FD1158C・FD1158Dの制御基板


FD1158C,FD1158Dには制御基板の種類がいくつかあります.ここでは電解コンデンサの交換を行う際のコンデンサのサイズと取り付け方向の選択の参考資料として,コンデンサを交換した状態の画像を制御基板ごとに示します.なおイジェクトボタンの形状についてはFD1158C・FD1158Dのイジェクトボタンを参照して下さい.

□FD1158C
■P/N 134-505442-008-0
・PC-9801FS2/PC-9821Ap2/M2の内蔵FDD.イジェクトボタンは小判型でぐらぐらするタイプ.フロントベゼルなし.
・手元のものは1992年7月・12月および1993年1月・12月製.1993年12月製のものではU4(基板上に記されたパーツ位置名)にTIの224[JGR]HC266(JGRは反転文字)なるチップがあるなど,他のものと基板の実装部品がかなり異なります(注).また1992年9月/12月製のものと1993年1月製のものにはC3に電解コンデンサが実装されていません.
  注:sakuradai11さんの2021年11月27日のツイート画像1画像2)にあるものも,(G8KSS制御基板のFD1158Cということですので)基板とコンデンサの構成が異なっている可能性があります.
・制御基板 裏面の紙シールG8KSS 134-837777,基板上G8KSS 134-857777-4-5/部品面G8KSS.


上段は1993年12月製のもので,交換後の電解コンデンサは,C1が16V-47μF,C2が16V-22μF,C3が16V-10μF,C4が16V-22μF(C1等は基板上に記されたパーツ位置名).下段は1992年12月製のもので,交換後の電解コンデンサは,C1が6.3V-47μF,C2が16V-22μF,C3はなし,C4が16V-22μF.交換後のコンデンサのサイズと取り付け方向が異なっているため,二枚の基板の画像を示します.
 追記:1992年5月製の[制御基板 裏面の紙シールG8KSS 134-837777,基板上G8KSS 134-857777-2-3]の電解コンデンサも,上段の基板のものと同じです(おふがおさんの2021年1月11日のツイートを参照).

■P/N 134-505442-007-0
・外付けFDDであるTAXAN製TF502AおよびACCEL製Powerdisk MODEL FDC511Aの内蔵FDD.イジェクトボタンは角形できっちり固定されているタイプ.フロントベゼルあり.
・前者は1994年3月製で後者は1991年9月製.後者ではフライホイール基板にも電解コンデンサあり(C7,16V-10μF).前者にはなし.


・制御基板 裏面の紙シールG8HFY 134-837363,基板上134-856663-5-6/部品面G8CXT.


上段がTAXAN製TF502Aのもので,交換後の電解コンデンサは,C1が16V-47μF,C2が35V-10μF,C3が16V-22μF,C4が35V-10μF.また下段はACCEL製Powerdisk MODEL FDC511Aのものですが,これは筆者が初めてFD1158Cでの電解コンデンサの交換を行った際のものです.前例がなく(少なくとも筆者は当時同様の報告を目にしていませんでした),おっかなびっくりの手探り状態で,その時手元にあったハズシ品を一つずつ取り付けては恐る恐る動作確認を行うということを繰り返した記憶があります.上段のものとはコンデンサの形状が異なるのでこちらの画像も載せておきます.C1が16V-47μF,C2が16V-10μF,C3が16V-10μFが2個並列,C4が16V-10μFです.C3のものが10μF品の並列接続になっているのは,作業当時22μF品の手持ちがなかったためです(本来はこのような代用は良くありません).ところで今回この制御基板の写真を撮るためにFDDを分解し,再組立後に動作確認をしたところ,I/Oエラーが出たり読み込みが安定しない状態になりました.制御基板をチェックしたところ,C3の2個並列の10μFのコンデンサの一方が外れかかっていました.これをハンダづけし直したところ正常に動作するようになりました.このことから少なくともC3のコンデンサは単なる貧血防止用ではないことが窺えます.


□FD1158D
■P/N 134-505443-008-0
・PC-9801FA2の内蔵FDD.イジェクトボタンは小判型でぐらぐらするタイプ.フロントベゼルなし.
・手元のものは1992年2月製.
・制御基板 裏面の紙シールG8KSF,134-897766,基板上の134-…の文字列は紙シールに隠れて読めず/部品面G8KSL.制御基板のU2のD16803の3ピンとL2のコイル間にダイオードが後付けされています(画像右端近くの赤い部品).


