IF-2767 (ICM) マルチベンダ非対応のCバスバスマスタSCSI I/F.対応する本体は 286以上のCPUを搭載したもの.Windows95対応(ただしROM BIOS Ver.1.0のものは,はWindows95で使用するのは危険との情報もある). SCSIコネクタはアンフェノールハーフ50ピン. PC-9821Xa7e/Xb10/V7/Cb3以降の機種でバスマスタモードで使用する 場合には,Cバスにメモリリフレッシュ信号を出力する必要がある(記事 末尾を参照:セーフモードでWindowsを起動する場合には,メモリ リフレッシュ信号を停止し,転送モードをDMA転送かW-FIFO転送に変更 する). ROM BIOS Ver.2.0未満のものではMOが使用できないという. ボード上に8連ディップスイッチ2個と4連ディップスイッチ1個, 2本x2連ジャンパスイッチ1個,2本ジャンパスイッチ2個,2本x5連 ジャンパスイッチ1個あり. ・8連ディップスイッチSW1:本ボードのSCSI ID番号,割り込みレベル,  DMAチャネルの設定 1-2-3:SCSI ID番号の設定  OFF-OFF-OFF■0  ON-OFF-OFF■1  OFF-ON-OFF■2  ON-ON-OFF■3  OFF-OFF-ON■4  ON-OFF-ON■5  OFF-ON-ON■6  ON-ON-ON■7 (出荷時設定) 4-5-6:割り込みレベルの設定  OFF-OFF-OFF■INT 0 (出荷時設定)  ON-OFF-OFF■INT 1  OFF-ON-OFF■INT 2  ON-ON-OFF■INT 3  OFF-OFF-ON■INT 5  ON-OFF-ON■INT 6 7-8:DMAチャネルの設定  OFF-OFF■#0  ON-ON■#3 (出荷時設定) ※FIFOモードではデータ転送時にはDMAを使用しないがステータス  等のコマンド実行時にはDMAを使用する. ・8連ディップスイッチSW2:ローカルメモリアドレス(1-2-3-4-5),  本体機種の設定(6-7) (8はつねにON.出荷時設定:OFF-ON-ON-OFF-ON-ON-OFF-ON) 以下,本体機種■ディップスイッチの設定■メモリアドレス の順:  ノーマルモードのみの機種■OFF-ON-ON-OFF-ON-ON-ON-ON              ■\DC000h~\DCFFFh (出荷時設定)  ノーマル/ハイレゾ両用機■OFF-ON-ON-OFF-ON-OFF-ON-ON              ■ノーマルモード時\DC000h~\DCFFFh               /ハイレゾモード時\EC000h~\ECFFFh  ※\は0hまたはFh.  ※B4670II (PC-9864L) との併用時には,ハイレゾモードを持つ   本体では必ずSW2の4-5をON-ONにすること.この場合ローカル   メモリアドレスは\EE000h~\EEFFFhにセットされる. ・4連ディップスイッチSW3:I/Oポートアドレス,転送モードの設定 1-2:I/Oポートアドレスの設定  ON-ON(出荷時設定)のみ設定可能.変更すると動作しなくなる.  バスマスタ/DMA転送時0CC0h,0CC2h,0CC4h,またFIFO転送時  0CC0h,0CC2h,0CC4h,0CC6h,0CC7h. 3-4:転送モードの設定  OFF-ON■同期バスマスタ転送  ON-ON■非同期バスマスタ転送 (出荷時設定)  ON-OFF■W-FIFO転送  OFF-OFF■DMA転送  ※8086搭載機ではFIFO転送は不可.またH98,PC-386S,PRO-486   ではバスマスタ転送は不可.  ※GP-IBボードとの併用時はFIFO転送は使用不可. ジャンパスイッチについてはマニュアルに説明なし. ・2本x2連ジャンパスイッチJP1  出荷時設定:1(L)-4,2(H)-3間ショート  ※JP1の設定内容についてまりもさんより情報をいただきました.   