FD1138CをFD1138Tで代替


かかっくんさんとまりもさんより情報をいただきました.

PC-9801FS/FX/NS/E,PC-9821のFDDであるFD1138CをFD1138Tで代替する方法です.娘娘廟 --> 98NOTEほのぼの組 --> 98NOTEのFDD,および どるこむの過去ログ,[31531] 9801FSのFDDにある方法で,筆者自身はα DATA製ファイルスロットFDDであるAD-F35FAを用いて1.25MBメディアの読み書きを確認しました(注1・2・3・4・5・6・7).


FD1138CをFD1138Tで代替する場合,FD1138Cに接続されていた26本線FDDケーブルの13番ラインを切断します.FD1138Tの信号コネクタの13ピンは,3モード動作のための信号である360/300信号が入力するピンであり,このピンは2モードFDDであるFD1138CではGNDとなっているためです.もう少し詳しく説明すると,以下のようになるかと思います.

 (1) 3モードFDDの3モード信号である360/300信号は,マザーボードから出力され,FDDに入力する信号で,3モードFDDは,これがHレベルの時に640kBまたは1.2MBメディアを,Lレベルの時に1.44MBメディアをそれぞれ読み書きすることが可能.
 (2) 当然のことながら,2モードFDD内蔵機種には360/300信号というものは存在しない.
 (3) コネクタのタイプ(MILコネクタ/フィルムケーブルエッジコネクタ)とピン数(26ピン/34ピン)が同じ場合,3モードFDDで360/300信号が割り当てられているピンは,2モードFDDではGNDピンとなっている.
 (4) (1)-(3)より,2モードFDD内蔵機種のFDDを3モードFDDで代替する場合には,360/300信号ピンが信号ラインに接続されていない状態にする必要がある.360/300信号ピンへのラインを切断するのが最も簡単.
 (5) (4)の理由:360/300信号ピンは3モードFDD内でプルアップされているため,360/300信号ピンに何も接続されていない状態だと,このピンの状態は常時Hということになる.これはこのピンに "Hレベルの360/300信号" が常時入力された状態に等しい.(1)より,360/300信号がHレベルの時に,3モードFDDは640kBまたは1.2MBメディアの読み書きが可能である.

逆にFD1138T内蔵機種でFD1138TをFD1138Cで代替する場合,1台目の内蔵FDDとしてであれば,やはり26本線FDDケーブルの13番ラインを切断すればよいでしょう(注8).但しこの状態では,PC本体からは3モードFDDと誤認識されることを承知しておく必要があります.メディアフォーマット時に1.44MBメディアが選択できてしまう筈ですし,Windowsのマイコンピュータでは3モードFDDを示す3.5インチFDDのアイコンが表示される筈です.筆者は正常動作するFD1138Cを所有しておらず,実際にテストしてはいませんが,13番ラインが繋がったままだと,マザーボードからの360/300信号がGNDに落ちることになるため,FD1138Cは2モードFDDとして認識される筈ですが(5インチFDD内部増設用ケーブルMATE-AのI/Oポート04BEh を参照),別にFD1138Tも接続されている場合には,そちらの動作に不具合が出てしまう(1.44MBメディアの読み書きができなくなる)でしょう.

 注1:AD-F35FAで使用されているFD1138C(P/N 134-505194-101-0,制御基板 G8DLU)の26ピン信号コネクタは,通常のFD1138C(P/N 134-505194-011-0)の信号コネクタと向きが上下逆(180゜回転した状態)になっています(注1.1).すなわち,FDDを正立方向で信号コネクタを見た場合,通常のFD1138C(通常のFD1138Tも)では上段のピンのうち,右から3本分(ピン番号は1,3,5)が+5V電源ピンで,左から6本分(ピン番号は15,17,19,21,23,25)がGNDピンですが,AD-F35FAで使用されている "特殊" FD1138Cの信号コネクタは,下段の左から3本分のピンが+5V電源ピンで,右から6本分のピンがGNDピンです.このためAD-F35FAのFD1138CをFD1138Tで代替する場合には,信号ケーブルを180゜捻って,コネクタを元の向きと上下逆に接続する必要がありました.勿論通常のFD1138CをFD1138Tで代替する場合には,FDDケーブルのコネクタを逆向きに接続する必要などはなく,元の向きのまま接続します.
 眼科部長の独り言(赤塚クリニック) --> No.170 医療機器の修理費はぼったくり?!、その後(2003年12月1日の記事) でも,FD1138Cのコネクタ配置には二種類あることが報告されています.FDDの中にはこのようなものもあるので注意が必要です.FD1138Tにも通常のものと信号コネクタの向きが異なるものが存在します(FD1138Tと26ピンFD1148Tの違い を参照).テスターでGNDピンの位置を調べるなどしてコネクタの向きを確認する癖をつけたいものです.
   注1.1:FD1138Tでも,一般的な P/N 134-506027-011-0 のものとピン配列が逆になっているものが存在します(FD1138Tと26ピンFD1148Tの違い を参照).

