26/30ピンコネクタと8/12ピンミニコネクタの作り方


■26ピン,30ピンフラットケーブルコネクタ
パーツショップや通信販売で売られている新品のフラットケーブル用のコネクタは結構な値段がします.必要なコネクタをなるべく安価に手に入れようとする場合,ジャンク品や手持ちの不要ケーブルなどから外すことになります.しかしフラットケーブルのコネクタの多くは34ピンか40ピン,あるいは50ピンのものであり,26ピンや30ピンといったピン数のコネクタが使われていることはあまりありません.しかし後者は前者よりピン数が少ないため,前者を加工することにより簡単に作成できます.


(1) メスコネクタの場合
フラットケーブルからメスコネクタを取り外す際には,ケーブルに刺さっている端子の,スリットを挟んで相対する矢印状の部分を変形させないように注意します.この部分が変形すると,再びフラットケーブルに圧着した場合に,ケーブルの線材の導線にこのスリット部がうまく接触しないことがあります.コネクタを取り外す場合には,矢印状の部分がケーブルに刺さったまま端子がコネクタのフレームからごっそり抜けてしまうことが少なくありませんが,その場合はケーブルから端子を一本一本丁寧に抜き取り,向きに注意してフレームに刺し直します.この時,端子の矢印状の部分が多少不揃いとなっても,飛び出た部分を無理に押し込もうとしてはいけません.怪我しやすく,また端子の変形や接触不良の原因となりやすいためです.多少不揃いであっても,フレームに端子が垂直に刺さってさえいれば,圧着時に締め付けることできちんとケーブルを噛ませることができます.

ピン数の少ないコネクタに加工する場合には,コネクタの一方の端から端子を必要な数だけ抜き取り,その後刃物でフレームの不要部分を切除します.削り屑がコネクタの穴に入り接触不良の原因となりますので,ノコギリやヤスリは使わないで下さい.私は不要部分を鉈で大きく欠き取ってから,残った部分をカッターで削り取っています.またコネクタ側面に突起があれば,オスコネクタと接合する際に相手のフレームと干渉しますので,これも取り除き,代わりに接合すべきオスコネクタの切り欠きの方向をフラットケーブル上にマーキングしておきます.抜き取った不要な端子は,コネクタの加工中などに誤って変形させってしまった端子との交換に備えて取っておくとよいでしょう.

端子をケーブルに圧着後,エポキシ造形パテなどを使ってコネクタの両脇を固定します.液状の接着剤は,端子の部分にまで液が回り込んで接触不良の原因となりかねませんので使わないで下さい.

(2) オスコネクタの場合
多くの場合,故障したHDDやFDD,ジャンク基板などから外すことになると思われますが,無理に綺麗に外そうとする必要はありません.ケーブルにハンダ付けできる足が残ってさえいればいいので,ニッパーで切断できるものであればそうするのが楽です.もちろん作成予定のケーブルは,オスコネクタが端に位置するように設計する必要があります.ただしピン数の多い圧着型のオスコネクタを使用しているケーブルをジャンク品として見かけることは少ないと思われますので,オスコネクタが中間に来るケーブルを作成する必要がある場合には,新品のコネクタを使用した方が実際的です.

ピン数の少ないコネクタに加工する場合には,コネクタの一方の端から不要なピンを引き抜きますが,側面に突起のついたメスコネクタと接続するコネクタでは,コネクタの枠の切り欠きにメスコネクタの突起がはまるように,コネクタの両端から同数のピンを引き抜きます.引き抜いた不要なピンは取っておくと,変形したピンとの交換の他,ジャンパポストとして利用したり,メスコネクタのついたフラットケーブルの結線調査(コネクタ間の導通の調査)を行う場合にも重宝します.

