※マザーボード上のコンデンサ以外の掲載情報が増え,表題と内容が一致しなくなって来ましたが,筆者としては大した不都合もないため,今後も現在の表題のまま記事の公開を続けます. 試運転さんより多数のデータをいただきました.なお一部の機種の電解コンデンサは四級塩品ではない可能性があります.また電解コンデンサとは直接関係のない事項であっても,修理に有益な情報と判断したものについては記事内に記載します. FDDについてはFDD関連の記事を,電源ユニットについてはPC-98/エプソン98互換機の電源ユニットの電解コンデンサ を参照して下さい.NEC製拡張ボードの電解コンデンサ と PC-98 tips集 にも関連記事があります. 2023年10月追記:これまでマザーボードの型番については,G8で始まる文字列を把握すれば十分かと考えていましたが,この甘い考えはどうも怪しくなってきました.マザーボードには,G8~の文字列以外にもある程度の長さを持つ文字列(P/Nを示すと思われる133~など)がいくつか書かれていますが(このこと自体には以前から気付いてはいました),それらの文字列の組み合わせによって,その機種のマザーボードの特定のパターンや部品実装の具合が表現されるものなのかもしれません[じゅんさまーさんの2023年10月1日のツイート(1・2・3),noconaさんの2023年10月25日・11月1日(1・2)・12月12日のツイートを参照]. PC-9801FA/FS/FX辺り(それ以前の機種ではPC-9801RS)から少なくともPC-9821C233(1997年6月発売)辺りまでのPC-98では,マザーボードをはじめとする各種基板や電源ユニットにおいて,四級塩(この場合は第四級アルキルアンモニウム塩)電解コンデンサが使用されていることが確認されており,その液漏れによる動作不良や故障が頻発しています(注1・2・3・4・5).電源が入らない,電源は入るもののピーと鳴り続ける,FDDやHDDが認識されない,FDDやHDDからシステムが起動できない,システム起動の途中でリターンキーを何度か押さないと最終的な起動まで漕ぎ着けられない,システム起動後にハングアップする,内蔵時計の動作がおかしくなり,MS-DOSのDATE,TIMEコマンドでも日時が修正できない,画面に何も映らない,異常な画面(カラフルなモザイク状の画面,小さい単純なパターンが並ぶ画面等)が表示される,文字列中の文字が一文字おきに欠ける,文字化けが発生する,音が出ない,音が小さい,内蔵スピーカーの出力にノイズが混入するなど,実に多彩な症状が報告されています(注6).これらの症状はコンデンサの液漏れが起きているすべての機体で一律に発生するわけではなく,症状は機体毎に異なると考えるべきです. 注1:四級塩電解コンデンサは,メーカーへのクレームを契機に(1993年頃),強アルカリ性に変質した電解液が陰極部から漏出しにくいよう封口ゴムに対策が施されましたが,製造自体は2000年頃まで続けられていました.そして対策品も以前のものに比べ液漏れがしにくくなっているというだけで,電解液が漏れる時にはあっさり漏れるといいます(この情報は試運転さんよりいただきました).従って,一部で主張されている,1994年以降のマザーボード等ならこの問題に関しては安心との論には,首肯しかねる部分があるようです.Susumu's Hobby --> 趣味(AV) - 音質レポート・1 --> 修理技術・ポリシーについて →→ ここをクリック!(記事名:修理技術・ポリシー) や,MKK(松下開発研究) --> 電解コンデンサの製造元簡易判別法(注:現在トップページからこの記事へのリンクがありませんので,記事に直リンクします) なども参照して下さい. 注2:EDN Japan の 2020年3月23日の記事,中堅技術者に贈る電子部品“徹底”活用講座(41):アルミ電解コンデンサー(8)―― 市場不良と四級塩問題 では,四級塩問題に関する一般の誤解に関する指摘がなされています. 注3:四級塩電解コンデンサは,製造していたメーカーにとって非常に都合の悪い存在となってしまったためもあり,我々一般の人間には,メーカーの公式資料を入手することが困難です.型番などはある程度突き止めらていますが(注3.1),個々の製品の細かな特性は殆ど明らかになっておらず,メーカーの提供する具体的な代替推奨品情報もごく限られています.従って交換用の品の選定も容易でなく,種々の断片的な情報に基づいて交換用の製品が推測されているのが現状のうです. 注3.1:Susumu's Hobby --> 趣味(AV) - 音質レポート・1 --> 修理技術・ポリシーについて →→ ここをクリック!(記事名:修理技術・ポリシー)などを参照. 注4:四級塩電解コンデンサではないかもしれませんが(注4.1),1996年発売のPC-9821Xa16でも電解コンデンサの液漏れが報告されています(PC-9821/9801スレッド Part85の872番の投稿を参照).この事例では,漏れ出した電解液によりBIOS ROMの端子が腐食するという致命的な損傷が発生しています.他にXv20のVRMの電解コンデンサが液漏れしたとの報告もあります. 注4.1:どうやら四級塩品ではないにもかかわらず,リード線の付け根部分から電解液が漏出し,かつその漏れ出した液が基板を損傷する電解コンデンサがあるるようです(86音源での例などを参照).電解液漏出のメカニズムは不明ですが,ともかくもそういうものが存在する模様です.本記事はタイトルを四級塩電解コンデンサの交換としていますが,この種の電解コンデンサの交換も内容に含んでいます. 注5:変質した電解液は,コンデンサの向きにかかわりなく漏れ出します.基板の配線面が上向きになるように機器を保存しておけば漏れが防げるというわけではありません(PC-9821/9801スレッド Part85の906番の投稿を参照). 注6:これらの諸症状は,筆者の自験例の他,WWWやSNS上で,電解コンデンサの交換,あるいは漏れ出した電解液により損傷した基板や部品の修理により消失ないし改善したとの報告があった事例のもの(あくまでも筆者の把握している分)ですので,少なくともこれらの事例においては,電解コンデンサから漏れ出した電解液が症状の直接の原因であったと考えてよいでしょう(注6.1).他者に向けた報告のなされるケースは全体のごく一部でしょうから,実際には電解液による損傷部位とその程度によって発生する不具合の症状は,上に列挙したものよりはるかに多彩なのでしょう. 注6.1:これらの症状の原因イコール電解コンデンサの液漏れ ではないことに注意して下さい.症状という表に現れた現象が(一見)同じでも,その根底にある病理は同じとは限りません.つまりこれらの症状が出ていても,その原因は電解コンデンサ以外の部分にあるということは十分にあり得るわけです.実際,報告された事例を丹念に検討すると,そのような(疑いのある)ケースをいくつも見出すことができます.ここではあくまでも,液漏れしている電解コンデンサに対して適切な処置を行った結果,これらの症状に改善が見られたという事例に関して述べているのに過ぎません. この液漏れは必発であり,現在問題なく動作しているように見える機体であっても,電解コンデンサのチェックは必要です(FD1138T・FD1148T・FD1138C・FD1138Dの修理 も参照).この液漏れは必ずしも目視で検出できるとは限らず,液漏れしていないように見えても,(無水エタノールをしみ込ませた)ティッシュペーパーでコンデンサの付近の基板を拭いてみると,ティッシュペーパーに(一般的な埃の色とは明らかに異なる)くすんだ緑色の汚れが付着するためそれとわかるケースもあります.漏れ出した電解液の量が多い場合には,アンモニアほど強烈ではありませんが,それに似た独特のニオイ(磯のニオイや生臭いニオイなどと表現する人もいます)がすることもあります. ここではPC-98のマザーボード上の四級塩電解コンデンサを交換した事例について報告します.なお,NEC純正拡張ボードの電解コンデンサの交換についてはNEC製拡張ボードの電解コンデンサ を,電源ユニットのコンデンサの交換については,PC-98/エプソン98互換機の電源ユニットの電解コンデンサ をそれぞれご覧下さい.後者には代替コンデンサに関する情報も掲載しています. APさんから以下のコメントをいただいております(表現を改変しています). ・交換する電解コンデンサは,元々使用されていたものの仕様に合わせるか,同等品以上のものを用いる.例えば10V-22μFのものを35V-22μFのものに替える場合,許容リップルが同等以上であればOK(耐圧が50V以上ではインピーダンスが変わる). 筆者注:電解コンデンサは,一昔前に比べると小型化・高耐圧化が進んでいるため,容量とサイズの同じものに交換する場合には,高耐圧品を選択するのがよいとの意見もあります.また耐圧が6.3Vのものが使われている場合には,交換品の耐圧は10V以上のものを選択すべきです. ・やむを得ず容量の大きな電解コンデンサに交換する場合(例 15μF --> 22μF),インピーダンスがほぼ同等あるいはより低いものを選択すればよい. また,試運転の資料館 --> 電算機部 --> FM TOWNS SN のアルミ電解コンデンサを交換する に,交換用の電解コンデンサの選定に関する詳細な記事が掲載されています. なおマザーボード上の四級塩電解コンデンサは,多く電源バイパス用(いわゆるパスコン)と思われますが(注1・2・3),他にも時定数回路や音源回路で使用されているものもあります.電解コンデンサはその用途により要求される特性が異なるため(特に音源回路ではコンデンサの特性が音質に影響するため,この問題は重大です.なお音源回路で使用されている電解コンデンサに関しては,Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の USで遊ぼう! ~PC-9801USの修理小ネタ集~ の コンデンサ考 の項も参照),本来であれば使用されている電解コンデンサの容量毎の個数を用途別に示すべきですが,本記事では容量毎の個数を示すのみにとどめています.これは,筆者はPCゲームに興味がなく,従って音質への影響を考慮したPCの音源の修理にも興味がないためです.最近はPC-98でのゲームや音源回路に造詣の深い有志による,PC-98の内蔵音源やPC-9801-86をはじめとした増設音源ボードの電解コンデンサの交換記事や修理記事がWWWやSNSに多く上げられるようになりました.本記事をご覧になる方はそちらの記事もあわせてご覧下さい. 注1:元々取り付けられていた四級塩電解コンデンサは低ESR品が多いのではないかと思いますが,筆者は,デスクトップ機で,その取り付け位置などから電源バイパス用コンデンサと考えられるものや,時定数設定用と思われるものに関しては,特に低ESR品を選択してはおらず,一般的なアルミ電解コンデンサに交換しています.電子回路上は問題があるのでしょうが,元々の電解コンデンサの特性が全く不明であることに加え,一般的な電解コンデンサに交換した後も,それが直接の原因と思われる不具合に(長いものでは20年近くも)遭遇してはいないことから,他の方にも一般的なコンデンサへの交換を積極的に奨めようなどとは全く思いませんが,筆者にとってはこれで構わないと割り切っています. 注2:注1に書いた筆者の考え方はやはり電子回路的には問題があるようで, (1) 表面実装型電解コンデンサをラジアルリード型のものに交換することには問題がある (2) 古い製品に使用されている電解コンデンサを交換する場合,"隠れパラメータ" としてESRとリップル電流に気を付けて交換用コンデンサを選択する必要がある (3) 小型の電解コンデンサではリップル電流の問題が厄介なものはないであろうが,少なくともESR値は元のコンデンサのものに合わせる必要がある (4) 高性能化が進んだため,電解コンデンサの現行品では昔のものより一桁以上ESR値が低いらしい(筆者注:これは筆者も何度か耳にしています) (5) データシートが見つからないなどの理由で,元のコンデンサのESR値が不明な場合には,まだ無事なものを基板から取り外してLCRメーターで実測すればよい (6) ESR値の合っていないコンデンサに交換すると,突入電流が増えるなどの問題が出る.電源回路が弱い,あるいは弱っていれば問題が大きくなる といった事柄が指摘されています[そんそんさんの2020年10月20日のツイート と やまねこ?楢ノ木技研さんの2020年10月20日・11月21日(1・2・3・4)のツイートを参照](注2.1).理論的・理想的には全くこれらの指摘の通りなのでしょう(注2.2). 注2.1:ツイート中の "SMD" は "Surface Mount Device" の略で,表面実装型部品(ここではコンデンサ)を指します. 注2.2:試運転さんとかかっくんさんよりコメントをいただいています. (1) について:表面実装型コンデンサをラジアルリード型のものに置き換える場合,リード線部分のインダクタンスと抵抗成分が増加することになるため(特に後者が問題),本来はこの点による不具合の生起について検証する必要がある[参考:村田製作所の技術記事,コンデンサのインピーダンス ESRの周波数特性とは?(2012年11月28日の記事)].しかしPC-98のマザーボード上の表面実装型電解コンデンサは,リード線のある横倒し型のものなので,ラジアルリード型のものに交換した場合の抵抗の増加は,実際上はあまり問題にならないかもしれない(逆にこれが多く問題となるのは,2つ下の画像にある,端子が真横に延びている直立型の表面実装コンデンサの場合なのでしょう). (4) について:事実であり,データシートや,廃止品 --> 現行品置き換えのための一覧表を見比べるとよくわかる.近年コンデンサは全体的にESRが下がってきているので,交換品は低ESR品でなく一般品で済む場合もある(注2.2.1). 注2.2.1(筆者注):ツイッター等でも,実際の交換用の表面実装型コンデンサとして,日本ケミコン製KMGシリーズ等の(低ESR品でない)標準品を選定している例が散見されます.また機能/取り付け箇所にもよるでしょうが,Ap2などでは基板貫通型(ラジアルリード型,基板自立型)のものにnichicon製RZ(M)シリーズを選定している例がみられます. (6) について:ESRが低すぎると,異常発振[ESR(,ESL)が変わると時定数が変わり共振点が変わることになるため,元の部品では起こらなかった発振が起きる場合がある]や突入電流が増加すると思われるが,結果的に機器の寿命が短くなったり,系統上の保護協調が取れなくなり,機器を破壊する可能性がある.他にも電路の機械的・電気的強度の問題等もあるかもしれない(注2.2.2). 注2.2.2(筆者注):高分子ポリマー固体コンデンサの類は,ESRの値がアルミ電解コンデンサの低ESR品のものと比べ物にならないほど低いため注意が必要(PC-9821/9801スレッド Part91の604-607番の投稿を参照). 注3:バイパスコンデンサとして取り付けられている電解コンデンサのうち,47μF未満のものは積層セラミックコンデンサに交換することもできるといいます(PC-9821/9801スレッド Part92 の582番の投稿を参照). 2015年あたりから,ウェブページやブログ,ツイッター上で,PC-98のマザーボード,一部のFDD,一部の拡張ボード,液晶パネル,電源ユニット等の電解コンデンサの交換作業を行ったという報告が一段と増えた感があります(コンデンサの交換が行われたケースの実数は,それらの報告の何倍もあるでしょう).これは電解コンデンサ交換の必要性が広く知られるようになったことや,コンデンサ交換の記事を見て自分でもできそうだと考え,実際にトライした人が増えたこと,そしてその結果について気軽に発信できるようになったことなどの他に,漏れ出した電解液による基板の損傷が進行したために不調となった機体が増えたためでもあるでしょう(注1・2・3).実際,それらの記事を見ると,多くの事例でコンデンサの液漏れによる基板の損傷の程度が,以前報告されていたケースに比べ明らかに大きくなっており,筆者などが遭遇したことがないほど状態が酷くなっているものも多くあります.被害が大きくなるほど修理も困難になります.作業者のスキルにもよるでしょうが,目視だけ,あるいはテスターによる簡単な導通調査程度では基板の損傷箇所の特定が難しいケースも実際に出てきており,また基板の損傷の具合が酷すぎるために,最終的に修理を断念せざるを得なかったというケースもいくつも報告されています.
