エプソン98互換機本体−内蔵FDD対応表


エプソン98互換機の内蔵FDDに関しては,大量投稿/○oo氏によるデスクトップ機の3.5インチ3モードFDDの調査結果がEPSON98開発公団発行の同人誌,"Oh!EPSON PC 2000" 12/30号(2000年12月30日発行)の76ページに掲載されており(注),またこの記事はEPSON98サービス機構発行の同人誌,"E-Sapa別冊 甦るEPSON PC伝説 永久保存版"(2004年8月15日初版発行)の51ページに再録されていますが,これらは現在エプソン機ユーザーの多くが参照できない状況となっています.また5インチFDDについてはまとまった資料がなく,さらに3.5インチFDDでも古い機種に内蔵されているものについては不明であり,個人レベルによる保守を困難にしています.そこで本記事ではこれらに関して実機で調査した結果を報告します.
 注:この同人誌には,"Oh! EPSON PC DATABOOK出張版 2000年冬号" というクリーム色のB4版二つ折りの紙が添付されており,そこに正誤表も掲載されています.古書で入手される際にはご注意下さい.なおこの同人誌の記事の一部は,上記の通り,後に "E-Sapa別冊 甦るEPSON PC伝説 永久保存版" に再録されましたが,そこでは正誤表にある誤記がすべて修正されているわけではありません(筆者が所有している冊子版の場合.PDF版の場合は不明).

上記の同人誌には以下の記述があります(文章を改変してあります).
3.5インチFDDにはイジェクトボタンが外寄りのものと内寄りのものとがある.
・外寄りタイプ
 486MV, 586MV2, 586RV2に多くみられる.486FE/FS/FRも同系のドライブ.互いに使い回し可能.
・内寄りタイプ
  486MU/MR/MS, 586R系の1LWモデル(FDD1基モデル)に多くみられる.
486S/FのFDDはSMD-300だが,S系と並行生産された486H系では,フィルムケーブルタイプのSMD-340-301(ママ)が,またF系と並行生産された486/586M/R系ではフラットケーブルのSMD-340-302(ママ)がそれぞれ使用されている.

またHAMLINさんより以下のコメントをいただきました(表現を変えてあります).
EPSON製FDDの形式番号は下記のようになっており,003まで一致していれば最後の-01部分の数字が異なっても互換使用可能と思われる.例:SMD1340-003-01
P/Nは銘板以外の箇所,例えばシャーシ底板や側板に貼られたシールに記載されていることがある.残念ながらSMD???の部分だけでは互換性の確認はできないと思われる.

以下はこれまでの調査で判明した分です.29L-3MAさん,a-taroさん,エマティさん,lBMさん,ジャンキィチェンさん,KAZZEZさん,Crusher-Kさん,masさん,RIIさん,richa!さん,RXM/竜魔さん,新グラデストさん,TaqIさん より情報をいただきました.
 ※吉野敏也(監) 株式会社テクノメディア(編) (1993). EPSON PC システムガイド ――100万人EPSONユーザーのためのオフィシャル・データブック―― クリエイト・クルーズ(以下システムガイドと略記) に,一部の機種ですが,機種ごとのFDDの分類表が掲載されています.この表による補足事項も記載します.


■内蔵3.5インチFDD
1. デスクトップ用2モード
・PC-286C(PC CLUB)
  キヤノン電子 MD3541 K-63691-02 26ピンフィルム端子
  ※システムガイドでは,PC-286CはFDDに関してPC-286LPと同じグループに含められており,PC-286LPのFDDもMD3541の可能性があります(ヘッドロード機構なし).MD3541は型番がMD3541Gと似ていますが,後者はヘッドロード機構を備えており,相互に単純な代替はできないかもしれません.
・PC-286UX
  キヤノン電子 MD3522
・PC-386M STD
  キヤノン電子 MD3522 他にK-63605-95と書かれた横長のシールと01と書かれた丸いシールあり
  ※MD3522とSD-680L・MD5501S・MD3541Gが相互に入れ替えて使用できたことから(下の 2モードFDD間の互換性 の節を参照),MD3522もヘッドロード機構を備えていると思われます.
・PC-386P
  キヤノン電子 MD3541S 26ピンフィルム端子
  ※システムガイドによれば,ヘッドロード機構を備えています.
・PC-486P2
  キヤノン電子 MD3541P 26ピンフィルム端子
・PC-386GE2/GS2/486GF2/GR2/GRP2/GRS2,およびGE3/GS3/GF3/GR3/GRP2/GRS3の3.5インチFDD
  キヤノン電子 MD3541G フィルムケーブルを5インチベイ固定金具内ででフラットケーブルに変換
  FDDにはK-63693-91と書かれた横長のシールと02と書かれた丸いシールあり
  また5インチベイ固定金具底面にはK-63692-02のシールあり(PC-386GS3で確認)
  ※システムガイドによれば,ヘッドロード機構を備えています.

