マザーボード上の四級塩電解コンデンサの交換


試運転さんより多数のデータをいただきました.なお一部の機種の電解コンデンサは四級塩品ではない可能性があります.

PC-9801FAあたりからPC-9821An辺り(実際にはAp3/As3辺り?)までのPC-98では,各種基板上の面実装型を中心とする四級塩電解コンデンサの液漏れによる動作不良や故障が頻発しています(注1,2).電源が入らない,電源は入るもののピーと鳴り続ける,FDDやHDDが認識されない,FDDやHDDからシステムが起動できない,システム起動の途中でリターンキーを何度か押さないと最終的な起動まで漕ぎ着けられない,システム起動後にハングアップする,内蔵時計の動作がおかしくなり,MS-DOSのDATE,TIMEコマンドでも日時が修正できない,画面に何も映らない,異常な画面(カラフルなモザイク状の画面等)が表示される,文字化けが発生する,音が出ない,音が小さい,内蔵スピーカーの出力にノイズが混入するなど,実に多彩な症状が報告されています(注3).これらの症状はコンデンサの液漏れが起きているすべての機体で一律に発生するわけではなく,症状は機体毎に異なると考えるべきです.

 注1:四級塩電解コンデンサは,メーカーへのクレームを契機に(1993年頃),強アルカリ性に変質した電解液が陰極部から漏出しにくいよう封口ゴムに対策が施されましたが,製造自体は2000年頃まで続けられていました.そして対策品も以前のものに比べ液漏れがしにくくなっているというだけで,電解液が漏れる時にはあっさり漏れるといいます(この情報は試運転さんよりいただきました).従って,一部で主張されている,1994年以降のマザーボード等ならこの問題に関しては安心との論には,首肯しかねる部分があります.Susumu's Hobby --> 趣味(AV) - 音質レポート・1 --> 修理技術・ポリシーについて →→ ここをクリック! や,MKK(松下開発研究) --> 電解コンデンサの製造元簡易判別法(注:現在トップページからこの記事へのリンクがありませんので,記事に直リンクします) なども参照して下さい.
 注2:Anには1996年辺りに製造されたマザーボードが使用されているロットがあり,そこでは四級塩電解コンデンサは使用されていないとの報告があります.
 注3:これらの諸症状は,筆者の自験例の他,WWWやSNS上で,電解コンデンサの交換,あるいは漏れ出した電解液により損傷した基板や部品の修理により消失ないし改善したとの報告があった事例のもの(あくまでも筆者の把握している分)ですので,少なくともこれらの事例においては,電解コンデンサから漏れ出した電解液が症状の直接の原因であったと考えてよいでしょう(※).他者に向けた報告のなされるケースは全体のごく一部でしょうから,実際には電解液による損傷部位とその程度によって発生する不具合の症状は,上に列挙したものよりはるかに多彩なのでしょう.
   ※これらの症状の原因イコール電解コンデンサの液漏れ ではないことに注意して下さい.症状という表に現れた現象が(一見)同じでも,その根底にある病理は同じとは限りません.つまりこれらの症状が出ていても,その原因は電解コンデンサ以外の部分にあるということは十分にあり得るわけです.実際,報告された事例を丹念に検討すると,そのような(疑いのある)ケースをいくつも見出すことができます.ここではあくまでも,液漏れしている電解コンデンサに対して適切な処置を行った結果,これらの症状に改善が見られたという事例に関して述べているのに過ぎません.

この液漏れは必発であり,現在問題なく動作しているように見える機体であっても,電解コンデンサのチェックは必要です(FD1138T・FD1148T・FD1138C・FD1138Dの修理 も参照).この液漏れは必ずしも目視で検出できるとは限らず,液漏れしていないように見えても,(無水エタノールをしみ込ませた)ティッシュペーパーでコンデンサの付近の基板を拭いてみると,ティッシュペーパーに(一般的な埃の色とは明らかに異なる)くすんだ緑色の汚れが付着するためそれとわかるケースもあります.漏れ出した電解液の量が多い場合には,アンモニアに似た独特のニオイ(磯のニオイや生臭いニオイなどと表現する人もいます)がすることもあります.