 注2:PC-9801FX/U2のFD1138CをFD1138Tで代替したとの報告もあります(教えて!goo の2010年2月4日の質問,"9801 FD1138T ピン接続" を参照).恐らく上記のどるこむの過去ログに基づいたものでしょう.

 注3:9801x68kさんの2019年5月26日のツイート に,PC-9801TのU1DB-15A(注3.1)をFD1138Tで代替できた(ただしどういうわけかアクセスランプは点灯しないとのこと)との報告がありますが,360/300信号ラインのカットについては言及がありません.
   注3.1:このFDDはHAMLIN's PAGE --> FDD関係 --> FDD_1 PC-9821・9801・PC98-NX・PC/AT互換機用3.5インチFDDの互換性一覧表 には収録されていませんが,同表にはFD1138Cと互換性のあるFDDとして,同じU1DBであるU1DB-26FとU1DB-82Lが収録されており,このFDDもFD1138Cと互換性があると推測されます.また大久保システムズのホームページへようこそ! --> 2.PC98用FDDコレクション --> CITIZEN U1DB-82L,CITIZEN V1DB-76B には,U1DB-82L とV1DB-76B(U1DB-76Bの誤記ではありません)がFD1138T内蔵機種で使用可能との記述があります.

 注4:PC-9801CSの3.5インチ2モードFDDであるTEAC製FD335GF-027-Uの信号も,FD1138Cのものとおおむね共通ですが,一部異なっており,また不明なものもあるようです[シエルさんの2019年9月8日のツイート(12)を参照].

 注5:FD1139CをFD1139Tで代替する場合にも同じ方法が使えます(きょろサンチームさんの2020年9月19日のツイートを参照.PC本体はPC-9801US).なおFD1139TをFD1139C相当品に改造してしまうことも可能です(2モードFDDの3モード化改造 を参照).

 注6:P/N 134-505194-006-0 のFD1138CがLogitec製の外付けFDDユニットであるCorsair LFD-382F2で使用されていることを確認しましたが,これは上記の PC-9821・9801・PC98-NX・PC/AT互換機用3.5インチFDDの互換性一覧表 には掲載されていません.通常のFD1138C(P/N 134-505194-011-0)との互換性なども不明です.

 注7:本記事とは直接関係のない事柄ですが書いておきます.FD1138Cが採用されているPC-9801NS/Eでは,液晶パネルの開閉に伴いFDDに上から力が加わるため,使用しているうちに,まず確実にFDD,特にヘッド付近が破壊されます.液晶パネルのヒンジ部分が破損している個体では,ほぼ間違いなくFDDも壊れています[後継のNS/T(FDDはFD1139C)ではFDDの上に鉄板を設置するという対策がなされました].このため,FD1138C目当てでNS/Eを入手するのは避けた方が無難です.ただしNS/EのFD1138Cには(灰色のものですが)フロントベゼルがついており,これはイジェクトボタンとともにFD1138Tにも取り付けることができるなど,なかなかの貴重品ではあります.

 注8:おふがおさんの2021年1月2日(12)・2021年7月21日(12)のツイートに,FD1138T・FD1148TをU1DB-05A(注3およびCITIZEN製U1DBの修理を参照)で代替したとの報告がありますが,結線に関しては述べられていません.


なお,Vectorにあるフリーの3モードFDDドライバである BIOS144 のドキュメントファイル(Bios144.doc)に,PC-9801NS等にFD1138Cの代わりにFD1138Tを取り付けて3モード動作させるための改造の仕方が記載されています.


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