エプソン98互換機本体-内蔵FDD対応表


※表題に "対応表" とありますが,度重なる改訂により表形式の箇所が消滅してしまいました.しかし筆者はこのままでも不都合はありませんので,この表題のまま記事の公開を継続します.

エプソン98互換機の内蔵FDDに関しては,大量投稿/○oo氏によるデスクトップ機の3.5インチ3モードFDDの調査結果がEPSON98開発公団発行の同人誌,"Oh!EPSON PC 2000" 12/30号(2000年12月30日発行)の76ページに掲載されており(注),またこの記事はEPSON98サービス機構発行の同人誌,"E-Sapa別冊 甦るEPSON PC伝説 永久保存版"(2004年8月15日初版発行)の51ページに再録されていますが,これらは現在エプソン機ユーザーの多くが参照できない状況となっています.また5インチFDDについてはまとまった資料がなく,さらに3.5インチFDDでも古い機種に内蔵されているものについては不明であり,個人レベルによる保守を困難にしています.そこで本記事ではこれらに関して調査した結果を報告します.
 注:この同人誌には,"Oh! EPSON PC DATABOOK出張版 2000年冬号" というクリーム色のB4版二つ折りの紙が添付されており,そこに正誤表も掲載されています(注1.1・1.2).古書で入手される際にはご注意下さい.なおこの同人誌の記事の一部は,上記の通り,後に "E-Sapa別冊 甦るEPSON PC伝説 永久保存版" に再録されましたが,そこでは正誤表にある誤記が修正されている箇所とされていない箇所があります(筆者が所有している冊子版の場合.PDF版の場合は不明).
   注1.1:正誤表に記載のある事項以外にも誤記があることを確認しています.いくつかのものについては訂正の上本ウェブページの記事で紹介していますが,他のものについては誤記の具体的内容に関する指摘は行いません.筋から言って筆者はその任では全くないからです.
   注1.2:この注は,これらの同人誌を所有あるいはこれから入手される方々への注意として載せています.

上記の同人誌には以下の記述があります(文章を改変してあります).
3.5インチFDDにはイジェクトボタンが外寄りのものと内寄りのものとがある.
・外寄りタイプ
 486MV, 586MV2, 586RV2に多くみられる.486FE/FS/FRも同系のドライブ.互いに使い回し可能.
・内寄りタイプ
  486MU/MR/MS, 586R系の1LWモデル(FDD1台モデル)に多くみられる.
486S/FのFDDはSMD-300だが,S族と並行生産された486H族では,フィルムケーブルタイプのSMD-340-301(ママ)が,またF系と並行生産された486/586M/R族ではフラットケーブルのSMD-340-302(ママ)がそれぞれ使用されている.

またHAMLINさんより以下のコメントをいただきました(表現を変えてあります).
EPSON製FDDの形式番号は下記のようになっており,003まで一致していれば最後の-01部分の数字が異なっても互換使用可能と思われる.例:SMD1340-003-01
P/Nは銘板以外の箇所,例えばシャーシ底板や側板に貼られたシールに記載されていることがある.残念ながらSMD???の部分だけでは互換性の確認はできないと思われる.

以下はこれまでの調査で判明した分です.29L-3MAさん,a-taroさん,Crusher-Kさん,エマティさん,lBMさん,ジャンキィチェンさん,KAZZEZさん,masさん,なおさん,おふがおさん,RIIさん,richa!さん,RXM/竜魔さん,新グラデストさん,TaqIさん より情報をいただきました.また,吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ(以下システムガイドと略記) に,一部の機種ですが,機種ごとのFDDの分類表が掲載されています.この表による補足事項も記載します.

MD3541S,MD3551,SMD-300,SMD-1000,SMD-1100などで,四級塩品あるいはその疑いのある電解コンデンサの液漏れ(かなりひどい状態の事例もあります),およびそれに起因するFDDの不調/故障が報告されています.今後はこの問題への対処も必要になってきますが,エプソン98互換機で使用されているFDDのコンデンサは,必ずしも交換しやすい取り付け方がされているわけではない上,サイズの小さいものも多く,この問題は少々厄介です(注).また佐藤さんの2021年11月2日のツイート(123456)によれば,上下のヘッドの中心位置がズレているFDDがあり,佐藤さんの2021年12月1日(1234)・2日(12)のツイート(直接的にはX68000 030compactのFDDに関する話題)の内容から考えると,故障した状態ということになるようです.同様のヘッドのズレはPC-98用のFDD(FD1138C)でも報告されています[じゅんさまーさんの2022年5月12日のツイート(12)を参照].
 注:電解コンデンサの耐圧と容量に関する情報が下記のリンク先にあります:
    ・SMD-1000[試運転の資料館 --> 電算機部 --> EPSON 98 互換機用 SMD-1000 を PC-9821 で使用するなにもしない研究所@牛乳は毒物か人体実験中PC-286 BOOKのフロッピードライブ(EPSON SMD-1000)(2013年3月22日の記事),8bit原理主義 > ヨシノローテック --> 今週のプチ活動報告(2022/03/06) — PC-286NF SMD-1000 フロッピィディスクドライブの再修理1(2022年3月6日の記事)を参照]
    ・SMD-400(EPSON 98 互換機用 SMD-400 を PC-9821 で使用する を参照)
    ・SMD-300(SMD340-301-00)[きょろサンチームさんの2020年11月12日のツイート(12)を参照]
    ・MD3551(EPSON 98 互換機用 MD3551 を PC-9821 で使用する ,おふがおさんの2022年5月23日のツイート,きょろサンチームさんの2022年6月6日のツイート を参照)
    ・MD3541G(EPSON 98 互換機用 MD3541G を PC-9821 で使用する を参照)
    ・SMD-1100(SMD1140-302-07,PC-486NOTE AS以降:マザーボード上の四級塩電解コンデンサの交換 を参照)
    ・SMD-1100(SMD1140-303-07,PC-486PT1:試運転の資料館 --> 電算機部 --> PC-486PORTABLE の FDD を参照)
    ・SD-680L(SD-680Lの設定 を参照)

液晶パネルがビネガーシンドロームを発症しているノート機では,変質した偏光フィルム(の接着剤?)から発生した酢酸ガスによりFDDの金属部分に錆が発生します(試運転の資料館 --> 電算機部 --> FDD や端子などに関する雑記 を参照).98ノートでは,このガスによりFDDを含むPC本体内部のフレキシブルケーブル等も何らかの形で侵されているとみるべきとの指摘もあります[つねごんさんの2021年10月16日・12月7日(12)のツイートを参照].


■内蔵3.5インチFDD
1. デスクトップ用2モード
・PC-286C(PC CLUB)
  キヤノン電子 MD3541 K-63691-02 26ピンフィルム端子 ヘッドロード機構なし
  ※システムガイドでは,PC-286CはFDDに関してPC-286LPと同じグループに含められており,PC-286LPのFDDもヘッドロード機構なしといいます.MD3541は型番がMD3541Gと似ていますが(MD3541Gのドライブ部分の底面の文字列は K-63693-91 であり,MD3541の K-63691-02 とわずかに異なります),後者はヘッドロード機構を備えています.
・PC-286UX
  キヤノン電子 MD3522
・PC-286US
  NEC FD1137C(P/N 134-500519-308-0)
  ※PC-286UのFDDの型番は今のところ不明ですが,フロントベゼルはPC-286UXのものともPC-286USのものとも異なっており,SMD-400のものと酷似しています.システムガイドでは,SMD-400を内蔵したPC-286L/LEはFDDに関してPC-286Uと同じグループに含められており,PC-286UのFDDもSMD-400(ヘッドロード機構なし)の可能性があります.
・PC-386M STD
  キヤノン電子 MD3522 他にK-63605-95と書かれた横長のシールと01と書かれた丸いシールあり
  ※PC-386GE5/GS5/GF5/GR5/GRP5/GRS5(いずれも5インチFDDモデル)に3.5インチFDDを内部増設するキットであるPCZFDU3にも同じFDDが使用されています.
・PC-386P
  キヤノン電子 MD3541S 26ピンフィルム端子 ヘッドロード機構あり
  FDDにはK-63693-92と書かれた細長いシールと04と書かれた丸いシールあり
・PC-486P
  キヤノン電子 MD3541P 26ピンフィルム端子 ヘッドロード機構なし または
  キヤノン電子 MD3541N K-63691-02 26ピンフィルム端子
  ※MD3541PとMD3541Gの内部(制御基板)は全く異なります.
・PC-386GE2/GS2/486GF2/GR2/GRP2/GRS2,およびGE3/GS3/GF3/GR3/GRP2/GRS3の3.5インチFDD
  キヤノン電子 MD3541G フィルムケーブルを5インフレーム金具内でフラットケーブルに変換 ドライブのコネクタは26ピンフィルム端子で,フレーム金具のコネクタは34ピンカードエッジ ヘッドロード機構あり
  FDDにはK-63693-91と書かれた横長のシールと02と書かれた丸いシールあり
  また5インチベイ固定金具底面にはK-63692-02のシールと02と書かれた丸いシールあり
  ※丸いシールには04や05と書かれたものもあることを確認しています.

2. デスクトップ用3モード
・PC-486HG/HX/HA2
  EPSON SMD-300(SMD340-301) F400341356 USP482314 26ピンフィルム端子
  ※お寄せいただいた情報の通り記載していますが,実際のP/NはPC-486SE/SR用のものと同じSMD-340-301-00と思われます.PC-486HXとPC-486SEの間でFDDが相互に交換可能との報告もあります.
  ※※これらの機種の3.5インチFDD2台分のフロントパネルはFDDごとのものでなく,一体化したものが取り付けられています.
・PC-486MU2GW/486MR2/586RX1LW/586RA1LW/586MV(1JMか?)/586RT
  Neutronics MITSUMI MODEL D353T3 P/N *D353T3120901 34ピン
・PC-486SE/SR
  EPSON SMD-300 P/N SMD340-301-00 26ピンフィルム端子
・PC-486FR/FE1GW/486FS1HW/486FS2/486MS/486MV2/586MV2/586RV2
  EPSON SMD-300 (SMD340-302ないしSMD340-302-00) 34ピン
  ※SMD-300とD353T3にはPC/AT互換機用のものもありますが,ともにP/Nにより区別できます.

