FD1231Tの制御基板は外してはいけない
(TRACK 00検出用のフォトカプラあり)


FD1231Tの制御基板は絶対に外さないで下さい.基板を固定しているネジを緩めるだけでも危険です.制御基板上にTRACK 00検出用のフォトカプラ(これがヘッドの初期位置を決めています)が取り付けられており,基板固定用のネジ穴の遊びを使ってこれの位置の微調整が行われているからです(注).基板の位置がズレるとフォトカプラの位置が狂い,メディアの読み書きができなくなってしまいます(HAMLIN's PAGE --> してはならないことをするとどうなるか を参照).
 注:FD1231Tによっては,TRACK 00検出用のフォトカプラが制御基板にないものもあります.例えば P/N 134-506790-011-0(制御基板 G8QMM)のFD1231Tでは,このフォトカプラが制御基板上に取り付けられていますが,P/N 134-506790-011-2(制御基板 G8XBZ)のFD1231Tでは,フォトカプラが制御基板上になく,制御基板を外すことが可能といいます(じゅんさまーさんの2022年8月14日21日のツイートを参照).しかしある程度の知識がなければフォトカプラの位置を判断するのは危険と考えますので,余程の必要がない限りFD1231Tの制御基板は外さないのが無難でしょう.

FD1238Tの互換FDDの一つであるTEAC製FD-05HG(試運転さんの2019年4月20日のツイート試運転の資料館 --> 電算機部 --> FDD や端子などに関する雑記を参照),エレコム製FDD-3.5WAなど多くの外付け3.5インチFDDユニットで使用されているFD-235GF[九太郎さんの2023年2月26日・8月16日(12)のツイートを参照],α DATA製外付け5インチFDDユニットであるAD-F51SRで使用されているY-E DATA製のドライブ[型番は不明:なにもしない研究所@牛乳は毒物か人体実験中 --> 電コン交換:AD-F51SR(2013年4月6日の記事)を参照]でも,TRACK 00検出用フォトカプラが制御基板上に設置されています.またPanasonic製JU-256A216P(JU-256AでRY/DC切り替え用スイッチのないもの)やエプソン98互換機で使用されているSMD-1000,SMD-1100,MD3541G(CXさんの2024年1月23日のツイート試運転の資料館 --> 電算機部 を参照),SMD-300(SMD340-301)(きょろサンチームさんの2020年11月12日のツイート を参照),5インチFDDであるTEAC製FD-55GFR(きょろサンチームさんの2020年10月10日2021年7月3日のツイートを参照),FD-155GF(Lynfieldさんの2023年11月3日のツイート を参照),5インチ2D FDDであるY-E DATA製YD-580 1354(PC-8801mk2やFM-7等用フロッピィディスクユニットMB27607・MB27611などで使用:ちまちまさんの2019年5月14日のツイート を参照)でも同様であることが判明しています(注1).また制御基板上ではありませんが,8インチFDDであるFD1165シリーズのTRACK 00検出用フォトカプラも注意すべき位置に取り付けられています(廃基板工作員さんの2022年10月25日のツイート を参照).さらにFD1238Tでは,ターンテーブルの軸受側の金属板のネジを緩めるとメディアが正常に読めなくなるといいます["各社FDD修理いたします/FD1238T/FD-235GF" のPC-98のFD1238Tでお困りの方は多いですね (2012年2月13日の記事)などを参照](注2).
 注1:FD-55GFRの制御基板を外さずに電解コンデンサを交換する方法が,ちまちまさんの2022年8月12日のツイート で報告されています.電解コンデンサの液漏れなどがない場合の方法でしょう.
 注2:MD3551のフライホイール基板の軸受け付近の3つのネジを外すことは,別な理由から危険です(きょろサンチームさんの2022年6月23日のツイート を参照).但しベアリングに注油するためにはこれらのネジを外す必要があります(きょろサンチームさんの2022年6月25日のツイート を参照).

制御基板を外してしまった場合の対処法が,どるこむの過去ログ,[39763] FDDの調整?について にありますが,実際にはこの方法には, どるこむの過去ログ,[27743] FD1138Tの劣化についてPC-9821/9801スレッド Part80の793番の投稿 のような問題があるようで,やはりFD1231Tでは不用意に制御基板を弄らないのが一番でしょう.

なおダメで元々くらいの気持ちで,かつ100kHzの信号が出力できる機器(ファンクションジェネレータなど)やオシロスコープが利用できる環境で復旧を試みる場合には,CXさんの2024年1月21日のツイート(123456)が参考になるかもしれません.また0トラック不良のFDDの復旧は,CXさんの2024年1月29日のツイート(123456)を参照.


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