーの現行品があります.ここでは,ヒロセ電機(HRS)の製品の型番を記します.新品で購入する際の参考にして下さい.なおコネクタの圧着に必要な工具については,コネクタ圧着用の工具を参照して下さい.
  (1) フラットケーブル圧着(圧接)用26/30/34ピンMILメスコネクタ("ソケット")
     HIF3B-26D-2.54R(26ピン)/HIF3B-30D-2.54R(30ピン)/HIF3B-34D-2.54R(34ピン)
     HIF3BA-26D-2.54R(26ピン)/HIF3BA-30D-2.54R(30ピン)/HIF3BA-34D-2.54R(34ピン)
  (2) 同オスコネクタ["プラグ",ロック(mold clamp)*付き]
     HIF3BA-26PD-2.54R-MC(26ピン)/HIF3BA-30PD-2.54R-MC(30ピン)/HIF3BA-34PD-2.54R-MC(34ピン)
   *両脇から内側に折り込むレバーのような部品

また,8ピン/12ピンミニコネクタの型番や調達方法については26/30ピンコネクタと8/12ピンミニコネクタの作り方を参照して下さい.

※関連記事(PC本体の内蔵FDDケーブルに接続する3.インチFDDと5インチFDD(それぞれ最大で2台)間で切り替えて使用する方法の案)がこちらにあります.あわせてご覧下さい.なお少し前のところから読まないと分かりづらいかもしれません).

-----------------------------------------------------------------------------------

■VFOなし3.5インチFDD(FD1138T,FD1231T)を混在内蔵させるケーブルについては,VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル をご覧下さい.

■VFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル類には,VFOあり5インチFDDの代わりにVFOあり3.5インチFDD(FD1135D,FD1137D,FD1138D)を接続して使用することもできます.

■VFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル類を使用した場合,5インチFDDの増設形態は内部増設でありながら,PC本体からの扱いは外付けFDDとなります.従って,
(1) そのままでは5インチFDDにセットされた2DDメディアからのシステムブートはできません.
5インチFDD内部増設用ケーブルの対象機種では,筆者が実機で確認し得た限りでは,PC-9821Ap2のみが,本体の拡張スロットに640KB-1.2MBハードウェア切換ボード(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_26 640KB-1.2MBハードウェア切換ボード と640KB-1.2MBハードウェア切換ボードについてを参照)を増設することで2DDメディアからのシステム起動が可能でした.この場合,外付けFDDのDensity端子は,640KB-1.2MBハードウェア切換ボードのミニジャックか,内蔵FDDのDensity端子と接続します(注1・2).
 注1:640KB-1.2MBハードウェア切換ボードを使用せずに2モード切替の外付け扱いのFDDにセットされた2DDメディアからのシステム起動を可能にするソフトウェアが,PC-9821およびDOS/Vソフトウェアのページ の EXT2DDBT (IPLware) で公開されています.対応機種は,PCIバスのない機種ではAp/As/Ae/An/Ap3/As3/BX3/BA3(およびこれらに相当するアーキテクチャの機種)およびPCIバス搭載のintel chipset機(初代Xa/Xt/Xf/St15/St20を除く),WildCat(VLSI)chipset機種(Xa7/C-Xa16/K/Xt13-Xt16,一部のXa7e),RCC/Server Works chipset機(RvII26/RsII26)とのことです.
 注2:VFOなし5インチFDDを内増させるケーブル類では,640KB-1.2MBハードウェア切換ボードを増設することなく5インチFDDにセットされた2DDメディアからのシステム起動が可能です.

(2) 2DDメディアをフォーマットする場合,format /u ではフォーマットの対象として2DDメディアが選択できず,2HDメディアとして強制的にフォーマットされてしまいます.しかしファイルスロットFDD用のfslot2ddを組み込むことにより,format /9 (/u) で2DDメディアとしてフォーマットすることが可能となります[exrn640.sys(TR9612f.LZH)を使用することもできるようですが,筆者は試していません].
DOS7.0(Windows95)やDOS7.1(Windows98SE)でフォーマットする場合は,Density信号が接続されていれば,fslot2ddを組み込むことなしに,format /6 (/u) または format /9 (/u) で2DDメディアのフォーマットができます(Density信号が接続されたFD1158Dにセットされた2DDメディアはそのままDOS7.1でフォーマットできるとの情報はなおPさんよりいただきました).Density信号が接続されていなければ,トラック0が不良ですと表示されフォーマットできません.またWindows95/98上でフォーマットする場合も,Density信号が接続されていれば2DDメディア(640kB/720kB)が対象として選択できます.
 ※Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> 我が青春の九拾八式 によれば,(青札V200に外付けされた)Density信号が接続されたFD1155Dではそのままでは(DOS7.1で)2DDメディアのフォーマットができないとのことですが,筆者は青札V200/Xs/Ap3/Ap2/FAの各機種に外付けされたFD1155D/FD1158D/FD1137D/FD1138Dのいずれでも,Density信号が接続されていればfslot2ddなどを組み込むことなしにDOS7.0/DOS7.1で2DDメディアのフォーマットができることを確認しています.

(3) システムセットアップメニュー画面で内蔵FDDを#3・#4,外付けFDDを#1・#2に設定すると,外付け5インチFDDのドライブ番号が内蔵FDDのものより若い数字になります.

■VFOあり5インチFDDのRead Data信号ピンは,内蔵FDDのRead Data信号ピンでなく,8ピン/12ピンミニコネクタの方のRead Data信号ピンと結線します.これは上記のようにVFOあり5インチFDDが外付けFDD扱いとなるためです.1MB FDD I/Fで外付けFDDのRead Data信号ピンが8ピン/12ピンミニコネクタのRead Data信号ピンと結線されるのも同じ理由によります(1MB FDD I/Fの製作を参照).
Read Data信号はVFOのない内蔵FDDのものと外付け扱いのVFOありFDDのものとで異なります.内蔵FDDがRead Data信号(Raw Data:データビットとクロックビットが合成された信号."データ" はこの状態でFDに記録されています)をそのまま出力するの対して,外付け扱いのFDDからは,VFO(データセパレータ)によりRaw Dataから分離されたデータビットのみがRead Data信号として出力されます[藤井 敦 (1988). フロッピ・ディスク・システムの基礎 トランジスタ技術SPECIAL No.11 特集 フロッピ・ディスク・インターフェースのすべて ――需要の急増するFDDシステムの基礎から応用―― CQ出版社, pp.2-31.].これがマザーボードの8ピン/12ピンミニコネクタを通じてPCのFDCに伝えられます.

