エプソン98互換機のオンボードのジャンパスイッチの設定 PCRB8やWAP-2EP/-4EPなど一部の拡張ボードでは,特定の機種で使用する場合に,ボード上のスイッチとともにPC本体内部のジャンパスイッチの設定の変更も必要です.これについてはPC-98用拡張ボードのスイッチ設定などを参照して下さい. PC-486HGベースクロック選択,PC-486GFクロック非分離モード設定,PC-486GF/GRノンインタレースハイレゾ表示 の3つについては,EPSON98開発公団から2000年12月30日に発行された同人誌,"Oh!EPSON PC" の記事,"EPSON PCの拡張小ネタ集(暫定版)"(pp.72-78)の著者の 大量投稿/○oo 氏より,またPC-486MU/MV/MS/MR/RSオンボードSIMMソケット関連 については,同誌の記事,"EPSON PCとメモリ"(pp.55-64)の著者の ペンネーム希望/○oo 氏より,それぞれデータ使用の許可をいただきました.なおこれらの元記事は,EPSON98サービス機構から2004年8月15日に発行された同人誌,"E-SaPa別冊 蘇るEPSON PC伝説" のpp.47-63とpp.38-46にそれぞれ再構成および増補の上再録されています. ■PC-486FR ODPソケット関連 486SX:3本ジャンパスイッチJ1,J2とも1-2間ショート ODP等:3本ジャンパスイッチJ1,J2とも2-3間ショート (ゑぷそん道の そら さんよりデータ使用の許可をいただきました.初出はどるこむの過去ログ,あら、全部消えてしまった ^^; のようです) ■PC-486MU/MV/MS/MR/MSオンボードSIMMソケット関連 ・SW4:SIMMの種類の指定 1:SIMMソケット1に挿すSIMMの種類 ON=JEDEC SIMM OFF=エプソンSIMMあるいは空 2:SIMMソケット2に挿すSIMMの種類 ON=JEDEC SIMM OFF=エプソンSIMMあるいは空 ・SW5:JEDEC SIMMの容量またはSIMMの種類の指定 1-2:SIMMソケット1に挿すJEDEC SIMMの容量 ON-ON=SIMM-IDなしの4MB JEDEC SIMM OFF-OFF=SIMM-IDなしの8MB JEDEC SIMM,SIMM-IDありのJEDEC SIMM,エプソンSIMM,空 3-4:SIMMソケット2に挿すJEDEC SIMMの容量 ON-ON=SIMM-IDなしの4MB JEDEC SIMM OFF-OFF=SIMM-IDなしの8MB JEDEC SIMM,SIMM-IDありのJEDEC SIMM,エプソンSIMM,空 (初出はどるこむの過去ログ,[674] PC-486MV のようです) ※KAZ開発所 --> PC98クラブ --> 98チューニング --> PC-486MVにメモリを付けよう では(SIMM-IDの有無でなく)パリティの有無に応じてスイッチの設定を行うと記載されていますが,誤解と思われます.JEDEC仕様のSIMMを装着する場合,SIMM-IDのあるものではそのSIMM-IDによりPC本体に容量の値を通知し,SIMM-IDのないものではスイッチの設定状態によりPC本体に容量の値を通知するようになっているようです. ■PC-486MUのCPUソケット関連 Socket 3脇のU74のシルク印刷の近くにある2本(?)ジャンパスイッチの設定をデフォルトのものから変更すれば,Socket 3でODPでないCPU(486DX2)を使用できるといいますが(あすもこいどさんの2022年12月19日のツイート を参照),具体的な設定内容は不明(オープン --> ショート?). ■PC-486GF/GR,PC-486SE/SR,PC-486PのODPソケット関連 ・PC-486GF/GRのJ8-J9-J10 ODPを挿す場合:オープン-ショート-オープン DX2を挿す場合:ショート-オープン-ショート ・PC-486SE/SRのJ1-J2-J3 ODPを挿す場合:1-1-1 DX2を挿す場合:2-2-2 ・PC-486PのJ601-J602-J603 ODPを挿す場合:オープン-ショート-オープン DX2を挿す場合:ショート-オープン-ショート ※PC-486GF/GRのジャンパスイッチについては Ryusan's web site --> My PC --> PC-486GF (怪) も参照.これらのジャンパスイッチはメモリのウェイト調整に関係するものといいます.PC-486SE/SRのジャンパスイッチについては MOMO's Web Page --> PC9801 --> PC-486SE Alicia --> 改造情報,TETSURO's SANDBOX (Season 3) --> EPSON PC-486(PC486Hx最強化計画)も参照.またVectorにあるCLKEPSに同梱されているClkeps.tutにも記載があります. ■PC-486HGベースクロック選択 J4 3-1:33MHz J4 3-2:25kHz 但し,セカンドキャッシュボード(PC-486HGでは出荷時にはダミーボードが装着)下に25MHzと33MHzの2個のクロックジェネレータが実装されている必要がある.ロットによっては25MHzのものしか実装されていない. ※この情報は,VectorにあるCLKEPSに同梱されているClkeps.tutにも記載されています.またEPSON98 & AT UG-WS --> EPSON PC ROOM(フレーム無) --> 95対応EPSON98互換機パーツ によれば,PC-486HGのベースクロックに関するジャンパスイッチの設定は, ベースクロック25MHz J1 1-3 J3 3-2 J4 3-2 ベースクロック33MHz J1 1-3 J3 3-2 J4 1-2 とされていますが,ジャンパポストの並びが132の順だとすれば,この資料でのベースクロック33MHz時の "J4 1-2" は "J4 1-3" の誤記かもしれません.