電解コンデンサの交換は下準備も大変ですし,時間もかかり,また単に機械的に新しいものに交換すればよいといった単純な作業でもないため(注4・5),身体的にも精神的にも決して楽な作業ではありませんが,電解コンデンサの液漏れが原因と思われる何らかの不具合が既に出ている機体ならばすぐにでも,また現在は問題なく動作しているように見える機体でも,予防的処置としてできるだけ早い時期に作業を行うことを強くお奨めします. 注1:これは言うまでもないことですが,どのような不具合であっても電解コンデンサを交換しさえすれば直るというわけではありません.電解コンデンサの交換は万能修理法ではありません.電解コンデンサとは無関係な事柄が原因の不具合や,電解コンデンサの劣化と他の種類の劣化が複合的な原因となっている不具合も多く存在します(注1.1).なお注2の内容とも関係しますが,"電解コンデンサの交換" 作業 は,単に電解コンデンサそのものを交換することだけではなく,漏れ出した電解液の除去や,電解液によって損傷した箇所の修復もセットで考える必要があります.それどころか作業における後二者の重要性は極めて高いものです.そして後二者の実践においては,例え同一の機種であっても,具体的な内容が全く同じということはまずありません.つまり電解液の漏れ具合や汚損範囲,汚損とそれによる基板の損傷の程度はケース毎に異なりますので,修理の実例が詳細に報告されている機種であっても,その報告の通りに修理を行えば必ず成功するものとは考えない方がよいでしょう. 注1.1:最近では "定番" の電解コンデンサの液漏れに起因する不具合と並んで,ICの故障による不具合も増えてきているとの見解があります."不具合の原因=電解コンデンサの劣化" と短絡的に決めつけて思考停止するのは危険です[つねごんさんの2020年12月16日・20日のツイートや,Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2020年9月18日のツイート(1・2)を参照]. 注2:例えば電解液の除去(注2.1・2.2)や損傷箇所の検出・修理も必要ですし,また期せずして,作業中にパターン剥離[漏れ出した電解液は,レジスト(基板の絶縁部分)やパターン自体を損傷するとともに(注2.3),パターンの接着も弱めます]や熱による部品の破壊等の新たな損傷を生じさせてしまったり,ハンダブリッジなどによる不適切な短絡を発生させてしまうこともあり得ます. 注2.1:液漏れが酷い場合には,漏れ出した電解液が周囲の部品の下にまで流れ込んでいる場合が少なくありません.この場合には,横着せずにハンダゴテを使って一旦それらの部品を基板から外す必要があります[Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年11月9日のツイート(1・2・3),はんだ付け職人「はんだ付けに光を!」さんの2024年7月9日のツイート なども参照].部品の下に流れ込んでいた電解液が端子間をショートさせているのに気付かなかったため,通電時にその部品が破壊されてしまったと思われる報告も実際にいくつかあります.また電解液が浸潤してしまったと思われる部品の場合には,それ自体の損傷を疑う必要もあります(元ファミコンランド中標津店中の人さんの2021年2月27日のツイート を参照).さらに見落としがちなのがビア(via)/スルーホール(基板の小さな穴)で,電解液が入り込んでしまっているのならば[多層基板(積層基板)の場合にはこれは殊に深刻な事態です(そしてPCの基板の多くは多層基板です).電解液が内側の層に深く浸潤し,基板を内側から損傷してしまっている場合,我々素人による修理はまず無理と考えられるからです],これの内壁の清掃(と,断線している場合には,筆者は経験がありませんが修繕)も念入りに行う必要があります.これに関しては,まりもさんより,スルーホール内部は細い錐とティッシュペーパーでもある程度清掃できる・極細タイプの歯間ブラシは基板貫通型(ラジアルリード型,基板自立型)コンデンサの足の穴の清掃するのに丁度良いとのコメントをいただいています.筆者は縫い針を加工したものを主に用いています(注2.1.1).なお繰り返しになりますが,漏れ出した電解液には基板や部品を損傷する性質があります.液が乾燥している(ように見える)からと言って安心はできません.こびりついた状態のものであっても徹底的に除去すべきです.電解コンデンサの交換を報告した記事に掲載されている基板の画像には,(撮影の仕方にもよるのでしょうが)コンデンサの周囲の基板の清掃を(十分に)行っていないように見えるものがあり,少し気になります[多いのが,チップ抵抗の端子部分などにカビが生えているように見えるケースです(FD1155Dのメンテナンス などを参照).漏れ出した電解液は予想以上に広い範囲に広がっていることが少なくありません].また電解液が付着あるいは浸潤したままのハンダ部分(注2.1.2)を加熱し,コンデンサが無事取り外せたということで,そのままそこに新しいコンデンサをハンダづけしているのではないかと思われる記事も見かけますが,もしそうであればそのやり方は望ましくありません.新しくハンダづけを行う前に(注2.1.3)古いハンダを徹底的に除去すべきです.これに関しては,てんまにちゃんさんの2020年12月16日のツイートも参照して下さい 注2.1.1:ハトメ(リベット)を使用したスルーホールの修復に関する情報が,イカビクさんの2022年7月12日のツイート(1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12・13・14),佐藤さんの2022年7月9日(1・2)・13日・15日・8月13日(1・2・3・4)のツイート,きんのじさんの2022年7月7日・9日・11日 のツイートにあります. 注2.1.2:電解液により変質していると考えられます.変質は特に表面部分で強く,そのためハンダゴテで加熱しても溶けにくくなっています(裏垢IT系女子ReΝuXさんの2024年3月23日のツイート,takahiroさんの同日のツイート も参照).このハンダ表面の光沢を失いカビが生えたような見えを呈している部分を,ハンダ本来の光沢が現れるまで削り落としてからハンダゴテを当てて加熱するのがよいでしょう.またてんまにちゃんさんの2021年12月18日のツイート(1・2・3)によれば,低融点ペーストハンダを電解コンデンサのリード線の根元の部分に塗布してからコテ先を当てて加熱すると,電解液によって表面が変質して溶けにくくなっていハンダもよく溶けるといいます. 注2.1.3:ハンダは無鉛ハンダ(鉛フリーハンダ,Pbフリーハンダ)ではなく,いわゆる鉛ハンダ(鉛入りハンダ,共晶ハンダ)を使用するようにして下さい(PC-9821/9801スレッド Part88の241-250番の投稿,および PC-9821/9801スレッド Part87の53番の投稿 を参照). 注2.2:水や薬剤(注2.2.1)を使用して基板をいわば丸洗いする "基板洗浄" の報告は少なくなく,不具合の解消に効果があったとする内容のものもかなりあり(注2.2.2),十分に乾燥させればよいとして他者にも積極的に奨めている発言や,積極的にではないものの,"最後の手段" として他者にも奨めている発言を時々見かけます.電解液は水溶性のようですが,基板表面の電解液を拭き取っても,基板に浸潤した電解液は除去できず,それが長い時間を掛けて徐々に基板を損傷するとの指摘もあります(つねごんさんの2023年11月7日のツイート を参照).一方で,水洗いは基板上の部品のリード線等を腐蝕させる危険性がある,コードの被覆の下に染み込んだ水は抜けない等,この行為のもたらす悪影響も指摘されており(Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US --> おまけその1 Ap2でも遊ぼう! ~PC-9821Ap2の修理の愚痴~ を参照),基板や実装部品の経年劣化によりこの行為の危険性が増すとの指摘もあります(PC-9821/9801スレッド Part87の343番の投稿を参照).またある程度(1,2年程度)時間が経過した後で不具合が現れてくることが多いとの指摘もあります(つねごんさんの2021年9月18日のツイート を参照).実際ツイートを見ていると,修理(電源ユニットを含む)成功の報告があってからある程度後に,使おうとしたら動作しなくなっていたという報告が同じ方のところから上がってきているのをいくつか確認できます.水道水で基板を洗浄すると,水に含まれる塩素によりABFがダメージを受ける可能性もあります(舞宮さんの2024年8月16日のツイート を参照.但しABFがPC-98の基板でも使用されているかは不明).筆者は基板洗浄を行ったことがありません. 注2.2.1:マジックリンを使用た洗浄の報告はしばしば見かけますが,マジックリンはアルカリ性の成分を含むため,これは非常に危険な行為であるとの見解がありますす(PC-9821/9801スレッド Part87の530番の投稿 を参照). 注2.2.2:一般的に,この種の事例は,効果がなかった場合(とどめを刺した場合を含む)には報告されにくく,効果があった場合にはより報告されやすいと考えられます.報告された事例を参考にして行動する場合には,この問題に留意する必要があるでしょう. 注2.3:パターンとその周囲の基板に電解液が浸みていって基板の表面が凸凹になっている状態の例です.この画像右上の1F2という文字列の右側の領域や1F1という文字列の上側の領域に注目.画像のこの周辺の領域をキャプチャしてガンマ補正値を上げるなどすれば,基板表面の変質・損傷具合がよりわかりやすくなると思います.これの例のパターンは比較的広いものですが,細いパターンも同じように損傷されます. 注3:電解コンデンサの液漏れの量は,使い続けられていた機体よりも長期間使用されずにいた機体の方でより大きい傾向があるとの見解があります[つねごんさんの2021年3月14日のツイート(1・2・3)を参照].使用されている機体ではコンデンサのドライアップが進むため,結果的に漏れ出る電解液の量が減るというのですが,これは筆者にも思い当たる節があります. 注4:交換用の電解コンデンサは新品を購入して下さい."電解コンデンサは生き物" とも言われます.未使用品であっても,製造からかなり時間が経っている品(長期間店晒しになっている品など)は相当に経年劣化していると考えるべきです[PC-9821/9801スレッド Part87の363番の投稿,永氏(ながし)さんの2023年12月20日のツイート などを参照].購入に際しては商品の回転の速いショップを利用するべきでしょう(注4.1). 注4.1:筆者は一体いつ製造されたのか分からないコンデンサ,しかも在庫処分の特価品として一袋に多様な品種が多数詰め込まれて投げ売りされていた品も使用していますが,これは言うまでもなく愚行の極みですので,決して真似されないようお願いします. 注5:注2の内容とも関係しますが,作業には失敗が付きものです.失敗してもリカバリーできればいいのですが,これはスキルや気力の問題を含め,その時になってみなければわかりません.電解コンデンサの交換作業を行うのであれば,万が一のことを考え,覚悟を決めてから行って下さい. なお電解コンデンサの他に,内蔵電池やノート機の充電池(バッテリー)等も液漏れを起こして基板を大きく(時に修理が困難あるいは不可能なレベルにまで)損傷します.現在はかなりの機体においてこちらの液漏れも発生していると予想します(これは四級塩電解コンデンサが使用される前後の機種でも起こります).こちらのチェックと対処も早急に行うことを強くお奨めします. MATE-A ■PC-9821Ap この機種の場合,ボリュームを最大に上げた場合にスピーカーの出力に弱いノイズが混入すること以外は,PC本体・FDDともに問題なく動作しているように見受けられたものの,基板上の電解コンデンサの多くは派手に液漏れしていました. 電解コンデンサは表面実装型(面実装型ともいいます)のものと基板貫通型[通常の形状の,リード線が基板の裏面にまで達するタイプ.ラジアルリード型や基板自立型が正式な呼称.(特に交換用では)基板の表面に実装することもできるので,ラジアルリード型と呼んだ方が適切でしょう]とがあります. まず表面実装型のものだけを交換しました. 電解コンデンサを数個ずつ取り替えては仮組みして電源投入というのを繰り返して作業を進めました.このやり方だと,万が一起動しなくなった場合,どのコンデンサの交換を行った際に問題が発生したかがわかりやすくなります.これはHAMLINさんにアドバイスをいただきました. 元々の四角い電解コンデンサは胴体が基板に接着されていますので,予めラジオペンチで胴体部分を挟んで少し横にひねって基板から剥がしておきます(剥がれる時にパキッと音がします)(注). 注:これを基板から剥がす際にパターン剥離を生じさせてしまったとの報告をいくつか目にしました.筆者は経験がありませんが,液漏れが酷く,パターンの接着が弱くなっている場合には(このような場合には,基板への電解液の浸潤がかなり進んでいるとみられます),剥がし方(剥がす際の工具の動かし方等)にもよるでしょうが,あり得る話だろうと思います.また直下に書くように,この四角い電解コンデンサは,円筒状のコンデンサ本体が直方体のプラスチックパッケージで覆われた構造をしています.このパッケージを残したままコンデンサ交換を行ったとの報告も目にしましたが,漏れ出した電解液はこのパッケージの下にも流れ込み,そこで濃縮されますので,少なくとも電解液の漏出が確認されるケースでは,このパッケージも取り除くべきと考えます. この四角い電解コンデンサは,円筒状のコンデンサが直方体のプラスチック製のパッケージで覆われた構造をしています.パッケージには黒色のものと白色のものとがあります(注1).黒パッケージのものは液漏れするが,白パッケージのものは液漏れしないとの見解が一部にありますが(注2),筆者の経験でも,白パッケージのもので液漏れを起こしているものは相対的に少ないように思います.しかし筆者は,白パッケージのものでも液漏れを起こすことも実際に確認しており,ブログやツイッターでも,白パッケージのコンデンサの液漏れの報告をいくつも見ることができます(ノート機やその液晶ディスプレイパネルで使用されているものは,割に多く液漏れしているようです).白パッケージのものは相対的に液漏れを起こしにくいということはあるのかもしれませんが,パッケージの色が同なら中身のコンデンサの液漏れ耐性も同じとは限らないでしょうし(注3),現在ではいずれのタイプのコンデンサも製造からの年月がかなり経っていることもあり,コンデンサ交換時には白黒どちらのパッケージのものも交換した方がよいでしょう. 注1:98ノートの一部では,紫色のパッケージのものが1個だけ使用されています.下はNe2で使用されているものです. |
追記:PC-9821Esのマザーボードや,PC-9821Np,Na族等用のPCカードスロット増設パック(PC-9821N-P02)などでも紫色のパッケージのコンデンサが使用されています(おふがおさんの2022年2月23・27日 のツイートを参照). 注2:この主張はあちこちで見かけますが,第三研究所 --> 企画課 --> 第5回 電解コンデンサの液漏れ の記事に基づいているものが多いのではないかと思います.しかしこの記事をよく読むと,白パッケージのコンデンサに全く液漏れがみられなかったのは,遅くとも今から10年ほど前の時点でのことだったと分かります.この時期的な情報が落とされ,"白パッケージのコンデンサは液漏れしない" との情報だけが一人歩きしてしまっているのかもしれません.認識を改めるべき時期にきているのではないかと考えます. 注3:1995年以降にコンデンサの造り(電解液の組成や封口ゴムの液漏れ耐性等)が大きく変わったのではないかとの見解もあります[おふがおさんの2021年3月1日のツイート(1・2)を参照]. 下は四角い電解コンデンサの画像です.筆者の所有するPC-98では,この種の電解コンデンサは随分前にすべて交換済みでしたので,やむを得ず東芝製の2.5インチIDE HDDであるMK2124FC(120MB)で使用されているものの画像を示しますが,これはApなどで使用されているものと同種のものです(注1・2). |
注1:この電解コンデンサはメーカー・型番・特性のいずれも不明ですが,日本ケミコン製MF・MFKと外観が酷似していることが指摘されています(試運転の資料館 --> 電算機部 --> FM TOWNS SN のアルミ電解コンデンサを交換する を参照). 注2:ところでこういった事実は,古いHDDの制御基板上の電解コンデンサも液漏れするため,チェックが必要であることを示します.液漏れしないまでも,経年劣化(容量抜け等)はするため,修理が必要な場合もあります[鴨川ネギさんの2024年1月7日・8日 のツイートを参照]. なお本記事では,主としてこのタイプの電解コンデンサを "表面実装型" と呼んでいますが,一般に表面実装型電解コンデンサといえば,殆どが下の画像のタイプを指します(これはPC-9801-86のものです)."缶型" とでも呼んだらよいでしょうか[正式な呼称はわかりませんが,今日 "SMD"("Surface Mount Device" の略)型のコンデンサ と呼ばれているものがこれです]. |
これは四角い電解コンデンサと違い,電極がリード線(針金)ではなく,薄く幅の広い端子状のものになっていて,それがコンデンサの底面の下にあるプラスチックの台座から真横に延びており(皿という漢字で底面から左右に突き出ている部分のような感じと思えばよいでしょう),幅が広い分ハンダづけされている面積も大きくなっています.このような構造のため,このタイプの電解コンデンサは,ハンダゴテ,特に一般的なペンシル型のコテ先のものを使ったのでは本当に外し難いものです.取り外し作業中に無理な力を加えるとパターン剥離を起こしてしまう危険性があります[パターン剥離は筆者も経験があります](注1).特に液漏れが酷く,パターンの損傷が大きく,基板への接着も弱くなっている場合にはダメージが大きくなります.両手にハンダゴテを一本ずつ持ち,電極を両端から同時に加熱するという方法も編み出されてはいますが(注2),このタイプの電解コンデンサを取り外すには,(筆者は持っておりませんが)ホットツィーザーという工具が便利と聞きますが,結構な値段がします.また(これも筆者は持っていませんが)ヒートガンなども便利でしょう(EDN Japan の 2019年4月9日の記事,基板にダメージを与えず、簡単に表面実装部品を外す方法 などを参照)(注3). 注1:ペンチで胴を軽く摘んで横にグリグリ揺らすと外しやすいとの報告をいくつか見ます.基板の状態(現在はパターンの接着が弱っているものが少なくないと想像します)にもよるでしょうが,"グリグリ揺らす" 程度によってはパターン剥離を引き起こす危険性が非常に高いと考えるため,個人的にはこのやり方はお奨めできかねます.またラジアルリード型の電解コンデンサの場合と同様に,ニッパーなどで胴を破壊して端子状の部分だけを残し,その後あらためて端子状の部分をハンダゴテで取り外すやり方も報告されていますが[にがHP on PS2Linux' --> にがAV --> 松下VTR NV-FS70を修理する(記事名 ~Panasonic VTR ジャンクNV-FS70を修理する~)などを参照],これも胴の破壊時の力の掛かり具合などによっては,ラジアルリード型の電解コンデンサの場合よりも遥かにパターン剥離を生じさせる危険性が高いと考えます.この方法による場合には,この可能性を頭に置きながらより慎重に作業する必要があるでしょう. 注2:mfzantouさんの2023年12月15日のツイート(1・2・3)などを参照. 注3:高価なヒートガンでなく5,000円程度の安価なものがかえって使いやすいとの見解があります(Takeruさんの2022年5月25日のツイート を参照).また先端の細いヒートガンがよいといいます(てんまにちゃんんさんの2023年12月15日のツイート を参照). ハンダゴテを十分に熱しておいてから作業する必要があります.これが最も重要です(やけどに注意).電解コンデンサのリード線が外れにくい場合には,ハンダを足してから(=リード線がハンダづけされている基板の箇所のハンダ部分にハンガゴテの先端を当て,そこに糸ハンダの先端を接触させて糸ハンダと元々のハンダを融解させて)外すようにします.これはハンダの量が前より増えるため,経験のない方には意外に思えるかもしれませんが,ハンダづけされている部分のハンダの量が少ないと,かえってハンダが溶けにくいことがあるからです.ハンダづけされている部分に乾燥した電解液がこびりついている場合には,それをできる限り除去してからハンダゴテを当てて下さい.ハンダゴテを使った作業は,焦って行うと,不必要にパーツを焦がしたり,基板上のパターンを剥がしてしまいやすくなります.この種の作業は,下準備を疎かにしたり,作業自体を雑にやると大抵碌な結果になりません.またこれは筆者の経験ですが,ワット(W)数の少ないハンダゴテを使った作業では,室温が低く,基板も冷えている場合には,部品を基板から取り外す際のミスが増えるような気がします.また作業時には換気に十分注意して煙を吸い込まないようにするとともに(ハンダや電解液を加熱した際に発生する煙は健康に良いものではありません),本体の分解も含め,十分に広いスペースで作業して下さい.マザーボードは結構な大きさがありますので,狭い場所で無理に作業すると,部品や工具の置き場所に困ったり,小さな部品を作業机の下に落としてしまったり(注)といったつまらないミスが増えます.ついでに書けば,作業は時間的に十分余裕がある時に行うべきですし,また特に不慣れな方は,寝不足や風邪などで体調のすぐれない時や,何となく気乗りせず,作業を億劫に感じる時などには,無理に作業しない方がよいでしょう.筆者は他の作業,あるいは仕事などでは,やる気が起きないとか嫌だと思っている時であっても,その状態のままとにかく作業に手を付けるべきだと考えていますが,経験が(少)なくハンダゴテ等の扱いにも習熟していない人が,液漏れしているコンデンサの交換という,細かい上に不愉快極まりない作業を行う場合だけは,ベストコンディションに近い状態で落ち着いて作業に取り掛かった方がよいと思います. 注:多くの場合,落とした部品は,どういうわけか最初に目星をつけた位置から遠く離れた場所で見つかります.実際に経験してみれば,これが冗談などではないことがわかると思います. 基板にこびりついた電解液等の汚れを基板や周囲のパーツを傷つけないようカッターの刃先等で慎重に削り落とし,その後その部分と周囲を無水エタノール(薬局などで売られている純度70-80%の消毒用エタノールではなく,純度99%以上の工業用/試薬用エタノール)をしみ込ませたティッシュペーパーで拭くなどして漏れ出した電解液をできる限り取り除いてから新しいコンデンサを取り付けます.コンデンサのリード線は極力短くします.なおHirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2019年12月2日のツイートによれば,固まった電解液を除去するにはフラックスクリーナーと綿棒が便利とのことです.フラックスクリーナーやパーツクリーナー等の油性成分を溶かす揮発性の高い溶剤を使用した場合には,結露による水分によって水性成分も除去できて好都合です(PC-9821/9801スレッド Part87の839番の投稿を参照).ハヤトールNXでもよく除去できるといいます(UME-3さんの2023年1月18日のツイート を参照).またグラスファイバーヤスリの使用報告もあります(PocketGriffonさんの2021年8月4日のツイート を参照). |
