Power Window 801,801+,928 (Canopus) Cバスグラフィックアクセラレータボード.グラフィックチップはPower Window 801 ではS3社86C801を,またPower Window 928ではS3社86C928をそれぞれ搭載.VRAM 1MB [Power Window 928ではVRAM拡張キット928-1M(型番CIM-1137-01)によりVRAMを2MB に増設することが可能(注)].最大消費電流は,Power Window 801/801+では+5V,810mA /+12V,40mA,928ではVRAM 1MB時+5V,930mA/+12V,40mA,VRAM 2MB時+5V,940mA /+12V,40mA.  注:筆者が中古品として入手したPower Window 928(REV B基板)では,    HM534253AZ-70*16 のシルク印刷のあるVRAMエリアのVRAM9-VRAM16の8本の    ソケットに KOREA[三星電子(現SAMSUNG)]製 KM424C257Z-6 が装着されて    おり,これがVRAM拡張キット928-1Mと思われる(VRAM1-VRAM8のオンボード    VRAMはシルク印刷の通り日立製HM534253AZ-7).調べていないが,両VRAMには    互換性があるのだろう.なお928-1Mには "#9GXE VL" というPC/AT互換機用の    VLバスビデオボードのVRAMチップでの代用報告がある[A-MATEr's BBS 過去ログ    その29(http://a-mate.la.coocan.jp/bbs/log/log29.html)を参照].これも    上記のVRAMと同じものか,互換性のあるものなのだろう. Power Window 801/801+ではボード上にロータリースイッチ2個,8連ディップスイッチ 1個,2本ジャンパスイッチ1個あり. 928ではさらに6連ディップスイッチ1個,3本 ジャンパスイッチ1個,2本ジャンパスイッチ1個が加わる. CPUアクセラレータ搭載機での動作は保証外(ODP搭載機の動作は保証). 本体のGCDクロックは5MHzで使用のこと.PC-9801FAでは内部増設RAMボード上の61 互換SIMMの増設は5本以内(実装メモリ13.6MB以下)で使用のこと. ・ロータリースイッチR-DPSW1:I/O ポートアドレスの設定 標準(出荷時)でのI/Oポートアドレス: 06D0-06DF, 16D0-16DF, 26D-26DF, 36D0-36DF 46D0-46DF, 56D0-56DF, 66D-66DF, 76D0-76DF 86D0-86DF, 96D0-96DF, A6D-A6DF, B6D0-B6DF C6D0-C6DF, D6D0-D6DF, E6D-E6DF, F6D0-F6DF それぞれのI/Oポートアドレスの左から2桁目の"6"をロータリースイッチR-DPSW1の 設定により1-7の間で変更可能. R-DPSW1の設定をどのようにしたらよいか調べる"PWIO.EXE"というソフトが付属. これはボードをPCにセットする前に実行のこと. 使用するI/OポートアドレスがPower Windowと重複するLANボードでは,PWIO.EXEの 実行により誤動作を起こす可能性がある.このような場合,LANケーブルを抜いた 状態でPWIO.EXEを実行のこと. ・ロータリースイッチVR1:クイックセーバの時間設定 ハードウェア的にスクリーンセーバ機能を実現するクイックセーバの時間設定を行う. クイックセーバ機能のON/OFFはセットアッププログラムおよびコントロールソフト で行うが,どれくらいの時間アクセスがないと画面を暗くするかの設定をこのVR1 で行う.時計方向に回すとこの時間が長くなる(最長で4,5分程度). ・2本ジャンパスイッチJP2:Power Windowを使用しない時に比べてディスプレイの 表示が明るすぎると感じられる場合にはジャンパプラグ(ショートプラグ)を抜く. ・8連ディップスイッチS1:メモリ空間の指定 基本的に変更の必要なし(出荷時設定:ON-ON-ON-ON-OFF-OFF-OFF-OFF). メモリ空間はデフォルトではF00000Hからの128KBを使用(システム予約領域内). しかしPC-486GF/GR/GR+/GR Super/PではこのF00000H~のメモリ空間をそのままでは 使用できないので,付属のF.EXEを実行し,F00000Hからの領域にアクセスできるように する必要がある.