MD5501Sのメンテナンス


キヤノン電子製MD5501Sのメンテナンスの仕方です.


■メディアの出が悪い/イジェクトボタンの戻りが遅い
FDDのトップカバーを外し,画像の白楕円のところの可動部に機械油の類を少量垂らしてしばらく放っておきます.垂らしすぎは禁物です.次にFDDにメディアを挿入してイジェクトボタンを押し,すぐにイジェクトさせます.これを何度か繰り返すと,次第に動きが滑らかになります.この時,黒い汚れ(劣化したグリス等)が油に溶け出して来ますので拭き取ります.状況にもよりますが,この汚れを完全に取り去るには時間がかかりますので,適当なところで切り上げて再度グリスを塗布します.グリスはタミヤ製の "セラグリスHG" などの評判がよいようです(かおる@ヤドンさんの2019年11月24日のツイートめーちゃんさんの2019年11月25日のツイート などを参照).古いグリスを徹底的に除去したい場合には,ブレーキクリーナー[ワコーズ(WAKO'S)製 ブレーキ&パーツクリーナー BC-8 など]を使用するとよいかもしれません(はにはにのヴィンテージPC新品再生ブログ --> NEC PC-9821AP初代のドライブの修理と内臓HDDをCFカード化をしました(2016年3月25日の記事) を参照).なおFDDに使用される潤滑剤に要求される性能は,ベアリング用のグリスに要求されるものと同等といいます(ジュンツウネット21 --> Q&A 潤滑油そこが知りたいQ&A --> グリース --> フロッピーディスクドライブに使用される潤滑剤).

■メディアが読み込めない(目立った異音なし)
トップカバーを外して綿棒と無水エタノール等でヘッドを清掃します.無水エタノールはヘッドの接着剤を多少なりとも侵しますので注意して下さい.上下のヘッドの間のスペースが狭いので,綿棒の先をペンチなどで潰して平たくします.
ヘッドの動きが悪いようでしたら,画像の青楕円のところのシャフトに薄く油を塗ります.

なお上の画像右上の黒いプラスチック部品は,書き込み許可/禁止判別用ノッチ検出用のセンサのようですが,単に金属板にはまっているだけであり,樹脂等での固定は行われていませんので,これの位置ズレに注意して下さい.

■メディアが読み込めない(ガッとかガーーといった大きな異音あり)
ヘッド移動用ステッピングモータ(SST-20C120L)の軸(画像のオレンジ色の楕円のところ)に斜めに刻まれた溝内でのグリスが劣化して粘性が高くなると,メディア読み込み時にガッとかガーーといった大きな異音が発生します.この症状は,周囲の温度が高い時には出ず,温度が低くなると出てくる場合もありますが,原因を考えればこの現象には納得できるでしょう.この場合,古いグリスを丁寧に取り除いて新しく油をを塗ります.古いグリスを徹底的に除去するには,マイナスの精密ドライバーや爪楊枝等での除去後に,ブレーキクリーナー[ワコーズ(WAKO'S)製 ブレーキ&パーツクリーナー BC-8 など]を使用するとよいかもしれません(はにはにのヴィンテージPC新品再生ブログ --> NEC PC-9821AP初代のドライブの修理と内臓HDDをCFカード化をしました(2016年3月25日の記事) を参照).なおFDDに使用される潤滑剤に要求される性能は,ベアリング用のグリスに要求されるものと同等といいます(ジュンツウネット21 --> Q&A 潤滑油そこが知りたいQ&A --> グリース --> フロッピーディスクドライブに使用される潤滑剤).

MD5501Sや,同じくエプソン98互換機で使用されている3.5インチFDDであるキヤノン電子製MD3541Gのステッピングモータは,X68000用の一部のFDDのものと共通とのことです[レトロなPCとか --> 「X680x0 用 FDD 型番いろいろ メモ」(2018年7月22日の記事)X680x0 用 FDD 修理 (ステッピングモーター)(2018年7月22日の記事)].

ところで,筆者は上の記事を見るまで,X68000のFDDについてはオートイジェクト動作をすること以外全く知らなかったのですが,調べてみると,X68000に内蔵されている5インチFDDの内部構造の一部(特にヘッドまわり)は,なるほどMD5501Sのものに似ています."X68000 FDD 修理" などの検索語でウェブ検索すると,修理・メンテナンス記事がいくつもヒットします.これらの記事も,MD5501Sの修理やメンテナンスを行う上で非常に参考になるでしょう.


トップページ