■"FD1231T内蔵機種にVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル(PC-9821-K08相当ケーブル)" の結線は,HAMLIN's PAGEのHAMLINさんが実物で調査されたものです.HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_10 PC-9821-K08ケーブルとその接続 では,K08CABLE.PDF と K08CBL_2.PDF の2種類の結線図が公開されていますが(注),本記事で公開するものは後者に基づくものです(理由は 5インチFDD内部増設用ケーブルにおけるVFOあり5インチFDDのDS0信号ピンの接続先 を参照).なおHAMLINさんによれば,前者は一部の機種で動作しない可能性があるとのことですが,筆者は両者ともBX4 (G8VBD),Xa10 (G8TTY),V13 (G8WVD),Xc13 (G8XZR),V200 (G8YVZ) で動作することを確認しています.
   注:これは随分後になって気付いたことですが,PC-9821 FDDのページ --> 5インチFDDを内蔵する において,K08CABLE.PDF のものと同じPC-9821-K08の結線データが公開されていました.公開の時期は明らかではありませんが,WWW上で公開されたPC-9821-K08の結線データとしては,恐らく最も早い時期(2000年より前であることは間違いなく,このウェブページの作者のさいたさんのいくつかのBBSでの発言内容から推すと,恐らく1997年前後,あるいはそれより前の可能性もあります)のものではないかと思います.またSPAMによる被害が酷かったために過去ログが保存されておらず,筆者が個人的に保存していたログでも当該スレッドを含む分が漏れているため正確な時期は不明ですが,2009年頃に98JUNC.DOCの作成者のmiyabiさんがリサイクル掲示板に投稿されたPC-9821-K08の線画(投稿があった当時に保存したファイを後日縮小して再保存したため,手元のファイルのプロパティから投稿時期を割り出すことは不可能)でも,K08CABLE.PDF のものと同じ結線となっています.HAMLINさんによれば,K08CABLE.PDF に示されている結線自体も実物の調査に基づくものといいますので,5インチFDDのDS0信号ピン(10ピン)に,8ピンミニコネクタのDS2信号ピン(3ピン)でなく,マザーボードのFDDケーブル接続用コネクタのDS3信号ピン(6ピン)が結線されているタイプのPC-9821K-08は相当数が出回っていたものと考えられます.
 このケーブルを使用してVFOあり5インチFDDを内蔵させる場合,デスクトップ機ではファイルベイを使用するのが普通ですが,一部の機種でCD-ROMドライブが取り付けられているファイルベイの下にある5インチシャドウベイにFD1158Dを取り付けた例があります.ヤフーオークションで出品者IDがdivide9821,オークションIDがt780071481の出品物(2021年2月21日に落札)の画像を加工(1/4に縮小してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換)したものを引用します.PC本体はRaII23で,FD1158Dには自作のフロントベゼルが取り付けられています.


 なお同種の工作の前例があります.これも2009年前後ではなかったかと思いますが,98JUNC.DOCの作成者のmiyabiさんがリサイクル掲示板に投稿されたもので[上記の通りSPAMによる被害が大きかった時期のため,過去ログが残っておらず,また筆者が個人的に保存していたログでも当該スレッドを含む分が漏れています.同時期にmiyabiさんが開設されていた98JUNK.DOC2(?)といった名称のブログにもこの工作に関する記事がありましたが,今ではこれを見つけることもできません],若干記憶があやふやなのですが,Ra40(RaII23だったかもしれません)のCD-ROMドライブの下のシャドウベイに,やはりFD1158Dを内蔵するものでした.PC本体のフロントパネルに直接イジェクトボタンやアクセスランプ用の開口部を作るとともに,メディア挿入用のスリット状の開口部も作るという,非常に難度の高い工作内容でしたが,実に見事な出来栄えでした.画像を保存しておかなかったのが悔やまれます.
以下余談:K08CABLE.PDF の元となったPC-9821-K08の結線図は,2003年6月3日にinfoseek時代の「エマティなリサイクル」の「研究発表会用掲示板」において初めて公開されましたが,公開後すぐにそれを見ながら筆者がケーブルの切れ端を寄せ集めて試作したケーブルが下の上段の画像のものです.ただしこれはPC-9821-K08の忠実なコピーではなく,PC-9821-K08相当ケーブルとFD1231T 2台内蔵用ケーブル の(2)タイプのケーブルとを一体化させたもので(本記事での "FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル" に該当),5インチFDDコネクタにはピンコネクタ(MILコネクタ)とカードエッジ型の両方を取り付けています.あくまで実験用に作成したものなので,絶縁には熱収縮チューブなどでなくビニールテープを使っており,また当時色々と試していた形跡がありありと残っています.簡単に配線を変更できるため,部品の再利用目的での分解を行わずに今まで残してあったものです(テストで使ようなことももうないとは思いますが).K08CBL_2.PDF の公開直後にも,早速これの配線を変えてテストを行った記憶があります.
 また下段の画像のケーブルは,PC-9801B3-K01の実物を見ながら,それのコピーとして[本記事の "ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3以外のFD1138T内蔵機種にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9801B3-K01相当ケーブル)" に該当],上のケーブルよりかなり前の時期に実験用に作成したものです.これも絶縁はビニールテープで簡単に済ませており,30ピンメスコネクタは34ピンメスコネクタを加工して作成し,5インチFDDコネクタにはカードエッジ型のものを使っています.このケーブルにも色々試した形跡が残っています.30ピンオスコネクタのピンが1本別になっていますが,これは故障したIDE HDDの40ピン信号コネクタを加工したため,最初から欠けていた20ピン(いわゆるキーピン)を補完するためのものです(30ピンオスコネクタの台座には,この補完ピンを横からはめ込むための溝が彫ってあります).なおPC-9821A3-K03相当ケーブルの試作品は,きちんとしたケーブルを作成するために部品を再利用したため残っていません(試作品完成時にisweb時代かinfoseek時代のエマティなリサイクルの研究発表会用掲示板に投稿した画像も,今では失われてしまいました).



