FD1238Tのピンアサイン


PC-98用FD1238Tの同等品にはCITIZENのW1DとTEACのFD-05HG(注)がありますが,前二者では制御基板上にケーブルコネクタの端子に繋がるパターンがないため,テスタで導通を調べるのが容易ではありませんが,後者ではこれがあるため導通の調査が容易です.ここでは導通調査によりTEACのFD-05HG 4688-Uのピンアサインを推定した結果について述べます.
 注:FD1238TとFD-05HG(後者にもFD1238Tの型番があります)は形状がわずかに異なります.このため,PC-9821La7/La10用の外付けFDDユニットである875542-001とPC-9821La13用のFDDユニットである875542-002で使用されているFD1238TをFD-05HGに交換することはできないといいます[ふくろうさん(バビロン)さんの2023年7月29日のツイート を参照].

FD1238Tの26ピンフィルムケーブル接続用メスコネクタのピン番号を下のように定義します.FD1139C,FD1139Tのものと左右が逆ですので注意して下さい(テスターでGNDピンの位置を確認することをおすすめします).


推定されたFD1238Tのピンアサインを下に示します.


FD1238Tは(FD1139Tと同じく)FD1138Tをより小型化したFDDであると推測します.FD1138Tでは7ピンがDRIVE SELECT 1ですが,FD1238Tは4ピンのDRIVE SELECTに入力されるDRIVE SELECT信号(DRIVE SELECT 0または1)によりFDD番号が決まると考えられます.またHAMLIN's PAGE --> FDD関係 の記事ではFD1138Tの9ピンはHEAD LOAD信号とされていますが,ここではFD1238Tの9ピンもHEAD LOAD信号と表記しておきます.これがGNDに接続された状態で動作するように設計されているようです(調査に使用したFD-05HG自体は,9ピンと15・17・19・21・23・25ピン間に導通がありませんでした.しかしNr等用のFDDユニット内部のフィルムケーブルにおいて,FDDの9ピンへの信号ラインと15・17・19・21・23・25ピンへの信号ラインが合流していました).

しかしFD1238Tにはヘッドロード機構は見あたらないことと,FD1238Tの信号ケーブルにFD1155Dを接続した場合,USE=2の設定でも動作することから(この情報は試運転さんよりいただきました.PC-98Nb7・Nr13等にFD1238T以外のFDDを接続するケーブルも参照),FD1238TはHEAD LOAD信号を持っていないと考えるべきかもしれません(DISK CHANGE信号,HEAD LOAD信号,DRIVE SELECT 2信号について を参照).


FD1238Tおよびその互換FDDにはPC/AT互換機用のものもありますが,これのピンアサインは資料により少しずつ異なっています.PC-98用FD1238Tのピンアサインとの違いは,こんにちは。Yoshi.です。 --> PC etc... --> TEAC FD-05HG によれば,PC/AT互換機用FD-05HGでは,8 = NC,9 = HIGH DENSITY SELECT,11 = NCであり,ish_mmのPCの部屋 --> その12 ノート用FDDユニットを非ノートで活用する では,9 = NC,またDELLが以前ウェブページで公開していた資料では,9番ピンはFD-1238H-023ではNCで,FD-1238T-022ではHD out(= HIGH DENSITY SELECT),また13 = 1.6MB in となっていました.

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