3. ノート・BOOK(ラップトップ)用2モード
・PC-286NOTE executiveにはFDDはありません.
・PC-286NOTE F
  EPSON SMD-1000 ヘッドロード機構なし
  ※システムガイドでは,PC-286BOOK,PC-386BOOK L,PC-386NOTE AのSMD-1000はヘッドロード機構ありとなっています.
・PC-286L
  EPSON SMD-400 ヘッドロード機構なし
  ※SMD420L101-01 の文字列がドライブ底面に直接印字されています.
・PC-286LE-H20
  EPSON SMD-400 34ピン ヘッドロード機構なし
  ※SMD420L101-02 の文字列がドライブ底面に直接印字されています.
・PC-286LF-H20
  CANON MD3521 他にK-63605-91と書かれた横長のシールと01と書かれた丸いシールあり 34ピン ヘッドロード機構あり
・PC-286LP
  CANON MD3541 他にK-63691-02と書かれた細長いシールと03と書かれた丸いシールあり 326ピンフィルム端子,ヘッドロード機構なし
・PC-286BOOK
  EPSON SMD-1000(SMD-1022-001-01) ヘッドロード機構あり(試運転さんよりSMD-1022-001-01との情報をいただきました)
・PC-386BOOK L
  EPSON SMD-1000 ヘッドロード機構あり
・PC-386NOTE A
  EPSON SMD-1000(SMD1022-302) 34ピンですが,28(26?)極フィルムケーブルに変更する変換コネクタがついています.ヘッドロード機構あり
  ※システムガイドでは,PC-286LF/PC-286BOOK/386BOOK L/386NOTE AはFDDに関して386BOOK LC/386BOOK LXと同じグループに含められており,後二者のFDDもヘッドロード機構ありといいます.
・PC-286LS
  NEC FD1137C P/N 134-500519-209-0 34ピン
・PC-386LS-STD
  NEC FD1137C P/N 134-500519-209-0 34ピン
・PC-386LSR
  CANON MD3521 他にK-63605-92と書かれた横長のシールと01と書かれた丸いシールあり 34ピン
・PC-386NOTE W
  キヤノン電子 MD3551 K-63810-02 26ピンフィルム端子 ヘッドロード機構なし
・PC-386NOTE WR
  キヤノン電子 MD3551 K-63810-02 26ピンフィルム端子 ヘッドロード機構なし
・PC-386NOTE AE
  キヤノン電子 MD3541 ヘッドロード機構なし
  ※MD3541の制御基板はMD3541Gのものと酷似しており、チップ抵抗により動作モードを切り替えている可能性があるといいます(試運転さんの2021年1月10日のツイートを参照).
・PC-386NOTE AR
  EPSON SMD-1100 P/N SMD1120-001-07
  本体前面寄りのものと背面寄りのものとで,ドライブの型番は同じです.

4. ノート用3モード
・PC-486NOTE AS
  EPSON SMD-1100 P/N SMD1140-402-00 26ピンフィルム端子
  本体前面寄りのものと背面寄りのものとで,ドライブの型番は同じです.
  ※PC-386NOTE ARのSMD-1100(2モード)とはP/Nが異なります.
  ※※PC-486NOTE AS2でP/N SMD1140-301-07 および P/N SMD1140-302-07 のものも確認しています.
・PC-486NOTE AU,AV
  EPSON SMD-1100
  ※PC-486NOTE AVD1JW/X1JW/Y1JWはFDDを1台内蔵したモデルであり,2台目のFDDを内蔵させるためには,内蔵FDDの右側(本体背面側)のスロットに取り付けられているPCNTLA(Lスロットアダプタ)相当品(?)をそこに装着されているPCLSV2(サウンドビデオボード)ごと取り外し,代わりに増設3.5インチFDDユニットであるPCNTFDU1を装着する必要があります.未確認ですが,PCNTFDU1で使用されているFDDも本体内蔵のものと同じくSMD-1100と思われます.
・PC-586NOTE AT
  EPSON SMD-1100
  ※EPSON SMD-1100 P/N SMD1140-402-00 FD0514はPC-486NOTE AS/AU/AV用の背面寄りのFDD.
  ※※PC-486NOTE ATとPC-586NOTE ATにはFDDを2台内蔵したモデルはなく,2台目のFDDを内蔵させるためには,これらの機種専用の内蔵FDDキットであるPCFDUKを内蔵FDDの左側のスロット[キーボード部分の側面の "オプションスロット2",PC-486NOTE AT-X1/AT-X1Jでは空ですが,他のモデルではCD-ROMドライブユニット(PCNTCD1,PC-486NOTE ATとPC-586NOTE AT専用)が装着されており,これを取り外して装着するのだろうと思います]に装着する必要があります.PCFDUKで使用されているFDDは,本体内蔵のものと同じくSMD-1100です.下はPCFDUKの画像です.ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが c743695928(2019年7月7日に落札)の出品物の説明に使用されていたものから切り出して半分に縮小したものをガンマ補正値を上げて併置し,jpg形式に再変換した画像を引用します.


・PC-486PORTABLE(PC-486PT1)
  EPSON SMD-1100 P/N SMD1140-303-07
  ※下はPC-486PORTABLE(PC-486PT1用の外付けFDDユニットであるPCFD1の画像です.ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが n127946402(2014年1月28日に落札)の出品物の説明に使用されていたものから切り出して半分(上段)あるいは2/3(下段)に縮小したものと,出品者IDが sho_55,オークションIDが d176748780(2015年10月25日に落札)の出品物の説明に使用されていたものから切り出して2/3に縮小したもの(中段)を併置し,jpg形式に再変換した画像を引用します.



■内蔵5インチFDD(2モード)
・PC-286VG/VF/386S/G/V
  EPSON SD-680L 34ピンカードエッジ ヘッドロード機構あり
  ※PC-286/Model0 STD/V/VE/X/VS/VF/VX/VG,PC-386/V/VR/S(USTを除く)/GのFDDはこれとみて間違いないでしょう.
  ※※PC-386G/Sのものはフロントベゼルのデザインが他機種のものと異なります.PC-386Sでは,FDDの1台目,2台目ともそれぞれ専用のかさ上げフレームが取り付けられており,それによってMATE-Aのファイルスロット機器のように着脱可能な構造になっています(これが下記の "PCFDU5" と同等のものかは不明).下にヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが u59468183(2014年5月25日に落札)の出品物(PC-386Sに内蔵されていたSD-680L)の説明に使用されていた元画像2枚を半分に縮小後ガンマ補正値を上げ併置した後jpg形式に再変換した画像を引用します.


・PC-286VJ,PC-386GE5/GS5/486GF5/GR5/GR+5/GR Super5,およびGE3/GS3/GF3/GR3/GR+3/GR Super3の5インチFDD
  キヤノン電子 MD5501S K-61435-92 34ピンカードエッジ ヘッドロード機構あり
・PC-486HX5/HG5,および PC-486HA3JW/HX3/HG3の5インチFDD部
  EPSON SD-700
  ※MD5501SのアクセスランプとイジェクトボタンはFDD開口部の上側に位置しますが,SD-700ではこれらはFDD開口部の下側に位置します.また前者のイジェクトボタンは,メディアがセットされていない状態では飛び出しており,メディアセット時に押し込むようになっていますが,後者のイジェクトボタンは逆になっています.下にMD5501SとSD-700の正面画像を示します.ヤフーオークションで出品者IDが lapilapi,オークションIDが l557017720(2019年11月1日に落札)の出品物(PC-489HA3に内蔵されている状態のSD-700)の説明に使用されていた画像から切り出して半分に縮小したもの(左)と,ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが q418414277(2020年12月9日に落札)の出品物(PC-486GR Super3に内蔵されている状態のMD5501S)の説明に使用されていた画像から切り出して半分に縮小したもの(右)を併置しjpg形式に再変換した画像を引用します.


   またPC-486HX5/HG5では,2台の5インチFDDのフロントパネルはFDDごとのものでなく,一体化したものが取り付けられています.
  ※※MD5501Sと型番の似たMD5501(K-61543…で始まる多数の型番あり)はPC/AT互換機用です.またSD-700にもPC/AT互換機用のものがあります(SD760-004-02等).
  ※※※PRO-486C(3.5インチFDDを2台と5インチFDDを1台内蔵したモデル)の5インチFDDは,フロントベゼルの形状が通常のものと異なっていますが,MD5501Sの可能性があります.ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが b1079822256(2023年1月31日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して半分に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.5インチFDDのフロントベゼルの上半分には,18本(?)の細い飾り溝が横向きに刻まれています.



現在までに判明している3.5インチFDDの種類とPC本体との関係を下にまとめました.

以下では,本体に内蔵されているFDDの正面(に近い)画像と,あればFDD単体の画像も示します.但しMD3541G,SMD-300(SMD340-301-00,SMD340-302),D353T3に関しては,"内蔵3.5インチFDD(1. デスクトップ用2モード,2. デスクトップ用3モード)" と "エプソン98互換機の3モードFDDのイジェクトボタンの位置について" の節を参照すれば,同定には十分とも考えるため,PC本体に取り付けられた状態での正面画像は代表的な機種のものだけを載せました.なお掲載した画像の色合いは,PC自体の経年変化(日焼けなど)や汚れ,元画像撮影時の撮影条件,引用の際の加工処理(縮小やガンマ補正)等の影響を受けています.

①MD3521(PC-286LF,PC-386LSR,34ピン,PC-286LFのものはヘッドロード機構あり,PC-386LSRのものはヘッドロード機構有無不明)
・PC-286LFのMD3521の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが harurunew,オークションIDが v563330618(2019年7月1日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386LSRのMD3521の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが ns1980917,オークションIDが o455268450(2021年2月9日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286LFのMD3521の側方斜め上からの画像: ex709さんの2020年9月19日のツイートの画像から切り出して36%に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用.天板の上を短辺方向に横切っている金具とそれに取り付けられたプラスチック製の部品は,FDDの上に設置されているLスロットの左側壁とそれを支える金具です.
・PC-286LFのMD3521の底面の画像,左側面の画像,背面の画像,ラベル部分の画像: 試運転さんの2021年5月4日のツイート(12)の画像から切り出して,順に90゜回転・半分に縮小・45%に縮小・270゜回転したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386LSRのMD3521の正面斜め上からの画像,ケーブルが接続された背面の画像,側面のラベル部分の画像: ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが n1079021861(2023年2月20日に落札)の出品物画像から切り出したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.


単体で入手する際には,型番らしき文字列(PC-286LFのMD3521ではK-63605-91,PC-386LSRのMD3521ではK-63605-92)が手がかりになると思われます.PC-286LFのMD3521の左側面の画像はex709さんの2020年9月19日のツイートにも掲載されており,そこでも型番シールに記載されている文字列は同一です.PC-386LSRのMD3521のフロントベゼルとイジェクトボタンは,下の⑧のPC-286LS/386LSのFD1137C(P/N 134-500519-209-0)のものと酷似しています.K-63605-92のMD3521と134-500519-209-0のFD1137Cには互換性がある可能性があります(PC-286LS/386LSとPC-386LSRは,ロットによっていずれか一方のFDDが使用されている可能性も考えられます).なおFDDを2台内蔵しているPC-386LSRでは,2台のMD3521とも,01と書かれた丸いシールが貼られています.

