PCPKB4とPCKBZM31の外観
(付:PC-486H族用セカンドキャッシュ,PCPKB5,PCKBZM21,
PCSKB,PCSKB3,PCSKB4,PCSKB5,Power Window T64EL,
WAB-EP,WAP-2EP,WAP-4EPの外観)


PC-486HA/HX/HG専用の独自仕様PCIグラフィックアクセラレータボードPCPKB4(PCI専用拡張ビデオボードⅣ)とその増設VRAMモジュールPCKBZM31(増設ビデオメモリ・3MB),およびセカンドキャッシュ(PCSCIAと思われるもの)の画像です.サードパーティーからこれらの同等品は出ていません.これらはウェブ上には鮮明な画像がないようですので,入手の際の参考となるよう下に画像を示します.また関連する資料として,本記事の公開後に収集を始めたエプソン98互換デスクトップ機専用のローカルバスグラフィックアクセラレータボードの画像も掲載することにしました(注).
 注:本記事は当初,"PCPKB4とPCKBZM31の外観(付:PC-486H族用セカンドキャッシュ)" と題して,筆者の所有するPC-486HA/HX/HG専用増設機器に関する説明記事として公開したものですが,その後内容が順次拡張され,"エプソン98デスクトップ機専用グラフィックアクセラレータボード一覧" とでも題すべき状態(かつセカンドキャッシュに関する内容は,本記事のある "ディスプレイ関連" カテゴリーでなく "メモリ関連" に移動させて独立記事とすべき状態)となってしまっていますが,差し当たっては今のままで記事の公開を続けることにします,


■PCPKB4(PCI専用拡張ビデオボードIV)
PC-486HA/HX/HG専用PCI GA.ビデオチップはS3社製86C928で,VRAMは1MB(MT42C8254DJ-7が4個).PCKBZM11(増設ビデオメモリII)の増設によりVRAMを合計2MBに,またPCKBZM31(増設ビデオメモリIII)の増設によりVRAMを合計4MBにできる.
PC-486HX2GW/HX3JW/HG2GWでは標準装備(EPSON PC`s HOMEPAGE in JAPAN --> PC-486HX/HG を参照).
ボード上に3本ジャンパスイッチ2個あり(J9, J10).スイッチの設定は PCPKB4(PCI専用拡張ビデオボードIV),PCSKB4(専用拡張ビデオボードIV),PCHKB4(拡張ビデオボードIV)(EPSON) を参照.
基板名 UNIT 201227600 1895VG Board.
下図左はPCKBZM31増設時のもので,右はこれを取り外した状態のもの.


まぁ、てきとうにのんびりと~ --> 過去の日記 --> 2011年01月 --> 1月3日(月)「古いカタログの取り込み」の "古いカタログ一覧" --> エプソンPC総合カタログ 1993.AUGUST(このカタログのより大きな画像が,ぱんだねこさんの2022年4月13日のツイートのリンク先にある)には基板上に実装されている部品が若干異なったボードの画像が掲載されている.なお筆者所有の上の画像のボードでは,基板上にPCPKB4のシルク印刷はない.筆者所有のものはPC-486HXから抜いたものだったと記憶しているので,PC-486HX2GW/HX3JW/HG2GWの出荷時にPC本体に装着されていたもの(製品版PCPKB4の"相当品"?)なのかもしれない(注1・2).
 注1:ヤフーオークションに,これと同じもの(黒いプラスチックの薄板もある)が装着されているPC-486HX2GWが出品されたことがある.なおその出品物では,注2で引用した画像のものと同じ小基板が増設されていた.また後に,小基板のないボードの出品も確認している.
 注2:EPSON 98互換機 Part4 の522番の投稿によると,製品版のPCPKB4でも基板上に多数のジャンパ線が配線されていたという.下にヤフーオークションで出品者IDが dragon_horse_wot,オークションIDが n394153366 の出品物(2020年1月12日に落札)の商品説明画像から切り出して40%に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用する.