■FD1231Tを2台内蔵させた上でVFOあり5インチFDDを内蔵させるケーブル類("FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル" と "FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル")では,2台のFD1231Tを内蔵させるケーブルの部分は,FD1231T 2台内蔵用ケーブル に挙げてある2種類のケーブルのうち,結線がより簡単な(2)タイプのものにしています.5インチFDD側で360/300信号ラインをカットする必要があることに注意すれば,これを(1)タイプのケーブルに変更することもできます.
 追記:ぷにゅぷにゅさんより,青札タワー型機のPC-9821V233では,"FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル" でVFOあり5インチFDD としてFD1155Dを使用すると,5インチFDDの動作不良が発生する(メディアフォーマットが遅い等.3.5インチFDDの動作には問題なし)との報告をいただきました(注1).原因は3台のFDDのターミネータの合成抵抗値が248[=1/(1/2000+1/2000+1/330)]Ωと低いためであり,FD1155Dのターミネータを無効(VCジャンパ = オープン)にして,FDDのターミネータの合成抵抗値を1kΩにすると正常に動作することが確認されています.この場合,8ピンミニコネクタの1・2・3ピンを47kΩ程度の抵抗でプルアップした方がよいと考えられます[FD1155Dのターミネータを無効にする件とプルアップの件は,いずれもかかっくんさんよりご教示いただきました(注2)].FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル”,"FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル","FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各1台を内蔵させるケーブル","FD1231T内蔵機種にVFOなし5インチFDDのみを2台内蔵させるケーブル" でも同様と思われますが,筆者は青札タワー機を所有していないため確認できません.
   注1:ぷにゅぷにゅさんによれば,青札タワー型V233では,
      ・MPF520-F/D10(FD1231T互換FDD)を1台とFD1155Dを1台接続(ターミネータの合成抵抗値は283Ω):いずれのFDDも正常動作
      ・MPF520-F/D10を2台とFD1155Dを1台接続(248Ω):MPF520-F/D10は正常動作,FD1155Dは動作不良(この組み合わせでタワー型V16ではいずれのFDDも正常動作)
      ・FD1155Dを1台接続(330Ω):正常動作
      ・MPF520-F/D10を2台とターミネータを無効にしたFD1155Dを1台または2台接続(1kΩ):いずれのFDDも正常動作
     とのことであり,ターミネータの合成抵抗値が280Ω程度より低くなると正常動作しなくなるものと考えられます(283Ωでもギリギリの動作なのかもしれません).これは青札機のみの問題(仕様ということなのでしょうが)かどうかは今のところ不明です.このあたりの機種からFDD I/Fが従来のTTLインターフェースからCMOSインターフェースに変更されたのかもしれません.もしそうなのであれば,この変更は少なくともタワー型V16より後ということになります.少なくとも青札機と,恐らくMATE-Rでは,内蔵FDDが正常動作するターミネーションの条件が以前の機種とは変わっている可能性があります(注1.1).流星機の場合は不明ですが,流星デスクトップ型V200とマザーボードに大差のないデスクトップ型Xc13/S5A2(USB搭載モデル,内蔵FDDは2台)にバッファICを使用しない自作FDD I/Fを介してFD1155Dを外付け扱いで接続した場合も同様の現象を確認しましたので,可能性は十分にあります.すなわちこの問題は最後期型機種(USBポートを備えている機種?)に共通と予想します
    注1.1:例えばPC-98の最終グループであるMATE-RのRa20/Rv20/RvII26は,PC-9821RA-01あるいはPC-FD321DHによる3.5インチFDD(FD1231Tおよびその互換FDD)の内部増設に対応しているとともに,PC-9821K-08を介しての5インチFDDユニット(PC-FD511D)の内部増設にも対応しています.PC-FD511Dで使用されているFDDはFD1158Dですので,これらの機種では,FD1231T(ターミネータ2kΩ)2台とFD1158D(同1kΩ)を内蔵した場合,FDD全体のターミネータの値は 1/[(1/2000)+(1/2000)+(1/1000)] = 500Ω で,280Ωよりも高い値となりますので,すべての内蔵FDDが問題なく動作するのでしょう(注1.1.1).FD1155Dのターミネータの抵抗値は330ΩとFD1158Dの1kΩに比べてかなり低いため,5インチFDDにFD1155Dを選択した場合に問題が出る可能性があるということです.
       注1.1.1:上記のXc13/S5A2にバッファICを使用しない自作FDD I/Fを介して外付けFDDユニットである加賀電子製TF501A[ドライブは高抵抗(1kΩ)ターミネータが使用されているFD1158Cが2台]を接続した場合にも,FDDの動作に問題は認められません.この接続方法では内蔵FDDケーブルにFD1231TとFD1158Cが各2台接続されていることになりますが(実は筆者はこの状態のXc13/S5A2をずっと使ってきたため,低抵抗ターミネータが使用されているFD1155Dを接続した場合の動作不具合に自分で気付くことができませんでした),この場合のターミネータの合成抵抗値は 1/[(1/2000)+(1/2000)+(1/1000)+(1/1000)] = 333.3Ω となり,280Ωより値が高くなるため正常に動作するものと考えられます.
   注2:筆者がデスクトップ型Xc13/S5A2(USB搭載モデル,マザーボードは流星デスクトップ型V200と大差なし)でテストしたところ,8ピンミニコネクタの1・2・3ピンのプルアップは行わなくても動作しました.しかしぷにゅぷにゅさんのところではプルアップを行った状態で長期間動作させた場合に問題が出ていないようですので,やはりプルアップするのがよいでしょう.

■"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3以外のFD1138T内蔵機種にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9801B3-K01相当ケーブル)" の結線は,筆者がPC-9801B3-K01の実物で調査したものです.これはHAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_28 PC-9801B3-K01 のものと同じ結線になっています.PC-9801B3-K01の結線状態の資料は,PC-9821 FDDのページ --> 5インチFDDを内蔵する にもあります.

■"FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル" の作成にあたっては,まりもさんのご指導を賜りました.
 このケーブルの3番ピンについては下も参照して下さい(注).本記事の結線図では,33ピンへの信号線を切断するように指示していますが,筆者はこのラインは必ずしも切断する必要はない(切っても切らなくてもFDDの動作に支障はない)と考えています("FD1231T内蔵機種にVFOなし5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル" でも同じ:33ピンへのラインを切断する必要がないと考える理由については,DISK CHANGE信号,HEAD LOAD信号,DRIVE SELECT 2信号について を参照).
   注:九八Systems --> 98改造口講座 --> 第8回 5インチフロッピーディスクドライブの内部増設 でも5インチFDD(MITSUMI製D509S)の1・3・33ピンをNCとしています.なおこの記事での360/300信号はDensity信号を指しています.
 このケーブルと "FD1138Tを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを1台内部増設するケーブル",および "FD1231T内蔵機種にVFOなし5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル" では,FD-55GFRとSD-680Lでも動作を確認しました.SD-680LではDensity信号の論理反転を行わなければ1.25MBメディアのみ使用できましたが,Density信号の論理反転作業は行った方がよいでしょう(Density信号の経路にインバータを挟むだけです.インバータの向きに注意).なおFD-55GFRのカードエッジコネクタは,FD1155Dなど他の多くの5インチFDDのものと表裏逆に取り付けられていますのでご注意下さい.またSD-680Lの側面のネジ穴の位置(高さ)は他の5インチFDDと異なることにもご注意下さい(筆者はこのケーブルを用いてPC-9821Xv13/W16にSD-680Lを内蔵する際,SD-680Lのネジ穴の位置に合わせて5インチベイの側面に穿孔しました).
"FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル",または "FD1138Tを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを1台内部増設するケーブル" を用いた場合,PC-98本体のDISK BIOSやOSは5インチFDDを1.44MB対応のFDDと誤認識します.マザーボード上のFDDケーブルコネクタの360/300 1ピン(FD1231T内蔵機種では3番ピン,FD1138T内蔵機種では17番ピン)をGNDに接続すると,内蔵2台目のFDDは2モードFDDとして認識されます."FD1231T 1台+VFOなし5インチFDD 1台接続用ケーブル" と "VFOなし5インチFDD 2台内蔵用ケーブル" の場合,VFOを内蔵していない5インチFDDでは3番ピンがGNDですので,3番の信号線を結線すると5インチFDDはきちんと5インチFDDとして認識されます.しかしVFOを無効にしたFD1155Dでは,3番ピンはGNDではありませんので,3.5インチFDDと誤認識されます.この場合,マザーボード上のFDDケーブルコネクタの3番ピンをGNDに接続すると5インチFDDとして認識されます.また "FD1138Tを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを1台内部増設するケーブル" の場合は,(MATE-Aを除き)30ピンメスコネクタの17番ピンをGNDに接続すると,VFOを内蔵していない5インチFDD,VFOを無効にしたFD1155Dともに5インチFDDとして認識されます.
 しかしNEC純正品であるPC-9801B3-K01・PC-9821-K08,またファイルベイアダプタPC-9821A3-E01に含まれる30ピン-34ピン変換ケーブルのいずれも,マザーボードからの360/300信号は5インチFDD側ではどこにも接続されていません(NCの状態).3モードFDD内蔵機種では,本体起動時の360/300信号ピンの接続先(GND/NC)により,接続されているFDDが2モードか3モードかを判別しますので(MATE-AのI/Oポート04BEh を参照),複数のFDDが接続されている場合,これの接続先としてNCとGNDが併存していると,実質GNDに接続されることになり,内蔵されているFD1138TないしFD1231Tの動作に支障が出る(2モード動作しかしなくなる)ためでしょう.結局このラインは結線しないのが "正しい" ということになります.(注1・2)
  注1:360/300信号ピンをNCとすることについては,どるこむの過去ログ,5インチFDDの接続 などにも記述がありますが,このピンの結線先について詳しくテストした結果に基づくものかは不明です.
  注2:ファイルベイアダプタであるPC-9821A3-E01に含まれる30ピン-34ピン変換ケーブルでは,バックボード側の360/300信号ピンが内蔵FDDに接続されていません.このためファイルベイアダプタを装着したAp3/M2とAs3/M2では,内蔵FD1158Cが3モードFDDとして誤認識(NECの立場では「仕様」ということなのでしょうが)されてしまいます.手元に保存してあったPC-98関連掲示板のログを調べると,この現象は既にえーめいたーず掲示板(過去ログ その54その69)やスピたま掲示板(注2.1)でも報告されていました.
     注2.1:当該ログはlog012.htmlとlog014.htmlです.但しスピたま掲示板の過去ログはInternet Archiveにも保存されていません.