2. デスクトップ用3モード
・PC-486HX/HA2
  EPSON SMD-300(SMD340-301) F400341356 USP482314 26ピンフィルム端子
・PC-486MU2GW/486MR2/586RX1LW/586RA1LW/586MV(1JMか?)/586RT
  Neutronics MITSUMI MODEL D353T3 P/N *D353T3120901 34ピン
・PC-486SE/SR
  EPSON SMD-300 P/N SMD340-301-00 26ピンフィルム端子
・PC-486FR/FE1GW/486FS1HW/486FS2/486MS/486MV2/586MV2/586RV2
  EPSON SMD-300 (SMD340-302) 34ピン
  ※D353T3とSMD-300はPC/AT互換機でも使用されていました.エプソン機用のものとPC/AT互換機用のものとではP/Nが異なるのではないかと思われますが,未確認です.

3. ノート・BOOK(ラップトップ)用2モード
・PC-286L
  EPSON SMD-400
・PC-286LE-H20
  EPSON SMD-400 A9408804 34ピン
  ※システムガイドでは,PC-286L/LEはFDDに関してPC-286U/286NOTE Fと同じグループに含められており,後二者のFDDもSMD-400の可能性があります(ヘッドロード機構なし).
・PC-286BOOK
  EPSON SMD-1000
・PC-386BOOK L
  EPSON SMD-1000
・PC-386NOTE A
  EPSON SMD-1000(枝番なし) 34ピンですが,28ピンフィルムケーブルに変更する変換コネクタがついています.
  ※システムガイドでは,PC-286BOOK/386BOOK L/386NOTE AはFDDに関してPC-286LF・386BOOK LC/386BOOK LXと同じグループに含められており,後三者のFDDもSMD-1000の可能性があります(ヘッドロード機構あり).
・PC-286LS
  NEC FD1137C P/N 134-500519-209-0 34ピン
・PC-386LS-STD
  NEC FD1137C P/N 134-500519-209-0 34ピン
・PC-386NOTE W
  キヤノン電子 MD3551 K-63810-02 26ピンフィルム端子
  ※ヘッドロード機構なし.
・PC-386NOTE WR
  キヤノン電子 MD3551 K-63810-02 26ピンフィルム端子
・PC-386NOTE AR
  EPSON SMD-1100 P/N SMD1120-001-07
  本体前面寄りのものと背面寄りのもの(Lスロット用ボードと排他使用)とで,ドライブの型番は同じです.

4. ノート用3モード
・PC-486NOTE AS
  EPSON SMD-1100 P/N SMD1140-402-00 26ピンフィルム端子
  本体前面寄りのものと背面寄りのもの(Lスロット増設機器と排他使用)とで,ドライブの型番は同じです.
  ※PC-386NOTE ARのSMD-1100(2モード)とはP/Nが異なります.
・PC-486NOTE AU
  EPSON SMD-1100
・PC-586NOTE AT
  EPSON SMD-1100
  ※EPSON SMD-1100 P/N SMD1140-402-00 FD0514(背面は台形の20ピンコネクタ)は,PC-486NOTE AS/AU/AV用のセカンドFDユニット(Lスロット用ボードと排他使用).


■内蔵5インチFDD(2モード)
・PC-286VJ,PC-386GE5/GS5/486GF5/GR5/GRP5/GRS5,およびGE3/GS3/GF3/GR3/GRP3/GRS3の5インチFDD
  キヤノン電子 MD5501S K-61435-92 34ピン
  ※システムガイドによれば,ヘッドロード機構を備えています.
・PC-486HX5/HG5,および PC-486HA3JW/HX3/HG3の5インチFDD部
  EPSON SD-700
  ※MD5501SのアクセスランプとイジェクトボタンはFDD開口部の上側に位置しますが,SD-700ではこれらはFDD開口部の下側に位置します.
・PC-286VG/VF/386S/G/V
  EPSON SD-680L
  ※システムガイドによれば,ヘッドロード機構を備えています.また,PC-386G/Sのものはフロントベゼルのデザインが他機種のものと異なります.PC-386Sでは,FDDの1台目,2台目ともそれぞれ専用のかさ上げフレームが取り付けられており,それによってMATE-Aのファイルスロット機器のように着脱可能な構造になっています(これが下の "PCFDU5" と同等のものかは不明).


