PC-486FS/FR/FE用のFDD I/Fと思われるもの


PC-98用と思われるが詳細は不明,未チェックのジャンク品,としてヤフーオークションにかなりの期間出品されていたFDD-1M/EPという製品です.出品者IDは redmoon_stone,オークションIDは x455894972 で,2019年2月13日に最後の再出品が行われ,2019年2月17日に落札されています.下に30%に縮小した商品説明画像から切り出しものを併置した画像を引用します.


これは,エプソン98互換コンパクトデスクトップ機であるPC-486FS/FR/FE用のFDD I/Fと推測されます.これらの機種用のFDD I/Fは,資料が殆どありませんが[PC-486FS等専用のサードパーティー製FDD I/Fが存在したといった程度の情報をどこかの掲示板で見かけた記憶がありますが,特定できていません(注)],需要の問題を考えると,恐らくこの製品が唯一のものであろうと思います.
 注:EPSON 98互換機 スレッド の227番と230番,および688番の投稿,EPSON98互換機(国民機)について語るスレ Rel.2.0 の342番の投稿を見つけました.ただし私が以前見かけたものはこれらとは別だったようにも思います.

メーカーは不明です.IC表面の型番等の文字列が削られているところからみるとα DATAの可能性もありますが(注1),基板上のRD0112の文字列からはR&Dとも考えられます.しかし両社の製品は,その形状と構造から,同じ工場でほぼ同じ設計図に基づいて製造されたと考えられるものがあり[AD-F50FA(α DATA製)とSLT-501(R&D製)など](注2),またα DATAの製品でRDで始まる文字列(RD-0086-1)がシルク印刷された基板が使用されている製品もあるなど(ファイルスロット3.5インチFDDユニットであるAD-F35FA),事情は複雑です.ただ,製品の種類の多さから考えると,本ボードのメーカーはα DATAではないかと思われます.
 注1:α DATA製ファイルスロット5インチFDDユニットであるAD-F50FAでも,VFO基板上のIC表面の文字列部分が削り取られています.使用されているICの同定を防ぐための措置でしょうか.ただし同じα DATA製品でも,AD-F35FAのVFO基板などでは同種の加工は行われていません.
 注2:他のFDD関連製品,例えば外付けFDDユニットなどでも,複数のメーカーの製品が同一の工場で生産されるケースはあったようです(外付け3.5インチFDDユニット−フリー720KB/1.44MBドライバ動作試験結果 などを参照).

FDD-1M/EPを,PC-486FS/FR/FE用の外付けFDD用のI/Fと考える根拠は以下の通りです.

 (1) 型番に/EPの文字があることから,エプソン98互換デスクトップ機用の製品と考えられる.また型番と外部コネクタの形状から,FDD I/Fと考えられる.
 (2) エプソン98互換デスクトップ機のうち,本体背面に1MB FDD I/Fコネクタを持たないものは,PC-486FS/FR/FEのみである[PC-286C(PC CLUB)もそうだったかもしれませんが確認していません].
 (3) 断片的ながら,これらの機種用のサードパーティー製FDD I/Fが存在したという情報がある.
 (4) PC-486FS/FR/FEのFDDはSMD-340-302なので(エプソン98互換機本体−内蔵FDD対応表 を参照),FDDケーブルは(26ピンフィルムケーブルでなく)34ピンフラットケーブルなはずであり,基板上に2つある34ピンオスコネクタの形状もこれに合致する.
 (5) 商品説明画像から切り出して拡大後,コントラスト値とガンマ値を上げ,文字を追加した画像を下に引用する.外部50ピンフルピッチコネクタを手前にして基板の裏面を見た場合,遠い側の34ピンオスコネクタでは,遠い側(画像では上側)の左から4・5・6本目のピンが短絡され,太いパターンに繋がっているのが確認できる.またここからのパターンは,近い側(画像では下側)の同じ3本のピンにも繋がっている.SMD-340-302では7・9・11ピンが電源ピンであり,短絡されている3本のピンの位置はこれらのものと一致する.筆者はPC-486FS/FR/FEの内蔵FDDケーブルの実物を知らないが,同じFDDを内蔵しているPC-586RXの内蔵FDDケーブルと同等のものと考えてよさそうである.