■ "FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各1台を内蔵させるケーブル" のFDDの構成は,まりもさんのアイディアを頂戴しました.

■VFOあり5インチFDDを2台内蔵させるための二種類のケーブル("FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル" と "FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル"),および,VFOなし5インチFDDとVFOあり5インチFDDを1台ずつ内蔵させるためのケーブル("FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各台を内蔵させるケーブル" :このケーブルに接続されたVFOなし5インチFDDは,PC-98本体のDISK BIOSやOSにより1.44MB対応のFDDと誤認識されます.理由は直上の二つの段落を参照)は,FD1231Tを内蔵したタワー機(例えばPC-9821Xv13/W16やPC-9821V200/M7等はFD1231Tを1台内蔵した上に5インチベイを3つ備えています)用にと考えてみたものです.なおFD1138Tを内蔵した唯一のタワー機であるPC-9821Xt/C10Wでは5インチベイが一つしかなく,5インチFDDを2台内蔵させることができませんので,FD1138T内蔵機種にVFOあり/なしの5インチFDD 2台を内蔵させるケーブルの結線図は用意していませんが,作成自体は可能です(注).
 注:なんとPC-9801BX2に3.5インチFDD(FD1138T)2台と5インチFDD(FD1158C)を2台内蔵させている例があります[ジャンクおじさん(自称)さんの2022年3月13日のツイート を参照](注1).M2モデルに3.5インチFDDを追加したもので,3.5インチFDDは,BX2用のNEC補修部品である金具(部品コード D0(?)1-94-7796(?),部品名 ファイルシャーシASSY(3.5"F),型名 PC-9801BX2.同等品は3.5インチFDDモデルのPC-9801BX2/BS2/BA2のシャーシから切り出すことが可能でしょう)をPC本体内部のフレームの一部を加工して固定し,FDDのパネルとして,PC本体のフロントパネルの切除部分にLogitec製LFD-F331Kに含まれるPC-9821B-E01互換品[内蔵3.5インチFDD(2台目)増設用キットを参照]を貼り付けています.8本フラットケーブルがCバスボックスの中と脇に見えており,マザーボードの8ピンミニコネクタに接続されているらしいことから,恐らくVFOなし5インチFDDであるFD1158CにVFO回路を外付け(してあるか,トップカバー以外をFD1158Dのものと交換)してあると思われます.なおFD1138TとFD1158Cのターミネータはそれぞれ10kΩと1kΩであり(FDDの信号レベルとターミネータの値 を参照),4台のFDD全体でのターミネータの値は1/[(1/10000)+(1/10000)+(1/1000)+(1/1000)]=455Ωとなり,FDDの動作に支障ないレベルと思われます.
   注1:下でも紹介するように,PC-9801BX2/M2の内蔵5インチFDDをFD1158Dに交換(外付けFDD扱い)し,ファイルベイにFD1138Tを2台内蔵(内蔵FDD扱い)させた例もあります[holo@(´Д`)さんの2024年4月12日のツイート を参照].
  追記1:このBX2がヤフーオークションに出品され,内部の様子が少し分かりましたが,VFOまわりの事情については依然不明です.FD1158CにVFO基板が外付けされているようではありません.8ピンサブコネクタからの信号ラインは実は5インチFDDに結線されておらず,内蔵FDDケーブルに4台のFDDが接続され,3.5インチFDDと5インチFDDが物理スイッチで切り替えられる(4台のFDDのうち同時に使用できるものは2台)ようになっているのかとも考えましたが(1MB FDD I/Fの製作を参照),切り替えスイッチらしきものの存在も確認できません.8ピンサブコネクタからの信号を使用するFDDにはVFO回路が必要ということを承知せずに工作を行ってしまたために,実際には5インチFDDが使用できない状態であった可能性もあります.ヤフーオークションで出品者IDがtrgetter,オークションIDがd1082497717の出品物(2023年2月22日に落札)の画像を加工(1/3に縮小してガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換)したものを引用します.


  追記2:3.5インチFDDと5インチFDDのコンボドライブであるTEAC製FD-505 300-uが使用されたファイルベイ用FDDユニットであるOWLTECH製FB-532の画像です(他にFD-505 314-u5が使用された個体も確認しています).ヤフーオークションで出品者が 有限会社K&N プロパーツ事業部,オークションIDが x1126779907 の出品物(2024年3月3日に落札)の画像を加工(元画像から切り出したものと元画像から切り出して1/4に縮小しガンマ補正値を上げたものとを併置しjpg形式に再変換)した画像を引用します.画像のものでは,2.5インチドライブと5インチドライブのメディア挿入用開口部の間の位置(フロントパネル左端寄り)に貼られたシール(OWLTECH PERIPHERAL SERIESの文字列と梟の線画がプリントされたもの)が失われています.


      製品の仕様は不明で,FDDが2台とも同時使用が可能かどうかはわかりません[ドライブに外付けされる基板(THK System Corp.製FB-501/T-0068-00)にはVFO回路が1ドライブ分しかありません].5インチFDDを2台内蔵したモデルであるPC-9801BS2/M2のファイルベイにこれが内蔵されたものがヤフーオークションに出品されたこともあります.但し3.5インチFDDと5インチFDDのドライブ番号の設定状況が不明です.ジャンパスイッチの状態がFD-505のデータシート(PDFファイル)に記載されたものと異なっています[ヤフーオークションの画像では AB1・BC2・EF1・EF2 の設定となっているように見えますが(本品の別な出品物2個でも同じ設定),EF1・EF2の組み合わせはデータシートには記載されていません].本製品をPCに取り付けた後は,これらのジャンパスイッチを外部から変更することはできませんので,ドライブ番号は固定であろうとは考えられます.外付け基板上の内蔵FDDケーブル接続用コネクタは30ピンのものしかなく,サブケーブル接続用コネクタはミニ8ピンコネクタですので,MATE-Aを除くFD1138T内蔵機種用の製品と考えられます.ケーブルを作成すればFD1231T内蔵機種で使用することも可能ですが,IDOL JAPAN製ID-5FB(FD1138T内蔵機種のファイルベイにFD-55GFRを増設するためのキット)と同様に,FD1231T内蔵機種で使用するためのオプションケーブルも用意されていたかもしれません(VFOなし異種FDD内蔵用ケーブルを参照).