■8ピン,12ピンミニコネクタ
1MB FDD I/FやVFOあり5インチFDDをファイルベイに増設するためのケーブルでは,8ピンないし12ピンミニコネクタ(メス)を持つサブケーブル(前者の場合)またはケーブルの一部(後者の場合)をCバスボックス脇のコネクタに接続する必要があります.このミニコネクタの型番は,8ピンのものは日本圧着端子のB8B-PH,PHR-8,ヒロセ電機のFD3-8S-2C,日本航空電子のIL-S-8S-S2C2-Sであり,12ピンのものは日本圧着端子のB12B-PH,ヒロセ電機のFD3-12S-2C,日本航空電子のIL-S-12S-S2C2-Sです(これらの情報はぶぅぶぅさんとAPさんよりいただきました.このミニコネクタのピン間隔は2mmです.
※日本圧着端子のPHシリーズは形状がわずかに異なるという情報がありますが,現物での確認はできていません.



これらは電子パーツ店や通信販売等で購入できますが(ジャンク屋の店頭で小型のケーブル類を丹念に調べると両端にこのタイプのコネクタのついたケーブルが見つかることもあります),8ピンミニコネクタの場合には,NEC純正マウス内部のコネクタ,PC-9801NS/Eなどの本体に内蔵されているCRTパック用コネクタケーブルをマザーボードと接続するコネクタ,FD1158Cの基板上のコネクタ,メルコの外付けSDAT SCSI HDDのSDAT基板上のコネクタ,古いビデオデッキやCDプレーヤー内部のコネクタなどを加工して流用することも可能です.家庭用電子機器の基板などでは10ピン程度の同種のコネクタが使われている場合が間々あります(映像や音声を処理する機器の基板で使用されているケースが比較的多いように思います).

例えば下のG7BUPという小基板とケーブルは,NEC製PCであるVC40H/8やVE36H/6のサウンドジャック部のもののようですが,このケーブルの茶色の8ピンミニコネクタが該当するコネクタです,なお白いコネクタも8ピンでピンの間隔は同じですが,流用できるように加工するのはピン固定部の形状の関係で容易ではありません.


ジャンクなどで12ピンミニコネクタを入手するのは容易ではありませんが,数ピン程度のミニコネクタのついたケーブルは注意していると意外に見かけます


MATE-AやMULTi/CanBeの12ピンコネクタの信号ピンは,2本のピン(Drive Select 2,3),3本のピン(Sync,MFM/FM,Window),4本のピン(Two Side Disk,GND,Read Data,GND)のブロックでかたまっていますので,ピン数の少ないミニコネクタを寄せ集めて12ピンコネクタの代用とすることができます(ピンブロック間のピンは使用されていないピンですから,ピン数の少ないコネクタどうしが干渉することは少ないでしょう.若干の加工が必要な場合はあるかもしれませんが).

MATE-Aでは,外付けFDDとして8インチFDDを接続する必要がなければ3・4・8ピンへの接続が不要ですので,ミニコネクタは9ピン分(外付けFDDがシングルドライブなら8ピン分)あればよいことになります(さらにGNDラインも1本のみにすれば7ピン分にまで減らせますが,GNDラインが2本なのは理由のあることですのでこれはおすすめできません).

ピン数の少ない複数のミニコネクタを組み合わせて使用する場合,コネクタの付け外しの作業が大変になりますが,頻繁にはめたり外したりを繰り返すものでもありませんので,見ばえの問題はともかく,信号伝達が問題なく行えるのであれば実用上の問題はないでしょう.

8ピンミニコネクタでは,外付けFDDをがデュアルドライブならすべてのピンが必要となりますので,ピン数の少ないコネクタを寄せ集めて代用する場合,それぞれのコネクタの隣接し合う部分を慎重に削るなどして干渉を極力減らす必要があります.なおPC-9801B3-K01相当ケーブルやPC-9821K-08相当ケーブルの場合,Drive Select 3信号は不要ですから,8ピンミニコネクタは比較的よく見かける3ピンと4ピンのミニコネクタを組み合わせれば代用できます.

8ピンミニコネクタも12ピンミニコネクタもピンの間隔は同じですが,一見これらと似ていてもサイズやピンの間隔がわずかに違うコネクタがあるので入手時にはご注意下さい.なお必要なメスのミニコネクタがどうしても入手できない場合には,オスのミニコネクタの脚(マザーボードの裏面や1MB FDD I/Fの裏面)に直接サブケーブルをハンダ付けするという方法もあります.