PC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(2)
――制御基板改造編――

まりもさん,ぶぅぶぅさん,通りすがりさんにご指導いただき,また情報をいただきました.

PC/AT互換機用FD1231Tの制御基板を改造してPC-98で使用できるようにしました.改造したFDDはPC-9801BX4で3モード動作しました.
※より簡単な工作でPC-98でPC/AT互換機用のFDDを使用できるようにする方法についてはPC/AT互換機用FDDのPC-98での使用(1)――FDDケーブル作製+偽READY信号生成スイッチ取り付け編―― を参照して下さい.

使用したPC/AT互換機用FD1231TはPC-98NX用の P/N 134-506790-256-2(制御基板G8XBY)で,手本にしたPC-98用FD1231Tは P/N 134-506790-011-2(制御基板G8XBZ)です.下は前者の外観上の特徴です.


両者の制御基板の違いを下の表に示します(注).0Ωとは0Ω抵抗を介して(もしくは直接)短絡の意です.
 注:筆者の閲覧環境ではツイート中の一部の文字が正しく表示されないのですが,Flyingharukaさんの2021年9月6日のツイート(123)では,J1A[とJ8(?)]の状態が下に示すものと異なって記載されているように思えます.


D1の "D3E" は3つの端子がある部品です.今回のケースでは,故障したPC-98用のFD1231Tの制御基板からD3E-45を移し替えました.D3EはSeagateやSamsung等の古いHDDの制御基板で使用されていることがあります(下の画像を参照.なおこれらの基板では,IDEケーブル接続用40ピンオスコネクタなど,いくつかの部品が既に取り外されています).Winner6という文字列のあるHDDの制御基板ではD3E-42が使われていました.このD3Eはショットキーバリアダイオード RB411D(ローム株式会社)辺りの部品と推測します.


D3Eの必要性について通りすがりさんより以下の情報をいただいております(表現を変えてあります).

  ・FDCと思われるICの型番がTRN9510である制御基板にはD3E-45が実装され,TRN9510Aであれば実装されていないように思われる.
   ※Flyingharukaさんの2021年9月6日のツイート にもこれと同じ指摘があります.
  ・D3E-に続く数字列が45以外のもの(18と46を確認している)を実装したロットも存在する.
  ・ジャンク基板から外したD3E-23を取り付けての動作も確認している.
  ・FDCと思われるICがTRN9510Aの場合には,D3Eを取り付けなくても動作するようだ.

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PC-98のFD1231Tおよびその互換FDDを,制御基板を改造したPC/AT互換機用FDDで代替する方法は,他にいくつも報告されています.改造の内容は,DISK CHANGE信号の代わりにREADY信号が出力されるようにすること(と,可能であれば2DDモードでの回転数を変更すること)が中心と推測されます.無改造でREADY信号が出力できるPC/AT互換機用のFDDによる代替の実例も報告されています.