ファイルベイまたはファイルスロットを備えたデスクトップ機に,3.5インチFDD2台と5インチFDD2台を内蔵させることは可能です.この場合,5インチFDDを2台内蔵した機種のファイルベイまたはファイルスロットに,3.5インチFDDを2台設置することになります.5インチFDDにはFD1158Cでなく,FD1158Dを使用します.また3.5インチFDDは,フロントベゼルの付いたFD1139C(PC-9801NS/Tのものなど.ただしフロントベゼルは黒),またはFD1139Cのフロントベゼルを取り付けたFD1139Tが最も好都合でしょう.というのは,ランドコンピュータのファイルスロット用FDDに,LDK-3WFという,FD1139Cを2台内蔵した製品があり,この製品,あるいはこれのフレームとフロントパネル部分が入手できれば,それなりに見映えをよくできるからです(ファイルベイの場合には,LDK-3WFの固定の仕方を工夫する必要があります).ヤフーオークションの出品物の画像を加工(縮小して切り出した後,併置してjpg形式に再変換)したものを下に引用します.上段は出品者IDがcrackcojp,オークションIDがp470359534のもの(2015年6月5日に落札)で,下段は出品者IDがtoshiaa0430,オークションIDがo262489049のもの(2018年9月18日に落札)で,PC-9801FS2に内蔵された状態のものです.


LDK-3WFはファイルスロット内蔵型のユニットですが,ファイルスロットFDD接続用コネクタに接続するのでなく,内蔵FDDケーブルに接続するようになっています(注).フロントパネルにドライブ毎に5"と3.5"のアクセスランプがあることからも分かるように,内蔵ドライブ毎に元々の5インチFDDとLDK-3WFの3.5インチFDDとを切り替えて使用するようになっています(従って同時に使用可能な内蔵FDDは2台までであり,4台同時使用できるわけではありません.なお3.5インチFDDでは扱えるメディアも1.25MBのものだけで,2DDメディアは使用できないと聞いたことがありますが,この製品内部の結線状態を推測する限りでは誤解と思われます).上の下段の画像のFSでは,1台目のFDDとして5インチFDDが,2台目の画像として3.5インチFDDが選択された状態となっています.
  注:このような造りになっているのは,ファイルスロットFDD接続用コネクタのDS信号ピンが,FDD一台分のものしか用意されていないためです.すなわちDS0・DS2信号が同一のピンに出力され,DS1・DS3信号ピンはありません(ファイルスロットバックボードのFDDケーブルコネクタ-ファイルスロットFDDコネクタ間結線 を参照).
 LDK-3WFのフレームとフロントパネル部分を利用して3.5インチFDDを内蔵する場合,内蔵FDDケーブルにフィルムケーブルを接続して3.5インチFDDを2台接続します.この工作にはFD1139C・FD1139Tについて の記事を参照して下さい(FD1139C <--> FD1139T間の相互改造方法については2モードFDDの3モード化改造 を参照して下さい).また5インチFDD2台は,本記事のVFOありFDDを2台内蔵するケーブル群から本体機種に合ったものを選んで作成したケーブルに接続します(外付けFDD扱いになります).
 筆者はこの工作を実際には行っておりません.興味のある方は参考にして下さい(注).なお,FC-9801SのFDD専用ベイには,3.5インチ3モードFDD(ドライブはFD1138T)2台のユニットであるFC-9801-F03が取り付け可能ですが(FC-9801B model2のFDD専用ベイにも同様のものが取り付け可能ですが,同じものかは不明です),こういったものはファイルスロットに収まるかどうかは不明です.FC-9801-F03の画像は,レジンスキーさんの2020年3月24日のツイート を参照).なお型番は失念しましたが,PC/AT互換機の3.5インチベイに薄型の3.5インチFDDを2台増設できるユニットもなども存在しました.
  注:フロントベゼルの問題やドライブの固定の問題を別にすれば,ファイルスロット部分に設置する3.5インチFDDとして,FD1238Tを使用することもできるでしょう.またPC/AT互換機用の薄型のFDDに手を加えて使用することも不可能ではないでしょう(PC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(3)――制御基板改造編―― を参照).
 また本体はPC-98ではなくPC-8801MHですが,内蔵5インチFDDのスペースに,一方のFDDのフロントベゼルの上部を切除することで3.5インチFDDを2台内蔵させた例もあります.3.5インチFDDの両脇にできた空きスペースをプラスチック板で塞いでいます.ヤフーオークションで出品者IDがwavezipp,オークションIDがk1093544088の出品物(2023年6月4日に落札)の画像を加工(元画像から切り出して1/3に縮小してガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換)したものを引用します.



  追記1:LDK-3WFと同様の設計思想による3.5インチデュアルFDDユニットで,古い機種の内蔵5インチFDDと置き換えて使用する製品もありました.同じランドコンピュータのLDK-3WAという製品がそれです.対応機種はPC-9801M2/VM2/VM21/VX2/VX21,PC-98XA/XL/X^L2で,他にエプソン98互換機のPC-286V/VE/VS/VF/VG/VX/X/PC-386/V/VRにも対応しています.下はLDK-3WFがPC-9801VXの1台目の内蔵5インチFDDの位置に組み込まれている状態です.ヤフーオークションで出品者が ミシマストア九八,オークションIDが p1145821143 の出品物(2024年7月28日に落札)の画像を加工(元画像から切り出して1/4に縮小しjpg形式に再変換)したものを引用します.少しわかりにくいかもしれませんが,スライドスイッチ横にある,選択されたドライブを示す緑色のLEDの点灯状態から,1台目の3.5インチFDDが1台目の内蔵FDDとして,また5インチFDDが2台目の内蔵FDDとして選択されている状態と推測されます.このユニットに関する詳しい説明は,エプソン98互換機本体-内蔵FDD対応表を参照して下さい.


  追記2:PC-9801BX2/M2の内蔵5インチFDDをFD1158Dに交換(外付けFDD扱い)し,ファイルベイにFD1138Tを2台内蔵(内蔵FDD扱い)させた例もあります[holo@(´Д`)さんの2024年4月12日のツイート を参照].FD1138Tに取り付けられているフロントベゼルは濃灰色でイジェクトボタンが角形ですので,PC-9801NS/EのFD1138Cあたりから外したものでしょうか.
  追記1:下は "富士通 F/DISK装置ユニット" なる,薄型の3.5インチFDDが2台収められたユニットです.詳細は不明ですが,5インチベイに収まるサイズのものならば(少々幅がありすぎるようにも思いますが),こういったもののケース部分もファイルベイに3.5インチFDDを2台内蔵させる工作に利用できるかもしれません.PC/AT互換機の5インチベイに増設する同様のユニットも見たことがあります.ヤフーオークションで出品者IDがone_one_one_month,オークションIDがk1133397381の出品物(2024年4月27日に終了予定)の画像を加工(元画像から切り出して1/3に縮小したものをjpg形式に再変換)したものを引用します.



 下はタワー型のPC-9821Xv13/R16に3.5インチ2台と5インチFDD2台を内蔵したものです.これも実に驚くべき力作で,外付けFDDから取り出したと思われるVFOなし5インチFDDとVFO基板が内蔵されています.本体のバックパネルに開口部を設け,アンフェノールフルピッチコネクタのついたVFO基板を取り付け,それをCバススロットに挿した1MB FDD I/Fと接続しています.5インチFDDはPC-9821Cx13のCD-ROM固定用金具(本体の5インチベイの金具に溶接されています)に取り付けられていますが,元画像ではフロントパネルにかなりの加工の跡が見られます(5インチFDDのフロントベゼルが露出している場所は,元々は3.5インチFDD用の開口部があったところです).下側の5インチFDDのフロントベゼルの下辺とフロントパネルの開口部の下辺の間にやや目立つ隙間があります.3.5インチFDDはフロントベゼルのないものが内蔵FDDケーブルに接続され,隠し3.5インチベイのところに固定されたPC-9821Cx13のFDD・HDD固定用金具に取り付けられており,その部分のフロントパネルは切除されています.ヤフーオークションで出品者IDがqkmua21343,オークションIDがb1106408771の出品物(2023年9月16日に落札)の画像を加工(元画像から切り出して1/3に縮小したものを併置しjpg形式に再変換)したものを引用します.画像右(PCの内部画像)でこちらに裏面を向けているものがVFO基板です.