耐圧は元々使用されていたものと同じ,あるいは若干高いものを使用しました.50V-1.5μFのコンデンサは起動のタイミングを設定するためのものと推定されますが,これを2.2μFのものに交換したことによる起動障害は今のところ観察されていません.このコンデンサは他の機種でも同じ役目をしているものと思われます(おふがおさんの2024年10月3日のツイート も参照). この作業によってはスピーカーからのノイズは消えませんでしたが,後日基板貫通型の電解コンデンサもすべて交換したところこのノイズは認められなくなりました.この基板貫通型コンデンサはCバススロットの下のG8MVTなるドータボード付近に多数実装されています(この付近は86互換音源領域です).なおこの種のコンデンサのリード線を基板から引き抜くのは,思ったほど簡単ではありません.リード線の太い大型のコンデンサを外すのでもなければ,ハンダゴテはW数がそれほど高いものでなくても構いませんが,コテ先の尖っているものは少し不利です(作業ができないわけではありませんが,先端の一点からしかハンダに熱が伝わりませんので,ハンダが溶けにくいのです).スルーホールの部分をそのままハンダゴテの先で過熱するのでなく,そこにハンダを少し足してから(いわゆる追いハンダ)一気に加熱した方が,ハンダが溶けやすく,結果的にリード線を引き抜きやすいようです.その後スルーホール内に残ったハンダを除去しますが,ハンダゴテで加熱しながら針状のものを穴の中で慎重に動かして穴の中のハンダを外に追いやってもよいですし,ハンダ吸い取り機やハンダ吸い取り線を使用して穴に詰まったハンダを吸い取ってもよいでしょう.無理に力を加えたり,穴を拡げようとして乱暴にガリガリやったりするのは禁物です. 筆者はG8MVTの電解コンデンサの耐圧と容量等を控えていませんでしたが,これについては鴨川ネギさんの2019年7月26日のツイートにリストがあります. 20年ほどの間で2台に対してこの作業を行いましたが,これまでのところコンデンサ交換に起因すると思われる不具合は出ていません. これまであまり気を付けていませんでしたが,部品のレイアウトやドータボードの数の異なるマザーボードが何種類かあるようです(Lynfieldさんの 2023年6月13日のツイート などを参照). 音源回路の一部であるドータボード(Cバスボックスの下)には,四級塩電解コンデンサが後付けされているものがあるといいます(WIDENETさんの2020年9月24日のツイートを参照).もっとも,このドータボードの他の電解コンデンサも可能ならば交換した方がよいでしょう. G8NMJドータボードのコネクタの接触が悪いと,様々な起動障害が発生します[katmai(情報垢)さんの2021年3月8日のツイート(1・2・3・4・5・6・7)を参照]. 31kHz画面は出力されるが24kHz画面は出力されないPC-9821Asで,マザーボードの11G1(マザーボードによっては文字列が異なるかもしれません)付近のビアを修復したところ,24kHz画面が出力されるようになったとの報告があります(Lynfieldさんの2023年1月23日のツイート を参照.11G1付近のビアの導通先の調査結果が,Lynfieldさんの2023年1月23日のツイート に掲載されています. ※Lynfieldさんの2023年1月22日(1・2・3)・25日のツイートもこの問題に関連. PC-9821AsのマザーボードのETC3・DMAコントローラ・MAMMY HOLYの各チップの真下のパターンの画像が,Lynfieldさんの2023年3月28日のツイート に掲載されています. ※FDDの動作不良の原因に関するLynfieldさんの調査報告です[2023年2月4日(1・2)・5日(1・2・3)・7日・9日(1・2・3・4)・10日(1・2)・12日・14日(1・2)・21日(1・2)・24日・3月2日(1・2)・8日・5月24日 のツイート].途中経過に関するものですが,参考資料として掲載します. ■PC-9821Ae Zilfhumさんの2020年8月2日と9月30日(1・2)のツイートにG8MVRF A4▲(▲は実はA?)型番マザーボードの表面実装型電解コンデンサの資料があります. 筐体の底面とマザーボードとの間のスペーサーの一部にマザーボードの固定穴にきちんとはまっていないものがあるために,マザーボードが撓み,局所的なハンダクラックを生じさせる場合があります[noconaさんの2023年1月1日のツイート(1・2)を参照].この例ではカスタムチップであるKEIKO2周辺にハンダクラックが生じているといいます.この種のハンダクラックが,PC-9821Xpのキーボード認識不良の原因となっている場合もあるといいます. ■PC-9821Af katmai(情報垢)さんの2021年2月21日のツイートにAf/U9Wのマザーボードの表面実装型電解コンデンサの資料があります. Afのマザーボードは少なくとも三種類確認されています(A-MATEr's BBS 過去ログ その36 を参照). ■PC-9821Ap2 交換対象となる電解コンデンサは64個あります. |
1.5μFと15μFのものはそれぞれ2.2μFと22μFのものに,また220μFのものは並列に接続した100μFのもの2個に交換しました.コンデンサの交換作業は10年程の間に5台に対して行いましたが,不具合は出ておりません. 古典コンピュータ愛好会 --> PC-9821As2のコンデンサ大量死事件 にも電解コンデンサのリストがあります. MATE-Aを中心とする機種では,コンデンサに関連して以下のトラブルが発生することも報告されています: ・Ap2/As2のいわゆる(L2)バグロット(注1・2)をNECが改修した際に追加されたタンタルコンデンサの固定用絶縁素材(両面テープ?)(注3・4・5・6)の経年劣化により,基板の損傷(注7)が生じる. → PC-9821/9801スレッド Part72 の768番の投稿 を参照. 注1:バグロット改修の内容については,PC-9821/9801スレッド Part26 の777・778番の投稿や,noconaさんの2020年11月21日のツイート(後者の2枚目の画像はマザーボード裏面のもの)も参照.また,つねごんさんの2021年6月9日のツイート(1・2・3・4・5) と きょろサンチームさんの同日のツイート も参照. 注2:Ap2/As2/Xs/Xpのいわゆる "L2バグ" は,"バグロット" でない "対策済み" のロットでも発生することがあるようです(どるこむの過去ログ,Ap2の起動時の不具合 を参照)(注2.1). 注2.1:つねごんさんの6月15日(1・2・3・4・5)・16日(1・2・3・4)・17日(1・2・3・4)・18日・19日(1・2)のツイートのAp2は,メモリまわりの不具合から当初はこのケースに該当するかと考えられていましたが,電源ユニットの電解コンデンサをすべて交換したところ不具合が消失したといいます(つねごんさんの2021年6月19日のツイート を参照). 注3:テープの接着剤は,IPA(イソプロピルアルコール,イソプロパノール)を吹きかけてプラスチックのヘラで大まか掬い取り,その後IPAを含ませた綿棒で拭き取ると基板にダメージ与えずに除去できるといいます(きょろサンチームさんの2022年1月8日のツイート を参照).シール剥がし剤の使用報告もあります(つねごんさんの2023年3月20日のツイート を参照).損傷箇所の修復については,いぐろまさよしさんの2022年5月19日のツイート(1・2)も参照. 注4:製造番号が46~の時期のAs2でも,両面テープを使用してタンタルコンデンサの追加が行われているものが確認されています(おふがおさんの2024年5月23日のツイート を参照).一方製造番号が48~のAs2(マザーボードは1994年26週製造)では,これを使用せずにタンタルコンデンサの追加が行われているものが確認されています[ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月28日のツイート(1・2)を参照]. 注5:同様のものが,古くPC-9801F/Mのマザーボードの水晶発振子の固定にも使用されているとの報告があります(noconaさんの2021年11月23日・29日のツイートを参照). 注6:損傷した基板の修理の実際についてはいくつものツイートやブログに報告がありますが,ここではETHYLE~1.SYSさんの2023年1月8日のツイート(1・2)を紹介しておきます. 注7:テープが貼られていた基板の領域だけを損傷するだけでなく,その周囲の部品も損傷するケースがあるのではないかと疑っています.例えばそばにある発振子の金属製ケースが錆びている例をいくつか目にしました. ・Ap3で手配線で後付けされたGALを固定している両面テープにより,基板と周辺の部品の損傷が生じる. → Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US を参照. この記事には,Ap2のFDDまわり,FM音源,画面出力まわりなどの不具合の原因と修理方法に関する詳細な情報も掲載されています. ・四級塩電解コンデンサが(FDD内部以外では)使用されていないと一般に考えられていたPC-9821Ap3/As3でも,86音源領域の二階建てサブ基板部分の電解コンデンサが液漏れする.Anでも(基板上の四級塩電解コンデンサとは別に)同様の箇所(? Ap3/As3と共通のサブ基板?)でコンデンサの液漏れが起きる. → PC-9821/9801スレッド Part68 の628・633・645・690番の投稿,および PC-9821/9801スレッド Part74 の521番の投稿.またPC-9821/9801スレッド Part35 の367番の投稿 を参照.このサブ基板に関しては,Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の おまけその6 Anよ、お前もか! ~両面テープで腐ったPC-9821Anの修理~ の サウンド小基板の研究 の項も参照(注).このPC-9801USの記事の "おまけ" とついたすべての章は,故障したMATE-Aの修理に取り組もうとする際には必ず参照すべき資料と考えます.またぷあーこあの熱暴走ブログ --> PC-9821Ap3サウンドサブ基板のコンデンサ交換(2016年9月27日の記事) と おふがおさんの2022年3月24日のツイート にこのサブ基板(GCMK-C2X)の電解コンデンサの一覧(耐圧と容量が印字された缶型コンデンサの画像)があります.電解コンデンサの耐圧と容量の一覧は,アリゾナ@PCさんの2024年5月14日のツイート にもあります.サブ基板の裏面の画像はNaopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の おまけその6 Anよ、お前もか! ~両面テープで腐ったPC-9821Anの修理~ の サウンド小基板の研究 の項 と Lynfieldさんの2023年11月2日のツイートに掲載されています.なお製造番号が4で始まる本体(1994年製造)では,このサブ基板の電解コンデンサはほぼ液漏れしている(が,本体銘板に記された製造番号と基板のロット番号の時期が一致していない個体もある)との見解もあります[おふがおさんの2022年3月24日のツイート(1・2),リサイクル掲示板2024年4月過去ログの "汎用スレッド2024年4月" スレッドを参照].基板貫通型(ラジアルリード型)の電解コンデンサに交換する場合には,クリアランスの問題から,コンデンサを横倒しにする必要があります(ぽてぽてさんの2022年7月3日のツイート などを参照).背の低い缶型のコンデンサに交換する場合には,コテ先を入れるスペースの関係で,コンデンサの取り付け順序に工夫が要ります(リサイクル掲示板2024年4月過去ログの "汎用スレッド2024年4月" スレッドを参照). 注:このサブ基板には音声まわりの回路しか載っていませんが,スピーカアンプ駆動用回路も載っており,撤去すると起動時のピポ音も出なくなります(注1).なおこれを撤去しても起動自体はします(リサイクル掲示板2024年4月過去ログの "汎用スレッド2024年4月" スレッド を参照). 注1:Vision864が載ったPC-9821As3/Ap3のビデオサブボードは,取り外すと表示が異常になるため取り外し不可.85C928が載ったPC-9821As2/Ap2/AnのWindowsモデルのビデオサブボードは取り外しても問題ありません. ・Ap2/As2等のカレンダICや水晶振動子付近の電解コンデンサの液漏れによる基板の損傷はカレンダICの異常動作の一因となる. → ワイルドで現金な邪念の掃き溜め の Ap2のカレンダICを暴走させる,Ap2のカレンダICを暴走させる その2,Xa16/WのカレンダICも暴走させてみる を参照. 9801x68kさんの2019年3月29日のツイート および 2019年4月3日のツイート には,水晶振動子あるいはカレンダICの交換でカレンダ時計の異常が直ったとの報告がありますが,この故障も電解コンデンサの液漏れによる部品のショート等が原因かもしれません.さらにLynfieldさんの2023年6月2日のツイート には,カレンダ時計の異常の原因は,水晶振動子(注)のリード線に付着した電解液だったとの報告があります. 注:この水晶振動子は32kHz(32.768kHz?)のもののようです(PC-9821/9801スレッド Part101の866・869番の投稿を参照)."32KHz クリスタル" で検索すると様々なメーカーの製品が見つかります. As2・Ap2の,所謂 "当たり" ロットは,本体バックパネルのAC電源ケーブル接続用ソケットの上側に貼られたシールに記載されている製造番号が45以降の数字で始まるものであり(注1・2),新たに入手する際には,製造番号が41・42・43あたりの数字で始まるものは要注意といいます[靖間 誠さんの2020年12月10日のツイート(1・2・3・4)を参照]. 注1:PC-98の製造番号の最初の二文字は製造時期を示し,一文字目が西暦での一の位を,二文字目が製造月(10,11,12月は順にX,Y,Zと表記)をそれぞれ表すと言われています(sakohitiさんの2020年12月30日のツイートを参照.筆者は何度か同じ情報を目にしたことがありますので,これらは以前より広く知られている事柄なのだろうと思います). 注2:1994年5月以降に製造されたものが該当すると考えられます(注1を参照).なおAs2・Ap2の発売は1993年11月です.筆者所有の機体では,この番号が最も若いものは3Y~(1993年11月製造の機体と推測され,従って最初期ロットの一つと思われます)のAp2であり,2008年(?)の時点でマザーボード上の電解コンデンサには既にかなりの液漏れがみられました.一方,この番号が46で始まるAs2では,2024年3月の時点で,3台ともマザーボード上の電解コンデンサの液漏れは,少なくとも目視では確認できていません(注2.1).製造番号との対応の問題は筆者には分かりませんが,少なくとも,Ap2/As2では電解コンデンサの液漏れに関して対策がなされているロット(もしくは四級塩電解コンデンサが使用されていないロット)が存在するのは確かでしょう.もっとも,絶対に液漏れしないとは筆者も考えていません.四級塩電解液かどうかはともかく,製造番号が43や45で始まる機体で,わずかながら電解コンデンサの液漏れを確認したとの報告もあります(注2.2・2.3・2.4). 注2.1:Jilly@1日1周ヴァリスⅢさんの2021年1月7日のツイート や おふがおさんの2024年4月5日のツイート でも,製造番号が46で始まるAp2で,マザーボード上の電解コンデンサの液漏れが全く見られないものがあることが報告されています.なお筆者所有のこれら3台のAs2は,様子見も兼ねて敢えてコンデンサを交換しないままにしています. 注2.2:Anでも,製造番号が4や57で始まる個体で,2021年1月の時点でマザーボード上の電解コンデンサの液漏れのみられないものや(おふがおさんの2021年1月23日のツイートを参照),製造時期は不明ですが,2020年12月の時点でもマザーボード上の電解コンデンサが全く液漏れしていないもの(ゆうのさんの2020年12月23日のツイートを参照)の報告があります.またAnには1996年辺りに製造されたマザーボードが使用されているロットがあり,そこでは四級塩電解コンデンサは使用されていないらしいとの見解もあります(Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US の おまけその5 水没機・ヤニ漬けAnを磨こう! ~PC-9821Anのレストア~ の項,また おふがおさんの2021年8月11日・13日のツイートを参照). 注2.3:耐圧の低いものが特に注意を要するとの見解もあります(つねごんさんの2023年1月13日のツイート を参照). 注2.4:Ap3/As3でも,(少なくとも)製造番号が4Xで始まる個体には電解コンデンサに難があるとする見解があります(WIDENETさんの2021年2月9日のツイート を参照). 電解コンデンサの液漏れによってXRA14741Fまたはその付近が損傷されやすいといいます(つねごんさんの2023年8月5日のツイート を参照). FDDのアクセスランプが点灯するもののヘッドが移動せず,メディアをを読まない故障の原因が,VFO IC(μPD71065G)とカスタムチップKODAMA間の断線であったとの報告があります(Lynfieldさんの2023年6月22日のツイート を参照). マザーボード裏面のテストパッドに関する調査結果が,Lynfieldさんの2023年5月8日のツイート(1・2)で報告されています. Ap2/As2のマザーボードにはネジ穴が多数ありますが,マザーボードだけを本体の底面に固定するためのものは7個です.再組立時にはまずこの7箇所をネジ留めします.他の箇所はCバスボックスやFDD・ファイルスロット・HDD専用ベイのあるフレーム金具などとともにネジ留めします(この両者では前者を先に取り付けます). |