■どるこむの過去ログ,[14183] FD1231HをPC-98で使う……FD1231H(G7EQV)の改造事例
   ※これは P/N 134-506791-305-3,制御基板名 G7EQV,コントロールチップ FDN305 のFD1231Hの改造報告ですが,P/Nと制御基板名が同じでコントロールチップ(FDN303)の異なるFD1231Hを改造したところ,不完全な動作しかしなかったとの報告があります[げしょさんレトロ垢さんの2021年9月5日(123456789101112)・6日(123)のツイートを参照].元々のFD1231Hの故障やテスト環境に起因する不具合の可能性もあるようですが,一つの参考資料として紹介します.
■どるこむの過去ログ,[15416] FDD情報(FD1231T)[16450] FD1231T……P/Nが 134-506794-223-1 のFD1231H(G8XZE)の改造事例のようです
ぱるふぃの「こっち系」空間 --> パソコン --> 前世代のクロックアップ --> PC-9801BX4 --> (詳細)……"ソフマップのジャンク箱で,Replace with Compaq Spare 3 MODE FLOPPY [160788-201] と書かれて売られていたOSD" の改造事例
AtoGの改造しちゃうぞ!Homepage(Internet Archive内) --> PC-98改造 --> FDD改造 --> NEC FD1231の改造,CITIZEN OSDの改造……P/Nが -117- のFD1231T(G8WEG)の改造事例・Citizen製OSD-U(E04J)の改造事例
年中なにかの花粉でアレルギー
 --> PC/AT互換機用FDDをPC-98で使えるようにしよう。(2017年2月25日の記事)……P/Nが134-506790-732-4のFD1231T(G7FTZ)と134-506790-707-4のFD1231T(シルク印刷はG7FTZでシールにはG7GKP)の改造事例
 --> PC/AT互換機用FDDをPC-98で使えるようにしよう。2(2017年3月20日の記事)……Samsung/TriGem製SFD-321Bの改造事例
   ※文中に,PC/AT互換機用FDDをAmigaで使用するための改造の情報は多く,ピンアサインの違いを考慮すれば,それらはPC-98用FDDへの改造にとっても大変有用との指摘があります.
試運転の資料館 --> 電算機部 --> PC-9821 に PC/AT 互換機用 FDD を接続する ( 概要編 ) ,PC-9821 に PC/AT 互換機用 FDD を接続する ( 実施編 ) …… 多くの種類のPC/AT互換機用FDDの改造事例あり.一部のFDDでは2DDメディアの読み書きも可能
■試運転さんの2020年10月10日のツイート(123)……P/N 134-506791-101-0 の FD1231H(制御基板 G8QMM)を P/N 134-506790-011-0 のPC-98用FD1231T(制御基板 G8QMM)相当品に改造する際の変更箇所一覧
 ※試運転の資料館 --> 電算機部 --> 仕様が異なる FD1231T の制御基板同士を比較する に記事としてまとめられています.なおFD1238Tに関する同様の比較記事も公開されています(電算機部 --> 仕様が異なる FD1238T の制御基板同士を比較する を参照).
HAMLIN's PAGE --> PC-9821/9801シリーズとFDD --> FDD_29 PC/AT互換機用FDDを PC-9801シリーズで使用する研究,FDD_30 PC/AT互換機用FDDを PC-9801シリーズで使用した実例……制御基板自体の改造ではなく,Ready信号を出力できるPC/AT互換機用FDD(Y-E DATA製YD-702J-6637J)をPC-9801FS/BX2に接続するための変換基板の作成事例
■おふがおさんの2020年7月23日(123)・24日(123456)・25日8月16日9月5日12月27日のツイート……D353M3・D353M3D・D359M3DのPC-98用3モードFDDへの改造事例
 ※セミコロンC --> メモ (Memo) --> PC-98x1対応FDD化改造(D353M3D辺り向け) に記事としてまとめられています.
 ※※カードリーダーと一体化したFA404Mでも,FDCにD353M3と同じNCL039(注)が使用されています(おふがおさんの2021年3月4日のツイートを参照).
    注:"NCL039の35ピンが(疑似)READY信号" ということを知っておくだけで,様々なFDDをPC-98用に改造可能ということが言えそうです(にがHP --> MSXのページ --> MSXのFDD READY信号の考察と検証 の記事,しろやぎさんの2021年2月17日のツイート を参照).
■おふがおさんの
2020年11月12日のツイート……YD-686CのPC-98用3モードFDDへの改造事例

またFD1238Tに関する同様の報告もあります.
■Flyingharuka さんの2017年12月2日のツイート……制御基板がG8UDDのFD1238TのPC-98用-PC/AT互換機用間改造の事例

※制御基板の改造ではなく,PC/AT互換機用FDDをPC-98に接続するための基板の情報です.他に適当な場所もありませんのでここに書いておきます.ETHYLE~1.SYSさんの2020年12月3日のツイート(12)にある "eFDD adapter PCB for PC-9821 Notebook (CN26P)" がそれです.筆者はgoogleドライブにアクセスできず,内容を直接確認できないため,このような書き方をしていますが,eFDD.zipに,プリント基板作成のためのデータ(.gbr),回路図らしきデータ(.sch),部品表(.csv)などが含まれているそうです.ウェブ検索すると,拡張子が.gbrのファイルも.schのファイルも,開く方法を見つけることができます.同じ方の2020年12月8日のツイート(12)にプリント基板の画像と動作確認(PC/AT互換機用のFD05HGを接続)の様子が掲載されています.