確かに基板上に手配線による多数の長いジャンパ線が這い回っている.ところで,筆者所有のPCPKB4にある黒いプラスチックの薄板はこのPCPKB4にはない.またこのPCPKB4にも,基板上にPCPKB4のシルク印刷はない.またこのPCPKB4も,上記の エプソンPC総合カタログ 1993.AUGUST に掲載されているものとは基板の構成が異なっている.出品物の説明文には "メモリを1MB増設済み" とあり,動作確認も行ったとあるので,PCKBZM11が増設されているものと思われる(裏面にはMT42C8254DJ-7が4個取り付けられているのだろう).二つある増設VRAMモジュール接続用コネクタのうち,右側のコネクタのみに小基板が増設されているが,これがPCKBZM11なのだろう.この小基板のコネクタ脇に見えている文字列は P-201228100 と読め,また二つある穴のうち,後ろ側のものの脇にはL4とある(追記:masaru uranoさんの2021年10月2日のツイート の画像からは,これらの文字列がはっきり読み取れる).

・PC-486HA/HX/HG専用独自仕様PCI GAには他にPCPKB5がある(PC-486HA3JWでは標準装備).ビデオチップはS3社製Vision964で,VRAMチップはKM428C256J-6ないしKM428C257J-6(ともに256K×8Bit)が8個の計2MB.PCKBZM21(2MB)の増設によりVRAMの合計を4MBにできる.PCKBZM21はボードの端近くにある細長い白コネクタに装着される.PCKBZM21のVRAMチップは,筆者が確認したものではすべてKM428C257J-6だった.なおPCPKB5の基板上には,型番を示すPCPKB5の他,基板名として 1774XP Board と UNIT 201588200(他に UNIT 201474600 という文字列を複数枚の本ボードで確認しているが,これは製造時期コードのようなものだろうか)の文字列がシルク印刷されている(ボード裏面には P-201474501 の文字列がある).下にヤフーオークションで出品者IDが timspenrod,オークションIDが h170216734(2012年11月19日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出してガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換)した画像を引用する.なおPCPKB5の画像は,Yahoo!ブログ "ぽけっとの玩具箱" のEPSON PCPKB5(2011年5月20日の記事)にも掲載されている.


初期のロットであろうか,部品と長いジャンパ線が手配線で追加されている個体も存在する.ジャンパ線のないものとは PCPKB5,1774XP Board,UNIT~ の文字列の位置も異なっている.ヤフーオークションで出品者IDが car_choice526,オークションIDが k414181640(2019年10月6日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して40%に縮小後jpg形式に再変換)した画像を引用する.増設VRAMモジュール接続用コネクタにドータボードが取り付けられているが,これがPCKBZM21である.


元画像からPCKBZM21の部分を切り出してjpg形式に再変換した画像を引用する.


PCPKB5・増設VRAMモジュールともに,四級塩電解コンデンサが使用されているといい,表面実装型,基板貫通型(ラジアルリード型)ともに,16V-10μFのものはかなり液漏れするという(10V-220μF等の比較的容量の大きなものは四級塩品ではないという).

・PCPKB4,PCPKB5とも,PC本体とグラフィックアクセラレータボードとを接続するケーブルはDサブ15ピン2列のオス-メスでストレート全結線(枠どうしも結線)(PC-98用グラフィックアクセラレータボードのケーブル を参照).

■PCKBZM31(増設ビデオメモリIII・3MB)
PCPKB4,PCSKB4,PCHKB4用増設VRAMモジュール.VRAMは3MB(MT42C8254DJ-7が12個).
スイッチの類はなし.
基板名 UNIT 201257100(3桁目の1はシール) 1895D2 Board.
 ※VRAMが1MBのPCKBZM11(増設ビデオメモリII)は 1895D1 Board.
下図は基板裏面(基板表面は本記事の一番上の画像を参照).


