PC-FD511Fの内部結線


ファイルスロット5インチFDDユニットであるPC-FD511F(注1)のカードエッジ基板は単なる配線板です.


 注1:内蔵されているFDDはFD1158Dで,PC-9801FA2などで使用されているFD1158Dと互換性があります.ファイルベイ増設用の5インチFDDユニットであるPC-FD511Dで使用されているFD1158Dも同様です.ただしPC-FD511Fに内蔵されているFD1158Dには,他のFD1158Dの前面にある(フロントベゼル固定用の)ネジ穴の開いた板状突起(黄丸)がありません(緑丸).


ここではFD1158Dの34ピンオスコネクタ-44ピンカードエッジオスコネクタ 間の結線について述べます.

カードエッジコネクタは基板の表裏で同じ位置に端子がついています.端子の幅はCバスボードのものなどより狭く,間隔は広くなっています(注1・2・3).


 注1:このカードエッジ基板を自作する場合には,不要なCバスボードのカードエッジ部分を切り出したものを材料にできます(注1.1・1.2・1.3・1.4).その場合,カードエッジ両面とも,22ピン分の端子が揃っているものが好都合です.またパターンカットも必須でしょうし,端子の根元にスルーホルが付いていない場合には,端子の端にコードをハンダづけするなどして信号を引き出す必要があります(注1.5).なおCバスボードには多層(積層)基板のものもあるようですが,そういったボードのカードエッジ部分の流用には注意が必要でしょう.
   注1.1:PC-FD511Fと同じくNEC製のファイルスロットFDDユニットであるPC-FD321Fのカードエッジ基板の端子も同様の形状をしていますが,筆者が確認した限り,サードパーティー製のファイルスロットFDDユニットのカードエッジ基板は,すべてCバスボードと同じ形状の端子を備えています.
   注1.2:古いPC/AT互換機用のISAバスボードの端子は,片面31本×両面のブロックと,片面18本×両面のブロックとに分かれていますが,端子の間隔はCバスボードのものと同じですので,前者のブロックを切り出したものも,このカードエッジ基板を自作する際の材料にできる可能性があります(Cバスボードの基板の厚さは1.6mm×0.2mmですが,これは恐らくISAバスボードでも同じでしょう).ただし端子が全部揃っているISAバスボードは種類が少ないとも聞きます.なおISAバスボードにも多層基板のものがあるかもしれません.
   注1.3:ファミコンのカセット(カートリッジ)のカードエッジ部分は片面30本×両面の端子を備えており,1つの端子の左端から隣の端子の左端までの長さもCバスのものと同じ2.54mmですが(下の注2を参照),基板の厚さは1.2mmといいます[GAMERnium --> ファミコン カートリッジコネクタ仕様(2016年9月24日改訂) を参照].ボール紙を3枚重ねたもの(厚さ1.1mm)がファイルスロットFDDユニットのカードエッジが刺さる44ピンカードエッジメスコネクタ(端子が板バネ状になっています)に刺さりましたので,ファミコンのカセットのカードエッジ部分もここに装着できると思います.しかしファミコンのカセットは接触不良の多さで知られているそうで(これはカセットを頻繁に抜き差しするためなのか,元々の構造にも問題があるためなのか,筆者には分かりません),カードエッジ部分の流用は奨められないとのコメントをかかっくんさんよりいただいています.
   注1.4:何かの基板を加工して,44ピンカードエッジ基板を自作した例があります[ちまちまさんの2020年7月6日のツイート(12)を参照].
   注1.5:SCSI籠のカードエッジ基板のピンアサインで紹介している自作カードエッジ基板ではそうしています.画像を見れば分かると思います.
 注2:アスキーテクライト(編) (1993). 改訂版 PC-9800シリーズ テクニカルデータブック HARDWARE編 アスキー によれば,Cバスボードでは,一つの端子の左端から隣の端子の左端まで(端子のピッチ)が2.54mm±0.05mmで,端子自体の幅(短辺)は1.75mm±0.05mmです.
 注3:CoralテクニカルシリーズNo.7 PC-9800データブック1 ――メモリカード・拡張カードスロット・ファイルスロット編―― (1992). コーラル によれば,ファイルスロットFDDユニットのカードエッジでは,カードエッジ全体の幅が57.74mm,両端の端子の外側のエッジ間が53.34mmです.またカードエッジの長さは10.16mmです.これらの値は上の画像からも見当が付くでしょう.

34ピンオスコネクタに番号が振られていますが,これはFD1158Dのピン番号と等しくなっています.

カードエッジコネクタは配線面を上にした状態でPC-FD511Fのフレームに取り付けるようになっています. このカードエッジコネクタは3ピン-5ピン/4ピン-6ピン間に切り込みのないタイプであり,コネクタの1番ピンの位置がはっきりしませんので,本記事ではこのコネクタのピン番号の振り方を,接続先であるファイルスロットバックボード上の44ピンカードエッジメスコネクタ脇にシルク印刷されたものに従いました.


以下,導通のあった FD1158Dの信号コネクタのピン - カードエッジコネクタのピン です.カードエッジコネクタの9,10,13,15,19,21,23,25,27,29,31,35,39,43ピンは電源コネクタのGNDピンに接続されていますので,まとめてGNDと表記します.


+5Vはカードエッジコネクタの5,6ピン,+12Vは同じく1, 2ピンです.カードエッジコネクタの3,4,7,8ピンはNCです.
※本記事の旧版であるエマティなリサイクルの「研究発表会」の「ファイルスロットバックパネル」の記事では,+5Vと+12Vが逆に記述されていましたのでご注意下さい.+5Vと+12Vの端子の位置は,PC本体側のコネクタでも確認して下さい.

FD1158Dの信号コネクタのピン番号と44ピンカードエッジオスコネクタのピン番号の対応は,FD1158Dの34ピンオスコネクタのピン番号とファイルスロットFDD接続用44ピンカードエッジメスコネクタのピン番号の対応と若干異なります(ファイルスロットバックボードのFDDケーブルコネクタ-ファイルスロットFDDコネクタ間結線を参照).

4ピン(小)コネクタ(4ピンEIメスコネクタ)を持つ電源ケーブルでは,通常+5Vのラインには赤被覆のものが使用されていますが,PC-FD511FにおけるFD1158D用の電源ケーブルでは,+12Vのラインに赤被覆のものが使われています.


 なお通常の電源ケーブルでは,4ピン(大)コネクタのものと4ピン(小)コネクタのものとで,+5Vのライン(赤被覆)と+12Vのライン(黄被覆)は下の図に示す位置になっています.この図では4ピン(大)コネクタは幅の狭い側が上(約2mm×12mmの突起のある側が下)です.



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