PC-386GSのNi-Cd電池の撤去


初期〜中期のエプソン98互換機デスクトップのマザーボード上に直付けされているNi-Cd電池は,陰極端子付近から液漏れを起こしてマザーボードを損傷する危険があるため,速やかに撤去する必要があります.撤去後に新しい電池を取り付けることが望ましいのですが,MS-DOSを起動した後にDATE・TIMEで日時の設定を行うなどすれば,新しい電池を取り付けていないままで運用することもできないわけではありません.

uts --> EPSON PC-286VF を購入(2015年7月31日の記事) にPC-286VFのNi-Cd電池の撤去報告があります.筆者もこの記事を見てPC-286VFの電池を撤去しました.ここではPC-386GSの電池の撤去について述べます.

PC-286VFでは増設RAMベースボードなどを装着する内部拡張スロット2の前方に電池がありますが,PC-386GSでは電源ユニットのケーブルを接続するコネクタのそばに電池があります.


取り付けられている電池は,PC-286VFで使用されているものと同じGS SAFT製のGB50H-3(3.6V-50mAh)という二次電池です.


電池は白い樹脂のようなものでマザーボードに固定されています.これは脆い(経年劣化により脆くなった?)ので,電池を取り外す前に,マザーボードを傷つけないよう注意しながらマイナスドライバなどで少し砕いておきます.

電池から漏れ出している青い液(乾燥してこびりついています)をできるだけ除去してから電池の撤去を行います.十分に加熱したハンダゴテを用い,マザーボード裏面からハンダ吸い取り機などを使って電池の端子部のハンダを除去します.ハンダの除去が十分でないうちにマザーボードから電池を無理に引き抜こうとすると,パターン剥離を起こしてしまうことがあります.

電池が取り付けられていた場所およびその周囲のマザーボードの両面を,無水アルコールなどで丁寧に清掃します.特に,電池の陰極端子が取り付けられていた箇所のそばにあるスルーホール(図の黄丸の部分)に注意して下さい.ここに縫針の先端を挿して抜いた際に青い汚れが付着していれば,漏れ出した液がマザーボードの裏面に達している可能性があります.マザーボード裏面のR73とR75というチップ抵抗のスルーホール側の端子表面がくすんだ鉛色になっているならば,目視ではそう見えなくても,漏れ出した液は実際にはマザーボード裏面にも広がっていると判断できます.


筆者のPC-386GSは,分解後に再度組み立てた際,一時的に動作が不安定になりました.FDDやHDDを認識しない,起動時のセルフチェックでERR:VR(VRAMリード/ライトエラー)を表示し起動できない,画面にカラフルな模様が表示され起動できないなど,多彩な症状が次々と出ました.これらの症状は本体をリセットしても変わりませんでしたが,SWDEFスイッチの設定を変更したり,電源のオンオフを繰り返したりなどしているうちに,正常に動作するようになりました.電池を撤去したり,マザーボードやCバスバックボードを取り外したために,PC内部で保存されていた何らかの設定情報が破壊されたためではないかと考えています.メモリスイッチの内容が破壊されたために本体が起動できなくなったのであれば,SWDEFスイッチをONに設定すると起動できるようになるはずなのですが,筆者のPC-386GSでは,SWDEFスイッチをONに設定しただけでは起動できるようになりませんでした(起動できるようになるまである程度時間がかかるものなのかもしれませんが).
 また,筆者はPC-386GSにWindowsキーのついたPC-9821用のキーボードを接続していますが,この作業を行った後,起動時にキーボードのCAPSとカナのLEDが点灯するようになりました.これは手動でオフにすれば使用に問題はありません.これについては,キーボードのCAPSキーとカナキーの状態はNi-Cd電池から供給される電力を使用して本体に記憶されているので,電池を撤去した場合には当然の挙動との指摘を かかっくん さんよりいただきました.なおPC-286VFの電池を撤去した場合にはこのようなことはありませんでした.