エプソン98互換デスクトップ機のキーボード


エプソン98互換デスクトップ機に付属していたキーボードの一覧です.PC-98デスクトップ機に付属していたキーボードの一覧は,JUNK BOX 別館 --> PC Accessory (NEC Keyboard) や nkmm the Metal --> PC-98 Keyboard を参照.


下はエプソン98互換機に関する古いBBSから収集したキーボードに関する情報に筆者が情報を追加したものです.

・すべてのキーボードでコネクタ嵌合面の形状は同一です.また98互換デスクトップ機に付属していたキーボードですので,一般的なPC-98デスクトップ機に付属していたキーボードと基本的な機能は同じで(Windowsキーなどはありません),相互に交換使用することもできます.勿論本来付属していたPC本体以外のPCに接続して使用することも可能です.

・キーは,PC286KBが板バネ接点式,また本当の意味でのメカニカルスイッチはPCKB6とPCKB7のものだけで,他のキーボードではラバードーム式(メンブレン式)です.PCKB8,PCKB9,PCKB10は高見澤製作所(現富士通コンポーネント)製です.PCKB8,PCKB9,PCKB10が不調な場合,内部のフィルム基板同士が貼り付いていることがあります(EPSON 98互換機 Part7の149-150番の投稿を参照).対処法はつねごんさんの2023年12月19日のツイート(12)を参照.

・PCKB5?より前では [CAPS] キーと [カナ] キーは機械式ロックです.

・PC286KB3とPCKB5以外はストロークが割に深めといいます.個人的には,PC286KB2はストロークがかなり深く,打鍵感もかなり重いキーボードでした.

・PCKB7はキー自体が嵩上げされていて,キーの列が反っているといいます(筆者は実物を見たことがないため,これがどのような状態なのかわかりません).数字キーが高すぎるとの感想もあります.PCKB7はPCKB6にVFキーを加えたものともいいます.

・PCKB8とPCKB9は基本的に同じ構成ですが,上部のカバーが前者では2枚構成で,後者は1枚です.またキーの同時押しや押しっ放し時のキーボード内部での処理が異なる(使用感は同じ)といいます.

・PCKB8,PCKB9,PCKB10と新しくなるにつれ部品点数が減らされ,重量が減って打鍵感もより軽くなりました.PCKB10ではPCKB9よりラバーが柔らかく,また裏打ちが鉄板から外板と一体化されたプラスチックに変更されているため,知らないと持ち上げた時にその軽さに驚く程です.

・PCKB8やPCKB10等のキートップは垂直に引き上げて外します(EPSON 98互換機 Part6の949・951番の投稿を参照).なおこれらの型番のキーボードのジャンク品では,一部のキートップが失われているものを多く見るように思いますが,キートップの互換性については資料がなく不明です.

・PCKB7とPCKB8はPC-98のWindows2000で動作するとの報告があります(他のキーボードはWindows2000で動作しないとの報告ではありません).

・PC286KB-PCKB9のケーブルにはカール部分があり,また本体接続用コネクタはL字型です(PC-98のRDFキーボードなどと同様).PCKB10のケーブルのみカール部分がなく,また本体接続用コネクタはストレートです(MATE-AやFellow以降のPC-98のキーボードと同様).

・打鍵感には個人の好みが出ると思いますが,PCKB7やPCKB8を高く評価する人が多いようです(筆者もPCKB8の打鍵感が好きです).一方で筆者にはキーが重すぎると感じられるPC286KB2や,逆に軽すぎると感じられるPCKB10を好む人もいます.


以下に示す画像のキーボードの色は,紫外線などが原因の経年変化を被っている上,撮影条件の影響や引用時に施した加工の影響も受けています.従って実物の色は画像の通りとは限らず,現存するものでは色の個体差が大きいと考えられます.また今のところ付属していたキーボードが不明なPC本体は,PC-286/VS/VX/VJ,PC-386/P,PRO-486です.これらの機種に付属していたキーボードも,発売時期からある程度見当が付けられそうにも思いますが,ワンオーナーであることがはっきりしている品や,元箱入りの品の画像などの資料で確認できない限りは断定を控えます.なお筆者が実際に使ったことがあると断言できるキーボードは,PC-286KB2,PCKB6,PCKB8,PCKB9,PCKB10であり,他の型番のものは恐らく実物を見たことすらないと思います.

各キーボドとも,型番の記されたラベルは裏面にあります.判別はこのラベルによるものが確実です.また裏面には傾斜角度を調整するための足(チルトスタンド)もついていますが,これは型番により形状が異なります(画像を参照).


■PC286KB
 付属していたPC本体はPC-286MODEL 0です(注).[CAPS] キーと [カナ] キーに,ロック時に点灯する四角いLED窓(?)があります.ヤフーオークションで出品者IDが bahram_yasutoshi,オークションIDが q298277641(2019年7月11日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小しガンマ補正値を上げたもの(左)と,ヤフーオークションで出品者IDが yuaqo70799,オークションIDが w1081368933(2023年6月21日に落札)の出品物画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げたもの(右)とを併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.
  注:資料によっては,PC-286MODEL 0に付属していたキーボードをPC286KB2としているものもあります.