ここではPC-98のマザーボード上の四級塩電解コンデンサを交換した事例について報告します.なお,NEC純正拡張ボードの電解コンデンサの交換についてはNEC製拡張ボードの電解コンデンサ を,電源ユニットのコンデンサの交換については(まだデータは少ないですが)PC-98/エプソン98互換機の電源ユニットの電解コンデンサ をそれぞれご覧下さい.

APさんから以下のコメントをいただいております(表現を改変しています).
 ・交換する電解コンデンサは,元々使用されていたものの仕様に合わせるか,同等品以上のものを用いる.例えば10V-22μFのものを35V-22μFのものに替える場合,許容リップルが同等以上でればOK(耐圧が50V以上ではインピーダンスが変わる).
 ・やむを得ず容量の大きな電解コンデンサに交換する場合(例 15μF --> 22μF),インピーダンスがほぼ同等あるいはより低いものを選択すればよい.

なおマザーボード上の四級塩電解コンデンサは,多く電源バイパス用(いわゆるパスコン)と思われますが,他にも時定数回路や音源回路で使用されているものもあります.電解コンデンサはその用途により要求される特性が異なるため(特に音源回路ではコンデンサの特性が音質に影響するため,この問題は重大です.なお音源回路で使用されている電解コンデンサに関しては,Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の USで遊ぼう! 〜PC-9801USの修理小ネタ集〜 の項の コンデンサ考 も参照),本来であれば使用されている電解コンデンサの容量毎の個数を用途別に示すべきですが,本記事では容量毎の個数を示すのみにとどめています.これは,筆者はPCゲームに興味がなく,従って音質への影響を考慮したPCの音源の修理にも興味がないためです.最近はPC-98でのゲームや音源回路に造詣の深い有志による,PC-98の内蔵音源やPC-9801-86をはじめとした増設音源ボードの電解コンデンサの交換記事や修理記事がWWWやSNSに多く上げられるようになりました.本記事をご覧になる方はそちらの記事もあわせてご覧下さい.

2015年あたりから,ウェブページやブログ,ツイッター上で,PC-98のマザーボード,一部のFDD,一部の拡張ボード,液晶パネル,電源ユニット等の電解コンデンサの交換作業を行ったという報告が一段と増えた感があります(コンデンサの交換が行われたケースの実数は,それらの報告の何倍もあるでしょう).これは電解コンデンサ交換の必要性が広く知られるようになったことや,コンデンサ交換の記事を見て自分でもできそうだと考える人が増えたことなどの他に,漏れ出した電解液による基板の損傷が進行したために不調となった機体が増えたためでもあるでしょう.実際,それらの記事を見ると,多くの事例でコンデンサの液漏れによる基板の損傷の程度が,以前報告されていたケースに比べ明らかに大きくなっています.被害が大きくなるほど修理も困難になります.作業者のスキルにもよるでしょうが,目視だけ,あるいはテスターによる簡単な導通調査程度では基板の損傷箇所の特定が難しいケースも実際に出てきており,また基板の損傷の具合が酷すぎるために,最終的に修理を断念せざるを得なかったというケースもいくつも報告されています.
 電解コンデンサの交換は下準備も大変ですし,時間もかかり,また単に機械的に新しいものに交換すればよいといった単純な作業でもないため(注),身体的にも精神的にも決して楽な作業ではありませんが,電解コンデンサの液漏れが原因と思われる何らかの不具合が既に出ている機体ならばすぐにでも,また現在は問題なく動作しているように見える機体でも,予防的処置としてできるだけ早い時期に作業を行うことを強くおすすめします.
 注:例えば電解液の除去(※)や損傷箇所の検出・修理も必要ですし,また期せずして,作業中にパターン剥離[漏れ出した電解液は,レジスト(基板の絶縁部分)やパターン自体を損傷するとともに,パターンの接着も弱めます]や熱による部品の破壊等の新たな損傷を生じさせてしまったり,ハンダブリッジなどによる不適切な短絡を発生させてしまうこともあり得ます.
 ※液漏れが酷い場合には,漏れ出した電解液が周囲の部品の下にまで流れ込んでいる場合が少なくありません.この場合にはハンダゴテを使って一旦それらの部品を基板から外す必要があります.部品の下に流れ込んでいた電解液が端子間をショートさせているのに気付かなかったため,通電時にその部品が破壊されてしまったとの報告も実際にいくつかあります.また見落としがちなのがビア/スルーホール(基板の小さな穴)で,電解液が入り込んでしまっているのならば(多層基板の場合にはこれはことに深刻な事態です),これの内壁の清掃(と,断線している場合には,筆者は経験がありませんが修繕)も念入りに行う必要があります.
 なお電解コンデンサの他に,内蔵電池やノート機の充電池(バッテリー)等も液漏れを起こして基板を大きく(時に修理が困難あるいは不可能なレベルにまで)損傷します.現在はかなりの機体においてこちらの液漏れも発生していると予想します(これは四級塩電解コンデンサが使用される前後の機種でも起こります).こちらのチェックと対処も早急に行うことをおすすめします.