■PC-9821Ap3/U2 じゅんさまーさんの2022年6月18日のツイート(1・2・3・4)に G8SPM B C1C 型番マザーボードその他の電解コンデンサの資料があります.調査漏れが二個あったとのことですので[じゅんさまーさんの2022年8月6日のツイート(1・2)を参照],As3の項も参照して下さい.またわんくんさんの2022年12月13日のツイート に,G8SPM □ A5A 型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります.なおAp3とAs3は,マザーボード上の実装部品に違いがあるといます(じゅんさまーさんの2022年8月6日のツイート を参照). ■PC-9821As3/U2 わんくんさんの2022年6月10日のツイート(1・2)に(G8SPM,枝番不明)型番マザーボードの電解コンデンサの資料があります.またじゅんさまーさんの2022年8月6日のツイート(1・2・3・4)に,G8SPM C C1C型番マザーボード他の電解コンデンサの資料があります. PC-98型番機 ■PC-98LT[マザーボードの電解コンデンサのデータではありませんが,本体内部の電源小基板の電解コンデンサの情報と,バッテリーの液漏れによる損傷の修復に関する情報を掲載します] 試運転さんからいただいた,ACアダプタ PC-98LT-12(PU437) からの入力を直接受ける本体内部の電源小基板(P/N 136-454944-D-04)の電解コンデンサのデータです.なおこの小基板上のトランジスタの焼損による故障に対する修理報告が,あおりのブログ --> 骨董品級PC-98LT電源部修理その1(2015年1月26日の記事),PC-98LT電源部修理その2(2015年1月29日の記事)に掲載されています(この情報も試運転さんよりいただきました). 試運転さんのコメントです: すべて基板貫通型です.日ケミSXEシリーズを代替できる現行品はKYシリーズまたはLXVシリーズです. |
また,katmaiさんの2021年9月22日のツイート に,バッテリパックPC-98LT-11の液漏れによるマザーボードの断線箇所の一覧があります. ■PC-98DO ZKZK/8801.tokyo --> PC-98DO|分解清掃と電池除去、コンデンサ交換、ホワイトニング と レトロなPCとか --> PC-98DO のコンデンサ(2018年1月20日の記事)に,マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. レトロなPCとか --> PC-98DO 二次バッテリー付近の配線(2018年1月20日の記事)に電池まわりの基板のパターンの大きな画像があります.またDonbeiさんの2022年2月22日のツイート に,電池まわりの基板の損傷の修復に関する資料があります. レトロ好きでもいいじゃない --> 史上最大の作戦!文字化けを修理せよ! PC-98DO(2021年6月2日の記事)に,表示画面が文字化けする故障に対する修理報告があります. ■PC-98DO+ ZKZK/8801.tokyo --> PC-98DO+|分解と電池除去,PC-98DO+の修理|コンデンサ交換に,マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. redmax.arsさんの2022年2月26日のツイート に,98モードでも88モードで起動してしまう故障の原因となる断線箇所に関する資料があります. レトロゲーじじいさんの2022年6月14日のツイート と 佐藤さんの2022年6月19日のツイート(1・2・3・4・5・6)によれば,佐藤さんの2022年6月13日のツイート(1・2)の画像にあるような TEXT VIDEO RAM ERROR 画面が表示される場合には,内蔵Ni-Cd電池のマイナス端子とGND間の断線が疑われるといいます. とうふさんの2023年3月12日(1・2)・16日・18日のツイートに,内蔵Ni-Cd電池の液漏れによる基板の損傷の修復報告があります.内蔵Ni-Cd電池周辺のマザーボード上のパターンについては,レトロゲーじじいさんの2023年3月13日のツイート,ETHYLE~1.SYSさんの2023年9月22日のツイート(1・2)を参照. ■PC-98GS(電解コンデンサのデータではありませんが,内蔵電池の液漏れによる損傷の修復に関する情報のためここで紹介します) わんくんさんの2024年2月15日・16日のツイートに,マザーボードの内蔵Ni-Cd電池の下と周辺のパターンに関する資料があります. 9801型番デスクトップ ■PC-9801E(電解コンデンサのデータではありませんが,修復に関する情報のためここで紹介します) CXさんの2024年6月25日・22日・24日・26日(1・2・3)のツイートに,画面表示の不具合(症状はツイートを参照)の修理の事例報告と画面表示まわりの回路構成に関する情報が掲載されています. noconaさんの2024年1月2日のツイート(1・2)で,内蔵電池の近傍のパターン(ツイートの画像を参照)が断線した場合の症状が報告されています. ■PC-9801VX(電解コンデンサのデータではありませんが,内蔵電池の液漏れによる損傷の修復に関する情報のためここで紹介します) oykenkyu.blogspot.com --> PC-9801VXの修理(2022年5月28日の記事)に,内蔵電池(G850H-3ないし3-51FT-A)の液漏れによるG8APA(枝番不明)マザーボードの損傷箇所の修理に関する情報があります.本機種が起動しない原因の多くは内蔵電池付近のパターンの損傷との見解もあります[おふがおさんの2022年8月12日のツイート(1・2・3)を参照]. ■PC-9801RA(電解コンデンサのデータではありませんが,修復に関する情報のためここで紹介します) ETHYLE~1.SYSさんの2023年4月26日のツイート(1・2)に,画面表示が乱れて "TEXT VRAM ERROR" メッセージが表示される故障の修理に関する情報があります. RA21/51の上基板は小改良が繰り返されているようです[noconaさんの2023年7月17日のツイート(1・2)を参照].互換性は保たれていると思われますが,定かではありません. ■PC-9801RS noconaさん2022年7月13日のツイート に,1990年1月製造の G8FLN A8・(上基板)/G8FLM A6・(下基板)型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります.このツイートのマザーボードで使用されている面実装型の電解コンデンサは,なんと黒パッケージのものです.この機種の発売は1989年11月ですが,初期ロットからそうだったのかは今のところ不明です. ■PC-9801DX(電解コンデンサのデータではありませんが,内蔵電池の液漏れによる損傷の修復に関する情報のためここで紹介します) この機種ではNi-Cd電池の液漏れによってRTCが損傷されるケースが多いといいます(PC-9821/9801スレッド Part87の364番の投稿を参照).noconaさんの2021年6月4日のツイート(1・2・3)の報告などが例でしょうか.またNi-Cd電池の液漏れによりパターンが断線し,キーボードが使用できなくなった故障の修理報告が,新かべきんブログ --> PC-9801DX のメイン基板 修理完了 (KB回路修理)(2022年5月12日の記事)にあります. PC-9801DXでなくPC-9801DSの場合ですが,テキスト画面に市松模様が表示される故障は,ニッカド電池の液漏れによるパターンの断線が原因といいます(PC-9821/9801スレッド Part87の364番の投稿を参照). ■PC-9801UV11(電解コンデンサのデータではありませんが,内蔵電池の液漏れによる損傷の修復に関する情報のためここで紹介します) おふがおさんの2021年2月19日・20日(1・2・3)・24日のツイートに,????L B8・ 型番(????の文字列は不明)マザーボードの,内蔵電池の液漏れにより損傷した箇所の修復(導通の回復)のためのジャンパ箇所の候補の一覧があります.また型番不詳のマザーボードにおける同様のジャンパ箇所の画像(当該ツイート本文も参照)が,おふがおさんの2021年8月8日のツイートにあります.電解コンデンサに関する資料ではありませんが,本記事にも関連する内容であり,他に適当な場所もありませんので,ここで紹介します.なおUV11のマザーボードには G8BWG(A5C)という型番のものもあることを確認しています. ■PC-9801UF 【半田】86ボードコンデンサ張り替え大作戦【コテコテ】の109番の投稿に,表面実装型電解コンデンサの一覧があります.またおふがおさんの2020年11月24日のツイートに,基板貫通型(ラジアルリード型,基板自立型)まで含めたG8HGXA A11・型番マザーボード電解コンデンサの一覧があります. PC-9801UFとURのマザーボードの比較的大きな画像が,おふがおさんの2021年6月17日のツイート と ぱんだねこさんの2020年11月26日のツイート にそれぞれ掲載されています. メモリエラーの原因が,電解コンデンサの液漏れによる(一見無関係な)FM音源部のオペアンプの故障であったとの事例があります(おふがおさんの2022年1月24日のツイート を参照).本機の修理報告は少ないため,一つの情報として載せておきます. ■PC-9801US この機種は筆者が初めて電解コンデンサの交換を行った機種でした.2003年のことです.計測用途で使用していたもので,以下の症状が出ていたにもかかわらずしばらくその原因が分からなかったのですが,シャーシを開けた際に電解コンデンサの足に電解液の漏出を疑わせる異様な汚れが付着していることに気付き,これが原因かということで交換に踏み切ったものです. (1) 普段からプツプツ音がしている. (2) テキストなどをスクロールするとプププ…という音がする. (3) dir命令などで高速表示させるとピーと鳴る.多分(2)のプププの間隔が短くなり,音が変わったように聞こえるのでしょう. (4) 画面が切り替わる時(例えばファイル管理ソフトFD上からテキストファイルの中身を表示させたりする場合)にプッという音がする. (5) ボリュームを大きくするとこれらの音は大きくなり,ボリュームを絞ると聞こえなくなる. 後日四級塩電解コンデンサの問題点はこの当時既に広く知られていた事項だったことを知りましたが,どるこむをはじめとする当時のPC-98に関するBBS等では,筆者の知る限りこの話題は全く出ておらず(注1・2),この件で2003年10月にリサイクル掲示板にスレッドを立てた際にも,この可能性を指摘するレスポンスはありませんでした([5564] USから謎の音(汗 を参照).従って電解コンデンサ交換の効果に確証が持てないまま,おっかなびっくりの手探り状態での作業でした.恐らくPC-98では,不具合の原因が液漏れした(四級塩)電解コンデンサにあると睨んでコンデンサの交換を行い,症状の消失を確認した最初期の事例の一つではないかと思います.現在の視点で見れば,コンデンサの液漏れはまだまだ軽微であって,それが幸いして何の知識もスキルも持たなかった筆者でもどうにかこうにか修理することができたのでしょう. |
画像のマザーボードの型番は G8LRH A9・ です.5Vまたは35V-6.8μFという,当時聞いたことのない容量のコンデンサがいくつも使用されていました.本来は同じ容量以上のものと交換しなければならないのですが,これらはすべて4.7μFのものに交換しました.また2個あった16V-100μFの電解コンデンサは470μFのものに交換しました. コンデンサ交換により上記の(1)-(5)の症状はすべて消失しました.最初の機体でのコンデンサ交換作業は上記の通り2003年のことであり,その後5,6台に対して同様の作業を行ったと思いますが,これまで不具合のようなものは出ておりません.いずれの機体も液漏れによる基板の損傷はないか,あってもごく軽微な段階だった筈です(現在ツイッターなどで報告されているような損傷の酷い基板に対して作業した記憶がありません).早い時期に作業を行っておいて本当に良かったと思っています. 注1:筆者の周囲で制御計測用途で使用されていたFS-Ap2辺りのPC-98では,2000年を少し過ぎた頃から電源ユニットの不調や起動障害の出る機体がポツポツ現れてきたように記憶しています(勿論そのすべてが四級塩電解コンデンサの液漏れによるものとは限りませんが).2003年には,当時の職場で,PC-9801BA2(だったと思います)を倉庫から出してきたら動かなくなっていたというケースもありました.内部を目視によりチェックさせてもらっても,当時の筆者は原因を明らかにすることができませんでした(同じ頃には,上で書いたUSの諸症状に既に気付いてはいました).また今の目で当時の2chやどるこむの過去ログなどを丹念に調べていくと,原因が四級塩電解コンデンサの液漏れと強く疑われる不具合の報告(FSなど)が散見されます.しかしその観点からのレスポンスは皆無であり,PC-98と四級塩電解コンデンサ問題とが一般にはまだ結びつけて考えられてはいなかったのではないかと思われます.これは,PC-98自体使われることが殆どなくなったために,四級塩電解コンデンサの液漏れを原因とする不具合それ自体に気付かれることも少なかったことが理由の一つと思われますが,それとともに,この時期では四級塩電解コンデンサの液漏れの程度が一般にまだ軽微であり,液漏れに気付かれることがなく,そのためこれが原因で不具合が発生しても,そこに考えが及ばなかったためでもあるでしょう. 注2:脚注というよりは追記ですが,2002年1月11日に,youreさんがgeosities時代のSENRI’s Homepage PC98周辺機器情報局 98Stationの98Station掲示板に "電解コンデンサ不具合によるパソコン起動" という報告をされ,その中で,"十数年前に製造された"ある種類"の電解コンデンサは,電解液と封止剤の組み合わせが悪かったらしく,その時期製造された電子機器で不具合を多く出しているらしい" とコメントされていました.この報告は98Station掲示板の過去ログには未収録ですが,許可を得て筆者自身が2002年8月17日にリサイクル掲示板に転載していることに気付きました(2002年8月24日までの過去ログ を参照).少なくとも2002年1月の時点で,既にPC-98の動作不良に四級塩電解コンデンサ問題が関係していることに気付いていた人がいたことになります.筆者は2022年9月に古いMOディスクを整理している最中にこの報告を再発見しましたが[98Station 掲示板から当該報告をコピーして作成した "NS/T修理" なるテキストファイルを発見しました.当時はNS/Tを使用しており(エマティなリサイクル の 研究発表会 に筆者が投稿した記事の多くはNS/Tで作成したものです),その修理記事ということで控えておいたのでしょう],全く記憶にありませんでした.2002年当時は今以上に知識がなかったため,情報自体は目にしても内容の理解が追いつかなかったものとみえます. 一般的には故障箇所,主に電解コンデンサの液漏れに起因する断線箇所の特定が難しく,デスクトップ機ではPC-9821As2/Ap2辺りと並んで修理難度の最も高い機種と言ってよいでしょう.取り付けられている電解コンデンサの数はそれほど多くありませんが,液漏れによる被害の程度は甚大と言えます[例えばCPUの上に位置するドータボード(画像左下)には電解コンデンサが2個しか載っていませんが,これの液漏れにより損傷した基板の修理は難渋を極めると言われます].修理失敗/断念事例も多数報告されています.自分で修理することを前提にジャンク品などを入手しようとする場合には,相当な覚悟が必要でしょう.本機種の修理報告は非常に多く,修理に関する報告をすべて把握することは筆者には無理です.ここでは筆者がピックアップした情報をいくつか挙げておきます. Naopy Hobby Land --> enter --> PC --> PC-9801US に,USのFDDまわり,FM音源,画面出力まわりなどの不具合の原因と修理方法に関する非常に詳細な情報が掲載されています.これは故障したUSの修理に挑戦しようとする場合には必ず参照すべき記事と考えます.またきょろサンチームさんの2020年11月5日のツイートで,FM音源まわりの回路図が公開されています(佐藤さんの2024年1月14日のツイート に,音が小さい故障の原因がNJM074の-12V端子に繋がるスルーホール断線だったとの報告がありますが,画像を180゜回転させて見比べた限りでは,このオペアンプは別ロットで採用された互換品と思われます).またFlyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年11月16日のツイート に,TL074オペアンプ部分のパターンの資料があります.またFDDまわりの回路にあるIFD3(これは本機種以外の機種でも使用されています)の正体については,おふがおさんの2022年5月26日のツイート(1・2)も参照. μPD95101GLのピンとマザーボード裏の330Ω抵抗との結線の調査結果が,佐藤さんの2024年1月24日のツイート で報告されています. 10J2・11J1そばの2つのスルーホールの接続先(佐藤さんの2024年2月3日のツイート を参照). 画面が乱れて縦8ドットおきに砂嵐状のパターンがランダムに出現する(?)場合,SRAM自体ではなくリセットICが故障している場合あり[おふがおさんの2023年10月28日(1・2・3)を参照]. USに限らず,カラフルなモザイク画面が表示される場合には,SRAM付近のパターンが断線していることが多いといいます.USでは直上の画像左下のサブボード上に SRM2025LM12 というSRAMチップがあります.このサブボードは漏出した電解液の揮発によりダメージを受けやすいといいます(電脳 演算器さんの20233年9月8日・9日のツイートを参照).実際このサブボードのパターンの断線は数多く報告されています. USに限らず,ラインアウトへの出力は確認されてもPC本体のスピーカから音が出ない場合には,イヤホンジャックの接点不良(おふがおさんの2023年4月28日のツイート を参照),スピーカー自体の故障(asayanさんの同日のツイート を参照),フィルタ回路の断線(つねごんさんの同日のツイート を参照),オペアンプの故障(おふがおさんの2023年5月2日のツイート を参照)なども疑う必要がありそうです.またこの故障の修理例が,Lynfieldさんの2023年5月1日(1・2)・2日(1・2・3・4・5)・3日(1・2・3)のツイートで報告されています. マザーボード裏面の NEC 148133-002(AQUICK)なるカスタムチップ(?)の81ピン以降の信号に関する情報が,CXさんのい2024年3月20日のツイート に掲載されています. ■PC-9801FA この機種も動作に障害は出ていませんでしたが,やはりほとんどすべての表面実装型電解コンデンサが液漏れしており,電解液が周囲の基板を汚損していました.電解コンデンサの位置です.基板貫通型の2個については記載していません. |