またPower WindowをI/O拡張ユニット経由で使用する場合には,多くの 場合このメモリ空間は使用不可.この場合,オートセットアップを使用すれば,メモリ 空間を調べ,使用可能であればその設定を行う.マニュアルセットアップを行う場合, I/O拡張ユニット使用時などのメモリ空間が使用できない場合には,「拡張ユニットを 使用する」を選択のこと.ただし1677万色表示は不可となり,描画速度も若干低下. メモリ空間を変更する場合には,PW801928.INIの編集とPowerWindow801/801+ではS1の 変更の必要(後者はPowerWindow928では不要).ただし本体搭載メモリが13.6MBを超える 場合には変更不可. 例:E00000Hから128KBを使用する設定 1. PW801928.INIのWinAddr=240をWinAddr=224に変更. 2. S1をON-ON-ON-ON-ON-OFF-OFF-OFFに変更. ※互換モードで使用する場合,このスイッチはNEC互換モードでの設定用となる. ・3本ジャンパスイッチJP1:PowerWindow928の互換モードの設定 PowerWindow928はNECのPC-9801-85(ウィンドウアクセラレータボードB)とEPSONの PCHKB2用のドライバを使用するモードが用意されている.JP1のN側の2本のピンショート でNEC互換モード,E側の2本のピンをショートさせるとEPSON互換モードとなる. ・6連ディップスイッチS2:PowerWindow928の互換モードの設定 EPSON互換モード設定用であり,NEC互換モード設定用のS1とともにNEC/EPSON互換モード での設定を行う. 1. NEC互換モード S2はすべてONに設定. S1の各ディップの意味は以下の通り 1:使用するディスプレイ  ON=ノンインタレース  OFF=インタレース 2-3-4:つねにON-ON-ON 5-6:メモリ空間  ON-ON=F00000H~F0FFFFH,F80000~F80FFFH  ON-OFF=F20000H~F2FFFFH,F88000~F88FFFH  OFF-ON=F40000H~F4FFFFH,F90000~F90FFFH  OFF-OFF=F60000H~F6FFFFH,F98000~F98FFFH 7-8:つねにON-ON 2. EPSON互換モード S2は使用するディスプレイが対応する周波数範囲内で水平同期周波数の高い方に合わせて 設定.以下,1-2-3-4-5-6■水平同期周波数■垂直同期周波数 の順 ON-ON-ON-ON-ON-ON■31.5KHz■60.0Hz ON-ON-ON-ON-OFF-ON■32.8KHz■80.0Hz OFF-ON-OFF-ON-ON-ON■35.5KHz■86.8Hz ON-OFF-OFF-ON-ON-ON■48.4KHz■60.0Hz 互換モードで使用するにはPWS.EXE,PWS.DEF,WINP.BATの3つのファイルが必要. PC-9801-85とPCHKB2用のディスプレイドライバはそれぞれのボードがセットされていると 認識されなければインストールできない.従ってPowerWindow928をこれらのボードと認識 させるためにまずPWS.EXEを実行させる: A:\>CD WINDOWS A:\WINDOWS>PWS 実行させると, ・・ディスプレイドライバの定義が見つかりません ・・・・・ ・・・・・ この中から画面解像度を指定してください = ? というメッセージが表示されるので,使用したい解像度を指定する.これでディスプレイ ドライバのインストールが可能となる. 互換モードは A:\>CD WINDOWS A:\WINDOWS>WINP で起動させる. ・2本ジャンパJP3:VRAM容量の指定 Power Window 928にVRAM拡張キットを増設した場合にショート. ※以上の記述はWindows3.1の時代に発行されたUser's Guideによる