②MD3522(PC-286UX,PC-386M,PCZFDU3のドライブ部分,34ピン,ヘッドロード機構あり)
・PC-286UXのMD3522の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが t772294215(2021年1月12日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386MのMD3522の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが osaka9992002,オークションIDが p778317334(2020年7月6日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PCZFDU3のドライブ部分の正面画像は下の "PCZFDU3について" の節を参照.
・出所不明なMD3522の前方斜め上からの画像と底面・側面の画像とラベルの画像,および固定用のプラスチック製部品が両脇に取り付けられた状態での後方斜め上からの画像: ヤフーオークションで出品者IDが m_myzm,オークションIDが d488192282(2020年12月6日に落札)の出品物画像から切り出して1/3ないし2/3に縮小し一部ガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したもの(後方斜め上からの画像以外),およびヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが k177679524(2014年12月10日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したもの(後方斜め上からの画像)を引用.


PC-386MとPCZFDU3のMD3522では,型番らしき文字列(K-63605-95)が判明していますので,単体で入手する際にはこれが手がかりになると思われます(画像のものには01と書かれた丸いシールも貼られていますが,これには別な数字もあり得ます).一方PC-286UXのMD3522は,イジェクトボタンとアクセスランプ窓の形状が異なるため[フロントベゼルとフラップ(シャッター)の色の違いは経年変化によるものであることを確認しています],型番らしき文字列も異なっていると思われます.両者の互換性は不明です.

 追記1:正面からの外観がPC-286UXのMD3522のものと同じに見えるMD3522の画像が,試運転さんの2021年5月4日のツイート(123)に掲載されています.単体入手のため,何に使用されていたものかは不明とのことですが,PC-286UXのMD3522の可能性があるため掲載します.型番らしき文字列は K-63605-96 で,信号コネクタは34ピンオスコネクタ(電源コネクタは独立)であり,PC-386MとPCZFDU3のMD3522(K-63605-95)とは明らかに異なっています.フライホイール基板脇の金属フレーム部分に K-63605-95 にはないネジ穴のようなものがある点も異なります.試運転さんの2021年5月4日のツイート(12)の画像から切り出して加工(正面:1/4に縮小,背面:1/3に縮小後ガンマ補正値をアップ,側面:半分に縮小,底面:90゜回転後57%に縮小.最後にこれらを併置しjpg形式に再変換)したものを引用します.それぞれの画像の上側が K-63605-96,下側が K-63605-95 のMD3522です.


 追記2:PCZFDU3のMD3522(K-63605-95)のヘッド移動用ステッピングモータは OKI KHL-15M05A です.何かの役に立つかもしれませんので書いておきます.

③MD3541[PC-286LP(PC ONE),PC-286C(PC CLUB),PC-386NOTE AE,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構なし]
・PC-286LPのFDDの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが yugen_corp,オークションIDが t668855777(2019年9月17日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286CのMD3541の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが makochan_ohki,オークションIDが r284166514(2018年11月18日に落札)の出品物画像から切り出して8゜回転し80%に縮小後jpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386NOTE AEのMD3541の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが risemark_shop,オークションIDが n232052441(2017年10月6日に落札)の出品物画像から切り出して80%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386NOTE AEのMD3541の底面画像とラベルの画像: ヤフーオークションで出品者IDが invalides178,オークションIDが l1118806665(2023年12月30日に落札)の出品物画像から切り出したものと切り出した後に270゜回転し半分に縮小したものを併置しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-186CのMD3541の底面画像とラベルの画像: ヤフーオークションで出品者IDが tmehn70783,オークションIDが l1075851691(2022年12月24日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小あるいは90゜回転したものを併置しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.


PC本体によりFDDのフラップ(シャッター)とイジェクトボタンの色が異なります.型番らしき文字列は,PC-286LPとPC-286Cのものでは K-63691-02,またPC-386NOTE AEのものでは K-63693-01 と判明していますので,単体で入手する際にはこれらを手がかりにできると思われます.なお丸シールに書かれた数字には何種類かあるものと思われます.画像下段左のPC-386NOTE AEのMD3541の丸シールには01とあり,zatoさんの2021年12月16日のツイート(12)のPC-386NOTE AEのMD3541でも01とありますが,これが02とあるPC-386NOTE AEのMD3541も確認しています(試運転さんの2021年1月10日のツイート を参照).また画像下段右のPC-286CのMD3541の丸シールには03とありますが,これとペアで出品されていたMD3541(ともに同じ本体で使用されていたものといいます)には丸シールの03の数字の上に黒マジックで抹消線が引かれ,その脇に04と書かれた別の丸シールが貼られていました.またYoutubeのPC-286Cの動画では2台目のMD3541に02のシールがありました.
 なお,はにはにのヴィンテージPC新品再生ブログ --> エプソン PC CLUBの修理をしております(2017年2月4日の記事)に,PC-286CのMD3541を,外付けFDDで使用されている "形が同じ" ドライブで代替できたとの報告がありますが,ドライブの型番や結線の仕方などの具体的な情報はありません.
  以下余談:PC-286LPのFDDの型番は長く不明なままでしたが,フロントパネルとイジェクトボタンの形状がPC-286CのFDDと似ていること,システムガイドでは,PC-286LPはFDDに関してPC-286Cと同じグループに含められていること,PC-286LPとPC-286Cはいずれも1990年9月の発売であり,ともに "ニューコンセプト" というシリーズ(この二機種のみ)に属することなどから,MD3541と予想していました.判明してみると予想の通りで,個人的に少し面白く感じました.

④MD3541S(PC-386P,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構あり)
・PC-386PのMD3541Sの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが rz80vs6809,オークションIDが q287239435(2019年5月4日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・MD3541Sの底面の画像・ラベル付近の画像: おふがおさんの2022年12月1日のツイート の画像から切り出して,90゜回転し半分に縮小後ガンマ補正値を上げたもの・ガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.


K-63693-92と書かれた細長いシールと01・03と書かれた丸いシールが貼られています.04と書かれた丸いシールが貼られたものも確認されています.PC-486PのMD3541Nとの互換性はなく(おふがおさんの2022年12月1日のツイート を参照),コネクタのピンアサインはMD3541G(試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサイン を参照)と同じと思われます(おふがおさんの2023年5月29日のツイート を参照). なお大久保システムズのホームページへようこそ! --> 2.PC98用FDDコレクション --> EPSON MD3541G に,MD3541Gのドライブ部分と同じものとの記述がありますが,大久保システムズのホームページへようこそ!の作者の方に確認したところ,これは直接の代替報告ではなく,単に外観が酷似しているという意味とのことでした.

⑤MD3541N(PC-486P,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構なし)
 MD3541P(PC-486P,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構有無不明)

・PC-486PのMD3541NまたはMD3541P(いずれかは不明)の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが reyaudio201120122014,オークションIDが p786019273(2020年8月10日に落札)の出品物画像から切り出して80%に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・MD3541NまたはMD3541P(いずれかは不明)の前方斜め上からの画像: 元ファミコンランド中標津店中の人さんの2021年2月18日のツイートの画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・MD3541Nの底面の画像・後方やや左からの画像・ラベル付近の画像:おふがおさんの2021年11月11日のツイートの画像から切り出して,順に270゜回転し1/4に縮小後ガンマ補正値を上げたもの・115゜回転し35.5%に縮小したもの・180゜回転したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.


MD3541Nの底面に貼られた細長いシールに印字された文字列は K-63691-02 であり,これは③のPC-286LPとPC-286CのMD3541のものと同一です.丸いシールに書かれた数字もMD3541のものとは異なっているようですが,この数字の意味する内容は不明です[単なる製造ロット番号のようなものではないのかもしれません(注)].また⑥のMD3541Gでもそうなのですが,底面に二桁の数字[上記の画像のものには13(?)と22とあり,前者は黒マジックのようなもので抹消されています]が直接印字されていますが,これも何を意味するものか不明です.いずれにせよ,MD3541Nは,型番末尾の "N" により,同じ K-63691-02 のMD3541から区別可能なものと思われます.またMD3541Pに関しては情報が殆どなく,詳しい形状(他のMD3541系のFDDとほぼ同じものと予想します)や型番を示す文字列などは不明です(筆者が以前所有していたPC-486PのFDDはMD3541Pでしたが,型番を調査した当時は K-… 文字列の重要性に気付いておらず,データを控えていませんでした).
 注:画像のMD3541Nでは,05と書かれた丸シールは別の丸シールに重ねて貼られており,また別に貼られた丸シールの06(?)の数字は黒マジックのようなもので抹消されています.このような複雑な操作がなされていることからも,丸シールに書かれた数字は単純なロット番号などではない可能性が示唆されます(注1).
     注1:レトロなPCとか --> X680x0 (X68000/X68030) 用 FDD 型番いろいろ メモ(2018年7月22日の記事)や 猫と一緒にグリーンライフ --> SHARP X68000修理(2019年10月6日の記事)を見ると,キヤノン電子のOEMの可能性があるX68000のFDDに貼られている同様の丸シールの数字にはやはり何か特別な意味がありそうです.

おふがおさんの2023年5月27日(12)・29日(12345)のツイートで,MD3541NをMD3541S(直上の④)あるいはMD3541G(直下の⑥)で代替する方法が報告されています(注).MD3541Nのピンアサインは,9ピンが+5Vピン(実際にはマザーボードからこのピンに+5Vは供給されません)である他はFD1139Cのものと同じといいます.なお1MB FLOPPY DISKコネクタのピンアサインはVFOありFDDの外付け化,MD3541Gの信号コネクタのピンアサインは試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサインをそれぞれ参照して下さい.
 注:大久保システムズのホームページへようこそ! --> 2.PC98用FDDコレクション --> EPSON MD3541G に,MD3541Gのドライブ部分と同じものとの記述がありますが,大久保システムズのホームページへようこそ!の作者の方に確認したところ,これはは直接の代替報告ではなく,単に外観が酷似しているという意味とのことでした.なお元ファミコンランド中標津店中の人さんの2021年2月20日のツイートの画像では,PC-486PのFDD[MD3541NとMD3541Pのいずれかは不明(注1)]の制御基板は,試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサイン に掲載されているMD3541Gのものと全く異なっています.
     注1:このツイートの画像のFDDとMD3541Nにはヘッドロード機構がありません.PC-486PはターミナルFDDモードに対応していますので,これは少々意外です.