■デスクトップ内部増設用FDDユニット
・PCDFDU(PC-386S/G,PRO-486の本体前面のマルチドライブスロットに装着する3.5/5インチデュアルFDDユニット)
  5インチFDD部:EPSON MD5501-U5 K-61436-U5 (CANON ELECTRONICS INC.)
  3.5インチFDD部:メーカー名は見あたらず

※マルチドライブスロット用増設機器には他に以下のものがありました:
 ・PC-386S/G用3.5インチFDDユニット PCZFDU3(EPSON)
 ・PC-386S/G用5インチFDDユニット PCFDU5(EPSON)
 ・PC-386S/G用ハードディスクパックアダプタ PCHDPA(EPSON)
また,デスクトップ用の内蔵FDDキットには以下のものもありました:
 ・PC-386GE/GS/486GF/GR/GR+/GR Super(/2,/2Eモデル等)用3.5インチFDDユニット PCZFDU3(EPSON)
 ・PC-286V/VE/VS/VF/VG/VX/X/PC-386/V/VR用デュアル3.5インチFDキット(3WKIT)LDK-3WA(ランドコンピュータ)


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■2モードFDD間の互換性と混在接続可能性
筆者はPC-386GSにおいて,SD-680L,MD5501S,MD3522,MD3541G間の互換性を確認しています.ウェブ上でも,PC-286VGでMD3541Gが,またPC-386GSでSD-680Lがそれぞれ使用可能との報告があります.異種FDDはストレート結線のケーブルで接続されています.[Dai ISHIJIMA's Page --> ハードウェアなどの一覧 --> PC-386GS2の改造 --> 詳細 --> 5インチフロッピーの増設(注),および電気的懐古趣味 --> EPSON PC-286VG(2015年4月19日の記事)].
 注:PC-386GS/486GR等のマザーボードには,内蔵FDDが2台の場合と3台の場合で切り替えるジャンパスイッチがあり,その設定が拡張スイッチ2−7の初期値に反映されるそうですが(この情報はかかっくんさんよりいただきました),PC-386GS2に3台目のFDDとしてSD-680Lを追加接続したこの記事では,このジャンパスイッチについて言及がなく,変更しなかったものと思われます.またPC-486GR2にMD5501Sを増設したという記事(SynchroniCity2004 --> 穴あけ魔人の鏝先 --> いまさら486GR)でも,2FDD/3FDDジャンパスイッチは変更しなかった旨書かれています.

またこれらのFDDの一部(注)と,PC-98で使用されている,あるいは使用可能なVFOなし2モードFDDは,Density信号の論理が反転している以外は,信号の点で(ほぼ?)等価ですので,Density信号の倫理を反転させればエプソン98互換デスクトップ機で使用できる場合があります(エプソン98互換機の内蔵FDDのDensity信号 を参照).
 注:例えば,PC-9801BX2/BX4では,SD-680Lは動作したものの,MD5501Sは動作しませんでした(VFOなし異種FDD内蔵用ケーブル を参照).


■エプソン98互換機の3モードFDDのイジェクトボタンの位置について
現物での調査結果と雑誌やウェブ上の記事の調査結果から,エプソン98互換機の3モードFDDのイジェクトボタンの位置は,
・EPSON SMD-300 がケーブルの種類(フラット・フィルム)にかかわりなく外寄り
・MITSUMI D353T3 が内寄り
と推測されますが,一部疑問が残ります.しかし現状ではデータの齟齬の解消は困難であるため,新たなデータの提示を第一に考え,以下に調査結果をそのまま掲げます.

486SE(FDDはつねに2基) 外寄り
486SR(FDDはつねに2基) 外寄り
486HA2(FDDは2基) 外寄り
486HA3(3.5インチ部は2基) 外寄り
486HX3(3.5インチ部は2基) 外寄り
486FE1GW(FDDは1基) 外寄り
486FR1GW(FDDは1基) 外寄り
486FS1HW(FDDは1基) 外寄り
486FS2(FDDは2基) 外寄り
486MU(FDDはつねに2基) 内寄り
486MS(FDDはつねに2基) 外寄り
486MR(FDDはつねに2基) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
486MV2JXM(FDDは2基) 外寄り
586MV1JM(FDDは1基) 内寄り
586MV2(FDDは2基) 内寄り・外寄りの2種類の情報あり
486ME1LM(FDDは1基) 内寄り
586RA1LW(FDDは1基) 内寄り
586RA2(FDDは2基) 外寄り
586RV2(FDDは2基) 外寄り
586RX1LW(FDDは1基) 内寄り
586RV1JW(FDDは1基) 内寄り


■PCZFDU3 について
PCZFDU3を内蔵していると思われるPC-486GR5の画像が,Zakuさ's Home Page --> 我が愛機 --> コンピュータ --> 肆号機 に掲載されています.
手元のPC-486GF5に内蔵されていたPCZFDU3らしきもののドライブ部分にはキヤノン電子のMD3522が使われています.



どうやらPC-386GS/GE,PC-486GR/GFの5インチFDDモデルの最下部のFDDベイの奥には,上記の画像にある基板(1502MF BOARD)が取り付けられているようです.
MD3522に1502MF BOARDを接続したものを,FD1231を内蔵したPC-98のFDDケーブルであるいわゆる反転ケーブルでPC-386GS3に接続したところ使用可能でした.ジャンパは3基目用の設定になっていましたが,1,2基目用の設定でももちろん使用できました.


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