以下に追記します:   --------------------------------------------------------    1(L)-4間ショート 92互換動作モード    2(H)-3間ショート 55互換動作モード   出荷時設定では55互換動作モード.92互換動作モードでは,   BIOSのメッセージに "FOR 92" が示され,HDDの容量がさほど   大きくない場合には,H:S = 8:32 の92パラメータになる.   但し完全に92パラメータに対応するわけでもないようで,   8192シリンダ壁がある上,92パラメータにならない場合も   あるが,理由は不明.92互換動作モードに関してはマニュアル   にも記載がないことから,常用には不安が残る.    JP1はBIOS ROMのピン番号1に接続されている.27C512が2個   搭載されており,1番ピンはこのROMの最上位アドレス.最上位   アドレスを切り替えていることから,55モード用と92モード用の   コードを別々に持っていて切り替えていることがわかりる.   シルク印字の "H/L" は格納アドレスの上半分・下半分を意味する.    さらには4連ディップスイッチSW3の3と4も,ROMのアドレス   バンクの切り替えになっている.これは転送モードを指定する   機能だが,転送モードごとにBIOSコードを変えていることになる.   16KB単位で8パターンものBIOSコードを搭載できるという   SCSI I/Fは他に思い当たらない.   -------------------------------------------------------- ・2本ジャンパスイッチJP2  出荷時設定:オープン(2ピンにジャンパプラグの一方の穴が             差し込んである)  ※Ap/As/Aeでバスマスタ転送時,CPUスピードがMiddleないしLow   の場合に設定の変更を要するケースがあるらしいが詳細不明. ・2本x5連ジャンパスイッチJP3  出荷時設定:1-10,3-8間ショート,2-9,4-7,5-6間オープン ・2本ジャンパスイッチJP4(正確にはJP4の6つのスルーホール(半田  で埋まっている)のうち2と3だけにジャンパピンがある)  出荷時設定:2-3間ショート ※ジャンパスイッチの出荷時設定について:筆者はこれまで十数枚程度  の本ボードを見てきたが,全て上記の設定であったので,これが出荷  時設定であると考える. ---------------------------------------------------------------------------- 【以下はIF-2767/2768/2769共通】 PC-9821V7以降のVALUESTAR,PC-9821Xa7e/Xb10以降のMATE-X,PC-9821Cb3 以降のCanBeではCバスの仕様が変更されたため,IF-2767/2768/2769を バスマスタモードで使用する場合には,PC本体のCバスメモリリフレッシュ 信号を出力する必要あり.Cバスメモリリフレッシュ信号は, 本体起動時に[ESC]+[HELP]+[5]を押したままにすると送出, 本体起動時に[ESC]+[HELP]+[6]を押したままにすると停止 される.Cバスメモリリフレッシュ信号を送出した(ONにした)場合の問題点 と対策は以下の通り: (1)EMM386.EXEが組み込まれていない場合に正常動作しない  →CONFIG.SYSにEMM386.EXEを組み込む.ただしNEC製MS-DOS付属のEMM386.EXE   以外の他社製EMSメモリマネージャは動作保証されていない.なおマイクロ   ソフト版およびNEC版のWindows95では,システムにEMM386.EXEの機能が   組み込まれているためEMM386.EXEをあらためて組み込む必要はない. (2)Windows95のセーフモードで正常動作しない  →セーフモードで起動する場合にはCバスメモリリフレッシュ信号を停止し,   本ボードのデータ転送方式をFIFOまたはDMAに設定. (3)MS-DOS ver.5.0/5.0AでDPMI(MS-DOS版一太郎ver.5等が使用)を使用すると   ハングアップ  →MS-DOS ver.6.2以上を使用する.NEC以外のメーカーのDPMIドライバは   動作保証されていない. ※これらの問題点は,IF-2767/2768/2769の使用/不使用にかかわらず発生する.