⑥MD3541G(PC-386GE/GS,PC-486GF/GR/GR+/GR Super,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構あり)
・PC-486GR SuperのMD3541Gの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが q418414277(2020年12月9日に落札)の出品物画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・MD3541Gの前方左上からの画像・フレーム底面のラベル付近,フレーム底面の開口部付近,およびドライブ部分の底面・ラベル付近の画像: ヤフーオークションで出品者IDが timspenrod,オークションIDが k129168281(2012年10月25日に落札)の出品物画像から切り出したもの・切り出して2/3に縮小したもの,ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが b146628071(2013年6月27に落札)の出品物画像から切り出したもの,およびヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが h296358299(2018年1月12日に落札)の出品物画像から切り出して-90゜回転し2/3に縮小したもの・切り出して2倍に拡大したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.


5インチサイズのフレーム金具にドライブ部分が取り付けられた構造をしています.フロントベゼルはフレーム金具の方に取り付けられています.ドライブ自体の信号コネクタは26ピンフィルム端子ですが,フレーム金具のコネクタは34ピンカードエッジです.ドライブ部分の底面には,K-63693-91 と書かれた横長のシールと02(他に04や05も確認)と書かれた丸いシールが貼られており,フレーム金具の底面には K-63692-02 のシールと,02(他に04や05も確認)と書かれた丸いシーが貼られています.これらは型番を示す文字列と思われますので,単体で入手する際にはこれらを手がかりにできるでしょう.

⑦MD3551(PC-386NOTE W/WR,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構なし)
・PC-386NOTE WのMD3551の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが u408790370(2020年12月20日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しガンマ補正値を上げてjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386NOTE WRのMD3551の右斜め前からの画像: ヤフーオークションで出品者IDが sakaewin123_,オークションIDが r482890538(2021年6月14日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・MD3551(注)の上面と底面の画像は,ヤフーオークションで出品者IDが edc296,オークションIDが f1058643759(2022年7月23日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.
 注:商品説明では "知人がPC-486NOTE AS2から取り外して保管していたもの" とされていましたが,恐らく記憶違いでしょう.本記事ではPC-386NOTE W/WRいずれかのものと判断しました.
・PC-386NOTE WのMD3551のラベル付近の画像は,試運転の資料館 --> 電算機部 --> EPSON 98 互換機用 MD3551 を PC-9821 で使用する の記事の画像から切り出したものをjpg形式に再変換したものを引用.


型番らしき文字列(K-63810-02)が判明していますので,単体で入手する際にはこれが手がかりになると思われます.丸いシールには03あるいは04の数字が書かれていることを確認しています.本FDDにはDX設定用のジャンパスイッチがあることから,この数字はDXの違いと関係するかとも考えましたが,定かではありません.

⑧FD1137C(PC-286US/LS,PC-386LS,34ピン,(PC-286USのものはヘッドロード機構有無不明,PC-286LS/386LSのものはヘッドロード機構あり)
・PC-286LSのFD1137Cの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが nagasawa1984_0417,オークションIDが j543227798(2019年1月20日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386LSのFD1137Cの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが itlink_store,オークションIDが p714955676(2019年9月30日に落札)の出品物画像から切り出して90%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286USのFD1137Cの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが d506542977(2021年1月31日に落札)の出品物画像から切り出して70%に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286LSのFD1137Cの前方斜め上からの画像とラベルの画像: 有限会社フェイスライブス --> Tips --> PC-286LS/PC-386LS解体新書 の記事の画像から切り出してjpg形式に再変換した画像を引用.


PC-286LS/386LSのFD1137Cは P/N 134-500519-209-0 で,FD1137Cとしては,フロントベゼルとイジェクトボタンはこのP/Nのものに固有と思われます(おふがおさんの2022年10月10日のツイート も参照).これらは上の①に挙げたPC-386LSRのK-63605-92のMD3521のものと酷似しており,134-500519-209-0のFD1137CとのK-63605-92のMD3521は互換性がある可能性があります.PC-286USのFD1137Cは P/N 134-500519-308-0 で,フロントベゼルは一般的なFD1137C/Dと同じものです(注).単体で入手する場合にはP/Nが最大の手がかりとなると思われます.
 注:制御基板の紙シールには G8AUL 134-836232 とあります.また+5Vの他に+12Vも必要としますが,一般的な単一電源のFD1137Dで代替できていた[PC-286USの内蔵FDDケーブルに接続するとVFO回路が無効になるのでしょう(FD1231TをFD1137Dで代替を参照)]との報告があります(遠州秋風さんの2022年3月10日のツイート を参照).このことからPC-286USのFD1137Cは一般的なFD1137C,あるいはPC-98用の他のVFOなし2モードFDDと互換性があると考えられます(注1).また制御基板の型番(おふがおさんの2022年10月10日のツイート を参照)から,PC-286LS/386LSのFD1137Cも一般的なFD1137Cなどと互換性がある可能性が出てきましたが,確定事項ではありません(注2).
    注1:FM-11/16β用の5インチFDD(?)であるYD-1714とも互換性があるとのことです(竹下世界塔 --> 計算機再生事業団 --> EPSON PC-286US を参照).一般的なVFOなし2モードFDDでREADY信号を持つものと互換性があるのでしょう.
    注2:ひね - IMAI, Daisukeさんの2023年11月22日のツイート に,PC-286LSでFDDエミュレータのHxCが動作したとの報告が現れました.内蔵FDDケーブルにそのまま接続とありますので,どうやら一般的なVFOなし(2モード)3.5インチFDDでREADY信号を持つもの(一般的なFD1137Cもこれに含まれます)と互換性があるものと考えてよさそうです.

⑨SMD-400(PC-286L/LE,34ピン,ヘッドロード機構なし)
・PC-286LのSMD-400の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが rtqrbi6731,オークションIDが k517952073(2020年12月19日に落札)の出品物画像から切り出して-10゜回転し90%に縮小後jpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286LEのSMD-400の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが risaikurugeton0986364317dayo,オークションIDが d265229832(2019年1月20日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286LのSMD-400の前方左斜め上からの画像,および出所不明なSMD-400の後方斜め上からの画像,底面の画像,ラベルの画像: ヤフーオークションで出品者IDが timspenrod,オークションIDが k150630562(2012年9月6日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換したもの,およびヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが q423151689(2021年1月24日に落札)の出品物画像から切り出して1/3ないし2/3に縮小あるいは90゜回転し1/3に縮小したものをjpg形式に再変換したものを引用.


底面に印字された文字列は,PC-286LのSMD-400では SMD420L101-01,PC-286LEのSMD-400では SMD420L101-02 であることを確認していますが(上の画像のSMD-400の底面の文字列は後者に一致します)両者の互換性は不明です.単体での入手時にはこの文字列が手がかりになると思われます.なお上の画像では,PC-286LとPC-286LEとでSMD-400のフロントベゼルの色が異なっていますが,これはPC-286LEのSMD-400の方で経年変化による変色がより進んだためであることを確認しています.

⑩SMD-1000(PC-286NOTE F,PC-286BOOK,PC-386BOOK L,PC-386NOTE A,34ピン,PC-286NOTE Fのもの以外はヘッドロード機構あり)
・PC-286NOTE FののSMD-1000の正面画像:ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが h316599746(2018年5月16日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しガンマ補正値を上げた後jpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286BOOKのSMD-1000の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが w427131357(2020年10月28日に落札)の出品物画像から切り出して60%に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386BOOK LのSMD-1000の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが risaikurugeton0986364317dayo,オークションIDが t646400012(2019年5月7日に落札)の出品物画像から切り出して60%に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386NOTE AのSMD-1000の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが takatomi_shouji,オークションIDが h436148425(2019年11月23日に落札)の出品物画像から切り出してて40%に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286NOTE FのSMD-1000の底面(?)の画像(下段左): ヤフーオークションで出品者IDが wagura_rider,オークションIDが f467953820(2021年4月11日に落札)の出品物画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386NOTE AのSMD-1000の底面(?)の画像,および信号コネクタ付近の画像(下段右): yukkurizのメモ帳 --> EPSON PC-386NoteAのFDDとHDD(2021年3月1日の記事)の画像から切り出して半分および1/3に縮小したもののガンマ補正値を上げて併置しjpg形式に再変換したものを引用(https://yukkuriz.dip.jp/ を https://ykz.f5.si/ で置換しました).
※PC-286BOOK,PC-386BOOK LのSMD-1000の底面(?)ラベル付近の画像は,それぞれ有限会社フェイスライブス --> Tips --> PC-286BOOK解体新書 と おふがおさんの2021年3月25日のツイート にあります.いずれもPC-286NOTE FのSMD-1000のものと同じに見えます.


ラベルの文字列だけでは計測器やPC/AT互換(?)ラップトップ機などで使用されている同じ型番のFDDと区別できず,同定のためには信号コネクタの上部に貼られている細長いシールに印字された文字列(PC-386NOTE AのSMD-1000では SMD-1022-302)を確認する必要があると思われます.PC-286BOOKとPC-386BOOK LのSMD-1000はイジェクトボタンとフラップ(シャッター)の色が異なり,従ってこの文字列も異なると予想されます.またPC-286NOTE FのSMD-1000とPC-386NOTE AのSMD-1000は外観が若干異なっており(コネクタの形状は34ピンで同じではないかと思いますが,画像からは断定できません),さらにシステムガイドによれば,前者はヘッドロード機構なしで,後者とPC-286BOOK・PC-386BOOKのSMD-1000はヘッドロード機構ありとなっています.互換性については情報がありません.
 追記1:おふがおさんの2021年3月24日のツイートに,型番シールの一部が写ったPC-386BOOK LのSMD-1000の画像があります.これによると,PC-386BOOK LのSMD-1000の型番シールの文字列は SMD-1022-001-02 である可能性があります.
 追記2:試運転さんより,PC-286BOOKのSMD-1000の型番シールの文字列は SMD-1022-001-01 であるとの情報をいただきました.
 追記3:鴨 川 ネ ギさんの2021年11月28日のツイートの画像のSMD-1000[PC-386BOOK L用に入手したとのことですが,元々どの機種用だったのかは不明(実際に動作確認したとの記述もなく,そもそもエプソン98互換機用なのかも不明)ですが,フロントベゼルが濃灰色(黒)であることから,PC-286NOTE F用かPC-386NOTE A用の可能性があります]にはヘッドロード機構がありません.

⑪SMD-1100 (1)(PC-386NOTE AR,26ピンフィルム端子,2モード動作)
画像は筆者が撮影したものです.


キーボード側(画像左側)と背面側(画像右側)でフロントパネルの形状が異なっていますが,FDD自体は同じものです.背面側でメディア挿入口の位置が高くなっているのは,FDDの下にLスロットコネクタが用意されているためです.⑫のPC-486NOTE AS/AU/AV/AT,PC-586NOTE ATのSMD-1100と型番は同一ですが,こちらは2モードFDDです.26ピン信号コネクタの上部に貼られている細長いシールに印字された文字列(SMD1120-001-07)により同定が可能です.

