PC-98のコイン型リチウム二次電池


PC-98の中・後期型の機種では,カレンダ時計バックアップ電池として,リード線とコネクタつきのコイン型リチウム二次電池が使用されています.

これにはSANYO製のML2430(現在はFDK製となっています)とPanasonic製のVL2330とがあります.これらはともにリード線(赤が+で黒がGND)の先に3ピンメスコネクタが取り付けられていますが,リード線の接続先のピンが両者間で異なります(下図の中央と左を参照).これはこれらの電池では充電電圧が異なるためで,マザーボード上の3ピンオスコネクタ側で充電のための直列抵抗の接続を替えることで,この充電電圧の違いの問題に対処するようになっています.


なおPC-9801BX/BA(tshさんより情報をいただきました)とPC-9821Ap/As/Aeでは,2ピンコネクタのVL2330が使用されています(上図右を参照).またノート用のVL2320のコネクタも2ピンで,結線も2ピン型のVL2330と同じです.ただしこれのハウジング(端子が填め込まれているプラスチック部分)は茶色ではなく黒色です.

リード線とコネクタのついたML2430は現在でも稀に稲電機等で売られている場合がありますが,一般には入手困難です.しかしML2430,VL2330ともにタプつきのものの入手は容易ですので,これにリード線とコネクタを取り付けて絶縁処理(熱収縮チューブ等の絶縁体で電池部分をくるむ等)を行えば,交換用の電池として使用することができます.

ただしタブ付きのコイン電池にリード線をハンダづけすることは容易ではありません.PC-9821/9801スレッド Part81 の236−240番辺りの投稿 などでハンダづけの仕方が説明されていますが,コイン電池では,長時間熱を加えると電池内部のセパレータが溶け,容量が激減したり,ショートして発熱・発火・破裂する危険があります.コイン電池ホルダが市販されていますので,そういったものを利用した方が安全でしょう.

なおハウジング部分が茶色のコネクタは廃品種らしく,稲電機等で販売されているML2430にはハウジングが白のコネクタが使用されていますが,形状がわずかに異なるようで,マザーボード側の茶色のオスコネクタときちんと嵌合しないといいます(これもtshさんより情報をいただきました)液漏れ等で元々の電池のリード線やコネクタのピンが腐食していなければ,電池の交換の際には元々の電池のリード線やコネクタを再利用するのがよいでしょう.

またPC-9801FAなどではコイン型リチウム二次電池がマザーボードに直接ハンダづけされていますが,これをリード線タイプのものに交換することも可能であり,実際の工作の報告もいくつかあります.作業時には電池の極性を間違えないよう気をつけて下さい.


二次電池であるML2430やL2330を,小信号スイッチングダイオード+抵抗+CR2032(一次電池)+電池ホルダで代替する工作の例も多数報告されています[ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の 98のバックアップ電池をCR2032で代用する(2011年3月25日の記事)98のバックアップ電池をCR2032で代用する その2(2011年3月26日の記事)PC-9821/9801スレッド Part30の664−703・940・941・948番の投稿,PC-9821/9801スレッド Part31 の165番の投稿 等].ただしダイオード挟んでもわずかに電流が流れててしまうのと,マザーボードに流れる電流の電圧が0.7V程度降下するという問題点があるといいます[Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> 殆どAT機のPC-9821V166(こだわりV166) を参照].

またPanasonic製eneloopによる代替報告もあります[エマティなリサイクル --> リサイクル掲示板 過去ログ --> 2017年10月 --> 先週のハードオフ 2017年10月2日(月) の記事.研究発表専用掲示板 の "バッテリ電圧低下と症状の関係" スレッド(2017年10月6日以降)も参照].


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