FDD-1M/EPには両端のコネクタが同じ向きの34ピンフラットケーブル(HAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_18 ストレートケーブルと反転ケーブル でいうストレートケーブル)が付属しており,それでマザーボード上のFDDケーブル接続用コネクタとI/F上の遠い側のコネクタとを接続し,マザーボードと接続されていた元々のFDDケーブルのコネクタは,I/F上の近い側のコネクタに接続するようになっていると考えられます.

ところで,PC-586RXでは,マザーボード上の内蔵FDDケーブル接続用コネクタに,DS信号としてDS0・DS1の2つの信号しか出ていません(PC-586RXに5インチFDDを内蔵 を参照).PC-486FS/FR/FEでも同様だとすると,FDD-1M/EPは内蔵FDDケーブル接続用コネクタを介してのみマザーボードと接続されると推測されますので,DS2・DS3の2つの信号がマザーボードから出力されているとしても(実際には出力されていないのではないかと考えます),それらを外付けFDDに送ることはできないはずです.従って,FDD-1M/EPを使用してPC-486FS/FR/FEに外付けFDDを接続しても,同時に動作可能なFDDは,内蔵・外付けあわせて2台までと考えられます[いくつかの(多くの?)1MB FDD I/Fでは,外部50ピンフルピッチコネクタにおいて,マザーボードからのDS0・DS2両信号ラインとDS1・DS3両信号ラインがそれぞれ短絡されています].

このような推測の下,FDD-1M/EPの外部50ピンフルピッチコネクタの右の4連スイッチの設定内容を推測してみます.下に商品説明画像から切り出して時計回りに90度回転した画像を引用します.


スイッチ脇の文字列から,各スイッチの意味は,

  1 DRV1-INT:内蔵FDDを#1,外付けFDDを#2
  2 DRV2-INT:外付けFDDを#1,内蔵FDDを#2
  3 DRV-SWAP:外付けFDDを#1・#2
  4 NC:内蔵FDDを#1・#2[外付けFDDは不接続(扱い)]

ではないかと推測されます.

基板上に4Mzの発振器がありますが,すべてのICの表面の文字列が削り取られており,商品説明画像からは基板上のパターンも十分に読み取れないため,これがどのような処理に関係しているかは不明です.なお上で挙げた2chの EPSON 98互換機 スレッド によれば,(恐らく)このI/Fに接続された外付けFDDユニットにセットされたメディアからシステムを起動することはできないといいます.

また電源はFDDケーブルの7・9・11の3本ラインから供給されていると考えられますが,基板上にはICなどの部品が多く,これで十分な電流が安全かつ安定的に確保できるものか,筆者には分かりません.なお外部50ピンフルピッチコネクタの左にミニジャックのようなもの(J4)があり,これが外部給電用コネクタかとも考えましたが,基板上の結線を商品説明画像から十分に読み取ることは難しく,断定はできません.あるいはこれは外付けFDDにDensity信号を供給するためのもの(VFOありFDDの外付け化 などを参照)なのかもしれません.


なおPC-586RXに5インチFDDを内蔵 の記事の「VFOなし5インチFDDの内蔵」の方法を応用すれば,FDD-1M/EPを使用しなくても,PC-486FS/FR/FEにVFOなしの(あるいはVFOを無効にした)5インチFDDを増設(スペースの関係で,ドライブは筐体の外部に設置することになりますが)できるでしょう.この場合,同時使用可能なFDDは,やはり2台までとなります.3.5インチFDDと5インチFDDを使用する場合には,ターミネーションの関係で,1台目を3.5インチFDD,2台目を5インチFDDとするのが無難でしょう.


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