⑫SMD-1100 (2)[PC-486NOTE AS/AU/AV/AT,PC-586NOTE AT,PC-486PORTABLE(PC-486PT1),26ピンフィルム端子,3モード動作]
・PC-486NOTE ASのSMD-1100の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが kingpulsar1122,オークションIDが h462861967(2020年3月29日に落札)の出品物画像から切り出して-90゜回転し70%に縮小した後jpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486NOTE AUのSMD-1100の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが oor_ssuf_sp38,オークションIDが n413444428(2020年4月10日に落札)の出品物画像から切り出して60%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486NOTE AVのSMD-1100の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが jarkbanban,オークションIDが h524738185(2020年12月13日に落札)の出品物画像から切り出して60%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486NOTE ATのSMD-1100の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが jarkbanban,オークションIDが f453656343(2020年9月8日に落札)の出品物画像から切り出して60%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-586NOTE ATのSMD-1100の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが q448902364(2021年5月25日に落札)の出品物画像から切り出して56%に縮小したものを7゜回転しガンマ補正値を上げてjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486NOTE AUの背面側の,I/F基板・固定用金具・インジケーター付いた状態のSMD-1100の前方右斜め上からの画像: ヤフーオークションで出品者IDが timspenrod,オークションIDが g86179598(2012年7月30日に落札)の出品物画像から切り出して40%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
他の画像は筆者が撮影したものです.


PC-486NOTE AS/AU/AVでは,キーボード側(画像左側)と背面側(画像右側)でフロントパネルの形状が異なっていますが,FDD自体は同じものです.背面側でメディア挿入口の位置が高くなっているのは,FDDの下にLスロットコネクタが用意されているためです.上の画像では機種ごとにイジェクトボタンとフラップ(シャッター)の色が異なっているように見えますが,これは撮影条件の違いによるものです.PC-486NOTE ATとPC-586NOTE ATでは,キーボード側(画像左側)のスロット("オプションスロット2")は空かCD-ROMユニットが取り付けられており(上の画像のPC-486NOTE ATとPC-586NOTE ATでは,ともにCD-ROMドライブユニットが取り付けられています),出荷時状態での内蔵FDDは背面側の1台だけです.両機種に2台目のFDDを内蔵させるためには,キーボード側のスロットにPCFDUKを取り付ける必要があります.PCFDUKで使用されているFDDは,1台目の内蔵FDDと同じSMD-1100です.これらの機種のSMD-1100は,⑪のPC-386NOTE ARのSMD-1100と型番は同一ですが,こちらは3モードFDDです.26ピン信号コネクタの上部に貼られている細長いシールに印字された文字列(SMD1140-402-00,SMD1140-301-07,SMD1140-302-07)により同定が可能です.なお背面側のSMD-1100は,マザーボードに接続する基板や固定用金具,インジケーターが取り付けられた状態で内蔵されています(PC-386NOTE ARのものも同様).この状態,あるいはここから若干の部品が取り外された状態で売られていることもありますので,画像を載せておきます.有限会社フェイスライブス --> Tips --> PC-486 AS解体新書 の画像も参照.

・PC-486PORTABLE(PC-486PT1)の外付けFDDユニットPCFD1の前方斜め上からの画像: ヤフーオークションで出品者IDが sho_55,オークションIDが d176748780(2015年10月25日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.


PC-486PT1のFDDユニットのイジェクトボタンはフロントパネルではなく,ユニットの天面にあります.またアクセスランプ窓がユニット前面にあります.使用されているSMD-1100は SMD1140-303-07 で,他の機種用のものと異なります.このFDDユニットについては,試運転の資料館 --> 電算機部 --> PC-486PORTABLE の FDD に詳しい資料があります.

⑬SMD-300 (1)(SMD-340-301-00,PC-486SE/SR/HA/HX/HG,26ピンフィルム端子,ヘッドロード機構なし)
・PC-486SEのSMD-340-301-00の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが k530435216(2021年2月7日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486HAのSMD-340-301-00の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが qf474568017(2020年11月30日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・SMD-340-301-00の前方斜め上と後方斜め上からの画像,およびラベル部分の画像: ヤフーオークションで出品者IDが tactomtom,オークションIDが s607221047 の出品物(2018年9月28日落札)の商品説明画像から切り出したものと切り出して1/3に縮小したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.


エプソン98互換機用のSMD-300には26ピンフィルムコネクタのものと34ピンコネクタのものとがありますが,SMD340-301-00は前者です.信号コネクタの上に貼られている細長いシールに印字されている SMD340-301-00 の文字列により同定できます.またイジェクトボタンは,プラスチック製のボタン部分の突起がFDDの金具のの穴の縁に引っかかっているだけで(ボタンを90゜回せば取り外せます)ぐらぐらするため,外れやすく(PC本体のフロントベゼルのイジェクトボタン用開口部にはまっている際には脱落の心配はありません.イジェクトボタンが奥行き方向にだけ動くように,この開口部は遊びがないように開けられています)また破損しやすい点に注意が必要です(単体販売されているものの中にはボタン部分が失われているものもあるかもしれません).

⑭SMD-300 (2)(SMD340-302/SMD340-302-00,PC-486FE/FR/FS,PC-486MU/MR/MS/MV,PC-586MV/RA/RV/RX/RT/RJのイジェクトボタンが外寄りのFDD,34ピン,ヘッドロード機構なし)
・PC-486FSのSMD340-302の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが jqyhm499,オークションIDが s580248353(2018年5月6日に落札)の出品物画像から切り出して70%に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-486MVのSMD340-302の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが mo_s112018,オークションIDが u408839683(2021年2月22日に落札)の出品物画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-586RAのSMD340-302の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが rustproof_mm,オークションIDが b409154600(2019年8月27日に落札)の出品物画像から切り出してガンマ補正値を上げjpg形式に再変換したものを引用.
・SMD340-302の前方斜め上・後方斜め上からの画像,および背面のラベル付近の画像(最下段): ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが r112650347(2014年5月7日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小後併置しjpg形式に再変換した画像と,株式会社ピーシーエキスパート --> EPSON PC-486FSのEPSON ファクトリー運用パソコン PC-486FS修理(2013年2月の記事)の画像から切り出してjpg形式に再変換した画像をそれぞれ引用.
・下から二段目のSMD340-302の背面ラベル付近の画像は,筆者所有のPC-586RXのものを筆者自身が撮影したものです.このSMD340-302は元々この機種に内蔵されていたFDDではなく,入手時の経緯を考えると,PC-586RAかPC-586RVあたりに内蔵されていたものではないかと思います.


34ピンコネクタを持つSMD-300であるSMD340-302です.信号コネクタの上に貼られている細長いシールに印字されている SMD340-302 ないし SMD340-302-00 の文字列により同定できます.またイジェクトボタンは⑬のSMD340-301-00と同じものです.フロントベゼルがないのも⑬のSMD340-301-00と同じです.⑮のD353T3と互換性がありますが,イジェクトボタンの位置は異なります(外寄り).なお本FDDにはフロントベゼルはありません.フロントベゼルが付いているSMD-300はPC/AT互換機用のものです(注).
 注:34ピンコネクタを持つPC/AT互換機用のSMD-340の型番シールに印字されている文字列は SMD340-101-10,SMD340-619-07,SMD340-621-03 などで,他にも多数あると思われます.フロントベゼルとイジェクトボタンは⑨のSMD-400のものと酷似しています.電源コネクタは別になっているものとそうでないものとがあるようです.またフロントベゼルのないものもある可能性があります.

⑮D353T3(PC-486MU/MR/MS/MV/ME,PC-586MV/RA/RV/RX/RT/RJのイジェクトボタンが内寄りのFDD,34ピン)
・PC-486MUのD353T3の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが h536636283(2021年2月12日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-586RTのD353T3の正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが shop_tre,オークションIDが j667638901(2020年8月2日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・D353T3の前方からの画像・底面の画像,PC-486MEに取り付けられた状態の後方斜め上からの画像,後方からの画像・ラベルの画像(2枚): ヤフーオークションで出品者IDが blex_forer,オークションIDが p702702325(2019年8月30日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小したもの,ヤフーオークションで出品者IDが clean_recycle2018,オークションIDが k508549034(2020年11月4日に落札)の出品物画像から切り出して90゜回転したもの,おふがおさんの2021年3月12日のツイートの画像から切り出したものと切り出して35%に縮小したものを併置しjpg形式に再変換したものを引用.



⑭のSMD340-302と互換性がありますが,イジェクトボタンの位置は異なります(内寄り).イジェクトボタンはぐらぐらせず,一般的なFDD同様きっちりと固定されています.PC/AT互換機用のものもありますが(注),P/Nを示すと思われる *D353T3120901 の文字列により区別できます.この文字列はD353T3と書かれたFDD左側面のラベルにはなく,右側面に貼られたラベルに印字されています.
 注:PC/AT互換機用のものでもフロントベゼルがないものがありますが,フロントベゼル付きのものは間違いなくPC/AT互換機用です.

⑯不明(PC-386BOK LXPC-286U,PC-386S-UST,PRO-486)
現在のところ内蔵FDDの型番を明らかにできていない機種です.
・PC-386BOOK LXのFDDの正面画像: ヤフーオークションで出品者が とらたろう,オークションIDが v1126570443(2024年3月1日に落札)の出品物画像から切り出して半分に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-286UのFDDの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが yugen2plus,オークションIDが j597606672(2019年10月16日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386S-USTのFDDの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが miyazakijapan,オークションIDが e355295718(2019年7月8日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PRO-486のFDDの正面画像: ヤフーオークションで出品者IDが daqi2012,オークションIDが s673217833(2018年7月14日に落札)の出品物画像から切り出してjpg形式に再変換したものを引用.
・PC-386S-UST FDD前方斜め上からと底面の一部の画像: ヤフーオークションで出品者IDが hamayokotobe,オークションIDが f128121328(2014年1月15日に落札)の出品物画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換したものを引用.