■PC-9821Ap
この機種の場合,ボリュームを最大に上げた場合にスピーカーの出力に弱いノイズが混入すること以外は,PC本体・FDDともに問題なく動作しているように見受けられたものの,基板上の電解コンデンサの多くは派手に液漏れしていました.

電解コンデンサは面実装型(表面実装型ともいいます)のものと基板貫通型[通常の形状の,リード線が基板の裏面にまで達するタイプ.ラジアルリード型が正式な呼称.(特に交換用では)基板の表面に実装することもできるので,ラジアルリード型と呼んだ方が適切でしょう]とがあります.

まず面実装型のものだけを交換しました.
 電解コンデンサを数個ずつ取り替えては仮組みして電源投入というのを繰り返して作業を進めました.このやり方だと,万が一起動しなくなった場合,どのコンデンサの交換を行った際に問題が発生したかがわかりやすくなります.これはHAMLINさんにアドバイスいただきました.

元々の四角い電解コンデンサは胴体が基板に接着されていますので,予めラジオペンチで胴体部分を挟んで少し横にひねって基板から剥がしておきます(剥がれる時にパキッと音がします).
 ※この四角い電解コンデンサは,円筒状のコンデンサが直方体のプラスチックカバーで覆われた構造をしています.プラスチックカバーには黒色のものと白色のものとがあります.黒色のカバーのものは液漏れするが,白色カバーのものは液漏れしないとの見解が一部にありますが,(Apの場合ではありませんが)筆者は白色カバーのものも液漏れを起こすことを実際に確認しています.白色カバーのものは相対的に液漏れを起こしにくいのかもしれませんが,コンデンサ交換時には黒白どちらのカバーのものも交換した方がよいでしょう.

ハンダゴテを十分に熱しておいてから作業する必要がありますが,電解コンデンサのリード線が外れにくい場合には,はんだを足してから外すようにします.焦って作業すると,不必要にパーツを焦がしたり基板上のパターンを剥がしてしまいやすくなります.

基板にこびりついた電解液等の汚れを基板や周囲のパーツを傷つけないようカッターの刃先等で慎重に削り落とし,その後その部分と周囲を無水エタノールをしみ込ませたティッシュペーパーで拭くなどして漏れ出した電解液をできる限り取り除いてから新しいコンデンサを取り付けます.コンデンサのリード線は極力短くします.なお岩崎浩文さんの2019年12月2日のツイートによれば,固まった電解液(の大半を効率よく,ということでしょう)を除去するにはフラックスクリーナーと綿棒が便利とのことです.



耐圧は元々使用されていたものと同じ,あるいは若干高いものを使用しました.50V-1.5μFのコンデンサは起動のタイミングを設定するためのものと推定されますが,これを2.2μFのものに交換したことによる起動障害は今のところ観察されていません.このコンデンサは他の機種でも同じ役目をしているものと思われます.