1.5μFのものは2.2μFのものに,また15μFのものは22μFのものに交換しました.20年程の間に3台に対してこの作業を行いましたが,これまでのところコンデンサ交換に起因すると思われる不具合は出ておりません. 電解コンデンサの数と容量が異なるマザーボードもあります[ICHIGOさんのお仕事 --> PC-9801FA/U2の修理(25年目編)(2017年8月11日の記事)を参照].CPUに基板直付けのPGAタイプのものが使用されているマザーボード["前期型"(注1):G8KZE A7・/G8KZE A9A/G8KZE A10A/G8KZE A11A/G8KZE A12・]では,使用されている表面実装型電解コンデンサの容量と取り付け位置はすべて同じといいます[noconaさんの2021年5月8日のツイート(1・2・3・4・5・6)を参照].またCPUにQFPタイプのものが使用されているマザーボード("後期型"(注2):G8KZEA A5・ で確認)でも同じですが,基板貫通型のコンデンサが1個増えている(16V-220uF,日本ケミコン製SME)といいます(noconaさんの2021年5月16日のツイート を参照).なおSMEは標準品のようです(いぐろまさよしさんの2024年8月14日のツイート)を参照). 注1:最初期型と思われるマザーボードではPGAタイプのCPUがZIFソケットに装着されているものが存在するようです[Tosyさんの2022年2月13日のツイート と noconaさんの2022年2月20日のツイート(1・2)を参照]. 注2:1992年3月~4月に前期型から中期型へ,7月に中期型から後期型へと切り替わったとの推測があります[noconaさんの2022年2月19日のツイート(1・2・3)を参照].前・中・後期の各時期の区分については,noconaさんの2022年9月21日のツイート も参照. 前期型マザーボードのPC-9801FAで,一定間隔で正方形の抜けのある縦縞が画面上に並んで表示される場合には,6H1の位置の電解コンデンサ,74F245付近,D95006GDの26番ピンから延びているパターンの損傷(D95006GDの26番ピンとリセットIC μPC2270の6番ピン間の断線?)が疑われるといます[noconaさんの2021年4月29日・30日(1・2・3)・5月1日のツイート を参照.またTosyさんの2022年2月13日(1・2)のツイート,WIDENETさんの2022年5月4日のツイート と noconaさんの2022年5月5日のツイート も参照].またBUFD4へのラインが断線すると画面出力すらなくなる(モニタの信号検知すらなくなる)といいます(noconaさんの2021年6月13日のツイート を参照). PC-9801FAでSSG音源が鳴らない場合のチェックポイント[noconaさんの2022年5月8日のツイート(1・2)を参照]. PC-9801FAのマザーボード上でのTRACK 00信号の伝達経路(noconaさんの2022年5月3日のツイート を参照).どの記事のどこに組み込むべき情報か今のところ判断がつかないため,ここで紹介します. ■PC-9801FX noconaさんの2021年2月8日・5月27日のツイートに1992年10月製造の G8KQXA A10・型番マザーボードと,同年6月製造の G8KQXA A7Bマザーボードの表面実装型電解コンデンサの一覧があります.製造番号が後のものでは,製造番号の若いものでタンタルコンデンサが取り付けられていた箇所に四級塩電解コンデンサが取り付けられています.1992年7月製造のPC-9801FS(G8KQX A7Bマザーボード)と同年10月製造のPC-9801FX(G8KQXA A10・マザーボード)との比較から,FSでも同様と考えられます[noconaさんの2021年5月27日のツイート(1・2)を参照].G8KQXA A10・型番マザーボード(一連のツイートの別な画像には末尾のA10・しか写っていませんが,間違いないでしょう)の電解コンデンサについては,雪下製作所さんの2021年9月27日のツイート にも資料があります. PC-9801FSともども(FSとFXはマザーボードの設計がほぼ一緒),一定間隔で正方形の抜けのある縦縞が画面上に並んで表示される場合には,リセットIC μPC2270の6番ピンとSRAMの20番ピン間の断線が疑われる(WIDENETさんの2023年12月5日のツイート を参照).上記のPC-9801FAでの同様の症状の原因と対処が同じ. ASICが故障たため起動しないケースも報告されています(CXさんの2024年4月13日・15日・16日のツイートを参照).厄介な故障ですが,この種のものにはまず対処できないでしょう. ■PC-9801BX noconaさんの2021年8月6日のツイートに,1993年6月製造の G8NVZ A A2型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. ■PC-9801BA noconaさんの2018年8月14日のツイート(1・2)に,1993年3月製造の G8NHX A A4・型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります.またnoconaさんの2021年8月6日のツイートに,1993年1月製造の G8MUY C A8F型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. ■PC-9801BX2 この機種も動作に問題は認められませんでしたが,ほとんどすべての表面実装型電解コンデンサが液漏れしていましたので,交換を行いました.電解コンデンサの位置です(この画像はコンデンサを交換した後のものです).コンデンサの耐圧と容量等のメモは残っていません. |
白丸が通常のタイプ,赤丸と緑丸が表面実装型です(緑丸のものは50V-1.5μFのもの).15μFのものはすべて22μFのものに交換しました. 作業を行って10年以上になりますが,これまでのところこの作業によると思われる不具合は観察されていません. 本機種ではなくMATE-BのPC-9821Bsでのケースですが(PC-9821Afでも同様のケースが報告されています),本機種でこの症状を呈するもの(職場の備品であったため内部に手を入れることができずに廃棄処分されたため,同じ原因によるものかは明らかではありませんが)を見たことがありますのでここに書いておきます.PC本体の電源スイッチを入れた直後からピーーーとビープ音が鳴り続ける(一旦ピポと鳴ってからピーーーと鳴るのではなく)場合,リセットICであるμPC2270A周辺のパターンが切れている場合があるといいます(noconaさんの2021年2月25日のツイート を参照).起動しないPC-9821Ap2/As2では50V-1.5μFの電解コンデンサの下のパターンが切れていることがあるというのも,これと関連する知見でしょう[katmai(情報垢)さんの2021年4月30日のツイート を参照].また古典コンピュータ愛好会 --> PC-9801BS2の修理 (マザーボード上の断線) に,本機種の兄弟機であるPC-9801BS2での同様の報告があります.この症状の原因がリセットIC自体の故障(?)の場合もあるようです(PC-9821Asの場合.Lynfieldさんの2023年1月15日・21日のツイートを参照).PC-9801BX2やPC-9821Beでは近くにあるコンデンサの液漏れによってリセットICが破壊されていることが多いといいます(つねごんさんの2024年3月15日のツイート を参照). 本体の温度が低い場合に電源スイッチをオンにしてもすぐに起動せず,10-20秒程度経過した後に起動するのは,マザーボード上の電解コンデンサの劣化が原因といいます[つねごんさんの2023年1月14日のツイート(1・2・3)を参照].これはノートPCでのケースだそうですが,PC-9801BS2でも同様の報告があります(noconaさんの同日のツイート を参照).一方筆者がPC-9821V200で遭遇した同様の症状は,電源ユニットの劣化が原因でした.この場合は電源ユニットの排気ファンの回転が始まるのも遅れました.使用を続けているうちに電源が入らなくなりましたが,電源ユニットをPC-9821Xa13/W16の正常な電源ユニットと交換したところ,本体が起動するようになりました.上のケースでも電源部の故障を疑う見方もあります(=?utf-8?B?44Gv772E772T772O?=さんの同日のツイート を参照). 一部の後期ロット(?)の香港製(?)マザーボードでは,四級塩電解コンデンサでなくタンタルコンデンサが使用されています.この場合,寄生ダイオードが原因でICが破壊される可能性があるといます.このタイプのマザーボードを持つBX2などでは,四級塩電解コンデンサが取り付けられている同機種と同じくリセットICであるμPC2270Gの故障が少なくないといいますが,これが原因の可能性があるようです(ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月15日のツイート,つねごんさんの同日のツイート を参照). 台湾製マザーボードでは,(TI製の?)74LS245(バスバッファ)の故障(不良?)が非常に多い(ETHYLE~1.SYSさんの2024年9月26日のツイート を参照). ■PC-9801BX3 SAKURA工房の修理備忘録的なナニカ --> PC9801関連 に,G8SHW C4・ 型番マザーボードの電解コンデンサの資料があります.またきょろサンチームさんの2021年9月7日のツイート(1・2・3)に,Cバスライザボードの電解コンデンサの資料があります. ■PC-9801BX4 PC-9801BX4の G8TZA B A10B,G8UAA A A6.両基板で使用されている電解コンデンサです.全部で34個あります.ELNA(エルナー)製のものには9446-9527,またnichicon製のものにはK9525-K9530の範囲の文字列がありますが,これらは製造時期コードではないかと考えます. |
RE2,VXとも低ESR品ではなく標準品のようです(試運転さんより情報をいただきました). この機種のマザーボードの電解コンデンサの液漏れ事例は今のところ確認できていません.なおELNAの製品では,型番に "RS" と "RC" が含まれているものが四級塩品との情報があります(試運転さんよりご教示いただきました). EXTENDED GVRAM ERRORメッセージが表示される個体で,VRAM自体が故障していたケースが報告されています(WIDENETさんの2024年1月24日のツイート を参照).同様の故障は他の機種でもあり得ます. MATE-B ■PC-9821Bs(電解コンデンサのデータではありませんが,マザーボードの修理に関する情報ですので載せておきます) リサイクル掲示板の2022年8月過去ログ の "汎用スレッド2022年8月 パート1" スレッドに,PC-9821Bsの起動しない原因が,PLL-ICである2082DSCの故障であったとの事例が報告されています.問題のICは四級塩電解コンデンサからかなり離れた位置に実装されており,故障の原因は電解液でない可能性があります.MATE-Bあたりの機種でも電解コンデンサの液漏れが故障の直接の原因でないケースがあるらしいということで掲載します. ■PC-9821Bf noconaさんの2021年8月6日のツイートに,1994年4月製造の G8QNC A9A型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. MATE-X ■PC-9821Xe この資料は試運転さんよりいただいたものを加工しました.なおこの機種のマザーボードでは四級塩電解コンデンサが使用されているかどうかは不明です. |
筆者追記:この機種のマザーボードには日本(NEC)製と台湾製のものがあります(ETHYLE~1.SYSさんの2024年9月4日のツイート を参照).このツイートの画像のマザーボードのリビジョンは,日本製ではG8SGV □ A3・で,台湾製ではG8SGV A A3AK(?)ですが,製造国とリビジョンの関係は不明です.なお上の画像のマザーボードは台湾製です. ■PC-9821Xp noconaさんの2021年8月6日のツイートに,1995年3月製造の G8RNL C C16A型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. 一部のロットでは,後付けの小基板をマザーボードに固定している両面テープの経年劣化(加水分解?)により,固定箇所のマザーボードの損傷が起きます[おふがおさんの2021年8月7日のツイート(1・2)を参照].同様の両面テープはAp2/As2の一部の "バグロット" でNECによる改修を受けたマザーボードでも使用されています. 筐体の底面とマザーボードとの間のスペーサーの一部にマザーボードの固定穴にきちんとはまっていないものがあるために,マザーボードが撓み,局所的なハンダクラックを生じさせ,それがキーボード認識不良の原因となっている場合もあるといいます[noconaさんの2023年1月1日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9821Xf noconaさんの2021年7月23日のツイートに1994年11月製造のG8SSD A7・型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. Xf/Xa/Xtのマザーボード上の1000μF以上の基板貫通型の電解コンデンサは液漏れするといいます(noconaさんの2021年8月9日のツイート を参照). ■PC-9821Xa noconaさんの2021年7月23日のツイートに1994年7月製造のG8RMB C6D型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります.2022年9月2日(1・2)のツイートも参照.ラジアルリード型(基板貫通型)のコンデンサだけが液漏れするロットもあり(WIDENETさんの2024年4月2日のツイート を参照). ■PC-9821Xt noconaさんの2021年8月6日のツイートに,1994年9月製造のGG8RQY C9S型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります.2022年8月28日・9月2日(1・2)のツイート も参照. ■PC-9821Xn この機種では四級塩電解コンデンサが実際に使用されているかどうかは不明ですが,使用されているらしいという情報があったので交換に踏み切りました.型番の異なる三種のマザーボードでこの作業を行いましたが,その後15年近く不具合は発生していません. |
1.5μFと15μFのものはそれぞれ2.2μFと22μFのものに交換しました.耐圧25V/50V品が多かったのですが,スペースに余裕を持って取り付けられました.スペースが最も窮屈なのは電源コネクタ付近でした.また右上の10μFのものは寝かせずに立てました. G8RXN A11BとG8RXN B19ではコンデンサの内訳は共通ですが,G8RXN A10Cでは16V-33μFの電解コンデンサはなく,代わりに35V-6.3μFのタンタルコンデンサが取り付けられていました. G8RXN A10Cでは電源ユニットコネクタ脇・10V-47μFのコンデンサ横の3W-30Ωの青い抵抗の位置も他の二種類のマザーボードと異なります.すなわちこの抵抗は他の二種類のマザーボードでは上の図のようにマザーボード上に取り付けられているのに対し, G8RXN A10Cでは電源ユニットコネクタの3・4ピンに直接ハンダづけされています.これは明らかに後付け抵抗です.G8RXN A10Cでは長いジャンパ線も非常に多く,特にマザーボード裏面では大変なことになっています(チップ抵抗の載った小基板も追加されています). G8RXN A11Bにも若干のジャンパ線が認められますが,G8RXN B19にはジャンパ線はなく,表面実装型電解コンデンサも黒パッケージでなく白パッケージのものが使用されています.三種類のマザーボードでは,A10Cが一番古く,次いでA11B,最も新しいものがB19ということになるのでしょう.マザーボードのリビジョンはアルファベット順・数字順のようです. A10Cでは3W-30Ωの青抵抗が接着されていた47μFのコンデンサが液漏れしていました.恐らく抵抗の熱により劣化が早まったのでしょう.この47μF交換時には,オリジナルとは逆の向きに47μFを取り付け,空いた4.7μFと47μFの間のスペースに割り箸の切れ端を台にして30Ω抵抗を電源ユニットコネクタの長辺に対して直角になるように取り付けました. 右上の10μFのコンデンサの交換作業はミニジャック部の銅板を外すとやりやすくなります.またCバスバックボードそばの470μFのコンデンサを元々のものより太いものに交換する場合には,Cバスのボックスと干渉しないように若干斜めに取り付けるとよいでしょう.またセカンドキャッシュコントローラ(CPUソケットの横の大きなチップ)とセカンドキャッシュ(386SXのような8つのQFPチップ)は発熱が大きいので,コンデンサを取り付ける際にはこれらに接触しないように注意して下さい.これらのチップのそばのコンデンサはマザーボードに寝かせないでマザーボードから浮かせるようにするとよいかもしれません. またnoconaさんの2021年10月5日のツイートに,1995年3月製造の G8RNX B16B型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. MATE-R ■PC-9821Ra20/N30 じゅんさまーさんの2022年8月14日のツイート(1・2・3・4・5・6・7)に,1997年2月出荷のG8YEV□D6C型番マザーボードとサブ基板類の電解コンデンサ,およびマザーボードのジャンパ設定(現状)のデータがあります. ■PC-9821Ra333/W60 じゅんさまーさんの2022年8月23日のツイート(1・2・3・4・5・6)に,1999年2月出荷のG8YKK W A2型番マザーボードとサブ基板類の電解コンデンサ,およびマザーボードのジャンパ設定(現状)のデータがあります. MULTi/CanBe ■PC-9821/S2 じゅんさまーさんの2022年5月8日・5月21日(1・2)のツイートに,19993年3月出荷ロットの本機の電解コンデンサのデータがあります. ■PC-9821Ce めーちゃんさんの2019年7月4日(マザーボード)・5日(音源基板)のツイートに電解コンデンサの一覧があります.またosimasanのブログ。 --> PC-9821CeのCD-ROMインターフェースボード他のコンデンサ交換(2023年4月22の記事)に,CD-ROMドライブが接続される基板とCバスバックボードの電解コンデンサリストがあります. 色々な方々のツイートを見ると,この機種では電解コンデンサの液漏れとそれによる損傷の酷い個体が多いようです. この機種での,PC本体の電源スイッチを入れた直後からピーーーとビープ音が鳴り続け,画面が真っ白なままという故障の原因は,コンデンサの液漏れによる特定箇所のパターンの断線であることが多いといいます(WIDENETさんの2021年9月4日のツイート を参照).noconaさんの2021年2月25日のツイート も参照. 電源が入らない場合にはR119-IC88/D2をショート,内蔵IDE HDDからから起動するとフリーズする場合にはC29を交換とのこと(つねごんさんの2022年9月17日のツイート を参照). つねごんさんの2022年9月17日のツイート(1・2)の画像のコンデンサは,液漏れの痕跡なしにドライアップするようです. この機種は内蔵FDDが故障していたり,内蔵ケーブルが接続されていないとIDE HDDからシステムが起動できないといいます(つねごんさんの2022年10月1日のツイート を参照). CD-ROMドライブからの音声出力がない場合の原因の一つは,電解コンデンサの液漏れによる,本体背面のLINE出力端子に近いマザーボードの位置(IC160のシルク印刷のある部分)に実装されているXRA14741Fまたはその付近の損傷[Flyingharukaさんの2023年7月13日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9821Cs2 modelS3e この資料は試運転さんよりいただいたものを加工しました. 試運転さんのコメントです: ・目視では液漏れしている痕跡は見つかりませんでしたが,例の黒い電解コンですので,四級塩の可能性はかなり高いのではないかと思われます. |