・PC-386BOOK LXのFDDは,フロントベゼルとイジェクトボタンがPC-286BOOKとPC-386BOOK Lのものに酷似しており,SMD-1000の可能性があります.実物もその画像も未見ですが,兄弟機(?)のPC-386BOOK LCのFDDも同じ可能性があります.
・PC-286UのFDDは,フロントベゼルとイジェクトボタンがSMD-400のものに酷似しており,SMD-400の可能性があります(注).PC本体の発売時期も,PC-286Uが1987年10月であるのに対し,PC-286Lが1987年11月,PC-286LEが1988年11月と,SMD-400を内蔵している機種のものにかなり近くなっています[PC-286Uの直接の後継機であるPC-286US(FDDはFD1137C)の発売は1988年12月].
  注:SMDで始まる型番のEPSON製3.5インチFDDにはフロントベゼルとイジェクトボタンが酷似(共通?)したものがいくつもあるため,これらの外観だけから断定はできません.
・PC-386S-UST(3.5インチを2台内蔵したモデル,1990年10月発売)のFDDは,キヤノン電子製の26ピンフィルム端子ケーブルのもので,底面に型番と思われるK-63691-92(これはキヤノン電子製の上記のFDDのいずれのものとも異なります)と書かれた横長のシールと01と書かれた丸いシールが貼られていますが,型番の情報はありません.なおシステムガイドのFDDの機種別仕様の箇所では,PC-386Sはモデルを区別せずに一括して扱われており,ヘッドロード機構ありとされています.
・PRO-486(全モデルが内蔵している3.5インチFDDは2台)は1992年11月発売で,PC-486GF/GR(1992年6月発売)とPC-486GR+/GR Super[1993年2月(6月?)]の間の時期の発売であることから,FDDはMD3541G,あるいはそれに近いMD3541シリーズの可能性があります.本体のFDDパネル部分がが酷似していることから,PC-386S-USTと同じK-63691-92の型番を持つFDDが使用されている可能性もあります.


■デスクトップ内部増設用FDDユニット
PCDFDU[PC-386S/G,PRO-486の本体前面のマスメモリスロット[マルチドライブスロット/マスストレージスロット:PC本体前面の5インチベイのようなところ]に装着する3.5/5インチデュアルFDDユニット(注)]
  5インチFDD部:EPSON MD5501-U5 K-61436-U5 (CANON ELECTRONICS INC.)
  3.5インチFDD部:メーカー名は見あたらず
    注:PC-386S-USTとPRO-486では,PC-486H族の2モデルや3モデルと同様,3.5インチFDD部分のフロントパネルはFDDごとに分離しておらず,一体化したものとなっています.なおPC-386S-USTとPRO-486にPCDFDUを装着した場合には,4台のFDDがすべて使用できるかは不明です(PC-386Sユーザーズマニュアルには,本体に内蔵されているFDDが3台 "以上" の場合にPCDFDUを装着した際の本体の環境設定変更の仕方に関する記載はありますが).
   下はPC-386S-F1のマスメモリスロットに装着されているPCDFDUの画像です.ヤフーオークションで出品者IDが trgetter,オークションIDが u386421961(2020年11月11日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して半分に縮小後jpg形式に再変換した画像を引用します.


※これらの機種のマスメモリスロット用増設機器には他に以下のものがありました:
  ・PC-386S/G用3.5インチFDDユニット PCZFDU3(EPSON) ※FDDは1基
  ・PC-386S/G用5インチFDDユニット PCFDU5(EPSON) ※FDDは1基
  ・PC-386S/G用ハードディスクパックアダプタ PCHDPA(EPSON)
 また,PC-286XとPC-386のマスメモリスロット用増設FDDユニットには,3.5インチFDDユニットであるPCFDU(EPSON)がありました(PC-286/XとPC-386のこれ以外のマスメモリスロット用増設機器についてはPC-98/エプソン98互換機のHDD内蔵用金具 を参照).
 また,デスクトップ用の内蔵FDDキットには以下のものもありました:
  ・PC-386GE/GS/486GF/GR/GR+/GR Super(/2,/2Eモデル等)用3.5インチFDDユニット PCZFDU3(EPSON) ※FDDは1基.本記事の末尾を参照
  ・PC-286V/VE/VS/VF/VG/VX/X/PC-386/V/VR用デュアル3.5インチFDキット(3WKIT)LDK-3WA(ランドコンピュータ)

   下はPCFDUとその取扱説明書の画像です.98JUNK.DOCさんの2021年9月16日のツイート(123)の画像から切り出して25-60%に縮小したものを併置しjpg形式に変換した画像を引用します.


    FDDは P/N 134-500519-007-0 のFD1137Cですが,フレーム金具の底面には FD5137C(P/N 134-500585-608-0)のシールが貼られています.PCFDUのマスメモリスロットへの取り付け方については,98JUNK.DOCさんの2021年9月16日のツイートに情報がありますが,この情報だけからでは,PC-286X/PC-386にPCFDUを増設した場合に内蔵FDDが3台同時に使用できるかは不明です.

   また下はPC-386S-UST(3.5インチFDDを2台内蔵したモデル)のマスメモリスロットにPCFDU5が増設されたものです.ヤフーオークションで出品者IDが aokiti15,オークションIDが u58944048(2013年10月27日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して2/3に縮小しjpg形式に再変換した画像を引用します.上に引用したPCDFDUが増設されたPC-386S-F1のい画像からもわかりますが,PC-386S/Gでは最大3台のFDDが内蔵できるようになっています.1MB FLOPPY DISKコネクタを持つ機種で,EPSON製のオプション機器を使用してこのようなFDDの構成が可能となっていることから,環境設定メニューで3台の内蔵FDDのうちどの2台を使用するか選択するようになっているのではなく,PC-386GS/GE,PC-486GR/GR+/GR Super/GF,およびPRO-486と同じく,これらの機種でも内蔵DDが3台とも同時に使用できるようになっているものと考えられます.


   また下の画像のPC-386V-STDでは,上側の5インチFDDを取り外してLDK-3WAが取り付けられています.ヤフーオークションで出品者IDが joymsk327917,オークションIDが h186002809(2014年4月12日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して併置した後jpg形式に再変換した画像を引用します.3台の内蔵FDDが同時に使用できるわけではなく,ドライブ選択スイッチの切り替えにより,3台中2台のFDDを選択[3.5インチFDD 2台,3.5インチFDD 1台(上側のものと下側のもののいずか一方を選択可能)と5インチFDD1台.3.5インチFDDと5インチFDDのどちらを若いドライブとするかも選択可能]して使用するようになっている筈です【追記:ヤフーオークションの別な出品物の説明文と説明画像を見る限り,それで間違いありません】.


 追記:PC-9801M2/VM2/VM21/VX2/VX21,PC-98XA/XL/X^L2にも対応,また使用されているFDDは34ピンコネクタでイジェクトボタンが角形のFD1138D(P/N 134-505195-001-0,制御基板 134-856765-5-6,配線面の紙シールにはG8DLS 134-836765)と判明しました.下はLDK-3WA単体の画像です.ヤフーオークションで出品者IDが necopipo,オークションIDが u1100807241[2023年8月1日に終了予定(追記:再出品なしで未落札で終了)]の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して1/3に縮小しガンマ補正値を上げた後併しjpg形式に再変換した画像を引用します.


基板上に2個ある3本ジャンパスイッチの設定は以下の通りです.この設定内容はFD1138Dの天板に貼られたシール(画像右を参照)に記載されています.
・JP1
  1側2本ショート:CPUのON/OFFによって(スピンドルモーターが?)回転
  2側2本ショート:最後のアクセスから約30(50?)秒後停止 (出荷時設定?)
・JP2
  1側2本ショート:PC-98で使用 (出荷時設定?)
  2側2本ショート:エプソン98互換機で使用

※PC-386G-F1(型番のラベルにこうあります.5インチFDDを1台内蔵したモデル.筆者も以前所有していました)で,内蔵5インチFDDのスペースに3.5インチFDD 2台が取り付けられているものがヤフーオークションに出品されたことがあります.出品者IDが kysnso,オークションIDが f1109270042(2023年10月15日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出して2/3に縮小してjpg形式に再変換した画像を引用します.


筆者の知る限りこのようなオプション機器はなく,またPC-386GにUSTモデルがあったことも確認できていませんので,この3.5インチFDD部分は,ユーザーによりPC-386S-USTのものが取り付けられたものと思われます.

※※ぱんだネコさんの2023年11月17日のツイート に,3.5インチFDDと5インチFDDのコンボドライブであるTEAC製FD-505を2台内蔵した(ぱんだネコさんの同日の別なツイート を参照)PC-286VEの画像が掲載されています.それぞれのコンボドライブのフロントベゼルに取り付けられたトグルスイッチを切り替えることで,3.5インチFDDと5インチFDDの両方のFDDが使用可能といいますので(ぱんだネコさんの同日の別なツイート を参照),内蔵3.5インチFDD 2台と5インチFDD 2台の計4台のFDDのうち2台を選択して同時使用できるもの(注1)と想像します(1MB FDD I/Fの製作も参照).今のところこのようなオプション機器の存在は確認できていません.画像を見る限り,製品として供給されていたものではなく[メーカーの製品であれば,切り替えスイッチに,本体前面に出っ張っている部分(スイッチバー)が長いために周囲との干渉の虞の高いトグルスイッチではなく,上記のLDK-3WAで使われているものと同様な出っ張り部分の少ないスライドスイッチが採用されるのではないかと思いますが(注2),フロントベゼルの取り付けスペースの都合でトグルスイッチの採用となったのでしょうか],以前の持ち主による独自の改造品である可能性もあります【追記:ドライブ部分の画像が現れました.やはり以前の持ち主の手になる改造の印象の強いものです(ぱんだネコさんの2023年11月18日のツイート を参照)】.
   注1:FD-505のデータシートの所在は,FDDのドライブ番号の設定方法を参照.
   注2:外付けFDDユニットですが,メーカー製品でも切り替え(この場合は1.25MBモードと1.44MBモードの切り替え)スイッチにトグルスイッチを採用している製品がありました.下はコンピュータリサーチ製CRC-FD3.5WT-2のモード切り替えスイッチ部分の画像です.ヤフーオークションで出品者IDが mxf00347,オークションIDが v1092825013(2023年5月27日に落札)の出品物の説明に使用されていた画像から切り出したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.フロントパネルの最下部に設置することで,周囲との干渉の危険性は低いと考えられたのでしょう.しかしヤフーオークションでの本製品の他の出品物画像では,スイッチバー(プラスチック製のようでした)が折れているものがありました.



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■2モードFDD間の互換性と混在接続可能性
筆者はPC-386GSにおいて,SD-680L,MD5501S,MD3522,MD3541G間の互換性を確認しています.ウェブ検索すると,PC-286VGでMD3541Gが,またPC-386GS/GEでSD-680Lがそれぞれ使用可能であり,またこれらの機種で両FDDの混在使用も可能との報告を見ることができます.異種FDDはストレート結線のケーブルで接続されています[Dai ISHIJIMA's Page --> ハードウェアなどの一覧 --> PC-386GS2の改造 --> 詳細 --> 5インチフロッピーの増設(注1・2),たけるん通信 --> OLDパソコンコーナー --> PC98x1/互換機 (NEC・EPSON) こちらです --> PC-486GR & etc,および電気的懐古趣味 --> EPSON PC-286VG(2015年4月19日の記事) を参照].PC-286VGで動作確認したというMD5501Sがヤフーオークションに出品されていたこともあります(注3).また下はPC-386GE2(3.5インチFDDを2台内蔵したモデル)にSD-680LとMD5501Sを混在内蔵させたものです(注4).ヤフーオークションで出品者IDが tpvay55709,オークションIDが u1117371929(2024年1月18日に終了予定)の出品物の説明に使用されていたものから切り出して2/3に縮小しガンマ補正値を上げたものをjpg形式に再変換した画像を引用します.実に色々な人が自分の用途に合わせた自分だけのマシンを手に入れるために,(時に愛機の破壊さえも覚悟の上で)様々なな改造を敢行してきたことに敬服させられます.