この作業によってはスピーカーからのノイズは消えませんでしたが,後日基板貫通型の電解コンデンサもすべて交換したところこのノイズは認められなくなりました.この基板貫通型コンデンサはCバススロットの下のG8MVTなるドータボード付近に多数実装されています(この付近は86互換音源領域です).
 ※筆者はG8MVTの電解コンデンサの耐圧と容量等を控えていませんでしたが,これについては鴨川ネギさんの2019年7月26日のツイートにリストがあります.

10数年間で2台に対してこの作業を行いましたが,これまでのところコンデンサ交換に起因すると思われる不具合は出ていません.


■PC-9801BX2
この機種も動作に問題は認められませんでしたが,ほとんどすべての面実装型電解コンデンサが液漏れしていましたので,交換を行いました.電解コンデンサの位置です(この画像はコンデンサを交換した後のものです).コンデンサの耐圧と容量等のメモは残っていません.



白丸が通常のタイプ,赤丸と緑丸が面実装型です(緑丸のものは50V-1.5μFのもの).15μFのものはすべて22μFにしました.

作業を行って10年以上になりますが,これまでのところこの作業によると思われる不具合は観察されていません.


■PC-9801FA
この機種も動作に障害は出ていませんでしたが,やはりほとんどすべての面実装型電解コンデンサが液漏れしており,電解液が周囲の基板を汚損していました.電解コンデンサの位置です.



1.5μFのものは2.2μFのものに,また15μFのものは22μFのものに交換しました.10年程の間に3台に対してこの作業を行いましたが,これまでのところコンデンサ交換に起因すると思われる不具合は出ておりません.


■PC-9801US
この機種は筆者が初めて電解コンデンサの交換を行った機種でした.以下の症状が出ていたにもかかわらず長くその原因が分からなかったのですが,メンテナンス時に電解コンデンサの足に電解液の漏出を疑わせる異様な汚れが付着していることに気づき,交換に踏み切ったものです.後日四級塩電解コンデンサの問題点は当時既に広く知られていた事項だったことを知りましたが,当時のPC-98に関するBBS等では筆者の知る限りこの話題は全く出ておらず(注),従って電解コンデンサ交換の効果に確証が持てないまま,おっかなびっくりの手探り状態での作業でした.
 (1) 普段からプツプツ音がしている.
 (2) テキストなどをスクロールするとプププ…という音がする.
 (3) dir命令などで高速表示させるとピーと鳴る.多分(2)のプププの間隔が短くなり,音が変わったように聞こえるのでしょう.
 (4) 画面が切り替わる時(例えばファイル管理ソフトFD上からテキストファイルの中身を表示させたりする場合)にプッという音がする.
 (5) ボリュームを大きくするとこれらの音は大きくなり,ボリュームを絞ると聞こえなくなる.



5Vまたは35V-6.8μFというコンデンサがいくつも使用されていました.本来同じ容量以上のものと交換しなければならないのですが,これらはすべて4.7μFのものに交換しました.また2個あった16V-100μFの電解コンデンサは470μFのもに交換しました.

コンデンサ交換により上記の(1)−(5)の症状はすべて消失しました.最初の機体でのコンデンサ交換作業は15年以上前であり,その後5,6台に対して同様の作業を行ったと思いますが,これまで不具合のようなものは出ておりません.

注:筆者の周囲で制御計測用途で使用されていたFS−Ap2辺りのPC-98では,2000年を少し過ぎた頃から電源ユニットの不調や起動障害の出る機体がポツポツ現れてきたように記憶しています(そのすべてが四級塩電解コンデンサの液漏れによるものとは限りませんが).使おうと思って倉庫から出してきたら動かなくなっていたという話も耳にしました(BA2だったと思います).また今の目で当時の2chやどるこむの過去ログなどを丹念に調べていくと,原因が四級塩電解コンデンサの液漏れと強く疑われる不具合の報告(FSなど)が散見されます.しかしその観点からのレスポンスは皆無であり,PC-98と四級塩電解コンデンサ問題とが一般にはまだ結びつけて考えられてはいなかったのではないかと思われます.PC-98自体使われることが殆どなくなったため,四級塩電解コンデンサの液漏れを原因とする不具合に気付かれることも少なかったのでしょう.