■セカンドキャッシュ
キャッシュメモリチップはTOSHIBA TC55187T-20(144KBit)で,これが8個載っているため(144KBit×8 = 18KB×8 = 144KB),PCSCI(A)あるいはその相当品(PC-486HA3JWに標準装備されているもの)と考えている.PC-486HA/HX/HG(注)専用.カタログでは容量128KB(ぱんだねこ会長さんの2022年9月6日のツイート を参照).
 注:出荷時状態のHGにはセカンドキャッシュの代わりにダミーボードが取り付けられている.なおHA/HX/HGとも,セカンドキャッシュやダミーボードが取り付けられていないと本体が起動しないとの情報がある(筆者は実際に確認してはいない).
基板裏面に2本ジャンパスイッチ2個(J1,J2)と3本ジャンパスイッチ1個(J3)あり.各スイッチの意味は不明.恐らくHXで使用されていたと思われる手元のものでは,J1とJ2がオープンで,J3が3-1間ショート(ジャンパポストの番号は231の順).
キャッシュコントローラは austek A38403 MICROCACHE 33 MHZ(MICROCACHEと33 MHZの間の文字列は,製造時期コード等と思われる).
基板名 UNIT 201384800(201384800の部分はシール) 1895CA BOARD.
下図左は基板表面,右は裏面.


基板名 UNIT 201377000 1895CB BOARD というものも存在する.キャッシュコントローラは austek A38403 MICROCACHE 33 MHZ で,上の 1895CA BOARD と比較すると,U1(基板右下のIC)がない他,基板上の部品やその配置も一部異なっている.ヤフーオークションで出品者IDが dragon_horse_wot,オークションIDが q401093519(2020年10月4日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換)した画像を引用する.


ヤフーオークションに出品されたPC-486HXでは,CPUボードに 1895CB BOARD が取り付けられているケースがいくつもあったことから,PC-486HXに標準搭載されている64KBのセカンドキャッシュが 1895CB BOARD かとも考えた.しかしヤフーオークションに出品されたPC-486HXには,1895CA BOARDで UNIT 201190300 と書かれたものが取り付けられている場合もいくつもあり(それらではU1にICが取り付けられていた),さらにUNIT番号(上記の通り,これは製造時期コードのようなものかもしれない)のところに 201516000 等の数字列が印字されたシールが貼られている1895CB BOARDが取り付けられているPC-486HAの出品物もいくつもあり,(ユーザーが元々のものと容量の異なるセカンドキャッシュに交換したケースもあるのかもしれないが)基板名とキャッシュメモリの容量との関係は単純ではないようである.
 追記:上の画像のものと基板の構成の同じ 1895CB BOARD の裏面の画像が,おふがおさんの2021年1月20日のツイートに現れた.下に元画像を加工(1/3に縮小したものから切り出してガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換)した画像を引用する.キャッシュメモリチップはNEC (μP)D4369LA-20 で,これが8個載っているが,空きパターンが8個分ある.また空きパターンには互換チップと思われる(TOSHIBA)TC55189J の型番のシルク印刷があるが,これの容量は8,192Word×8Bit = 64KBit で,1KBit = 0.000125MB なので,これ1個の容量は8KBと換算でき,8個で64KBということになるが,PC-486HXに最初から取り付けられているセカンドキャッシュの容量と一致する.容量128KBのPCSCIAあるいはその相当品の 1895CB BOARD では,キャッシュメモリチップが16個取り付けられていると予想される.なお画像を見る限り,1895CA BOARD と異なり,この 1895CB BOARD の裏面にはジャンパスイッチはない.


1895CC BOARD というものも存在するが,これは他のものと基板の構成が大きく異なっている.キャッシュコントローラは他のものと同じ austek A38403 MICROCACHE 33 MHZ であり,大きな長方形のチップは TI 74BCT646NT である.ヤフーオークションで出品者IDが turntone,オークションIDが l445251934(2018年5月25日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像を-90゜回転したものから切り出して1/2に縮小しガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換)した画像を引用する.これはPC-486HXに取り付けられていた.


----------------------------------------------------------------------------------------

追記1:PC-486P/GF/GR/GR+/GRS専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるPCSKB4(専用拡張ビデオボードⅣ)の画像が見つかりましたので掲載します.PCSKB4のビデオチップはS3社製86C928で,VRAMは1MBです.PCPKB4と共通の増設VRAMモジュールであるPCKBZM11(増設ビデオメモリII)の増設によりVRAMを合計2MBに,またPCKBZM31(増設ビデオメモリIII)の増設によりVRAMを合計4MBにできます.画像のものはPCPKB4とPCKBZM31が増設された状態です.基板上にはPCSKB4の文字があり,また1895VX-Board(?)の文字列もあります.ヤフーオークションで出品者IDが sigatunotara,オークションIDが g400636119 の出品物(2020年1月29日に落札)の商品説明画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.