 注1:PC-386GS/486GR等のマザーボードには,内蔵FDDが2台の場合と3台の場合で切り替えるジャンパスイッチがあり,その設定が拡張スイッチ2-7の初期値に反映されるそうですが(この情報はかかっくんさんよりいただきました),PC-386GS2に3台目のFDDとしてSD-680Lを追加接続したこの記事では,このジャンパスイッチについて言及がなく,変更しなかったものと思われます.またPC-486GR2にMD5501Sを増設したという記事(SynchroniCity2004 --> 穴あけ魔人の鏝先 --> いまさら486GR)でも,2FDD/3FDDジャンパスイッチは変更しなかった旨書かれています.
 注2:この記事では内蔵FDDケーブルに3台目のFDDとして接続されたSD-680Lは,設置スペースの都合で本体外部に設置されています.
 注3:システムガイドには,PC本体により内蔵されているFDDのタイプ(ヘッドロード機構の有無等)とFDD BIOSの仕様は異なるが(注3.1),FDD BIOSを使用してFDDにアクセスする場合については互換性が保たれているとの記載があります.エプソン98互換機に内蔵されているすべてのFDDにこの記載内容が妥当するかは疑問なところがありますが(エプソン98互換機の内蔵FDDのDensity信号 などを参照),筆者は少なくとも多くのFDD間の互換性は高いはずと考えています(注3.2・3.3).
     注3.1:本注の記述はシステムガイドに拠ります.なおシステムガイドの刊行は1993年5月31日であり,PC-486PやPC-486NOTE AS以降の機種のFDDに関する記載はありません.
        本体機種
         ①PC-286/V/VE/VF/VG/VS/VX/X/US/UX/LS/LST,PC-386/V/VR/M/LS/LSC/LSR/LSX
         ②PC-286U/L/LE/NOTE F
         ③PC-286LF/BOOK/NOTE A
         ④PC-286C/LP
         ⑤PC-386BOOK L/BOOK LC/BOOK LX
         ⑥PC-386NOTE W/NOTE WR/NOTE A
         ⑦PC-286VJ,PC-386S/G/GE/GS/P,PC-486GF/GR
         ⑧PC-286NOTE executive
        解説
         ①1MB I/Fでモータ制御は行えない.
         ②FDDにヘッドロード機構がない.メディアとヘッドの摩耗はモーターの制御により防いでいる.モーターの停止はハードウェアが自動的に行い,モーターが停止するとNot Ready状態となる.そのためディスクキャッシュなどのソフトウェアは正常に動作しない.
         ③FDDにヘッドロード機構がある.但しバッテリーによる駆動時間を延ばすためにモーターの制御を行っている.モーターの停止はハードウェアが自動的に行い,モーターが停止するとNot Ready状態となる.DIP SW 2-7によりモーター制御に関する設定が可能であり,不具合の発生するアプリケーションではこれをOFF(モータ制御をしない)に設定すればよい.ACアダプタを接続するとモーターは停止しない.
         ④FDDにヘッドロード機構がない.モーターの停止はハードウェアが自動的に行うが,モーターが停止してもNot Ready状態とならないため,モーターが停止しない機種と同様に扱える.
         ⑤FDDにヘッドロード機構がある.バッテリーによる駆動時間を延ばすためにモーター制御を行っている.但しモーターの制御はBIOSが640KB I/Fと同様な方法を用いて行っているため,ハードウェアが自動的にモーターを停止するということはない.DIP SW 2-7によりモーター制御に関する設定が可能.ACアダプタを接続するとモーターは停止しない.PC-386BOOK LC/LXはACアダプタの使用が当然であるので,モーター制御は行われない(モーターは停止しない).
         ⑥FDDにヘッドロード機構がない.但しモーターの制御はBIOSが640KB I/Fと同様な方法を用いて行っているため,ハードウェアが自動的にモーターを停止することはない.
         ⑦FDDにヘッドロード機構がある. FDD BIOSでモーター制御を行うことを指定できるが,一度指定するとリセットするまでモーター制御を禁止することはできない.
         ⑧FDDを内蔵していない.
     注3.2:もしそうであれば,PC/AT互換機用のFDDに手を加えたものによって,多くのエプソン98互換機の内蔵FDDが代替できることが期待されます.エプソン98互換機用FDDへのPC/AT互換機用FDD改造報告としては,YE-DATA製YD-702D-6238D(3.5インチ3モードFDD)をPC-286VFのSD-680L(5インチ2モードFDD)の代替FDDとしたいぐろまさよしさんの2020年9月2日(1234567891011)・3日(12345)・4日(1234567)・5日のツイートや,MITSUMI製D353M3・D353M3DをPC-486MU等のSMD-300(SMD340-302)の代替FDDとしたわぴこのほーむぺーじ --> [日記兼掲示板] --> PC-486なFDDのキケン究所 の記事があります.エプソン98互換機の内蔵FDDのDensity信号PC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(1)――FDDケーブル作製+偽READY信号生成スイッチ取り付け編――PC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(2)――READY信号自動生成回路外付け編――PC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(3)――制御基板改造編―― なども参照.
     注3.3:"多くの" であって,"すべての" 内蔵FDD間に互換性(ここでは信号コネクタのピンアサインが同じという意味)があるとは予想していません.例えば,Lスロットに装着するTSUKUMO製のTS-5L286-02というI/Fは,内蔵FDDの信号を分岐して専用の外付けFDDに供給する製品と推測されますが(PC-286L/LE/LF/LP専用FDD I/F を参照),恐らくPC-286L/LE/LF/LPの時代に出たものと考えられ(これらの機種専用品の可能性もあります),またスイッチ等により本体機種を切り替える造りになってはいないように思えることから,これらの機種の内蔵FDDであるSMD-400・MD3521[・MD3541(注3.3.1)]には互換性があるものと予想しています.一方で,Density信号の極性が他のものと異なっているFDDも確認されています.またSMD-1000(試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサイン を参照)のように,独立した電源コネクタを持たず,信号コネクタのGNDピンの一部が電源ピンに割り当てられているFDDも存在します.
          注3.3.1:MD3541族(MD3541,MD3541S,MD3541N/P,MD3541G等)間にも互換性があるのではないかと睨んでいましたが,MD3541SとMD3541Gには互換性があるらしいものの,両者とMD3541Nには互換性がないことが明かとなりました(上の④と⑤を参照).
 注4:この例では内蔵FDDケーブルの端のコネクタがSD-680Lに,また中程のコネクタがMD5501Sにそれぞれ接続されていると思われます(MD5501Sのターミネータの値については調べていませんが,SD-680Lの330Ωより小さいということはないはずですので,内蔵ケーブルの終端にターミネータ抵抗の取り付けられたSD-680Lを接続するのが安全でしょう).2台のFDDがデイジーチェイン接続された状態であり,この状態ではSD-680LとMD5501Sのどちらも1台目のFDDとすることができます.1台目のFDDではDXジャンパスイッチを0,2台目のFDDではDXジャンパスイッチを1に設定します(この接続状態では,FDDのケーブル上での接続位置とDXジャンパスイッチの設定位置は独立です).

PC-486HA/HX/HGの内蔵5インチFDDはSD-700ですが,これはMD5501Sと互換性があるようで,PC-486HA2/HX2/HG2の3台目の内蔵FDDとして,SD-700以外にMD5501Sも取り付けることができます(MD5501SのDXは2に設定します).MD5501Sを取り付ける場合,内蔵3.5インチFDD(SMD-300-301-00)が取り付けられている UNIT 201189 300/P-201189200基板(34ピン-26極変換基板)に接続されている34ピンフラットケーブルから信号を分岐しますが,その際にMD5501S側の1番ラインと17番ラインをNCとします.1番ラインは1台目のSMD-300-301-00の360/300信号で,17ピンが2台目のSMD-300-301-00の360/300信号ラインであるためで,これらがMD5501Sに接続されると,GNDに接続されることになるため,SMD-300-301-00が3モードで動作しなくなってしまいます.これについてはかかっくんさんより情報をいただきました.なおSMD340-301に接続される26極フィルムケーブルは電源ラインを含みますが(試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサイン を参照),この電源は34ピンフラットケーブルからではなく,UNIT 201189 300/P-201189200基板上の電源コネクタから供給されます.以上は文章だけからではわかりにくいと思われるため,下にPC-486HA3のFDD周辺の画像を示します.ヤフーオークションで出品者IDが lapilapi,オークションIDが l557017720(2019年11月1日に落札)の出品物の説明に使用されていたものから切り出して1/3に縮小したものをjpg形式に再変換した画像を引用します.


またこれらのFDDの一部(注1)と,PC-98で使用されている,あるいは使用可能なVFOなし2モードFDDの信号は,Density信号の論理が反転している(注2)以外は等価ですので(実際に問題なく動作しますので,そう考えて構わないでしょう),Density信号の論理を反転させればエプソン98互換デスクトップ機で使用できる場合があります(エプソン98互換機の内蔵FDDのDensity信号 を参照).例えばRDジャンパを1に設定し(VFOの無効化),DENジャンパを2に設定(Density信号の反転)したFD1155C/Dは,SD-680Lの代わりに使用できることを確認しています.なおFD1155のターミネータは集合抵抗ですが,FD1155Dのターミネータの有無はVCジャンパ(ショートでターミネータ有効,オープンで無効)で設定します[FD1155Dの信号コネクタのピンアサインエマティなリサイクル --> 研究発表会 --> 98FDDドライブ設定表 --> FD1155D設定表,FD1157D設定表,FD1157D設定表(2) を参照].信号のターミネーションについてはFDDの信号レベルとターミネータの値 を参照して下さい.
 注1:例えば,PC-9801BX2/BX4では,SD-680Lは動作したものの,MD5501Sは動作しませんでした(VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル を参照).
 注2:SMD-1000(SMD-1022-001-01:試運転の資料館 --> 電算機部 --> EPSON 98 互換機用 SMD-1000 を PC-9821 で使用する を参照),SMD-1100(SMD1140-300-08:試運転の資料館 --> 営繕部 --> 国産電算機のピンアサイン を参照.Density信号論理反転の記載がなく,反転なしと判断しました),MD3551(試運転の資料館 --> 電算機部 --> EPSON 98 互換機用 MD3551 を PC-9821 で使用する,おふがおさんの2022年5月24日のツイート を参照)など,Density信号の論理が反転していないFDDも確認されています.