筆者追記1:Ce2/Cs2ではマザーボード上の電解コンデンサは液漏れしない(あるいは液漏れしにくい)との主張をあちこちで見かけますが,実際は液漏れの報告はいくつもあり,中には相当酷い状態を報告しているものもあります[Cs2のマザーボードよりもCe2のマザーボードの方がコンデンサの実装密度が高く,液漏れも激しいとの指摘もあります(つねごんさんの2023年10月23日のツイート を参照)].比較的液漏れしにくいコンデンサが使用されているということはあるのかもしれませんが,長く使いたいのであれば過信は禁物でしょう.上のPC-9821Apの項で取り上げた "白パッケージのコンデンサは液漏れしないとの定説" と同様,認識を大きく改めるべき事項でしょう. 筆者追記2:製造番号の特に古いものではコンデンサが液漏れするが,新しいものでは,コンデンサの造りも改善され,またこの機種の筐体内のエアフローが良いこともあって,液漏れが起きにくくなっているとの推測もあります[おふがおさんの2021年3月1日のツイート(1・2)を参照]. 筆者追記3:Cs2のマザーボード G8QNJ は,G8QNJ A5B と G8QNJ A8・ で部品の配置が異なります[きょろサンチームさんの2021年12月18日のツイート(1・2)を参照]. 筆者追記4:G8QNJ(リビジョン不明)型番マザーボードの電解コンデンサのリストが,舐醤油??さんの2022年3月27日のツイート に掲載されています.またじゅんさまーさんの2022年5月23日(1・2・3)・24日のツイートに,G8QNJ(REV:A8・?)型番マザーボード,G8PYB(A9・?)・G8PRL(A4・?)・G8PRM(A7・?)各基板の電解コンデンサの耐圧と容量と個数のデータがあります. ■PC-9821Ce2 鴨 川 ネ ギさんの2021年3月24日のツイートにマザーボードの表面実装型電解コンデンサの資料があります.またじゅんさまーさんの2022年5月26日のツイート(1・2・3)に,PC-9821Ce2/T2D(1994年8月出荷)のG8PXW(B9・?)マザーボードとG8PXR(A3・?)・G8QBH(A3・?)・G8QPJ(A3・)各基板の電解コンデンサの耐圧と容量と個数のデータがあります.このマザーボードはCe2/S2ものとは異なるといいますが(じゅんさまーさんの2022年5月26日のツイート を参照),Ce2/S2でもG8PXW(67・)マザーボードを持つものが報告されています(Kazutora Nodaさんの2022年12月11日のツイート を参照). Ce2/S2(1994年1月出荷)のG8PXW B4Aマザーボードには 136-459825-A-01,Ce2/T2D(1994年8月出荷)のG8PXW B9・マザーボードには 136-459825-C-03 とある.136で始まる基板上の文字列は配線パターンの識別番号?[じゅんさまーさんの2023年10月1日のツイート (1・2)を参照]. Ce2のマザーボード(G9PXW)はCs2のもの(G8QNJ)と全く異なるといいます(じゅんさまーさんの2022年3月28日のツイート を参照).またG8PXQというCe2/S1専用のマザーボードもあるといいます(じゅんさまーさんの2023年10月1日のツイート を参照). ■PC-9821Cx おふがおさんの2021年1月23日のツイートにG8RXA A9・型番マザーボードの表面実装型電解コンデンサの資料があります.またYoutubeの動画,【Qハチ君#3】PC-9821Cxのマザーボードの大量のコンデンサを交換します【98MULTi CanBe / 四級塩電解コンデンサ】 の2分58秒-3分23秒,5分31秒-41秒,6分41秒-46秒,8分13秒-19秒あたりに黒色/白色パッケージのコンデンサの個数ならびに耐圧と容量のリストがありますが,この機体のコンデンサ(白色パッケージのもの?)は一部が前の持ち主により交換されていたようです. CxのマザーボードにはG8TAH(A2A)型番のもの(台湾製)もあり,G8RXA型番のものとは基板のレイアウトも搭載部品も異なります(リサイクル掲示板2022年11月過去ログの "汎用スレッド2022年11月 パート1" スレッド を参照). ■PC-9821Cx3/Cx13 じゅんさまーさんの2022年8月9日のツイート(1・2・3・4・5・6・7)に,1996年2月出荷のPC-9821Cx13/S7MのG8VXM B A1・型番マザーボードと各種サブボードのコンデンサ類の資料があります.なお2022年8月9日の二番目のツイートによれば,Cx13のマザーボードにはG8VXMの他にG8VJNがあり,基板の構成が異なるといいますが,Cx3のマザーボードにもG8VXMとG8VJNとがあり,Cx3,Cx13ともに両マザーボードで実装部品も異なるといいます[つねごんさんの2021年8月15日・2022年11月15日・18日(1・2)・20日 のツイート,じゅんさまーさんの2023年6月20日のツイート を参照]. ■PC-9821Cf おふがおさんの2021年7月24日のツイートにG8RZT A8B型番マザーボードとG8RXH A2・サブボードの電解コンデンサの一覧があります. 1994年10月製造のG8RZT A6C型番マザーボードでは,2個の16V-2200μFの電解コンデンサがありません(noconaさんの2022年7月7日のツイート を参照). ■PC-9821Cr13 きょろサンチームさんの2021年5月24日のツイート(1・2・3・4・5)にG8VYA A8・型番マザーボードの電解コンデンサの資料があります.なお本機の分解方法は,tirorinのページ --> NEC CanBe98Multi PC-9821Cr13/T model A 分解、HDD取り外し(2019年1月28日の記事) や W.I.S. Laboratory --> ハードウェア --> PC-9821Cr13 内蔵HDDユニットの交換 に掲載されています. また液晶パネルの分解方法が,きょろサンチームさんの2021年9月4日のツイート(1・2・3・4・5)で報告されています. VALUESTAR 電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますので載せておきます. 1995年以降発売のVALUESTARのWildcat機のマザーボードでも液漏れする電解コンデンサが使用されているとの報告があります(WIDENETさんの2022年4月26日のツイート を参照). 一般にVALUESTARは故障しにくいとのイメージを持たれているようですが,いわゆる流星/青札機のマザーボードは比較的故障が多いといいます.デジタルスイッチICやVALUESTAR専用のICの故障もあるといいます(つねごんさんの2022年9月6日・2023年1月16日(1・2)のツイートを参照). Fine ■PC-9821Es おふがおさんの2022年2月23日のツイート(1・2・3)に,G8RQKE B3A(136-550757-B-02),ETP770F PN38(808-891693-101-A),G8RQLE A3A(136-550758-A-01)の各基板の電解コンデンサの一覧があります. 手配線のジャンパ線が多く,基板上の部品構成も若干異なるマザーボード[G8RQK C5F(?)]もあります[ex709さんの2019年3月21日のツイート(1・2)を参照]. PC-H98 ■PC-H98S model8/U8 1991年11月製造分まではマザーボード上基板・下基板ともにPC-9801FAなどで使用されていたタイプの四級塩電解コンデンサは使用されていないといいます(noconaさんの2023年11月4日のツイート を参照).またこの機種では上下基板間の接合部分に問題がある可能性があるともいいいます(noconaさんの2023年11月6日のツイート を参照).上下基板の製造時期については,noconaさんの2023年11月4日のツイート を参照. ■PC-H98 model105/U105 マザーボード上に四級塩電解コンデンサは一個しかない.従って電源は入るもののピーと鳴り続けて起動しない故障の原因は,電解液による断線である可能性は低い.原因は恐らくオンボードのメモリチップの故障.これは1990年代に既にいくつか事例あり.基本的にメモリチップをすべて交換する必要がある[リサイクル掲示板2024年10月過去ログの "買い物ヤフオクX(旧ツイッター)ウォッチ2024年10月" スレッド を参照]. 9801ノート 2000年前後から,マザーボード上の電源回路部分にある小基板(DC/DC変換基板?)の電解コンデンサを1,2個交換することで,起動しない9801ノートが起動するようになるとの事例が相当数報告されており,それらの報告一部は現在でもWWW上で見ることができます(注).しかし現在では,起動しない9801ノートの多くの個体では,当該コンデンサ(これらの劣化による起動障害が真っ先に起きるケースが殆どと考えられます)以外の電解コンデンサの劣化や,それに起因する基板の損傷なども起きていると予想されるため,本記事では古い時代の報告に関しては紹介していません. 注:当該電解コンデンサは低ESR品ではないかと思われますが,記事にはその旨が書かれていなかったように思います.筆者自身それらの記事を見て電解コンデンサを交換したことがありますが(PC-9801NS/T),ESRを考慮してコンデンサを選んではいませんでした. ■PC-9801N noconaさんの2023年10月6日のツイートに,G8FLJ A6・型番マザーボードのPUD03,PUD04基板の電解コンデンサの一覧があります.ETHYLE~1.SYSさんの2023年4月15日のツイート も参照. ■PC-9801NV 無気力ジャンカーのブログ --> [ジャンク]PC-9801 ノート「PC-9801NV」の電源が入らない故障の修理を試みる(2013年6月8日の記事)に交換後のものを含めた電解コンデンサの一覧があります. ■PC-9801NL(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) 7台ほど修理を試みたものの成功例なし.それほど修理の困難な機種[てんまにちゃんさんの2022年9月23日のツイート(1・2)を参照].PC-9801NLとPC-9821Nxでは原因を特定できない故障が多い?(つねごんさんの2022年12月5日のツイート を参照). LEDがショートという故障が多い.他にロジックIC,スイッチング電源用MOS,ダイオードの故障,バッテリー付近の断線(つねごんさんの2022年9月23日のツイート を参照).別な機種ですが,NS/E,Nf,Nr三桁機,V三桁機(VALUESTAR)も液漏れによるパターン断線以外の原因による故障が多いといいます(つねごんさんの2023年11月8日のツイート を参照).そもそも<電源の入らないPC-9801ノートでコンデンサの交換で直らないものは,特有の構造上の問題もあって,修理難度が非常に高いといいます[つねごんさんの2023年11月11日・14日(1・2)のツイートを参照].同様に "正常動作はしないが電源は入った" と称して売られているPC-9801ノートも修理は困難といいます(つねごんさんの>20233年11月23日のツイート を参照).98ノートの修理を多数手がけておられる他の方々のツイートからも,PC-9801ノートの正常動作しないものを修理することは一般に大変困難と考えるべきであることが窺えます. ■PC-9801NS この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・日本ケミコン製SXFシリーズを代替できる現行品はLXVシリーズ,またSXEシリーズを代替できる現行品はKYシリーズないしLXVシリーズです. 筆者追記:SXF・SXEとも四級塩品.またKYは生産終了(実質的な後継はKYA/KYB?)[かおるさんの2021年5月17日のツイート(1・2・3)を参照].なおKYをRubycon製YXHで代替している例もあります(ちま??ちまさんの2021年10月12日のツイート を参照). |
■PC-9801NS/L(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) 非常に修理の困難な機種(yqkさんの2023年1月14日のツイート を参照).複数の個体の無事/修理可能な部分を組み合わせて一台を組み上げたという事例があります[おふがおさんの2023年7月7日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9801NS/E(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) DC/DC変換基板(PUD15?)の-22V出力が不安定な場合の対処法が,ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月7日(1・2)・2024年3月23日のツイートにあります.廃基板工作員さんの2024年5月17日のツイート と ETHYLE~1.SYSさんの同日のツイート も参照.またNEC製(?)のDC/DC変換基板の回路図が,ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月25日のツイート に掲載されています.またPC-9801NS/TのDC/DC変換基板の出力ピンもこれと同じ可能性があるといいます(ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月25日のツイート を参照).DC/DC変換基板については,廃基板工作員さんの2024年5月18日のツイート(1・2・3)も参照. つねごんさんの2021年10月20日・12月5日のツイート に,PC-9801NS/RやNS/Aの場合と異なり,電源の入らないNS/E,NS/T,NAはDC/DC変換基板のコンデンサを交換して一旦は電源が入るようになっても,しばらく使用すると再び電源が入らなくなる(電源基板の故障.原因は今のところ不明)との情報があります.NS/EかNS/Tに関してのものでしたが,同様の話は筆者も以前どこかで耳にした記憶があります.NS/シリーズ(Neも)では,本体内部の電源小基板のコンデンサに異常が発生すると遅かれ早かれマザーボードのどこかが破壊されて動作不能となるとの推測もあります[つねごんさんの2023年11月23日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9801NS/T 神鈴にけさんの2021年10月22日(1・2)・26日 のツイートに,G8KPA A11型番マザーボードの電解コンデンサの一覧と修理内容の説明があります.リサイクル掲示板の2002年8月24日まで過去ログの "電解コンデンサ劣化によるNS/T起動不能について" スレッド,廃基板工作員さんの2022年7月26日・11月19日 のツイートも参照.起動音に続いてピー音が鳴り続ける場合には,リセットICかメモリ関連基板の配線の断線の可能性があります(つねごんさんの2024年1月14日のツイート を参照). ■PC-9801NS/R この資料も試運転さんよりいただきました.またマザーボード(メインボード)のものについては筆者も後に確認しました. |
液晶ディスプレイモジュールのツメの位置です. |
正常動作時のマザーボード各部の電圧計測値が,yqkさんの2023年10月19日のツイート で報告されています. 14N1付近のパターンの断線の修理報告が,Kris Bleakleyさんの2019年8月8日のツイート にあります.これらのパターンはFDDのステッピングモータの制御信号のものといいます. DC-DC変換基板の故障箇所(?)については,つねごんさんの2023年5月2日のツイート を参照. ■PC-9801NS/A 筐体のツメの位置と形状です.個人的にはキーボードの手前の中央のもの(画像上段の中央の○の箇所)が難物だと思います. |
交換対象となる電解コンデンサです. |
電源まわりの端子間電圧測定結果が,yqkさんの2023年9月18日のツイート に掲載されています. ■PC-9801NL/R(電解コンデンサのデータではありませんが,修理に関する情報がが少ないため,断片的なものですが,筆者が見かけた情報を載せておきます) バッテリーがマザーボードから離れた位置に取り付けられており,バッテリーの液漏れによる被害は少ない(ELSさんの2024年9月22日のツイート を参照). ■PC-9801NA/C 神鈴にけさんの2021年11月14日・15日のツイートに,G8KQV A8B型番マザーボードの電解コンデンサの一覧があります. 待夢CX二さんの2023年7月22日のツイート に,マザーボードの内層パターンの画像があります.恐らくはこれを手掛かりにして修理が進んだとの報告もあります(待夢CX二さんの2023年7月27日のツイート を参照). メモリまわりのLSIの交換が必要なケースの報告もあります[待夢CX二さんの2023年8月13日(1・2)・15日のツイートを参照]. 雪下製作所【公式】さんの2021年4月7日のツイート によれば,PC-9801NAではこのツイートの画像にある部品(ノイズフィルターではないかと思います)の根元のハンダ(基板両面)が剥離しやすいといいます. 神鈴にけさんの2022年1月3日・4日のツイートによれば,PUD36 PN25(?)(808-891453-001-A)電源基板(これがDC/DC変換基板でしょうか)は故障が多く,これが故障するとTEXT VIDEO RAM ERRORが出るといいます. NA/C,NC,NX/C共通の問題.液晶パネルのバックライトへの電源供給に一枚目の画像下側のモジュールが使用されている機種では,バックライトの蛍光管が劣化して画面の黄色味が強くなっている場合,初回点灯時に異常な出力が発生し,電源基板[二枚目の画像では ETP750B CHG02 PN31(808-891619-001-A)]上のトランジスタが破壊される危険性があるといいます(ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月13日のツイート を参照). ■PC-9801NC(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年12月19日のツイート に,G8JUS A5CマザーボードのPC-9801NCの電源基板[PUD16(808-891253-001-a),PUD17(808-8981254-001-a)]の電圧値のデータがあります. メインメモリまわりの電解コンデンサのESRが高すぎる(か容量が不足している)と,赤文字でMEMORY ERRORが表示されるといいます[よしや((??))さんの2021年6月1日のツイート と つねごんさんの同日のツイート を参照]. 一瞬だけ電源が入るが起動しないのは,PUD-17(2/2)小基板のパターン剥離が原因である場合があります(けんけんさんの2022年8月6日のツイート を参照). ■PC-9801NX/C(電解コンデンサのデータではありませんが,修理時に交換したコンデンサ(チップコンデンサも含まれています)の基板上の位置に関する情報であって,他に本機種のコンデンサに関する資料を見つけることができていないこともあり,ここで紹介します) ヤフーオークションに出品されたPC-9801NX/Cの商品画像と説明文[aucfanに保存されたデータ(画像1・画像2・画像3・画像4)]に,交換したコンデンサ(チップコンデンサも含まれています)の基板上の位置(容量や型番等は記載なし)に関する情報があります. 9821ノート 98ノートの液晶パネルの四級塩電解コンデンサについては,JO2KVB移動運用記録 --> 4級塩電解コンデンサ交換 PC-98の液晶修理編(2009年7月10日の記事)も参照して下さい. ■PC-9821Ne この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・日本ケミコン製LXFシリーズを代替できる現行品はLXYシリーズですが,ルビコン製YXBシリーズは特性が明らかでないため,代替品は不明です. 筆者追記:YXBシリーズの代替品についてはPC-98/エプソン98互換機の電源ユニットの電解コンデンサを参照して下さい.また液晶パネルのインバータ基板(おふがおさんの2021年1月6日のツイートを参照)とトラックボールモジュール内部の基板(ETHYLE~1.SYSさんの2022年10月2日のツイート を参照)にも四級塩電解コンデンサがあります. |
FDDが使用できない場合,VFO回路周辺のスルーホールが断線しているケースがあるといいます(おふがおさんの2022年5月13日のツイート を参照).VFO IC(D71065G,両脇に発振子あり)は,左上の "メインボード上層・裏" の画像で2個の6.3V-22μFと4個の25V-22μFのコンデンサに挟まれた位置にありますが,これらのコンデンサが派手に液漏れするのでしょう. 電解コンデンサの液漏れにより.電源基板[PUD47(?) 808-891533-001 D38A2. MURATA HFP173YD010X1(DC/DC変換基板?)]上の100μHのインダクタ(コイル)が故障することがあるといいます[ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月26日・27日(1・2)・2024年4月3日のツイート,つねごんさんの2022年9月27日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9821Ne2 筐体のツメの位置と形状です. |