■"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9821A3-K03相当ケーブル)" はPC-9821A3-K03の実物の結線を調べたものではありませんが,これまでに作成したものは問題なく動作しています.また実機での動作確認はしておりませんが,このケーブルはファイルスロットを改造してファイルベイ化したPC-9821Ap2/As2/Anでも使用できるはずです.このケーブルでも5インチFDD側では360/300信号をNCとしてありますので,5インチFDDは3モードFDDと誤認識されますが,それで正常です.
NEC製のファイルスロット5インチFDDユニットであるPC-FD511Fの内蔵ドライブはFD1158Dですので,このケーブルを使用してFD1158Dをファイルスロットに増設することも不可能ではありませんが,その場合にはフロントベゼルの問題があります.すなわち,同じくFD1158Dを使用したNEC製のファイルベイ用増設5インチFDDユニットであるPC-FD511Dのフロントベゼルは,ファイルスロット開口部より大きいため流用できません.また一部の外付けFDDで使用されているFD1158Cのフロントベゼルも流用には向かない形をしています.またTEAC製FD155GFもファイルスロットに収めることはできますが,VFO回路を外付けする必要があるのと,やはりフロントベゼルがファイルスロット開口部と合わないため,このケーブルを使用してファイルスロットに増設するのには向きません.
 追記:Ap3のファイルベイにFD1158Dを2台内蔵させた例があります[Lynfieldさんの2022年8月31日・9月1日(12)・2023年4月4日のツイートを参照].4台のFDDのターミネータの合成抵抗値は,FD1138とFD1158Cをそれぞれ2台内蔵させている上記のPC-9801BX2[ジャンクおじさん(自称)さんの2022年3月13日のツイート を参照]の場合と同じく455Ωですので,FDDは4台とも動作するのでしょう.なお使い勝手が良くないというのは,ドライブがそのままではファイルスロット内部に固定できないためでしょう.

このケーブルの作成にあたってはmida_clさん,aochanさん,tshさんにご指導いただき,HAMLINさんとまささんにより公開されている資料を参照させていただきました.
 このケーブルはインバータIC[オープンコレクタタイプのTTL ICである74(LS)05やシュミットトリガタイプの74(LS)14がよいでしょう]を必要とします.インバータICの電源をMATE-Aの電源コネクタから供給する場合,電源コネクタの+5Vと+12Vのピンの位置が通常のものとは逆になっている場合(+5Vと+12Vのピンが通常とは逆の内蔵機器用電源ケーブル参照)がありますのでご注意下さい.不安がある場合にはテスターで確認して下さい.
PC-9801B3-K01・PC-9821-K08とも,121WAREの商品説明記事に実物の画像があります(WWW上には他にもいくつかあるようです).しかしPC-9821A3-K03の画像はWWW上にはありませんでした.PC-9821Ap3/As3 98MATE GUIDE BOOK(PC-9821A3-GB,1994年発行)の148ページ中程に "ファイルベイアダプタ用5インチフロッピィディスクインターフェースケーブルセットに添付されているケーブル" の線画が掲載されています.それを下に引用します.
大雑把なものであり,かつ肝心の12ピンコネクタに接続されているケーブルの途中が省略されています.ケーブルの結線を推測する際にはこの図も参考にしましたが,これだけでは結線の確定には至りませんでした.
 しかし実に幸運なことに,リサイクル掲示板上でこの検討作業をを行っているまさにその最中に,ヤフーオークションにPC-9821A3-K03が出品されました.オークションIDはm43765676で,PC-FD511Dとセットで出品され,2007年9月23日に落札されています.この出品についてはmida_clさんに教えていただきました.この出品を知らなければ,本ケーブルの完成は大きく遅れていたでしょう.出品物の画像は小さくて粗く,視察によっては結線の細部までは解析できませんでした.しかし謎の黒い物体[見た瞬間インバータだろうと思いました(注)]がケーブルの途中にぶら下がっていることは確認でき,それが決定打となって本ケーブルの結線が確定できました.またPC-9821A3-K03はその後楽天市場(?)にも出品されたことがありますが,そちらの出品では画像がありませんでした.
  注:PC-9821A3-K03の結線について考えていた時には,既にHAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_24 A_MATE用FDD_I/F にて,まささん作成によるMATE-A用1MB FDD I/Fの回路図が公開されており,MATE-Aの12ピンミニコネクタの信号のうち,DRIVE SELECT2・SYNC・MFM/FMの各信号は通常とは論理が反転していることは承知しており,信号経路中にインバータを挿入する必要があることはわかっていたはずでした[筆者自身がLFA-19を入手して知見を確認するより前の時期のことです(LFA-19のMATE-A用12ピンサブケーブル接続用コネクタと外部50ピンコネクタとの結線を参照)].しかし, "果たしてあのNECが,途中にICがぶら下がっているなどというみっともないケーブルを,しかもPC-98用の製品として作るものだろうか?" という疑問に囚われ続けていました.今考えると全く愚かとしか言いようがありませんが,人間の思考というものは,既成概念・主観的な思い込み・固定観念によって実に強く縛られ,そこから逃れることは簡単ではないものだとつくづく感じさせられます.なお当時は,PC-98関係のBBSのログを調べても,PC-9821A3-K03の名前を出したり,それを実際に使用しているという投稿はあっても,ケーブルの特徴について言及しているものは全くありませんでした.異様な外観のケーブルということを考えると,これは少し不思議な気もします.またNECのPC総合カタログ等には製品画像が掲載されていたのだろうと思いますが,筆者はその種の資料を持っていませんでした.

 2018年10月7日になって,淀川警備保障のインデックスPC-9801B3-K01またはそれ相当のケーブルの記事の中で,PC-9821A3-K03の画像(記事ではPC-9801B3-K01とされていますが,こう断定してよいでしょう)が公開されました.この画像には,ファイルベイバックボードの上辺りに,黒いテープかチューブ状のものにくるまれた細長い部品から12ピンコネクタと繋がるケーブルがのびている様子が映っていますが,この細長い部品の中身はインバータICと考えて間違いないでしょう.
 12ピンコネクタと繋がっているケーブルは7本のようですが,これは画像から判断して,12ピン(GND)へのラインが結線されていないためと思われます.これは,このケーブルに本来接続されるFDDユニットがFD1158Dを使用したPC-FD511Dであり,FD1158Dでは27ピンがGNDピンでない(VFOあり2モードFDDのGNDピン を参照)ためを思われます.FD1158D側に空いているGNDピンがないために,12ピンコネクタの一方のGNDピンの結線先を設けなかったものと推測します.

 HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_15 FDD_I/Fの8pinコネクターの信号 によれば,8ピンミニコネクタ(12ピンミニコネクタでも同じ筈です)のREAD DATA信号ピンの両脇がGNDピンとなっているのは,READ DATA信号でのノイズの影響を防ぐ目的("シグナルグランド")からとのことであり,FD1155Dをテストに使用した筆者の "ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9821A3-K03相当ケーブル)"・"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを1台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル"・"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを2台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル" の3つのケーブルでは,12ピンミニコネクタの12ピンを5インチFDDの27ピンに結線し,また下の結線図でもそう示しています.FD1158Dでは17ピンがDRIVE SELECTED信号ピンではなくGNDピンとなっていますので(VFOあり2モードFDDのGNDピン を参照),FD1158Dを接続するために "ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9821A3-K03相当ケーブル)"・"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを1台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル"・"ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを2台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル" の3つのケーブルを作成する場合には,12ピンミニコネクタのGNDピンを,FD1158Dの27ピンでなく17ピン(あるいは他のGNDピン)に結線するか(結線図では17ピンが30ピンコネクタの25ピン,または26ピンコネクタの21ピンと結線されていますが,このラインは結線しておいても構いませんし,結線しなくても構いません),NC(どこにも結線しない)として下さい[なお,PC-9801B3-K01・PC-9821-K08とも,本来はFD1158D(PC-FD511D)を接続するためのケーブルであり,FD1158Dの27ピンが内蔵FDDのGNDピンに結線されていますので,上記の3つのケーブルも,本資料に示した通りの結線でFD1158Dに接続して(シグナルグランドの件は別にして)問題はないのではないかと思います].

■本体に5インチFDDを内蔵する場所がないため(CD-ROMを取り外してフロントパネルも加工するのなら内蔵できるのかもしれませんが),MULTi/CanBe(1MB FDD I/FにPC-9821C2-E02/PC-9821CX2-E02およびその同等品が対応する機種)用の5インチFDD内部増設用ケーブルの結線図は用意していません(筆者はMULTi/CanBeを所有していないため,ケーブルの作成は行っていませんが,作成自体は可能なはずです.理由は1MB FDD I/Fの製作他機種用1MB FDD I/Fの転用,およびCITIZEN製OSDE-15G-Uについてを参照).
 追記:3.5インチFDDを2台内蔵させたPC-9821Ce2にVFOあり5インチFDD(FD1158D)を内部増設した例が現れました(パペットさんの2022年11月9日のツイート を参照).5インチFDDを内蔵させるためには本体のフロントパネルを加工する必要があります.これについては,おふがおさんの2021年1月18日19日のツイートも参照.
    追記の追記:ヤフーオークションに同じ改造の施されたPC-9821Ce2が出品されました.フロントパネルの加工具合やコードの被覆の色などから上のものと同一の個体かもしれませんが,定かではありません.FD1158Dの固定方法は画像からはわかりませんが,CD-ROMドライブ固定用のフレームのネジ穴でFD1158Dの固定に利用できるものがあるのでしょうか.ヤフーオークションで出品者が m1991344,オークションIDが f1128949542 の出品物(2024年3月24日に落札)の画像を加工(元画像から切り出したものを1/3に縮小しガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換)した画像を引用します.



■本記事では,3.5インチFDD 1台とVFOなし5インチFDD 1台とを混在内蔵させるケーブル類の結線図を,3.5インチFDDが1台目(内蔵ドライブ番号が若い方のFDD)となる場合で示しています.VFOなし5インチFDDを内蔵1台目,3.5インチFDDを2台目とするケーブルも作成することは可能です(一部のものは実際に作成もしています).この場合,FDDのDX(ドライブ番号)の設定と,DS(Drive Select)信号の対応に気をつけて下さい(FD1138T内蔵機種の場合にはVFOなし異種FDD内蔵用ケーブルの "FD1138T内蔵機種にFD1138Tと5インチFDDとを内蔵させるためのケーブル" も参照)."FD1158Cを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを内部増設するケーブル" も,同様にVFOなし5インチFDDを内蔵1台目とすることは可能です.なおFDDのターミネーションについてはFDDの信号レベルとターミネータの値の記事を参照して下さい.

■思いついたのでここに書いておきます.エプソン98互換機のうち,PC-286/286 Model0/286X/386は,5インチFDD(SD-680L)を2台しており,5インチベイ(マスメモリスロット/マルチドライブスロット/マスストレージスロット:奥に増設機器用のコネクタなどがあるのかもしれませんが未確認です)を2つ備えています.5インチベイに3.5インチ機器を内蔵するためのマウンタにFD1137DなどのVFOを内蔵した3.5インチFDDを取り付けたものをここに2個取り付け,それらを本体背面の1MB FLOPPY DISKコネクタに接続したケーブル(VFOありFDDの外付け化を参照して作成.どこかから筐体内に引き込む必要があります)と接続すれば,これらの機種に3.5インチFDDと5インチFDDをともに2台ずつ内蔵させることができるでしょう.筐体内のスペースに余裕のある機種群ですので,HDDの内蔵は工夫すればどうにでもなると思います.また,3.5インチFDDにVFOのないタイプのものを使用し,4台すべてのFDDを内蔵FDDケーブルに接続した上で,手動スイッチでDS信号を切り替えるようにすれば,4台中2台のFDDを同時使用できるようにできます.詳しくは1MB FDD I/Fの製作を参照して下さい.
 追記:外観は,asayanさんの2024年6月18日のツイート にある画像のようになります.


------------------ FD1231T内蔵機種用 ------------------

■FD1231T内蔵機種にVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル(PC-9821-K08相当ケーブル)

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2台目)
※(1)は5インチFDDをFD1231Tと同じ側のケーブルに,(2)はマザーボード接続用コネクタを挟んだ反対側のケーブルにそれぞれ接続するケーブルです.取り回しがしやすい方のケーブルを選択して下さい.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1・2台目,5インチFDD = 3台目)
※(1)は5インチFDDを1台目のFD1231T側のケーブルに,(2)は2台目のFD1231T側のケーブルにそれぞれ接続するケーブルです.取り回しがしやすい方のケーブルを選択して下さい(Xa10やV12などの,2台のFD1231Tが縦並びに配置されるデスクトップ機では,(2)のタイプのケーブルの方が取り回しが楽かもしれません).
※※VFOあり5インチFDDがFD1155D/FD1157Dの場合,ターミネータの合成抵抗値(248Ω)の関係で,青札タワー機では使用できないことを確認しました(同じタワー型でも,V16などでは使用できます).青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)用には,下の "FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)" を作成して下さい.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD(FD1155D/FD1157D)1台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1・2台目,5インチFDD = 3台目)

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2・3台目)
※(1)は5インチFDDをFD1231Tと同じ側のケーブルに,(2)はマザーボード接続用コネクタを挟んだ反対側のケーブルにそれぞれ接続するケーブルです.取り回しがしやすい方のケーブルを選択して下さい.
※※VFOあり5インチFDDがFD1155D/FD1157Dの場合,ターミネータの合成抵抗値(152Ω)の関係で,青札タワー機では使用できないと思われます.但し筆者は青札タワー機を所有していないため確認できません.青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)用には,下の "FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)" を作成してみて下さい.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2・3台目)

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル
 (3.5インチFDD = 1・2台目,5インチFDD = 3・4台目)
※VFOあり5インチFDDがFD1155D/FD1157Dの場合,ターミネータの合成抵抗値(142Ω)の関係で,このままでは青札タワー機では使用できないと思われます.但し筆者は青札タワー機を所有していないため確認できません.青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)用には,下の "FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)" を作成してみて下さい.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 2台とVFOあり5インチFDD 2台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD 1台を内蔵させるケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2台目)
※(1)は5インチFDDをFD1231Tと同じ側のケーブルに,(2)はマザーボード接続用コネクタを挟んだ反対側のケーブルにそれぞれ接続するケーブルです.取り回しがしやすい方のケーブルを選択して下さい.