交換後の電解コンデンサは,C1が16V-10μF,C2が25V-47μF,C3が16V-22μF,C4が25V-22μF,C5が16V-10μF,C53が25V-33μF.
 追記1:P/Nが同じで,基板[G8KSY(紙シールG8KSF,134-85(9ではない)7766,基板上134-857783-1-2),G8KSL]とコンデンサの構成が異なるものもあります[noconaさんの2021年1月1日(123)・6月9日のツイートを参照.コンデンサの耐圧と容量は画像から読み取れると思います].ETHYLE~1.SYSさんの2022年9月15日のツイート のものは,上の6月9日のツイートのものと同じ制御基板でしょうか.
 追記2:PC-9801FA2(1992年11月製造)のFD1158D(1992年8月製造)の制御基板は,下の P/N 134-505443-706-0 のものと同じ[裏面の紙シールG8KSF,134-837766,基板上134-857783-2-3/部品面G8KSY]ですが,この制御基板では,VFOチップである NEC D71065G 近く(四級塩電解コンデンサC1の近くでもあります)のチップコンデンサ C5・C12・C44はいずれも0.1μFらしく,またチップ抵抗 R16 は470Ωです[noconaさんの2021年6月6日のツイート(12)を参照].R16は表面に471の文字がありますが,これが漏れ出した電解液のために判読できなくなってしまっているケースもあり得ます.

■P/N 134-505443-706-0
・PC-FD511Dの内蔵FDD.イジェクトボタンは角形できっちり固定されているタイプ.フロントベゼルあり.
・PC-FD511Fの内蔵FDDは,イジェクトボタンが小判型でぐらぐらするタイプであり,フロントベゼルがなく,FDDの後ろ半分を覆っている薄いアルミ板のカバーがありません(従ってP/Nの記載がありません)以外はこのFDDと同じ.
・手元のものは1994年12月製(PC-FD511Fのものは1994年2月製と7月製).
・制御基板 裏面の紙シールG8KSF,134-837766,基板上134-857783-2-3/部品面G8KSY.


電解コンデンサは,交換前のC1が6.3V-47μF,C2が16V-22μF,C4が16V-22μF,C5が10V-10μFで,交換後のC1が16V-47μF,C2が16V-22μF,C4が16V-22μF,C5が16V-10μF.交換後のコンデンサのサイズと取り付け方向が異なっているため,二枚の基板の画像を示します.
 容量が大きく電解液の量も多いため,C1の47μFのものの液漏れによる基板の汚損は特に酷いものでした.またFD1158Dでは,制御基板の型番にかかわりなく,C5の10μFのコンデンサを横倒しで取り付ける場合には,直径5mm以上のものはFDDの金属部分と必ず干渉するため,直径4mm以下のものを選択する必要がありました.
 追記1:外付けFDDユニットであるPC-FD512Rで使用されているFD1158Dの制御基板上の文字列もG8KSYですが,紙シールに印字された文字列は G8KSV 134-837780 であり,FD1158Dの天板の型番シールには P/N 134-505443-009-0 とあります(おふがおさんの2022年7月29日のツイート を参照).制御基板上の電解コンデンサは,画像からは耐圧や容量が読み取れないものが一部ありますが,上の P/N 134-505443-706-0 のFD1158Dのものと同じ可能性があります.しかしこのFD1158Dはモーター制御回路を有し,しばらくメディアアクセスがないとモーターが止まる仕掛けになっているといいます(おふがおさんの2022年7月29日のツイート を参照).従ってこのFD1158Dは他のP/NのFD1158Dと互換性がないと思われます.
 追記2:PC-9801FAで使用されているFD1158Dで,制御基板上にG8KSYの文字列があり,部品の配置が上の画像のものと異なっている[U4(19.2MHzの発振子の右)に8ピンフラットパッケージIC(74HC266?)が,またその下に3端子のフラットパッケージの部品がそれぞれ実装されており,C3(3ピンコネクタの上)に電解コンデンサがある等]ものがあります[雪下製作所【公式】さんの2021年11月25日のツイート(123)を参照].


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