    全くの余談ですが,上の画像のPCSKB4は,知る人ぞ知る "宇宙最速のGR" で使用されていたものです(WEBの畦道 --> PC-486GRのページへ --> K6に賭ける を参照).ヤフーオークションでの出品者IDと,同じ方の同時期の出品物(改造されたPCCPUB21等)からみて間違いないでしょう.このPC-486GRは,最終的にはWindows95上でのHDBENCH Ver.2.61でALL 9401のスコア(矩 5045/円 2096/Text 1799/Scroll 21/DD 3)を記録するに至りました[ADY (2002). ~宇宙最速のGRを目指して~ ADYのPC-486GRアップグレード報告. EPSON98互換機専門同人誌 E-SaPa, EPSON98サービス機構, pp.3-8. を参照](注).
      注:スコア上はWindows98上でのHDBENCH Ver.2.61でのALL 11869(矩 5158/円 1908/Text 1664/Scroll 21/DD 3)が最高記録のようですが,その環境では安定動作しなかったといいます(どるこむの過去ログ,[1511] 無念PC-486GR、K6III+E@600で安定せず。を参照).報告されているデータでの次点は,やはりWindows98上でのHDBENCH Ver.2.61でのALL 10130(矩 4893/円 1762/Text 1556/Scroll 21/DD 3)と思われます[EPSON98開発公団 (2000) 発行の同人誌,Oh! EPSON PC の "ゑぷらー台帳 ~五拾八人の同志の愛機~" の章のADY氏の項(ページ番号なし)を参照].以上は,恐らくは考え得る限界まで強化されたCPUの下で示された本ボードの描画速度の上限に関する他に類のないデータでしょう.なおPCCPUB21を使用しない場合のスコアは,WEBの畦道2 --> EPSON PC-486GR --> HDBench値などに残されています.

    まぁ、てきとうにのんびりと~ --> 過去の日記 --> 2011年01月 --> 1月3日(月)「古いカタログの取り込み」の "古いカタログ一覧" --> エプソンPC総合カタログ 1993.AUGUST(このカタログのより大きな画像が,ぱんだねこさんの2022年4月13日のツイートのリンク先にあります)には基板上に実装されている部品が若干異なったボードの画像が掲載されています.

    同じくPC-486P/GF/GR/GR+/GRS専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるPCSKBの画像です.ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが s552947179 の出品物(2018年11月16日に落札)の商品説明画像から切り出して80%に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.ボードの両面に緑被覆のジャンパ線が追加配線されていますが,これの数と位置が画像のものとは異なる個体も確認しています.


    基板上に1505VG-Boardの文字列があります(注1).ビデオチップはS3社製86C911で,VRAMは512kBです.増設VRAMモジュールPCKBZMを増設することでVRAMを1MBにできます.上の画像で,高温注意と書かれた黄色のシールの貼られた放熱板と外部接続用コネクタの間にある横長のドータボードがPCKBZMと思われます(注2).このドータボードの裏面には,それぞれの短辺のそばに本ボードとの接続用の白いコネクタがあります.PCSKBの文字列はドータボードで隠れる部分にあり,画像では見えていません(注3).筆者がこれまで見てきたPCSKBの多くにはこのドータボードがありました.PCSKBをWindows3.1で実用的に使用するためには,VRAMを1MBに増設し,1024×768ドット・256色画面が表示できるようにする必要があったためでしょう.
     注1:この画像でははっきりしませんが,別なボードには 1505VG-Board の文字列の下に UNIT 200807800 や UNIT 201065600 の文字列もありました.これらの文字列が何を示すものかは不明です.なおシリアルナンバー(S/N)はボード裏面に貼られたシールに印字されています.
     注2:出品者IDが wellagedbordeaux,オークションIDが g1077908788 のヤフーオークション出品物(2023年1月11日に落札)の商品説明文と商品説明画像からみて,このドータボードがPCKBZMで間違いありません.PCKBZMの基板表には 1505VM-Board と UNIT 200822900 の文字列が,また裏には P-200822800 とL4 の文字列があります.VRAMチップは 三菱製M5M442256AJ 2462E23-8 が4個実装されています.同オークションの商品説明画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.
     注3:ここには P-200807701 の文字列もあります.