エプソン98互換機用FDDへの改造報告もあります.
■いぐろまさよしさんの2020年9月2日(1234567891011)・3日(12345)・4日(1234567)・5日のツイート……YE-DATA製YD-702D-6238D(3.5インチ3モードFDD)をPC-286VFのSD-680L(5インチ2モードFDD)の代替FDDとする改造の事例
わぴこのほーむぺーじ --> [日記兼掲示板] --> PC-486なFDDのキケン究所……MITSUMI製D353M3・D353M3DをPC-486MU等のSMD-300(SMD340-302)の代替FDDとする改造の事例



通りすがりさんより以下の情報をいただいております(一部表現を変えています).

・VFO無しで1インチ高のFDDの代わりになるのは "YD-702D-M6639D" である.
 MODE SELECT(PC-98では360/300)の入力信号レベルをショートピンで選択できる(使えるまでの手間が少ない).
 DISK CHANGEの処理(NCピンにジャンパして出力させる)を適切にし,ケーブルを少し加工しPC-98側の33ピンに接続する.
・FD-235HG-C805,FD-235HG-C817,FD-235HG-C897にも同様の機能があるが,MODE SELECTの入力信号レベルが固定なため,PC-98の360/300信号が直接入らず,信号を反転させる必要がある.ただし,1.2Mモード限定ならばMODE SELECTをGNDに落とせば使用できる.
・FDDからのHigh Density信号は使用する必要はない.また,PC-98側から出ているDENSITY信号は使用しない(2HDメディアで1.2Mと1.44Mを使用する上では問題なし).
 PC-98から出力されているDENSITY信号は,FDDの動作モードを2HD(1.2M)/2DD(640K)の切り替えに使用していると思われる(PC側からFDDのモードを切り替える).
 一方,PC/AT互換機用のFDDは,2HDのメディアを入れた時は2HDモードで,2DDメディアを入れた場合は2DDモードに切り替わる(FDDか自動的に自分のモードを切り替える).

・PC/AT互換機用のFDDをPC-98に接続して2DDのメディアを互換性を保ったまま使用することは困難であろう.
・PC-98のセットアップメニューでのアクセスモードの指定は「自動」でよい.
・YD-702D-M6639DをPC-9821V13に接続して2DDメディアを使用した際の挙動は以下の通り.

機材
 PC-9821V13
       Aドライブ:YD-702D-M6639D(接続ケーブルを作成)
       Bドライブ:FD1231T
       FDは擬似2DDメディア(2HDのメディアを2DDに偽装)
結果
 1) FD1231Tで640Kにフォーマットし,システムを転送し,YD-702D-M6639Dで起動させた場合 --- 起動不可
 2) YD-702D-M6639Dで640Kにフォーマットし,システムを転送し,FD1231Tで起動させた場合 --- 起動不可
 3) FD1231Tで640Kにフォーマットし,システムを転送し,FD1231Tで起動させた場合 --- 起動可
 4) YD-702D-M6639Dで640Kにフォーマットし,システムを転送し,YD-702D-M6639Dで起動させた場合 --- 起動可

 * 1.2Mおよび1.44Mにおいてはお互い同士での起動などすべての互換性は問題なし.
 * PC/AT互換機のFDDは2DDのメディアを入れると300回転になる仕様.(FDDの記録方式も2DDモード)
   PC-98用のFDDで2DDのメディアを入れた場合の回転数が360回転なのか300回転なのかは不明だが,
   検証結果からは2DDの時も360回転の可能性が高い.

※Y-E DATA製 YD-702J-6637JYD-702D-M6639D のデータシート(Internet Archive内)へのリンクです.


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