各社製SCSI籠・IDE籠の
カードエッジ基板の形状と寸法


NEC,Logitec,ICM,日本テクサ各社製のSCSI籠のカードエッジ基板とIDE籠のカードエッジ基板の形状と寸法です(両者の形状の差異についてはSCSI籠とIDE籠のカードエッジ基板の違いを参照).

各社のSCSI籠のカードエッジ基板の画像です.


■NEC
・SCSI籠:PC-9801FA-37/基板:G8LDB,134-857856-0(PC-9801FA-35のものも同じ)
・IDE籠:PC-9821A-E05/基板:G8MVU A3・,136-459025-8-02
 籠の背面に対してネジ穴の位置は等しく,基板を相互に入れ替えることが可能.
※ファイルスロット籠であるPC-9801-F02・PC-HD170FB2・PC-HD300FB2のカードエッジ基板であるG8LFM(134-857856-0)は,G8LDBとサイズは同じだが,電源ケーブルの取り付け方向が異なる(前者では型番のある面と反対の面からケーブルが出ている).

■Logitec
・SCSI籠:LHD-S100NP/基板:FA I/F,51110006-2
・IDE籠:LHD-MA340PA/基板:MAIF,51210006-0
 SCSI籠ではSCSI-IDセレクタが前面に取り付けられている.
 籠の背面に対してネジ穴の位置は等しく,基板を相互に入れ替えることが可能.

■ICM
・SCSI籠:INTER-120FE/基板:IF-2560-01(注),920049
  注:INTER-100FNとINTER-120FE-FBのカードエッジ基板も同じ.画像のものでは基板上のFN側にHDDケーブルが取り付けられているが,F/FS側にケーブルが取り付けられている場合にはHDDが接続できないという[Flyingharuka@ffxiv中国鯖さんの2022年10月22日のツイート(12)を参照].F/FS側にケーブルが取り付けられているロットは存在したのだろうか.
・IDE籠:INTER AR-540/基板:AT-01,920079
 ICM製のSCSI籠は金属製だが,IDE籠には金属製のもの[INTER-240AやINTER-340AN(カードエッジ基板は同じくAT-01)など]の他に,本製品のようにプラスチック製で填め込み固定式のものもある.後者は籠前面より5-6cmと14.5-15.5cmの側面上下にツメが,また前面にも上から1.5-3cm,5-6.5cm,8-9.5cmの位置に浅いツメがある(いずれも型番シールの貼られている側がメス).また背面のカードエッジコネクタ用スリットの上下にもツメのような突起(型番シールの貼られている側)あり.ケース部分が厚く,ツメに近いところを指で押すなどしても殆ど凹まないため,非常に分解しにくい.もっともツメが折れてしまっても使用における支障は殆どない.
 SCSI籠の基板はIDE籠のプラスチック製フレームと若干干渉するが,籠の背面に対してネジ穴の位置はSCSI籠とIDE籠で等しく,フレームの干渉部分を削るなどすれば基板を相互に入れ替えることが可能.また基板の幅が広いため,HDDとの間がかなり窮屈となっている.
 ※ICM製のSCSI籠の一部(富士電機製のセミカスタムHDDが使用されていた初期のものか)ではカードエッジのパターンが他のSCSI籠のものと異なり,HDDを換装して使用することができないというが(PC-98/エプソン98互換機のHDD内蔵用金具を参照),INTER-120FEではそのようなことはない[Quantum Fireball(4.3GB)とIBM DPES-31080(1GB)で確認].

■日本テクサ
・SCSI籠:TR-FA240/基板:EZPFA37-1
・IDE籠は所有していないため,基板の相互入れ替えの検証はできず.
 SCSI-IDセレクタ・アクセスLED用のコネクタとSCSI-IDセレクタがそれぞれ基板の左上と右上にあるため,かなり窮屈な形でHDDが取り付けられている(SCSIケーブルコネクタ上方の基板の切り込みは電源ケーブルを通すためのもの).
 追記:IDE籠のカードエッジ基板はNECなどのHDD籠のものに近い形状をしていることが判明しました.下はTX-HW340Mのカードエッジ基板の画像です.ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが q1095246956(2023年6月17日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(元画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換)した画像を引用します.


各社のSCSI籠のカードエッジ基板の寸法です.幅の違いを除けば,NEC,Logitec,ICMの基板の寸法は等しいため(一部で0.5mm程度の違いがありますが,基板の切り出し時などに生じた変動によるものと考えます),これら三社の基板の画像にはLogitecのものを使用しました.
 いずれの基板でも,上部のネジ穴は長辺4.0mm,短辺3.0mmの長円形で,下部のネジ穴は直径3.0mmの円形です.



基板を自作する場合にはこれらの寸法を参考にして下さい.カードエッジの端子部分の幅が75.0-75.5mm(注)であることを考慮し,ネジ穴を開ける場合には遊びを十分確保するのがよいでしょう.
 注:CoralテクニカルシリーズNo.7 PC-9800データブック1 ――メモリカード・拡張カードスロット・ファイルスロット編―― (1992). コーラル では,ファイルスロットSCSIコネクタの場合ですが,カードエッジ全体の幅は78.06mm,端子部分の幅は73.66mmと記載されています.またカードエッジの長さは10.16mmと記載されています.


SCSI籠とIDE籠のカードエッジ基板は,同一メーカーの製品なら相互に入れ替えることが可能なことはよく知られていますが(SCSI籠とIDE籠のカードエッジ基板の違いを参照),異なるメーカーの一部の製品間でも,若干の加工が必要な場合はありますが(注),同様の入れ替え,また同種のカードエッジ基板の入れ替えが可能です.
 注:例えば,NEC製のIDE籠(ツイートの画像より,PC-HD540A等の開放型ケースのものと思われます)とICM製のIDE籠では,カードエッジ基板のネジ穴の位置がごくわずか異なる場合があるようですが,ネジ穴の内壁を多少削ればカードエッジ基板を交換することが可能です[【充電量24%】たると@CBR250RR(MC51)さんの2022年6月28日のツイート を参照].またヤフーオークションの出品物画像などを見る限り,HDD籠で使用されているカードエッジ基板は,日本テクサ製品でのもののように他社のものと形状が大きく異ならない限り,多少加工すれば他社製のHDD籠に取り付けることができそうですが,勿論筆者は試していません.カードエッジ基板の交換には同一メーカーの製品のものを使用するのが無難でしょう.


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