    PC-486P/GF/GR/GR+/GRS専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードには他にPCSKB2があります.ビデオチップはS3社製86C924で,VRAMは1MBです.増設VRAMモジュールは提供されなかったようです.PCSKB・PCSKB2ともWindows95には対応しません.両ボードのスイッチの設定は PCSKB,PCSKB2(EPSON) を参照して下さい.

 追記1の追記1:CバスグラフィックアクセラレータボードであるPCHKBの画像が,まるいがんも (marui, ganmo)さんの2022年4月7日のツイートに掲載されています.基板上の文字列は 1505VH Board,UNIT 200810200,P-200810100 であり,直上のPCSKBの画像にあるドータボードと酷似した小基板があります.この小基板には P-200822800 L4 とあります.これは11個上のPCPKB4の画像にあるPCKBZM11(P-201228100 L4)とは異なっています.PCHKBのビデオチップはS3社製86C911で,VRAMは512kBであり,増設VRAMモジュールPCKBZMを増設することでVRAMを1MBにできるといいますが,このPCHKBの画像では基板上にPCKBZM増設用のコネクタと思われるものはなく,直上のPCSKBの画像と同様に,これがPCKBZM(VRAM 512kB)が増設(計1MB)された状態と思われます(注).なおエプソン製のCバスグラフィックアクセラレータボードには,他にPCSKB2(ビデオチップはS3社製86C924でVRAMは1MB)があります.PCSKB・PCSKB2ともWindows95には対応していません.
         注:PC-486HGのセカンドキャッシュコネクタに取り付けられているダミーボードなどとは異なり,1505VH Boardは単なるダミーボードである可能性は低いように思います.

 追記1の追記2:PC-486P/GF/GR/GR+/GRS専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードとPC-486HA/HX/HG用PCI専用拡張ビデオボードは,本体接続用コネクタの形状が同じです.これはエプソンがローカルバス用コネクタをPCIバス用コネクタに流用したためです.コネクタのピンアサインは不明ですが,バスの種類が異なりますので,前者を後者の対応機種に装着,あるいはその逆に装着すると,ボードならびにPC本体を破損する危険性があります(逆に装着した報告は見たことがありませんが).

----------------------------------------------------------------------------------------

追記2:PC-486SR/SE/FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/RS,PC-586RA/RX/RT/RJ/RV/MV専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるPCSKB5(専用拡張ビデオボードV)の画像も掲載します.基板上にはPCSKB5の文字列があります.筆者所有のPC-586RXでは,素人改造が繰り返されて内部の配線が込み入っているためにこれを取り出して撮影するのが容易でなくなってしまっていますので,本記事では,ヤフーオークションで出品者IDが irnebusto,オークションIDが k138178709 の出品物(2011年2月12日に落札)の商品説明画像から切り出して2/3に縮小して併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.