交換対象となる電解コンデンサです. |
ドータボードを支えるスペーサーや絶縁のためと思われる黒いプラスチックのシートが両面テープで基板に固定されていますが,接着剤の加水分解(?)によりその下の基板を損傷する可能性はないのでしょうか.なお今のところそのような報告は見つけられずにいます. この機種では,白パッケージの表面実装型の電解コンデンサが容量抜けを起こすために本体が起動しなくなるといいます(つねごんさんの2021年10月30日のツイート を参照).マザーボードの裏面に20μF程度の白色パッケージの電解コンデンサを強化(交換? 容量アップ?)しなければ,AM5x86-133MHzのCPUアクセラレータの継続使用により本体が起動しなくなる(つねごんさんの2022年8月2日のツイート を参照)という情報もこれに関連するものでしょうか.また故障しやすい箇所については,つねごんさんの2021年12月9日のツイート(1・2)を参照. PC-9821Ne2のTFT液晶パネルの偏光フィルムを貼り替えても画面が薄くしか表示されない場合には,可変抵抗を(交換用は10kΩのもの)が正しくハンダづけされているかをチェックするとよいといます[yqkさんの2021年4月28日(1・2)・5月2日(1・2)・7日・8日のツイート および つねごんさんの4月28日・5月8日のツイートを参照] PC-9821Ne2等のTFT液晶パネルである NEC NL6448AC30-10の裏側("品名 94BLM-10" のシールの貼られた側)の部品の張り替え報告が,yqkさんの2022年11月1日のツイートにあります. PC-9821Ne2のTFT液晶パネルの表示がちらつく場合,電解コンデンサを交換しても改善がみられなければ,パネル裏面の可変抵抗(VR101)を調整すると直ることがあるといいます[てんまにちゃんさんの2021年11月7日のツイート(1・2)を参照]. ■PC-9821Ne3 この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・PC-9821Ne3/3です.パナソニック製FA-AシリーズおよびHFQ-Aシリーズを代替できる現行品は,FC-Aシリーズです. |
キーボード下にあるDC/DC変換基板が電解コンデンサの使われているタイプであれば交換必須.液漏れによりダイオードが破壊されるといいます(つねごんさんの2023年1月5日のツイート を参照).漏れ出た電解液は基板裏面に達するといいます.この基板は現行の小型DC/DC基板に交換可能です(yqkさんの2023年8月30日・9月13日のツイートを参照). ACアダプタを接続してPOWER LEDが赤く点灯した状態で電源をオンにした際,CPU MODE High MEMORY 640 KB OK の表示が出るがビープ音が鳴り続け,一旦電源をオフにすると再度電源がオンにできない(POWER LEDは赤く点灯)場合には,充電制御ボード(CHG12)のIC3の破損が疑われるといいます[Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年12月9日のツイート(1・2)を参照]. 液晶ディスプレイモジュールの開け方のコツが,yqkさんの2023年7月3日のツイート に掲載されています. ■PC-9821Nm マザーボードは G8TBJ 1/2 B7B 136-550838-C-03 です.交換対象となる電解コンデンサです. |
この機種では,(くすんだ緑色ではなく)鮮やかな青色をしたものがビアやスルーホールの縁に盛り上がっていました.色からは電池類から漏れ出したもののようにも見えるのですが,バッテリーや内蔵電池は疾うに撤去済みであること,これは電解コンデンサの周囲の領域に見られ,一方でコンデンサから離れた基板の領域には見られないこと,98ノート用のHDDパック(ICM製の金属製密閉型ケースのPackシリーズのもの)に内蔵されている東芝製の2.5インチIDE HDD(MK2124FC)の制御基板(表面実装型のコンデンサが液漏れしていました)でも同じようなものを見たことがあることから,漏れ出した電解液が結晶のように固まったものかと考えてましたが,色や発生の状況からは納得し難いところがあります(注1・2).ICやチップ抵抗等の端子部分などが,本来の光沢を失い,カビが生えたような見かけとなっているのはこの機種でも同じでした. |
注1:PC-9821Nmにおける同じもの(でしょう)は,こあつーXEさんの2023年7月28日のツイート でも報告されており,また(恐らく)PC-9801NA/C(待夢CX二さんの2023年7月24日のツイート を参照),PC-9821Ne(おふがおさんの2021年1月28日のツイート を参照),Na12/H(Dさんの2021年10月23日のツイート を参照),Lt(ELS3softwereさんの2023年2月14日のツイート を参照),Nr13/D(ELS3softwereさんの2021年1月28日のツイート を参照.この例ではレジューム用Ni-MHも液漏れしています.漏れ出した液体が乾燥したものの色は件の結晶と同じように見え,また漏れ出した液体に近いスルーホールに結晶が付着しています.しかし結晶は漏れ出した液体から離れた音源ボード(808-876320-001-B)上にも発生しています),N5200 model 03N(? G8KJP 1/2 A3C)(katmaiさんの2021年5月20日のツイート を参照)でも確認されています.しかしN5200 model 03N(?)では液漏れするタイプの表面実装型電解コンデンサは実装されておらず,レジューム用の電池もないといいます[katmaiさんの2021年5月20日のツイート(1・2)を参照].機種は不明ですが,ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月12日のツイート の画像にも映っています. 注2:まりもさんより,硫酸銅か硝酸銅のような色合い(緑を含まない青)だが,漏れ出した電解液中の四級アンモニウム塩とビア/スルーホールの縁に露出した銅の反応による生成物[テトラアンミン銅(Ⅱ)?]ではないかとのコメントをいただきました.これが発生した箇所の銅がこれの分だけ減ってしまっているようです. 追記1:PC-980NS/Rのマザーボードでも同様の青い結晶の発生を確認しました.このNS/Rでは随分前に表面実装型の電解コンデンサをすべて交換してありましたが,基板貫通型のLFX(有名な四級塩電解コンデンサ)4個は未交換であり,これらが液漏れしていました.件の結晶はLFXから離れた位置(マザーボードの中央付近)を中心に広い領域で発生していましたが,マザーボードの周辺部分には全く見られず,またDC/DC変換基板等の小基板上おおよびに小基板に隠れる部分にも見られませんでした(小基板とマザーボードを繋ぐ部分には発生していました).この結晶が観察された筆者の98ノートはいずれもビネガーシンドロームを発症しており,液晶ディスプレイモジュールを閉じた状態で保管してありましたが,液晶パネル(の変質した接着剤?)から発生した酢酸ガス(?)もこの結晶の生成に関与しているということはないのでしょうか. 追記2:PC-386NOTE ARの液晶ディスプレイモジュールでのインバータ基板でも同様の結晶の発生を確認しました.この例だけを見れば,青い結晶の発生は電解コンデンサの液漏れが原因と考えてしまってもよいように思えます.周囲の部品に曇りや錆がみられるのは,液晶パネルのビネガーシンドロームにより発生したガスのためかもしれません.FDDの金具部分(特に金具の切断面とその隣接部)にも錆が発生していました. |
■PC-9821Ns きょろサンチームさんの2021年1月28日(1・2・3・4・5・6・7・8・9・10)・29日(1・2・3・4・5・6・7・8)のツイートに,分解方法と電解コンデンサの資料があります.28日のものがマザーボード,29日のものが液晶パネルに関するものです.グラフィックチップであるCL-GD5428が載った小基板の電解コンデンサに関しては,ex709さんの2021年9月7日のツイート にも資料があります. ■PC-9821Np きょろサンチームさんの2021年2月14日のツイート(1・2・3・4・5・6・7・8・9・10・11・12)にG8SHY A3A型番マザーボードとそのサブボード電解コンデンサの資料が,また2021年2月17日のツイート(1・2・3・4)に液晶パネルの分解方法,2021年2月23日のツイート(1・2・3・4・5・6・7)に液晶パネルの電解コンデンサの資料があります.また液晶パネルのヒューズについては,きょろサンチームさんの2021年3月24日のツイート(1・2・3) と つねごんさんの2021年3月7日(1・2)・8日のツイートを参照.Npと液晶パネルが同じEsの修理記事[ex709さんの2021年7月23日のツイート(1・2) と つねごんさんの同日のツイート(1・2・3)]も参照. PC-9821Npの液晶パネル修理時の注意点については,きょろサンチームさんの2021年3月6日(1・2)・7日(1・2・3・4・5・6・7・8・9・10)のツイート と つねごんさんの2021年3月6日(1・2・3)・7日(1・2・3・4・5・6・7・8・9)・8日のツイートを参照.画面表示が白一色となった場合にコンデンサ交換を行った後の基板各部の電圧測定結果は,yqkさんの2021年9月2日のツイート を参照[画面表示が白一色となる原因は,電解コンデンサ,レギュレータIC,可変抵抗値のズレなど複数ある(yqkさんの2023年11月27日(1・2)・30日のツイートを参照].画面が白一色でなく文字や画像がかすかに表示されるのは,電解コンデンサの液漏れによる基板のショートが原因ではなく,(液漏れによる)コンデンサの容量の減少が原因.コンデンサ交換後に可変抵抗を調整すると直ることがある(つねごんさんの2022年6月5日のツイート を参照).液晶パネルの電解コンデンサを交換して画面が表示されるようになった後に再度画面が白一色となった場合には,電解液が浸潤したセラミックコンデンサのショートによるヒューズ切れが疑われる(つねごんさんの2022年6月4日のツイート を参照). PC-9821Npで本体を揺さぶると動作しなくなるのは,ゴム部品[えふでぃ~1155でぃさんの2022年2月2日[1(画像)・2]・11日(画像1・画像2)・21日 のツイート,えふでぃの備忘録 --> 令和5年のPC-9821Np(故障事例)(2023年5月16日の記事)を参照]の加水分解のためにサブ基板がマザーボードのコネクタから外れているのが原因といいます(yqkさんの2021年8月4日のツイート を参照).このゴム部品がドロドロに溶けて基板上に広がってしまっている状態の画像は,ちまちまさんの2022年9月6日のツイート を参照.基板上で溶けたゴムはメタノールを使えば除去できるといいますが(noconaさんの2021年2月2日のツイートを参照),メタノールにはプラスチックへの攻撃性があります(noconaさんの2021年8月29日のツイート を参照).イソプロピルアルコール(IPA)の使用して除去したとの報告も見ましたが,メタノール,イソプロピルアルコール,エタノールといったアルコール系溶剤は,樹脂(記事の直接の対象はアクリル樹脂)にクラックを発生させやすいことを知っておく必要がありそうです[三協化学株式会社のウェブページのIPAについて(2017年5月16日の記事)を参照].溶けたゴムはフラックスクリーナーでも除去できのかもしれません(Hirofumi Iwasaki / 岩崎浩文さんの2020年7月9日のツイート を参照).なお基板上で溶けたゴムは膨張時にハンダクラックを生じさせることがあり,また誘電率が高いため寄生容量が発生し,センシティブな回路ではその容量成分が邪魔をして動作しなくなるケースもあるといいます[きょろサンチームさんの2021年4月15日のツイート(1・2・3) と つねごんさんの同日のツイート(1・2)を参照]. PC-9821Npなどの液晶ディスプレイパネルである NL6448AC30-09 は,分解時に画像にある四角い部品が取れてしまいやすいといいます(えふでぃ~さんの2022年5月15日のツイート を参照). ■PC-9821Nx(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) 原因を特定できない故障が多い(つねごんさんの2022年12月5日のツイート を参照). yqkさんの2024年4月17日のツイート に,DC/DC変換基板の修理?代替?(筆者はこの機種を所有していないため不明)の画像が掲載されています. 次第に起動しなくなる問題に関する情報(yqkさんの2024年3月27日のツイート). ■PC-9821Nb7 この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・写真では見えませんが,画像上側のマザー下層部分にあるDC/DCコンバータの下側に表面実装型の電解コンデンサ(筆者注)が隠れているため,交換するとなるとかなり面倒な事になりそうです. |
筆者注:NbのDC/DC変換基板の下の電解コンデンサは四級塩品とのことです(第三研究所@TRISSさんの2020年6月17日のツイートを参照).これがないNb7も確認しています.動作品であったとのことで,元々ここに電解コンデンサが実装されていなかった個体なのは間違いありません(リサイクル掲示板2023年8月過去ログの "汎用スレッド2024年6月" スレッド を参照). Nbの電解コンデンサについては,てんまにちゃんさんの2022年2月18日のツイート(1・2)も参照. Nbは(恐らく)品質基準を犠牲にして基板の小型高密度化をした結果,突然死や原因不明の故障が起きやすくなってしまっているようです[つねごんさんの2022年9月5日(1・2・3・4・5)・6日のツイートを参照]. Nb7(/5・/C81,/Dのいずれかは不明.両者とも10.4インチ液晶パネルなので枠部分は共通?)の液晶ディスプレイモジュールのツメの位置に関する情報が,Dさんの2023年1月31日のツイート と リサイクル掲示板2023年1月過去ログの "FD1238Tのベルト交換" スレッド にあります. ■PC-9821Na9 わんくんさんの2022年3月25日のツイートに二階建て構造のマザーボード[下側基板 G8VM(以下判読不可能),上側基板 G8VMM ■D9C(E?) 136-551596-D-04]のコンデンサの資料があります. Flyingharukaさんの2023年7月13日のツイート に,赤文字で表示される MEMORY ERROR の原因の一つはBANK0用のメモリチップかその周辺の故障との情報があります.つねごんさんの2023年8月5日のツイート も参照.G8WGZ(Na12,Na13)ではレイアウトが少し異なります(ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月6日のツイート を参照). ■PC-9821Na族一般[電解コンデンサのデータではなく,未整理のため雑然としていますが,このグループのマザーボードと液晶パネルの修理(ビネガーシンドロームに関する情報はPC-98 tips集のディスプレイ関連の項を参照)に関する情報が増えてきましたので,一旦ここに載せておきます.液晶パネルとマザーボードとの対応については,PC-98で採用されている液晶パネルの型番も参照].この機種群固有のFDDまわりの不具合についてはPC-98 tips集のFD・FDD関連関連の項を参照 ちまちまさんの2021年10月23日のツイート(1・2)に,PC-9821Na7/Na12の筐体のツメの位置に関する資料があります. Y8Lさんの2023年11月2日のツイート の画像にある箇所(レジューム電池の真下?)がレジューム用電池の液漏れにより損傷された場合,修理はまず不可能(つねごんさんの同日のツイート を参照.PC-9801NS/Aでも同様とのこと). PC-9821Naにおいて,バッテリー無しの状態で "SET THE SOFTWARE DIP-SWITCH" のメッセージが表示されるのは,内蔵電池の液漏れによりその下の基板が損傷している場合に多いといいます(yqkさんの2021年10月18日のツイート を参照). PC-9821Na12で "KANJI CG RAM ERROR" あるいは "SET THE SOFTWARE DIP-SWITCH" のメッセージが表示される場合には,下側基板の線で囲まれた領域ビアを清掃すればメッセージが表示されなくなる場合があるといいます(yqkさんの2022年6月1日のツイート を参照). PC-9821Na12/Hで電源が入らず,電源スイッチを押しながらACアダプタを接続するとバッテリーチャージランプが点きっ放しになる故障は,内部のDC/DC変換基板の故障が原因であることが多く,DC/DC変換基板上の電解コンデンサから漏れ出した電解液により基板裏面の部品とパターンが損傷するため,単に電解コンデンサを交換しただけでは直らないといいます[Dさんの2021年10月23日のツイート と つねごんさんの2021年10月23日(1・2)のツイート を参照]. PC-9821Na7で,電源スイッチを押して通電させた場合(ACアダプタを接続した場合?)に通電ランプは光るものの起動はせず,押さずに通電させると通電ランプが点灯するもののすぐ消灯するという故障の原因は,DC/DC変換基板裏面の電源ICとその周辺の損傷であることが多いといいます[アリゾナ@2205??さんの2021年10月24日のツイート(1・2・3) と つねごんさんの同日のツイート(1・2・3)を参照]. ※直上のDさんのツイートにある故障と同様(同一?)の内容なのかもしれませんが,筆者には判断がつきませんので別掲しました. DC/DC変換基板の液漏れしている電解コンデンサを交換せずに使用を続けると,ICが破壊されPC本体の電源が入らなくなる.こうなってしまったNaを復活させることは困難.(つねごんさんの2024年9月28日のツイート を参照). PC-9821Na7のDC/DC変換基板(注1・2)が電解液で汚れている場合,基板上のパーツを取り外した上で電解液を除去する必要があります[アリゾナ@2205??さんの2021年11月9日のツイート と Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの同日のツイート(1・2・3)を参照].これはこの機種のこの基板に限った話ではないでしょう.Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年12月15日のツイート には,98ノートのDC/DC変換基板が漏れ出した電解液で汚損されている場合,基板上の隙間(部品と基板の間など)に流れ込んだ電解液による短絡が生じている可能性が高いともあります.さらにこのこと自体もDC/DC変換基板に限った話ではないと思いますが.最後のツイートは,98ノートのDC/DC変換基板の修理の際に特に見落としがちな事項であるとして注意喚起を行ったものと理解すべきでしょう.このDC/DC変換基板はコネクタを介してマザーボードに接続されているのではなく,マザーボードに直接ハンダづけされているものですが,このハンダを外して基板を分離後に清掃作業を行うべきとの意見もあります(じゅんさまーさんの2022年3月27日のツイート を参照).なおこのDC/DC変換基板の裏面を洗浄しても故障が直らないこともあるといいます(yqkさんの2022年3月27日のツイート を参照).DC/DC変換基板の実際の修理の様子が,Youtubeの動画,【PC-98】NEC PC-9821 Na9 修理・コンデンサ交換 / ジャンク にあります. 注1:PUD66A(808-891801-00 2)[のびっこサンチームさんの2022年1月9日のツイート(1・2)を参照].PC-9821Na9とNa12/Hのものも同じ(わんくんさんの2022年3月27日・5月17日 のツイートを参照). 注2:この基板は現在では例外なしに電解液により汚損・損傷されていると覚悟すべきでしょう.