IF-2769 (ICM) PnPおよびマルチベンダ対応のCバスバスマスタSCSI I/F.メモリを16MB以上搭載している 本体でもバスマスタ転送が可能.倒産したICMの最後のCバスSCSI I/Fであり,BIOS ROMの 最終リビジョンは1.03.リビジョン1.02以前では1GB以上の領域からの起動は不可と いわれるが,筆者がまりも氏作成のフリーソフトであるe10chk.exeを用いて本ボードの 認識容量の上限について調べたところ,BIOS ROMのリビジョンが1.01では8GB対応では なく(1GBの壁あり?:認識容量は4GBまでとの説もある),1.02と1.03では8GB対応と いう結果が得られた. 緑電子のMDC-926Rsと並び,バスマスタ転送ではCバス最速のSCSIボードとして名高い. 同時に大変な暴れ馬としても知られ,手懐ければ安定して動作するという報告がある 一方,正式対応機種であっても,動作が安定しない,HDDのアクセスランプが点灯した ままハングアップする,まともに動作しない,FATやファイルの破壊を生じさせると いったことも少なくない.これらはバスマスタ転送モードでの報告が多いが,FIFO転送 モードでの報告もある.どるこむを初めとするいくつかの掲示板の過去ログ等に, 本I/Fの異常な動作や不具合の事例報告が多数残されている. OSR2でないWindows95で本I/Fのミニポートドライバを組み込む場合,本I/Fを一旦 PC-9801-55として認識させた後,ドライバの更新でドライバをIF-2769のものに 変更する必要がある. 転送方式がバスマスタ(同期,非同期いずれでも)の場合,PC-386GS/GE, PC-486GR/GR+/GR SuperではC-Bus WaitをONにしないと安定動作しない. ボード上に4連ディップスイッチ1個あり. 割り込みレベル,DMAチャネル,転送モード,リセット待ち時間,SCSI-ID,クイック フォーマット,ディスクパラメータの設定は,本体起動/リセット時に[CTRL]+[S] キーを押したままにすると表示される設定メニュー画面にて設定. クイックフォーマットおよびディスクパラメータは接続するHDDごとに設定可能. 設定メニュー画面で設定した値をI/F上の不揮発メモリへ書き込んでいる間は,画面に 「設定を記録中」のメッセージが表示されるが,これが表示されている間は絶対に 本体の電源をオフにしたり本体をリセットしないこと. ディスクパラメータが"ANL"に設定されている場合,本体起動時にHDDパラメータの 自動解析が行われる.HDDパラメータ解析プログラムを手動で起動させるには, 本体起動/リセット時に[CTRL]+[A]キーを押したままにする.なおHDDパラメータの 自動解析に関するトラブル(解析がいつまで経っても終了しない)が多く報告されて いるのも本I/Fの特徴の一つかもしれない. ・4連ディップスイッチSW1:PnP,BIOS ROM,通常/既定モードの設定 1:PnPの設定  ON:PnP無効  OFF:PnP有効 (出荷時設定) 2:BIOS ROMの設定  ON:BIOS ROM使用 (出荷時設定)  OFF:BIOS ROM不使用 3:固定モード/通常モードの切替  ON:既定モード(※)  OFF:通常モード (出荷時設定) 4:未使用(出荷時設定:OFF) ※メモリベースアドレス = DC000h,I/Oベースアドレス = CC0h, 割り込みレベル = INT 0(IRQ 3),DMAチャネル = 3,転送方式 = DMA転送 の設定で動作.この設定は非常用で,BIOS ROMデータが壊れた等の理由で本I/Fが 動作しなくなった場合にONにして動作するかどうか確認するためのもの. ---------------------------------------------------------------------------- 【以下はIF-2767/2768/2769共通】 PC-9821V7以降のVALUESTAR,PC-9821Xa7e/Xb10以降のMATE-X,PC-9821Cb3 以降のCanBeではCバスの仕様が変更されたため,IF-2767/2768/2769を バスマスタモードで使用する場合には,PC本体のCバスメモリリフレッシュ 信号を出力する必要あり.Cバスメモリリフレッシュ信号は, 本体起動時に[ESC]+[HELP]+[5]を押したままにすると送出, 本体起動時に[ESC]+[HELP]+[6]を押したままにすると停止 される.Cバスメモリリフレッシュ信号を送出した(ONにした)場合の問題点 と対策は以下の通り: (1)EMM386.EXEが組み込まれていない場合に正常動作しない  →CONFIG.SYSにEMM386.EXEを組み込む.ただしNEC製MS-DOS付属のEMM386.EXE   以外の他社製EMSメモリマネージャは動作保証されていない.なおマイクロ   ソフト版およびNEC版のWindows95では,システムにEMM386.EXEの機能が   組み込まれているためEMM386.EXEをあらためて組み込む必要はない. (2)Windows95のセーフモードで正常動作しない  →セーフモードで起動する場合にはCバスメモリリフレッシュ信号を停止し,   本ボードのデータ転送方式をFIFOまたはDMAに設定. (3)MS-DOS ver.5.0/5.0AでDPMI(MS-DOS版一太郎ver.5等が使用)を使用すると   ハングアップ  →MS-DOS ver.6.2以上を使用する.NEC以外のメーカーのDPMIドライバは   動作保証されていない. ※これらの問題点は,IF-2767/2768/2769の使用/不使用にかかわらず発生する.