■FD1231T内蔵機種にVFOなし5インチFDDのみを2台内蔵させるケーブル
 (5インチFDD = 1・2台目)
※この種のケーブルはFD1158DなどのVFOが有効になっているFDDでも使用できるかもしれません(どるこむの過去ログ [27368] 内蔵5インチFDD を参照).ただ若干イレギュラーな接続形態になりますので,筆者としては積極的にはお奨めしかねます(FD1231TをFD1137Dで代替 を参照).
※※VFOを無効にしたFD1155D/FD1157Dを2台内蔵させる場合には,下の "FD1231T内蔵機種にVFOを無効にしたFD1155Dのみを2台内蔵させるケーブル" を作成して下さい.また5インチFDDが3モードFDDと誤認識されますが(フォーマットの際に1.44MBメディアが誤って選択できてしまうこと以外は使用上問題ありません),旧版のケーブルも使用できます(このケーブルはVFOを無効にしたFD1155Dのみを2台内蔵させるケーブルと兼用にできます).
※※※ターミネータの合成抵抗値(多くは恐らく150Ω程度)の関係で,青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)では1台目の(ケーブルの端側でない)5インチFDDのターミネータを無効にする必要があると思われます(筆者は当該機種を持っておらず確認できません).

■FD1231T内蔵機種にVFOを無効にしたFD1155D/FD1157Dのみを2台内蔵させるケーブル
※ターミネータの合成抵抗値(165Ω)の関係で,このままでは青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)では使用できないと思われます.1台目の(ケーブルの端側でない)FD1155Dのターミネータを無効する必要があるかもしれませんが,筆者は青札タワー機を所有していないため確認できません.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各1台を内蔵させるケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,VFOなし5インチFDD = 2台目,VFOあり5インチFDD = 3台目)
※(1)は5インチFDDをFD1231Tと同じ側のケーブルに,(2)はマザーボード接続用コネクタを挟んだ反対側のケーブルにそれぞれ接続するケーブルです.取り回しがしやすい方のケーブルを選択して下さい.
※※VFOなし5インチFDDがFD1155CでVFOあり5インチFDDがFD1155D/FD1157Dの場合,ターミネータの合成抵抗値(142Ω)の関係で,このままでは青札タワー機では使用できないと思われます.但し筆者は青札タワー機を所有していないため確認できません.青札タワー機(を含む最後期型機種? 本文中程の赤文字箇所参照)用には,下の "FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各1台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)" を作成してみて下さい.

■FD1231T内蔵機種にFD1231T 1台とVFOなし5インチFDD・VFOあり5インチFDD 各1台を内蔵させるケーブル(青札タワー機用)(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,VFOなし5インチFDD = 2台目,VFOあり5インチFDD = 3台目)

------------------ FD1138T内蔵機種用 ------------------

■FD1138Tを1台内蔵した機種(MATE-AはファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3のみを含む)にVFOなし5インチFDDを1台内部増設するケーブル(1)(2)
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2台目)
※(1)は(元々の)FD1138T 1台内蔵用ケーブルに継ぎ足すタイプで,(2)は全体を1本のケーブルにまとめたタイプです.作成しやすい方のケーブルを選択して下さい.

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3以外のFD1138T内蔵機種にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9801B3-K01相当ケーブル)
※FD1138Tを1台内蔵した機種にFD1158D以外の5インチFDDを内部増設するのであれば,このケーブルでなく,上の "FD1138Tを1台内蔵した機種(ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3を含む)にVFOなし5インチFDDを1台内部増設するケーブル" を作成する方が簡単です[当該ケーブルはFD1158Dでも使えるかもしれませんが,若干イレギュラーな接続形態になりますので,筆者としては積極的にはお奨めしかねます(FD1231TをFD1137Dで代替 を参照)].

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3以外のFD1138T内蔵機種にFD1138Tを1台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2台目)

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3以外のFD1138T内蔵機種にFD1138Tを2台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル
 (3.5インチFDD = 1・2台目,5インチFDD = 3台目)

以下の3種類のケーブル結線図では,12ピンミニコネクタのGNDピン(12ピン)が5インチFDDの27ピンに接続されていますが,このピンはFD1158D(3.5インチFDDであるFD1137Dと34ピンFD1138Dも)ではGNDではありませんので,これらのケーブルを作成してFD1158Dを内蔵させる場合には,12ピンミニコネクタのGNDピンを,FD1158Dの27ピンでなく17ピン(あるいは他のGNDピン)に結線するか(結線図では17ピンが30ピンコネクタの25ピン,または26ピンコネクタの21ピンと結線されていますが,このラインは結線しておいても構いませんし,結線しなくても構いません),NC(どこにも結線しない)として下さい(本文を参照)

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル(PC-9821A3-K03相当ケーブル)

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを1台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル
 (3.5インチFDD = 1台目,5インチFDD = 2台目)

■ファイルベイモデルのPC-9821Ap3/As3にFD1138Tを2台とVFOあり5インチFDDを1台内部増設するケーブル
 (3.5インチFDD = 1・2台目,5インチFDD = 3台目)

------------------ FD1158C内蔵機種用 ------------------

■FD1158Cを1台内蔵した機種にVFOなし5インチFDDを内部増設するケーブル(結線図はなし.結線は下記を参照)
 (元々の5インチFDD = 1台目,増設した5インチFDD = 2台目)
  向きを揃えたコネクタ3個が圧着されたケーブルです.VFOなし5インチFDDをファイルベイに装着する場合には,真ん中のコネクタをマザーボードとの接続用コネクタとするのがよいでしょう(コネクタの向きについてはこの図を参照).なおこのケーブルはPC-9821Ap2/M2などの,FD1158Cを最初から2台内蔵している機種のFDDケーブル と実質的に同じ結線です.
 ※このケーブルは出荷時にFD1158Cを1台しか内蔵していない機種での動作試験は行えていません.出荷時にFD1158Cを1台しか内蔵していない機種にはマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタにDS1信号が出力されていないものがあるらしく(大熊猫のぺぇじ --> HDDモデルなA-MATE数機種の2FDD化 の記事によればPC-9821Af/M9Wがこれに該当するようですが(注1・2),同じくFDDのパネル部がフロントパネルと一体化している機種でもPC-9821As/M7はこれに該当しないようです),そのような機種ではこのケーブルは使用できません.
 注1:PC-9821/9801スレッド Part86の649・650番の投稿 によれば,Afでも内蔵FDDケーブルに接続された2台目のFDDの認識自体はするということですので,DS1信号自体は出力ないし生成されている可能性があります.とすれば,PC-9821Cr13[内蔵3.5インチFDD(2台目)増設用キットを参照]と同じ,あるいはそれに近いケースなのでしょうか.なお公開されずに終わったようですが,零工房ホームページへようこそ! --> 旧ホームページ(初代)はこちらから --> 工作室 に "内蔵FDDの2台化(工事中)" の見出しがあり,Afに2台のFDDを内蔵させる工作に成功した例があったものと思われます.[追記:First Point(ここはNECと何らかの関連を持つショップと聞いていました)で,Afに2台のFDDを内蔵させるサービス(受付のみか実際の作業も含むかは不明)が行われていたとのことです(A-MATEr's BBS 過去ログ その9を参照)].
 注2:DS1信号を有効にし,Afに2台のFDDを内蔵させることに成功したとの報告が現れました[おふがおさんの2022年4月23日のツイート(12)を参照].

■FD1158Cを1台内蔵した機種にVFOあり5インチFDDを内部増設するケーブル
 (元々の5インチFDD = 1台目,増設した5インチFDD = 2台目)


トップページ