■PC286KB2
 付属していたPC本体はPC-286V/VE/VFです.[CAPS] キーと [カナ] キーにLED窓はありません.筆者は本キーボードの実物を所有していますが,あまりに黄ばみが酷くまた投棄時に生じたと思われる抉れた傷もあって見映えが非常に悪いため,ここではヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが t636310600(2019年11月4日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PC286KB3
 付属していたPC本体はPC-286U/US(注)とする資料があります. [CAPS] キーと [カナ] キーに丸いLED窓があります.[BS] キーと [INS] キーの間にスペースがなくなっています.また [DEL] キーと [HOME/CLR] キーの間のスペースも狭くなっています.ヤフーオークションで出品者IDが qopbw12434,オークションIDが s1059531177(2022年9月2日に落札)の出品物画像から切り出して1/3に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.
  注:PC-286USに付属していたキーボードをPCKB5とする資料もあります.



■PCKB4
 付属していたPC本体はPC-286VG,PC-386V(注)/VRのようです.[CAPS] キーと [カナ] キーにLED窓がありません.[BS] キーと [INS] キー,[DEL] キーと [HOME/CLR] キーの間のスペースが再び広くなっています.中身はPC286KB2と全く同じといい,PC286KB2との違いは右上にあるEPSONの文字列の色(PC286KB2のものの方がより黒い)だけなのかもしれません.ヤフーオークションで出品者が Family2000,オークションIDが r1089514058(2023年3月25日に終了予定)の出品物画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げてjpg形式に再変換した画像を引用します.
  注:PC-386VにはPCKB5が付属していたとする資料もあります.



■PCKB5
 付属していたPC本体はPC-286USとする資料があり,一方でPC-286UXのみとする資料もありますます(いずれも本体発売時期を考えるとやや疑問です).[CAPS] キーと [カナ] キーに丸いLED窓があります.[BS] キーと [INS] キー,[DEL] キーと [HOME/CLR] キーの間のスペースがPCKB3と同様となっています.これは以後変わりません.外観がPCKB3に酷似していますが,違いは右上にあるEPSONの文字列の色(PCKB3のものの方がより黒い?)だけなのかもしれませんが,定かではありません.ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが o1089591600(2023年4月28日に落札)の出品物画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PCKB6
 付属していたPC本体はPC-386Mです.これ以降のキーボードでは全体的な形状が変更され,キー領域の横と手前に張り出していた部分がなくなりました.また [INS]・[DEL] キーブロックと [ROLL UP]・[ROLL DOWN] キーブロック,および [ROLL UP]・[ROLL DOWN] キーブロック と [↑]・[←]・[→]・[↓] キーブロックの間のスペースがなくなり,前二者がキーボードの手前側に移動しました.さらに [CAPS] キーと [カナ] キーのLED窓が四角くなりました.これらの変更点も以後変わりません.ヤフーオークションで出品者が くぷれ,オークションIDが w1074350886(2024年3月4日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PCKB7
 付属していたPC本体はPC-386G/Sです.PCKB6まではファンクションキーが10個でしたが,本キーボードからVFキーを備えるようになったため,以後はファンクションキーが15個となりました.ヤフーオークションで出品者IDが viamarket_0,オークションIDが v738676129(2021年8月31日に落札)の出品物画像から切り出して40%に縮小しガンマ補正値を上げたものをjpg形式に再変換した画像を引用します.表側左上に "K-T4300R 完成ライン チェッカー" の文字列が浮き出た黒のダイモテープが貼られていますが,勿論これはユーザーによるもので,元々のキーボードにはありません.



■PCKB8
 付属していたPC本体は,PC-386GS/GE,PC-486GR/GF/GR+/GRSuper/Pです.PC-386NOTE AR用のフルキーボードとしても用意されていました.筆者は本キーボードの実物を所有している筈なのですが,探しても見つかりませんでしたので,ここではヤフーオークションで出品者が komacha7,オークションIDが d1124257042(2024年2月10日に落札)の出品物画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げたものをjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PCKB9
 付属していたPC本体はPC-486HA/HX/HG/SR/SEです. これまで右上に黒色で表示されていたEPSONの文字列が色なし凹文字に変わっています.これはPCKB10でも同じです.ヤフーオークションで出品者が qopbw12434,オークションIDが 1114371871(2024年1月2日に落札)の出品物画像から切り出して1/3に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.



■PCKB10
 付属していたPC本体は,PC-486FS/FR/FE/MU/MR/MS/MV/ME,PC-586RA/RV/RT/RX/RJ/MVです.ヤフーオークションで出品者IDが wqxu4109,オークションIDが m1028446672(2021年12月27日に落札)の出品物画像から切り出して0.7倍と0.75倍に縮小しガンマ補正値を上げたものを併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.



トップページ