    ビデオチップはS3社製Vision964で,VRAMは2MBです.専用増設VRAMモジュールであるPCKBZM22(増設ビデオメモリ)の増設によりVRAMを合計4MBにできます(注1).PCKBZM22はPCSKB5のVRAMチップエリアの両脇に位置している一対の細長い黒コネクタに装着されます.PC-586RA/RX/RT/RJではPCSKB5が標準装備されています(注2).なお486機で使用する場合には,PC本体に搭載できるメモリの上限が55.6MBになります(注3).
     注1:PC-586RAでは,エプソン版Windows95に含まれているエプソン製ドライバと,エプソンが公開していたカノープス製のドライバ(PC-98用製品のドライバファイルへのリンク を参照)では占有メモリエリアが異なるといいます(おふがおさんの2022年8月24日25日のツイートを参照).
     注2:PC-586シリーズのうち,RVとMVはPCSKB5を標準装備しておらず,NKV2(CL-GD5429,VRAM 1MB)をオンボードで持っています.またPC-486MU/MR/MS/MV/RSは,NKV1(CL-GD5428,VRAM 1MB,使用時にPC本体に搭載できるメモリの上限は55.6MB)をオンボードで持っています.なおPC-486MEはNKV4(TUGI9660,VRAM 1MB)をオンボードで持っています.この機種にはローカルバス用グラフィックアクセラレータボードを増設することはできません[NKV1/NKV2/NKV4に関する記述は,二律背反/○oo (2000). EPSON PCシリーズ専用ローカルバスGAの速度比較 EPSON98開発公団, Oh!EPSON PC 2000 12/30号, pp.51-55 に拠ります].
     注3:XGA・ハイカラー環境でVRAMが4MBの場合,VRAMが2MBの場合に比べて描画速度が体感上もベンチマークソフト(HDBENCH Ver 2.610/3.00,YBENCH YB_Graphic Ver 2.1,WinSpec ver1.0,FinalReality)のスコア上も明らかに増加するとの報告があります(本体はPC-586RV,CPU K6-III 360MHz,メモリ 192MB,OS Windows 95).HDBENCH Ver 3.00でのBitBlt値がVRAM 2MB時の8に対し4MB時では48(6倍)にもなったことから,使用されていない(XGA・フルカラー環境ではなくではXGA・ハイカラー環境のため)VRAを何らの形でワークエリアとして使用しているか,あるいはVRAMへのインターリーブアクセスが行われている可能性があると推測されています[二律背反/○oo (2000). EPSON PCシリーズ専用ローカルバスGAの速度比較 EPSON98開発公団, Oh!EPSON PC 2000 12/30号, pp.51-55.].

 追記2の追記:PCKBZM22の画像が見つかりましたので掲載します.ヤフーオークションで出品者IDが yugen_corp,オークションIDが d1080594172 の出品物(2023年2月7日に落札)の商品説明画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換した画像を引用します.PC-586RXのPCSKB5上に増設された状態のものです.全体的にくすんだ色をしていますが,これは撮影条件のためでもあり,また基板上に薄く積もった埃のためでもあると思われます.


        一部が判読できませんが,基板上に 1951ZM Board,UNIT 20165(?)060(?)0, P-2016506(?)0(?)0(?) のシルク印刷があります.
         追記2の追記の追記:おふがおさんの2023年10月4日のツイートに,PCKBZM22単体の両面の画像が現れました.PCKBZM22の文字列は基板裏にあり,また基板表の文字列は UNIT 201650600, P-201650600 と判明しました.

    同じくPC-486SR/SE/FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/RS,PC-586RA/RX/RT/RJ/RV/MV専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるPCSKB3(専用拡張ビデオボードIII:ビデオチップはS3社製86C928,VRAMは1MBで増設不可)も,486機で使用する場合にはPC本体に搭載できるメモリは55.6MB以下に制限されます.これらの機種用の専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードには,他にメルコ製WAB-EP(ビデオチップはCirrus Logic社製CL-GD5428,VRAMは1MBで増設不可)・WAP-2EP/4EP(ビデオチップはCirrus Logic社製CL-GD5434,VRAMは前者2MBで後者4MB,いずれも増設不可),Canopus製Power Window T64EL(ビデオチップはS3社製Trio64,VRAMは2MBで増設不可)がありました(注).486機におけるPC本体のメモリ制限は,前二者では55.6MBで,後者では31.6MBです.
     注:筆者はこれらの製品のうち,PCSKB3とWAP-2EPを,PC-486SR+PK-EP586x3またはDX2 ODP+RAM 51.6MB+エプソン版Windows95という環境で使用したことがありますが,いずれも描画速度は思ったほどではなかったというのが正直な感想です(注1).但しWAP-2EPはVRAMが2MBあり,また画質も一部で言われるようなレベルのものとは筆者には思われませんでしたので,安価に入手できれば十分に有用と思います.またPC本体のCバススロットをグラフィックアクセラレータボードに割く必要がないという点もこの種のボードの見逃せないメリットだと思います.
        注1:EPSON98開発公団発行の同人誌,"Oh!EPSON PC 2000" 12/30号(2000年12月30日発行)の 二律背反/○oo 氏による EPSON PCシリーズ専用ローカルバスGAの速度比較(pp.51-55)の記事でも,PC-586RV(K6-III-360MHz,191.6MB,Windows95)でのWAP-2EPの描画の体感速度は,Power Window T64ELと比較しても極端に劣るとは思えないと述べられています.なおこの記事は,EPSON98サービス機構の2004年8月15日発行の同人誌,"E-SaPa別冊 蘇るEPSON PC伝説" に同名の記事(pp.33-37)として再録されています.

