マウスコネクタ(丸型←→角形)変換ケーブルの結線


■丸型→角形変換
PC-9821Ap/As/Ae以降の機種用の丸型(ミニDIN9ピン)コネクタを持つバスマウスを,PC-9801FA/FS/FX以前の機種の角形(Dサブ9ピン)マウスコネクタに接続するためのケーブルの結線です.Dサブ9ピンコネクタのピンアサインは,菅原尚伸 (1994). PC98のマウス端子を使ったカウンタ回路の実験 トランジスタ技術, 1994年2月号, 348-350. に拠ります.

両端のコネクタはDサブ9ピンオス(PC側)とミニDIN9ピンメス(マウス側)です(これらは下図では嵌合面が表示されています).7ピンを除く同じ番号のピン同士をすべて結線します(注1).フレーム同士を結線する必要は特にありません.


中ボタン信号はVX21,RA21,USなどごく一部の機種でのみ有効ですが(UNDOCUMENTED 9801/9821 Vol.2 - メモリ・I/Oポート編 --> io_mouse.txt を参照),筆者が調査した変換ケーブル(下図のもの)では7ピン同士も結線されていました(注2・3).
 注1・2:7ピン同士を結線すると,左クリック動作がおかしくなるとの報告があります[たとえばこんなセルフデザイン --> PC-98 用マウスコネクタ変換ケーブルを作る(2019年4月3日の記事)を参照].筆者は下図の変換ケーブルを使用して不具合が出たことはありませんが,この報告にあるような不具合の出るPC-98本体かマウスがあるのでしょう.
 注3:吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ (この本ではデスクトップ機はPC-486GR Superまで,またノート機はPC-386NOTE ARまでの機種が扱われています)によれば,エプソン機のマウスコネクタでは中ボタン信号ピンが定義されていますが,実際に中ボタン信号が処理されるようになっているかは調べていません.

市販品は現在でもジャンク品として見かけることがあります.形状や色はメーカーにより若干異なります(左端は東京Needs製TNC-2,左から三番目はSANWA SUPPLY製バスマウスであるMA-401NEの付属品.他の変換コネクタと変換ケーブルはメーカー・型番とも不明).


■角型→丸形変換
角形(Dサブ9ピン)コネクタを持つバスマウスをマウスコネクタが丸型(ミニDIN9ピン)の機種に接続するためのケーブル(PC-9821-K01相当品)を作成する場合には,オスメスが上と逆のコネクタを用います.この場合ピン番号は上のものを左右反転させた形になります.

※PC-98用バスマウスの丸型/角型コネクタのピンアサインは,アスキーテクライト(編) (1993). 改訂版 PC-9800シリーズ テクニカルデータブック HARDWARE編 アスキー や 吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ にもあり,また
nkmm the Metal --> コネクタ資料,JaBabaのホームページ --> 入出力ポート --> MousePort(マウスポート) --> マウス・ポート(マウス・インターフェース)について,JE1VUJ HOME PAGE --> PC98資料館 --> コネクタピンアサイン --> キーボード&マウスコネクタ(PC-9801E,F以降) などでも公開されています.丸型コネクタのピンアサインは,亡棄サイト --> n o t e --> PC-98x1 --> PC-98x1/misc/キーボードケーブル にも掲載されていますが,この記事で引用されているピンアサイン図は,上記の "改訂版 PC-9800シリーズ テクニカルデータブック HARDWARE編" のものです.


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