新規購入後の動作確認時には必要以上に通電せず,動作確認が済み次第修理に取り掛かる必要がありそうです(ELS3softwereさんの2023年3月5日のツイート を参照). DC/DC変換基板上の47の文字のある黒い箱形のコンデンサも液漏れします(ELSさんの2023年7月9日のツイート,リサイクル掲示板2023年7月過去ログの "98システム解析スレッド2023年7月" スレッド を参照). コンデンサを交換しただけでは直らないPC-9821Na7は,市販のDC/DCコンバータでバイパスして3.3Vを供給すると復活するといいます[yqkさんの2021年3月1日・2日・7日のツイート,つねごんさんの2021年3月2日(1・2)・7日のツイートを参照].これは直上の三つの事項と関連する情報かもしれません.yqkさんの2021年11月24日のツイート と 98ノート/ラップトップのACアダプタ の PC-9821NA-U01(ADP73) の項も参照. DC/DC変換基板上のパワーMOSFET(IRFS3006)は元々十分な放熱性を持っておらず,周囲も熱の籠もる場所?(わんくんさんの2022年4月12日・15日のツイートを参照). PC-9821NA-U01対応機種の内部の高圧回路の解析結果とDC/DC変換基板の代替品に関する情報が,yqkさんの2020年11月12日・2021年3月1日・11月23日・24日・27日・28日(1・2)・30日・12月17日・31日・2022年1月5日・11日・20日のツイートに掲載されています.DC/DC変換基板の配線については,わんくんさんの2022年4月11日・12日のツイート,yqkさんの2022年5月18日のツイート も参照.またETHYLE~1.SYSさんの2022年10月8日のツイート(1・2・3)と yqkさんの同日のツイート も参照. バッテリーチャージランプは点灯するものの本体が起動しない場合,バッテリー充電制御サブ基板(PUD66Aでなく,PN45 CHG14,P/N 808-891811-001-A でしょう)を交換するとよいといいます(yqkさんの2022年3月27日のツイート を参照).起動しない原因がこれの裏面の2つの電解コンデンサ(C5,C6)の劣化であることも多いといいます[のびっこサンチームさんの2022年4月1日のツイート(1・2)と わんくんさんの同日のツイート を参照]. 電源ランプが緑色に点灯するもののメモリカウントも起動音もしないケースで,コイン電池の交換で復活する例あり(yqkさんの2024年3月6日のツイート を参照).つねごんさんの同日のツイート も参照. PC-9821Na7/Na9/Na12の液晶ディスプレイパネルである NL8060AC26-02,NL8060AC26-05(注)の裏面のフレキシブルケーブルは強度が低く破損しやすいといいます(のびっこサンチームさんの2022年5月25日のツイート を参照)."ファンレスタイプ" のNa12とは /H なのか /S なのか筆者にはわかりませんが,後者であれば NL8060BC31-01 も該当することになるでしょうか.NL8060AC26-02のフレキシブルケーブルの破損については,yqkさんの2022年8月10日のツイート(1・2)と てんまにちゃんさんの同日のツイート も参照. ビネガーシンドロームを発症したPC-9821Na12/SとNa13/Hの液晶ディスプレイモジュールのバックライト(インバータ)基板[INV22(INVC393)]はヒューズ(CP1)が切れているといいます(ELS3softwereさんの2023年3月9日のツイート を参照). PC-9821Na9/H8とNa12/H8ではマザーボード上のコンデンサが一箇所異なる場合があります(わんくんさんの2022年5月22日・6月18日のツイートを参照). 液晶パネルの種類の異なるNa13/C10とNa13/H10では,マザーボードのチップ抵抗の位置が一箇所異なる[とうふさんの2023年11月25日のツイート(1・2),てんまにちゃんさんの2023年11月26日のツイート を参照].とうふさんの2023年11月26日のツイート(1・2・3・4)も参照.ETHYLE~1.SYSさんの2024年3月6日のツイート も参照. 長期間使用していないNa族では,電源投入時に画面中央に横倍角文字(?)で "シテデスをッしくさ" と表示されますが,これ自体は故障ではありません[てんまにちゃんさんの2022年8月16日のツイート(1・2・3)を参照]. 直前まで動作していたNa族が突然動作しなくなった場合には,電源ボタンの接触不良を疑う必要もあります[のびっこさんの2022年8月21日のツイート,つねごんさんの同日のツイート(1・2)を参照]. Naで起動時のメモリカウントが横倍角文字で表示される不具合は,通常 [Ctrl]+[shift] キーを押しながら再起動(ノート機でのメモリスイッチの初期化方法)で直るようですが,これで直らなければ一枚目と二枚目のマザーボードの間のコネクタが接触不良を起こしている場合もあるといいます(つねごんさんの2024年7月13日のツイートを参照). DATE/TIMEコマンド当により日時の設定を行ってもコイン電池を交換して日時の設定が狂うというケースで,発振子とカレンダIC(μPD4993A)を交換しても症状の改善がみられなかったとの事例あり(yqkさんの2024年10月3日のツイート を参照). ■PC-9821Nr族(電解コンデンサのデータではなく,未整理のため雑然としていますが,マザーボードの修理に関連すると思われる情報をここに載せておきます) つねごんさんの2022年2月22日のツイート(1・2・3・4)に,PC-9821Nr15のマザーボードの種類に関する情報があります. PC-9821Nr150/XのマザーボードはPC-9821Nr166/Xのものと同じ(Dさんの2023年9月15日のツイート を参照). スライド式電源スイッチを持つ初期型PC-9821Nrには,DC/DC変換基板のコンデンサの劣化により供給電力が不安定となるロットが存在(つねごんさんの2022年2月2日・3日のツイートを参照). 後期型PC-9821Nrではグラフィックチップのハンダにクラックが入りやすい(つねごんさんの2022年1月6日のツイート を参照). 動作不良のPC-9821Nrでは,上側の基板に付いている黒い絶縁シートにレジューム用電池から漏れ出した導電性のある電解液が染み込んでいることが多い(てんまにちゃんさんの2021年11月7日のツイート を参照).これはつねごんさんの2022年9月1日のツイート にある "黒いプラスチックカバー" とは別物でしょうか. PC-9821Nrの基板裏の黒い絶縁シートがなければ,基板がFDDユニットの金属部分とショートする(のびっこサンチームさんの2022年6月10日のツイート を参照). 実際問題として,故障したPC-9821Nrの後期型やNwは修理の成功率が低い(つねごんさんの2022年8月29日のツイート を参照).Nw以前と以後の機種で壊れ方が全く異なり,多彩な故障(?)や突然死も起きる.黄色の四角いタンタルコンデンサのショートも起きる[つねごんさんの2022年9月4日(1・2)・5日(1・2・3)のツイートを参照].NbやLsと同様,品質基準を落として基板の小型高密度化をしたためか[つねごんさんの2022年9月5日のツイート(1・2)を参照]. PC-9821Nrxxxは(熱のために?)グラフィックチップが故障しやすい(つねごんさんの2022年10月11日のツイート を参照). サブボードが接触不良だとFM音源が鳴らないことがある(つねごんさんの2024年3月15日のツイート を参照). ■PC-9821Nw族(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) つねごんさんの2021年10月17日のツイート に,Nwは(レジューム用)電池の液漏れのためにかなりの割合で基板がダメージを受けているとの情報があります. ■PC-9821Lt 交換対象となる電解コンデンサです. |
基板に絶縁のためと思われるビニールテープや黒い布テープが貼られていますが,接着剤の加水分解(?)によりその下の基板を損傷する可能性はないのでしょうか.なお今のところそのような報告は見つけられずにいます. 過電流により保護機能が働いた(?)NEC NL6448AC30-12(品名 94BLM-12,PC-9821Lt/Lt2/La10/5・/8で採用されている液晶パネル)の修理に関する情報が,ETHYLE~1.SYSさんの2024年8月9日のツイート に掲載されています. ■PC-9821La13(電解コンデンサのデータではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) どるこむの過去ログ,[12330] La13のFDD に,La13のマザーボードにはBIOSやハードウェア構成の異なるものが何種類かあるらしく,複数の個体の部品を組み合わせた場合に何らかの不具合が発生する場合があるとの情報があります. エプソン98互換デスクトップ ■PC-286VE(電解コンデンサのデータではありませんが,本機種や兄弟機種の修理を行う際に有用な情報と考えるためここに載せておきます) なおさんの2022年12月15日のツイート に,マザーボード上のデータバスとアドレスバスの結線状態(?)に関する資料があります. ■PC-286VG(電解コンデンサのデータではありませんが,本機種や兄弟機種の修理を行う際に有用な情報ですのでここに載せておきます) 廃基板工作員さんの2022年10月25日のツイート(1・2)で,いくつかの故障や基板の損傷に対する修理例が報告されています. ■PC-386GE2 この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・マザーボード側の電解コンデンサはPanasonic製SUに統一されています.Panasonicの電子デバイスのサイトで検索しても,今は有極性のSU自体が生産終息品の項目を含め出て来なくなっていますが(両極性のSUは出てきます),Internet Archiveに保存されている過去のページを漁ると,代替できる現行品はM-Aシリーズのようです(もっともM-Aも2019年5月現在生産終了予定のようですが). |
■PC-486SE/SR るるさんの2021年10月28日のツイート に,1699MA Board(UNIT 201404900)と 1699LS-Board(UNIT 201157700)の電解コンデンサの一覧があります. 短いビープ音が2回鳴り[このエラー音自体は "メインRAMの異常" を示すもの]画面出力がないという故障は,Cバスライザボード近くの電解コンデンサ(C180:16V-100μF)の液漏れによるパターンの損傷によるものであったとの事例報告があります[いぐろまさよしさんの2021年9月3日のツイート(1・2・3・4・5・6・7・8)を参照]. なお筆者は,この機種と同時期に発売された内蔵RAMベースボードのPCRB01でも基板上の電解コンデンサが液漏れすることを確認しています.また少し後に発売されたPC-486H族のPCIバス用グラフィックアクセラレータであるPCPKB5とその増設VRAMボードのPCKBZM21でも,コンデンサの液漏れがみられるといいます[PCPKB4とPCKBZM31の外観(付:PC-486H族用セカンドキャッシュ,PCPKB5,PCKBZM21,PCSKB,PCSKB4,PCSKB5,Power Window T64EL,WAB-EP,WAP-2EP,WAP-4EPの外観) を参照].さらにエプソン98互換機の内蔵FDD(エプソン98互換機本体-内蔵FDD対応表 を参照)や電源ユニットに使用されている電解コンデンサにも液漏れするものが確認されており,エプソン98互換機でも四級塩電解コンデンサの液漏れにより故障が起きうるとの認識が必要です. ■PC-486HX Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年11月25日のツイートに, UNIT 201392600 1895IO Board の電解コンデンサの一覧があります.電解コンデンサはすべて基板貫通型(基板自立型,ラジアルリード型)で,全部かどうかは不明ですが,松下製SUの文字が見えます(Flyingharuka@Genshin中国鯖さんの2021年11月25日のツイート を参照). ■PC-486MU るるさんの2022年2月22日のツイート に,1905MB Board(UNIT 201616000,P-201580600)の電解コンデンサの一覧があります. PC-486MVのマザーボードも1905MB Boardですが,P-201580601(UNIT 201764800)となっており,基板も一部異なっていますが(hitoさんの2022年2月23日のツイート を参照),同時にエプソン98互換機は同一機種であってもロットによる基板の違いが大きいことも知られています. ■PC-586RV るるさんの2022年2月27日のツイート に,1951MB Board(UNIT 20177400,P-201677900)の電解コンデンサの一覧があります. ■PC-586RX この機種でも四級塩電解コンデンサが実際に使用されているかどうかは不明ですが,本体の音声出力へのディジタルノイズの混入が激しかったので10年ほど前にコンデンサの交換を行いました.しかし肝心のノイズ混入の問題はコンデンサ交換後も改善しませんでした.どうもそういう機種のようです. |
マザーボードの右下隅から伸びでいるケーブルは,筆者が5インチFDDを内蔵させるために取り付けたもので(PC-586RXに5インチFDDを内蔵 を参照),最初から付いていたたものではありません. 45個ある電解コンデンサはすべて基板貫通型であり,液漏れは認められませんでした. マザーボード中央右端の,二つある10V-220μFのものは並列接続されています.下側のものが上側のもののリード線に後付けで継ぎ足されています.マザーボード中央付近の10V-220μFのものも後付けされています. この586RXは他にも筆者による様々な素人改造が施されており,異常動作が発生した場合の原因の切り分けが困難なのですが,幸いこれまでのところ不具合は発生していません. エプソン98互換ノート/ラップトップ/BOOK ■PC-286BOOK UME-3さんのファイル置き場(?)のPC-286BOOKのACアダプタ/電源の電解コンデンサ一覧 に本体電源部(SEIKO EPSON CORP. MODEL NJD-2728 Y.NO. Y710501000 MFG Nagano Japan Radio Co. Ltd)の電解コンデンサの一覧があります.なお本機の分解方法は,有限会社フェイスライブス --> Tips --> ★ 未整理 ★ EPSON PC-286BOOK 解体新書 を参照して下さい. また,でじれぽ --> EPSON PC-286 BOOK 起動しないので電源修理(2011年5月29日の記事)と UME-3さんの2022年12月28日・2023年1月8日(1・2)・14日・15日のツイートに,本体電源基板の電解コンデンサの液漏れの様子とコンデンサ交換の様子の画像があります.なお同じBOOKであるPC-386BOOK Lの電源基板のコンデンサも液漏れし,本体内部の基板を広く損傷します(PC-386BOOK Lの項を参照). ■PC-386NOTE W(PC386NW2) この資料も試運転さんよりいただきました. 試運転さんのコメントです: ・電解コン自体は四級塩なのか正確には判別できませんでしたが,Panasonic製電解コンはシリーズ名にHF*と付く場合は四級塩の可能性が高い事,FDDの方は表面実装の電解コンが派手に液漏れしていましたので,かなり疑わしいと思います. NHEシリーズを代替できる現行品は,NHGシリーズ,HFQ,HFZシリーズを代替できる現行品はFCシリーズです.HFSシリーズはよく分かりません. |
■PC-386NOTE WR きょろサンチームさんの2022年6月6日のツイート(1・2・3)にマザーボードと電源基板の電解コンデンサの一覧があります.液晶パネルの分解方法と内部の電解コンデンサについては,きょろサンチームさんの2022年6月6日のツイート(1・2・3・4・5),おふがおさんの同日のツイート を参照.バックライトのちらつきについては,おふがおさんの2022年6月6日のツイート(1・2)を参照. PC-386NOTE WRのマザーボードの画像はきょろサンチームさんの2022年6月6日のツイート にありますが,上のPC-386NOTE Wのものとよく似ていますので,以下これに拠って説明します.HDDを内蔵したモデルであるPC386NW1Bでは,右下のメインボードの画像で縦に並んでいる黄丸と青丸の間の2個のコネクタにHDD I/F基板(0660HD BOARD)が装着されていますが,これには面実装型の電解コンデンサが4個(16V-47μFのものが3個,残り1個は耐圧・容量ともに不明)取り付けられています(おふがおさんの2022年5月24日のツイート を参照). ■PC-386BOOK L おふがおさんの2021年3月20日・22日(1・2)のツイートに電解コンデンサの一覧があります.電源基板のものは殆どすべて液漏れし,他の基板のものにも酷い液漏れが見られるといいます.なお本機の分解方法は,有限会社フェイスライブス --> Tips --> ★ 未整理 ★ PC-386BOOK L解体新書 を参照して下さい. ■PC-386NOTE AR PC-386NOTE AR2で使用されている電解コンデンサです.液晶パネルのものは調べていません.1745IO-Board裏面と1745CM Board表の電解コンデンサは,前の持ち主により交換されていたため(しかしPC本体は起動しませんでした),元々取り付けられていたものの耐圧や容量は不明です.1745IO-Boardの最も背面側の16V-47μFの電解コンデンサの右隣に,C79という面実装型コンデンサ用のパターンがありますが,コンデンサは実装されていません.電解コンデンサの液漏れが酷い例も報告されています[福田卓也さんの2021年4月7日のツイート(1・2)を参照]. |
■PC-486NOTE AS PC-486NOTE AS2で使用されている電解コンデンサです.液晶パネルのものは調べていません.画像の個体では目視での液漏れは確認されませんでしたが,液漏れの著しいケースも報告されています(福田卓也さんの2021年5月22日・12月23日のツイートを参照).SMD-1100の電解コンデンサはいずれも基板貫通型です.なおCPUモジュールとSIMMが装着される1831MR Board(P-201116201,UNIT 201222800)は,下記のPC-486NOTE AU/AVの1902MR-Board(P-201481501 L4)とは別物です.本機の分解方法は,有限会社フェイスライブス --> Tips --> ★ 未整理 ★ PC-486NOTE AS解体新書 を参照して下さい. 追記:恐らくバッテリーと内蔵電池の液漏れによるであろう基板の損傷の修理事例が,ETHYLE~1.SYSさんの2021年12月21日・23日・24日(1・2)のツイートで報告されています.この種の修理報告の常ですが,この事例でも画像を見るだけでげっそりします. |
PC-486NOTE ASの "持病" であるVRAMの故障については,PC-486M族のBIOSエラーとPC-486NOTE ASのVRAMエラー を参照して下さい. ■PC-486NOTE AU/AV(電解コンデンサのリストではありませんが,修理の際に有用な情報と考えますのでここに載せておきます) ETHYLE~1.SYSさんの2023年4月11日のツイート に,CPUモジュールとSIMMが装着される1902MR-Board(P-201481501 L4)のマザーボートとの接続用コネクタ近くのコンデンサの液漏れによる基板損傷箇所をジャンパ線により修復した画像が掲載されています. PC-486NOTE AUとPC-486NOTE AVのマザーボードは共通といいます[重整備の詳細 & Technical waste --> PC-486NOTE AVの各モジュールやこのシリーズの部品(2019年8月6日の記事)を参照].同様の情報は以前もどこかで見た記憶がありますが,この記事には画像も多数掲載されています. ■PC-486NOTE AT/PC-586NOTE AT(電解コンデンサのデータではありませんが,液晶ディスプレイモジュールの分解方法に関する情報のためここで紹介します) wildcat_300104さんの2020年1月22日のツイート に,液晶ディスプレイモジュールの分解の仕方が掲載されています.X68PROさんの2024年9月16日のツイート も参照. |