----------------------------------------------------------------------------------------

追記3:PC-486SR/SE/FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/RS,PC-586RA/RX/RT/RJ/RV/MV専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるPCSKB3(専用拡張ビデオボードIII)の画像が見つかりましたので掲載します.ボードについての概略は追記2を参照.まぁ、てきとうにのんびりと~ --> 過去の日記 --> 2011年01月 --> 1月3日(月)「古いカタログの取り込み」の "古いカタログ一覧" --> エプソンPC総合カタログ 1993.AUGUST(このカタログのより大きな画像が,ぱんだねこさんの2022年4月13日のツイートのリンク先にあります)の画像と,ぱんだねこさんの2021年12月21日のツイート に掲載されているPC-486SE/SRのカタログの画像とは,基板上に実装されている部品が若干異なっています.ボード上の文字列は,1699VP Board UNIT 20146469900(469900は紙シールに印字) P-201243500 です.PCSKB3の文字はありません.VRAMは日立HM534253AJ-7(1MBit = 0.125MB)が8個実装されています.Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年12月17日のツイート の画像を270゜回転したものから切り出して1/3に縮小したものを併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.ボード上にディップスイッチとジャンパスイッチのパターンはありますが,部品は実装されていません.


----------------------------------------------------------------------------------------

追記4:PC-486SR/SE/FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/RS,PC-586RA/RX/RT/RJ/RV/MV専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるCanopus製Power Window T64ELの画像も掲載します.ボードについての概略は追記2を,詳細は Power Window T64EL(Canopus) を参照して下さい.ヤフーオークションで出品者IDが hikari_wifi,オークションIDが p768609173 の出品物(2020年6月5日に落札)の商品説明画像を90゜回転したものから切り出して60%に縮小したもの(左)と,ヤフーオークションで出品者IDが talk_talk_talk,オークションIDが 1026967282 の出品物(2021年12月25日に落札)の商品説明画像を90゜回転したものから切り出して40%に縮小しガンマ補正値を上げたもの(右)を併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.


----------------------------------------------------------------------------------------

追記5:PC-486SR/SE/FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/RS,PC-586RA/RX/RT/RJ/RV/MV専用ローカルバス用グラフィックアクセラレータボードであるメルコ製WAB-EPとWAP-2EPの画像も掲載します.ボードについての概略は追記2を参照して下さい. 後者のスイッチの設定は WAP-2EP,WAP-4EP(メルコ) を参照して下さい.メルコ製の拡張ボードでは,型番の書かれた同社製品に特徴的な黒いプラスチック板が失われているケースがいくつも報告されています.両ボードについては報告を確認してはいませんが,このプラスチック板が脱落しているために正体不明のボードとして安く売られている場合もあるかもしれませんので,入手時の参考資料として基板の画像を載せておきます.ヤフーオークションで出品者IDが hidepon07,オークションIDが v756031045 の出品物(2020年11月3日に落札)の商品説明画像から切り出して30%に縮小したものと,商品説明画像を180゜回転したものから切り出して30%に縮小したものを併置しjpg形式に再変換した画像(上段,WAB-EP)と,ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが k188603564 の出品物(2015年9月23日に落札)の商品説明画像から切り出して2/3に縮小したものと,商品説明画像から切り出して30%に縮小しガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換した画像(下段,WAP-2EP)とを引用します.




追記6:WAP-4EPの画像が見つかりましたので掲載します.おふがおさんの2021年3月15日のツイートの画像画像から切り出したものと切り出して1/3%に縮小したものを併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.



トップページ