なおこの資料にはPC-486HXのジャンパスイッチの設定についても記述があります: 出荷時設定 J1 1-3 J3 3-2 ODP/PODP(?)装着時 J1 3-2 J3 1-3 ■PC-486GFクロック非分離モード設定 PC-486GFではJ4ショートでクロック非分離モードとなり,CPU供給クロックを32MHzにできるが,この場合ウェイトが不足するので,J2をオープンにする必要がある.J2はジャンパポストでなくハンダが盛ってあることもある. ※Ryusan's web site --> My PC --> PC-486GF (怪) では,J4ショートはCPUに供給するクロックを分周しない(クロックの分周を無効にする)設定と説明されています.PC-486GF/GR/GR+/GR Superでは,J4ショートでCPUボード上に増設されたSIMMの方が内蔵RAMベースボード上に増設されたSIMMよりアクセスが速くなるともいいます(Wave Rider --> EPSON PC-486GR改造計画 を参照). ■PC-486GF/GRメモリウェイト設定 ウェイト追加:J2オープン ウェイト軽減:J2ショート R144に1kΩ ■PC-486GF/GRノンインタレースハイレゾ表示 デフォルトはPC-98RL互換のインタレース表示であるが,J23をショートし,ハードウェアディップスイッチ3をONにするとノンインタレース表示となる. ※(ブラウン管ディスプレイでない)液晶ディスプレイでは効果が少ない?(EPSON 98互換機 Part7の21番の投稿を参照). ■PC-486FRの設定をデフォルトに戻す SWDEFスイッチをONにしても設定がデフォルトに戻らない場合,J4をオープンにして通電後,ショートして再起動(どるこむの過去ログ,486FR が 200LINE Mode に、、、 を参照). ■PC-586シリーズ J5・J7・J8・J18・J20・J25の設定内容が,どるこむの過去ログ,マザーのジャンパについて に記載されていますが,通常の使用においてはこれらを弄る必要はないでしょう. PC-9821のオンボードジャンパスイッチの設定は,あんきょのホームページ --> パソコンCPUアップグレード情報 等に資料があります. |
付:ハードディップスイッチの設定 ハードディップスイッチには,ソフトディップスイッチ(注)で設定するのに適当ではない機能が割り当てられています. 注:[HELP]+電源オン または [HELP]+リセット で表示される環境設定メニュー画面で設定.この操作では環境設定メニュー画面を表示できない古いエプソン98互換機では,[CTRL]+[GRPH]+電源オン または [CTRL]+[GRPH]+リセット で表示できます. 本項の記述は,吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ のものに拠ります.この資料ではPC-486GF/GRまでしか扱われていませんが(注1),その後に出た機種のハードウェアディップスイッチの設定内容もここからの類推が可能でしょう(注2). 注1:PC-486GF/GR以前の機種で,下に挙げられていないものにはハードディップスイッチがありません. 注2:例えばPC-486SE/SRのハードディップスイッチ(SWDEF)は,スライドスイッチで,EPSON PC-486SR PC-486SEユーザーズマニュアルでは,機能はSWDEF,ONで電源投入時にシステムメニューの各スイッチ(注1)を強制的に基本設定状態に戻す,OFFで電源投入時にシステムメニューの各スイッチを設定された値にする,と説明されています. 注1:環境設定メニューでのソフトディップスイッチと同義. ■PC-386GE/GS,PC-486GF/GR.括弧内はPC-386GSのフロントパネルのハードディップスイッチ部分の蓋の裏に記載されている文字列. 1(HS24K):ON=専用高解像ディスプレイ,OFF=標準ディスプレイ 2(SIMPS):ON=スーパーインポーズを使用する,スーパーインポーズを使用しない 3(OFF) :つねにOFF 4(SWDEF):ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 ■PC-386P 1:ON=専用高解像ディスプレイ,OFF=標準ディスプレイ 2:ON=スーパーインポーズを使用する,スーパーインポーズを使用しない 3:つねにOFF 4:つねにOFF 5:つねにOFF 6:ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 ■PC-386G 1:つねにON 2:ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 3:つねにOFF 4:つねにOFF 5:つねにOFF 6:つねにOFF ■PC-386S 1:ON=専用高解像ディスプレイ,OFF=標準ディスプレイ 2:ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 3:つねにOFF 4:つねにOFF 5:つねにOFF 6:つねにOFF ■PC-386M 1:ON=専用高解像ディスプレイ,OFF=標準ディスプレイ 2:ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 3:つねにOFF 4:つねにOFF 5:つねにOFF 6:つねにOFF 7:つねにOFF 8:つねにOFF ■PC-286BOOK 1:ON=ソフトディップスイッチ初期化,OFF=ソフトディップスイッチ保持 2:ON=HDD内蔵(H20モデル),OFF=内蔵HDDなし(STDモデル) 3:つねにON 4:つねにOFF |