■PCZFDU3について
PCZFDU3はPC-386GE5/GS5/GF5/GR5/GRP5/GRS5(いずれも5インチFDDモデル)に3.5インチFDDを内部増設するキットです.下はPCZFDU3一式(左の画像の右奥の基板はキットに含まれてはいないのではないかと思います)と,PCZFDU3が増設されたPC-386GE5です.ヤフーオークションで出品者IDが timspenrod,オークションIDが r86221590(2013年3月12日に落札)の出品物画像2枚を半分に縮小後ガンマ補正値を上げ併置した後jpg形式に再変換した画像を引用します.


筆者の手元のPCZFDU3(PC-486GF5に内蔵されていたもので,フロントパネルの一部と電源分岐ケーブルは欠けています)のドライブは,キヤノン電子のMD3522です.


PC-386GE5とPC-486GF5/GR5(5インチFDDモデル)の最下部のFDDベイの奥には,上記の画像にある基板(1502MF BOARD)が取り付けられています(PC-386GS5などでも同じと思いますが未確認です).これらの機種の内蔵FDDケーブルには,1502MF BOARD上の黒い34ピンオスコネクタに接続するための34ピンメスコネクタが備えられています(PC-386GE5,PC-486GF5/GR5の内蔵FDDケーブル も参照).
 MD3522に1502MF BOARDを接続したものを,FD1231を内蔵したPC-98のFDDケーブルであるいわゆる反転ケーブルでPC-386GS3に接続したところ使用可能でした.3台目用の設定(DX=2)になっていましたが,1,2台目用の設定でももちろん使用できました.

上の "2モードFDD間の互換性と混在接続可能性" にあるように,MD5501SとMD3541Gは信号の上で互換性がありますが,両者はフロントベゼルのサイズも同じです.従ってMD3541Gがあれば,これをPCZFDU3の代わりにPC-386GE5(/GS5?)とPC-486GF5/GR5の3台目の内蔵(3.5インチ)FDDとして取り付けることができます.但し元々の内蔵FDDケーブルではコネクタが合わないため,PC-386GS3の内蔵FDDケーブル相当品を作成する必要があります.下はPC-386GE5の3台目のFDDとしてDXを2に設定したMD3541Gが取り付けられていると思われるものです.ヤフーオークションで出品者IDが queuebert2,オークションIDが j741418363(2021年7月6日に落札)の画像から切り出して2/3に縮小しガンマ補正値を上げjpg形式に再変換した画像を引用します.


PC-386GE2/GS2とPC-486GF2/GR2の3台目の内蔵(5インチ)FDDとしてMD5501Sを取り付け,末尾3のモデル相当品にすることもできる筈です(注).筆者はメンテナンスを行ったMD5501Sの調子をしばらく見るために,PC-386GS3の内蔵1・2台目のMD3541Gの代わりにMD5501Sを取り付け,5インチFDDを3台内蔵させていたことがあります.
 注:PC-386GS2に3台目の内蔵FDDとしてMD5501Sを実際に取り付けた例がありました[新かべきんブログ --> EPSON PC-386GS バッテリー交換と内部清掃^^(2018年8月17日の記事)を参照].ただし本体の最下段(3基目)のFDDベイの蓋にあたる部分はフロントパネルと一体化されているため(?)取り外せませんので,これを切除する必要があります(他にも切除の必要な箇所があるようです).これは,3.5インチFDDを2台内蔵したモデルでは3台目のFDDを追加増設するオプションが用意されていないためでしょう.PC-386GE2やPC-486GF2/GR2でも同じではないかと予想されます.このようにしてFDDを3台内蔵させた場合,そのままではFDDベイの開口部の最下部に5mm程度の隙間が空くようです.


■エプソン98互換デスクトップ機の3モードFDDのイジェクトボタンの位置について
エプソン98互換デスクトップ機の3モードFDDのイジェクトボタンの位置は,
  ・EPSON SMD-300 がケーブルの種類(フラット/フィルム)にかかわりなく外寄り
  ・MITSUMI D353T3 が内寄り
です.比較画像を下に示します. SMD-340-301-00(PC-486SRやPC-486HXなどの26ピンフィルム端子のもの)とD353T3の画像は,ヤフーオークションで出品者IDが tactomtom,オークションIDが s607221047(2018年9月28日に落札)の出品物の説明に使用されていたもの(最上段)と,出品者IDが blex_forer,オークションIDが p702702325(2019年8月30日に落札)の出品物の説明に使用されていたもの(最下段)をそれぞれ切り出したものを縮小後併置しjpg形式に再変換して引用します.


内寄りであるD353T3のイジェクトボタンは,OSD-u(PC-98用のFD1231T互換FDD)等,他の多くのFDDのものと同様の位置となっています.

下は,実物での調査と雑誌やWWW上の記事・画像の調査に基づく機種ごとのフロントパネルのFDDのイジェクトボタン開口部の位置です.

  486SE(FDDは2台) 外寄り
  486SR(FDDは2台) 外寄り
  486HA2(FDDは2台) 外寄り
  486HA3(3.5インチ部は2台) 外寄り
  486HX2(FDDは2台) 外寄り
  486HX3(3.5インチ部は2台) 外寄り
  486FE1GW(FDDは1台) 外寄り
  486FR1GW(FDDは1台) 外寄り
  486FS1HW(FDDは1台) 外寄り
  486FS2(FDDは2台) 外寄り
  486FR2(FDDは2台) 外寄り
  486MU(FDDは2台) 内寄り
  486MS(FDDは2台) 外寄り
  486MR(FDDは2台) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
  486MV2JVM(FDDは2台) 外寄り
  586MV1JM(FDDは1台) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
  586MV2(FDDは2台) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
  486ME1LM(FDDは1台) 内寄り
  586RA1LW(FDDは1台) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
  586RA2(FDDは2台) 外寄り
  586RV2(FDDは2台) 外寄り
  586RX1LW(FDDは1台) 内寄り
  586RV1JW(FDDは1台) 内寄り
  586RJ1LW(FDDは1台) 外寄り

同一型番の機種でも,PC本体のフロントパネルにあるFDDのイジェクトボタン用の開口部の位置が異なる,すなわち使用されているFDDの種類が異なる場合があるようです.これはユーザーの手によりFDDがフロントパネルごと交換されている機体(下を参照)のデータも含まれているためかもしれませんが,元々そうである可能性もあります.例えば下はPC-486MVの画像ですが,枝番は不明ながら,同じ2FDDモデルでもイジェクトボタンの位置が互いに異なっています.ヤフーオークションで出品者IDが captains_voyage,オークションIDが p679106819(2019年4月7日に落札)の出品物の説明に使用されていたもの加工(元画像を切り出したもの縮小後jpg形式に再変換)した画像(左)と,出品者IDが naoshimoyamad,オークションIDが j503578046(2018年8月11日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを加工(同上)した画像(中央)をそれぞれ引用します.また比較のため,1FDDモデルである,出品者IDが incs1982,オークションIDが f140358958(2014年10月27日に落札)のPC-586MV1JMの説明に使用されていたものを加工(同上)した画像(右)も引用します.


実は,PC-486MU-586RJでは,イジェクトボタン用の開口部の数と位置を無視すれば,フロントパネルを相互に付け替えることが可能なのです.実際,筆者の586RX1LWのフロントパネルも,586RV2のものに取り替えてあります[PC-586RXのSMD-300(SMD340-302)をFD1231Tで代替 を参照].フロントパネルの型番の部分はシールになっており,これは簡単に貼り替えることができます.これまでのところ次のように考えています.

  (1) FDDケーブルが26ピンフィルムケーブルであるSMD-340-301-00が使用されている機種(PC-486SE/SR/HA/HX/HG)では,フロントパネルのイジェクトボタンの開口部は必然的に外寄りである.
  (2) FDDケーブルが34ピンフラットケーブルである機種のうち,PC-486FS/FR/FEで使用されているFDDはSMD-340-302しか確認されていない.これらの機種のフロントパネルのイジェクトボタンの開口部は外寄りのみと断定してまず間違いなかろう.
  (3) FDDケーブルが34ピンフラットケーブルである機種のうち,PC-486MU~586RJのフロントパネルにはFDDが1台用のものと2台用のものとがあるが(注1・2),それぞれイジェクトボタン用の開口部が内寄りに開けられているものと,外寄りに開けられているものの二種類(計四種類)が用意されている.
     注1:但しPC-486MEはイジェクトボタンの開口部が内寄りの個体しか確認されていない.
     注2:FDDが1台のみの486MEを除き,PC-486のフロントパネルはFDD2台用のものしか確認されていない.
  (4) (3)の機種では,FDDケーブルが34ピンフラットケーブルであるSMD340-302(イジェクトボタンは外寄り)とD353T3(同内寄り)が使用されているが,どちらのFDDが取り付けられるかはロット等によって異なり,それに応じてフロントパネルも異なるものが取り付けられていたのではないか(注1・2).
     注1:PC-586MV・486MVのカタログ(ぱんだねこさんの2022年1月16日のツイート を参照)やPC-586RX/RT・486RSのカタログ(ぱんだねこさんの2022年1月28日のツイート を参照)には,PC-586MV1JM/586RX1LW/586RT1LW用の" 増設3.5インチFDDユニット" としてPCFD31が掲載されている(PCFD31は増設用3.5インチFDD1台とFDD 2台用の本体フロントパネルのセットと予想する).内蔵FDDが1台のモデルには,フロントパネルのイジェクトボタン用の開口部が内寄りのものと外寄りのものの両方がある(後者は数が少ないように感じている)ことを確認しているので,PCFD31で使用されていたFDDには,D353T3(イジェクトボタンは内寄り)とSMD-300(SMD340-302ないしSMD340-302-00,イジェクトボタンは外寄り)の二種類があったはずである.従って,PCFD31の購入に先立ち,PC本体のフロントパネルのイジェクトボタン用の開口部が内寄りか外寄りかをユーザー本人が確認しておく必要があったことになる.
     注2:注1とは別の可能性もある.すなわち,"増設3.5インチFDDユニット PCFD31" とは,(恐らく)D353T3とイジェクトボタン用の開口部が内寄りの2FDD用フロントパネルという組み合わせのセットであったという可能性である.この場合,イジェクトボタンが外寄りのSMD-300が使用されている1FDD機では,1台目のFDDもD353T3に交換されたのではなかろうか.


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