PC-98GSの内蔵3.5インチFDDケーブル


■PC-98GS内蔵FDDケーブル相当ケーブル
PC-98GSの内蔵3.5インチFDDケーブルの結線です.YouTubeの動画,[レトロPC]PC-98GSの分解 のFDDケーブルの映像を資料としました(この動画はかかっくんさんに教えていただきました).

PC-98GSのFDDはこの機種でのみ採用されているFD1137C(P/N 134-500519-029-0)で,コネクタのピンの並びが一般的なFD1137C(注)と異なる "34ピンコネクタ①" であり(コネクタの種類とピン番号を参照),さらに一般的なFD1137CではGNDが割り当てられている5・7・9・11ピンに+5Vが供給されている(従って独立した電源コネクタを持たない)という特徴があります(試運転の資料館 --> 電算機部 --> PC-98GS の FDD と CDD のピンアサイン を参照).
 注:本記事での "一般的なFD1137C" は,信号コネクタのピンの並び(注1)とピンアサイン(注2)が,上記のPC-98GS の FDD と CDD のピンアサインに掲載されている "NEC FD1137C 標準仕様品" のものと等しいFD1137Cを指します.
   注1:FD1137Dの一時資料である,日本電気株式会社 (1988). FD1137D 3.5"フロッピィディスク装置概説書(806-520689-0) REV.3.に記載されているFD1137Dのものと一致します.
   注2:日本電気株式会社 (1988). FD1137D 3.5"フロッピィディスク装置概説書(806-520689-0) REV.3.に記載されているFD1137DのもののVFO関連信号(WINDOW・MFM・SYNC)をGNDに置き換えたものと一致します.


信号コネクタは突起が下向きになるようにFD1137Cに接続されます.マザーボードと接続する34ピンメスコネクタは,コネクタの種類とピン番号 の "34ピンコネクタ②-(2)" です.


■PC-98GSに一般的なFD1137Cを内蔵させるケーブル(試案)
PC-98GSの内蔵3.5インチFDDである "特殊FD1137C"(P/N 134-500519-029-0)を一般的なFD1137Cで代替するためのFDDケーブルの結線の試案です.筆者はPC-98GSの実物を所有しておらず,ケーブルを実際に作成してのテストは行っていません.あくまでも試案です.

(1) 上記のPC-98GS の FDD と CDD のピンアサインによれば,PC-98GSのマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタの5・7・9・11ピンに+5Vが出力されていますので,これを一般的なFD1137Cの電源コネクタに接続します.一般的なFD1137CではこれらのピンはGNDピンですので,これらがFDDに入力しないようラインを切断する必要があります.
(2) PC-98GSのマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタの3・15・17・19・21・23・25・27ピンはGNDであり,これらからのラインを一部分岐させてFD1137Cの電源コネクタに接続します.
(3) PC-98GSのマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタの1・3・29・33ピンの信号は不明ですので,これらからのラインも切断します(実際には切断する必要はないかもしれません).
(4) PC-98GSのマザーボードのFDDケーブル接続用コネクタの6ピン(NC)と31ピン(特殊FD1137Cにはこのピンは物理的に存在しないといいます)からのラインは切断しなくてよいでしょう.
(5) FDDに接続する場合にはケーブルを途中で180゜捻りますので(裏返しにします),それを見越して長めのケーブルを作成する必要があります.またケーブルを折り返して端のコネクタを2台目(下段)のFDDに,ケーブル中間のコネクタを1台目(上段)のFDDに接続します(注).
 注:一般的なFD1137Cの信号コネクタのピンの並びは,特殊FD1137Cのコネクタのピンの並びを左右反転(ケーブルを180゜捻ることに対応)し,さらに上下を反転(ケーブルの折り返しに対応)したものに一致します.但しコネクタの突起の位置は反対になります.



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