■PC-9821Ap2
交換対象となる電解コンデンサは64個あります.



1.5μFと15μFのものはそれぞれ2.2μFと22μFのに,また220μFのものは並列に接続した100μFのもの2個に交換しました.コンデンサの交換作業は10年程の間に5台に対して行いましたが,不具合は出ておりません.

※MATE-Aでコンデンサに関連して発生する以下のトラブルについては,PC-98 tips集 の "電解コンデンサ関連" の項をご覧下さい.
 ・Ap2/As2のいわゆるバグロットをNECが改修した際に追加されたタンタルコンデンサの固定用絶縁素材の経年劣化による基板の損傷
 ・Ap3で手配線で後付けされたGALを固定している両面テープによる基板と周辺の部品の損傷
 ・Ap3/As3での86音源領域の二階建てサブ基板部分の電解コンデンサの液漏れ.Anでの同様の箇所(?)でのコンデンサの液漏れ
 ・Ap2/As2等のカレンダICや水晶振動子付近の電解コンデンサの液漏れによる基板の損傷が引き起こすカレンダICの異常動作


■PC-9821Xn
この機種では四級塩電解コンデンサが実際に使用されているかどうかは不明ですが,使用されているらしいという情報があったので交換に踏み切りました.型番の異なる三種のマザーボードでこの作業を行いましたが,その後10年近く不具合は発生していません.



1.5μFと15μFのものはそれぞれ2.2μFと22μFのものに交換しました.耐圧25V/50V品が多かったのですが,スペースに余裕を持って取り付けられました.スペースが最も窮屈なのは電源コネクタ付近でした.また右上の10μFのものは寝かせずに立てました.

G8RXN A11BとG8RXN B19ではコンデンサの内訳は共通ですが,G8RXN A10Cでは16V-33μFの電解コンデンサはなく,代わりに35V-6.3μFのタンタルコンデンサが取り付けられていました.

G8RXN A10Cでは電源ユニットコネクタ脇・10V-47μFのコンデンサ横の3W-30Ωの青い抵抗の位置も他の二種類のマザーボードと異なります.すなわちこの抵抗は他の二種類のマザーボードでは上の図のようにマザーボード上に取り付けられているのに対し, G8RXN A10Cでは電源ユニットコネクタの3・4ピンに直接ハンダづけされています.これは明らかに後付け抵抗です.G8RXN A10Cでは長いジャンパ線も非常に多く,特にマザーボード裏面では大変なことになっています(チップ抵抗の載った小基板も追加されています).

G8RXN A11Bにも若干のジャンパ線が認められますが,G8RXN B19にはジャンパ線はなく,面実装型電解コンデンサも黒パッケージでなく白パッケージのものが使用されています.三種類のマザーボードでは,A10Cが一番古く,次いでA11B,最も新しいものがB19ということになるのでしょう.マザーボードのリビジョンはアルファベット順・数字順のようです.

A10Cでは3W-30Ωの青抵抗が接着されていた47μFのコンデンサが液漏れしていました.恐らく抵抗の熱により劣化が早まったのでしょう.この47μF交換時には,オリジナルとは逆の向きに47μFを取り付け,空いた4.7μFと47μFの間のスペースに割り箸の切れ端を台にして30Ω抵抗を電源ユニットコネクタの長辺に対して直角になるように取り付けました.

右上の10μFのコンデンサの交換作業はミニジャック部の銅板を外すとやりやすくなります.またCバスバックボードそばの470μFのコンデンサを元々のものより太いものに交換する場合には,Cバスのボックスと干渉しないように若干斜めに取り付けるとよいでしょう.またセカンドキャッシュコントローラ(CPUソケットの横の大きなチップ)とセカンドキャッシュ(386SXのような8つのQFPチップ)は発熱が大きいので,コンデンサを取り付ける際にはこれらに接触しないように注意して下さい.これらのチップのそばのコンデンサはマザーボードに寝かせないでマザーボードから浮かせるようにするとよいかもしれません.


■PC-9821Xe
この資料は試運転さんよりいただいたものを加工しました.なおこの機種のマザーボードでは四級塩電解コンデンサが使用されているかどうかは不明です.



■PC-9821Ce
めーちゃんさんの2019年7月4日(マザーボード)・5日(音源基板)のツイートに電解コンデンサの一覧があります.


■PC-9821Cs2 modelS3e
この資料は試運転さんよりいただいたものを加工しました.
試運転さんのコメントです:
 ・目視では液漏れしている痕跡は見つかりませんでしたが,例の黒い電解コンですので,四級塩の可能性はかなり高いのではないかと思われます.



■PC-9801NS
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・日本ケミコン製SXFシリーズを代替できる現行品はLXVシリーズ,またSXEシリーズを代替できる現行品はKYシリーズないしLXVシリーズです.



■PC-9821Ne
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・日本ケミコン製LXFシリーズを代替できる現行品はLXYシリーズですが,ルビコン製YXBシリーズは特性が明らかでないため,代替品は不明です.



■PC-9801NS/R
この資料も試運転さんよりいただきました.



■PC-9821Ne3
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・PC-9821Ne3/3です.パナソニック製FA-AシリーズおよびHFQ-Aシリーズを代替できる現行品は,FC-Aシリーズです.



■PC-9801NS/A
プラスチックの筐体のツメの位置と形状です.



交換対象となる電解コンデンサの位置です.耐圧と容量のメモは残っていません.



■PC-9821Nb7
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・写真では見えませんが,画像上側のマザー下層部分にあるDC-DCコンバータの下側に面実装型の電解コンデンサが隠れているため,交換するとなるとかなり面倒な事になりそうです.



■PC-386NOTE W
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・電解コン自体は四級塩なのか正確には判別できませんでしたが,Panasonic製電解コンはシリーズ名にHF*と付く場合は四級塩の可能性が高い事,FDDの方は面実装の電解コンが派手に液漏れしていましたので,かなり疑わしいと思います.  NHEシリーズを代替できる現行品は,NHGシリーズ,HFQ,HFZシリーズを代替できる現行品はFCシリーズです.HFSシリーズはよく分かりません.



■PC-386GE2
この資料も試運転さんよりいただきました.
試運転さんのコメントです:
 ・マザーボード側の電解コンデンサはPanasonic製SUに統一されています.Panasonicの電子デバイスのサイトで検索しても,今は有極性のSU自体が生産終息品の項目を含め出て来なくなっていますが(両極性のSUは出てきます),Internet Archiveに保存されている過去のページを漁ると,代替できる現行品はM-Aシリーズのようです(もっともM-Aも2019年5月現在生産終了予定のようですが).



■PC-586RX
この機種でも四級塩電解コンデンサが実際に使用されているかどうかは不明ですが,本体の音声出力へのディジタルノイズの混入が激しかったので10年ほど前にコンデンサの交換を行いました.しかし肝心のノイズ混入の問題はコンデンサ交換後も改善しませんでした.どうもそういう機種のようです.



マザーボードの右下隅から伸びでいるケーブルは,筆者が5インチFDDを内蔵させるために取り付けたもので(PC-586RXに5インチFDDを内蔵 を参照),最初から付いていたたものではありません.

45個ある電解コンデンサはすべて基板貫通型であり,液漏れは認められませんでした. マザーボード中央右端の,二つある10V-220μFのものは並列接続されています.下側のものが上側のもののリード線に後付けで継ぎ足されています.マザーボード中央付近の10V-220μFのものも後付けされています.

この586RXは他にも筆者による様々な素人改造が施されており,異常動作が発生した場合の原因の切り分けが困難なのですが,幸いこれまでのところ不具合は発生していません.


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