PC-98用グラフィックアクセラレータボードのケーブル


PC-98本体とグラフィックアクセラレータボードとを接続するケーブルは,同種のコネクタであってもメーカー毎にピンアサインが異なる場合があります.ここではケーブル両端のコネクタでのピン同士の結線(筆者がテスターで導通を調査した結果)について述べます.ケーブルのインピーダンスやシールドについては調べていません.これらを考慮せずに相当品を作成する場合には,ゴーストの発生(それに対する許容の度合いはユーザーにより異なるでしょうが)を覚悟する必要があります.

※PC-98本体のコネクタとグラフィックアクセラレータボードのコネクタはともにメスコネクタですので,両端の被覆を剥いたバラのコードを両者のメスピン(コネクタの穴)に挿して両者を繋げれば,コネクタを調達してケーブルを作成しなくてもグラフィックアクセラレータボードの出力をディスプレイに映すことはできます.画質はシールドなしのケーブルを作成して使用した場合と大差ないでしょう.

試運転さんに誤記についてご指摘をいただきました.


================== ミニDIN8ピン-Dサブ15ピンのケーブル ==================

PC-98本体のANALOGUE RGBコネクタに接続するDサブ15ピン(2列)オスコネクタのピン番号と,グラフィックアクセラレータボードに接続するミニDIN8ピンオスコネクタの向きを下の通りとします.いずれも嵌合面から見た場合です.


ミニDIN8ピンコネクタの図におけるピン脇の数字は,そのピンと結線されているDサブ15ピンコネクタのピン番号を示します.これが数字でなく "Dサブ15枠" となっている場合には,そのピンがDサブ15ピンコネクタの金属枠(フレーム)と結線されていることを示します.またDIN8ピンコネクタの図の横の "枠-2,4,6,8,12" という表記は,ミニDIN8ピンコネクタの枠とDサブ15ピンコネクタの2・4・6・8・12ピンとが結線されている(Dサブ15ピンコネクタの枠とは結線されていない)ことを示します.また "枠-Dサブ15枠" は両コネクタ間で枠同士が結線されていることを示します.
 なおミニDIN8ピンコネクタの本来のピン番号の振り方については,シリコンバレー 24時 --> miniDIN 8ピン female(メス)型コネクタ の ピン番号配置写真(2007年8月8日の記事),miniDIN 8ピン male(オス)型コネクタ の ピン番号配置写真(2007年8月9日の記事) などを参照して下さい.またDサブ15ピンコネクタのピン番号は,PC-98用ディスプレイ変換コネクタに示されているもの(これ自体はメスコネクタのもの)を左右反転した場合の番号になります.


-------------------------------- メルコ製 --------------------------------




■WAB-1000/WSR-G


■WAB-2000/WAP-2000


■WGN-V2/WSN-V4/WGN-DX4


参考:WSN-V,WGN-DX 各シリーズユーザーズマニュアルの記述に基づくボード側ミニDIN8ピンメスコネクタのピンアサイン.


※"同期信号" とは複合同期信号の意味と思われます.複合同期信号は垂直同期信号と水平同期信号の複合信号で,水平同期信号が15KHzのRGB信号やスーパーインポーズくらいにしか使われない信号だそうですので,省略することも可能でしょうが,大した手間でもありませんので,このラインを結線しておいてもよいでしょう.なお複合同期信号から垂直同期信号と水平同期信号を分離する方法については,CXさんの2024年1月13日のツイート を参照.

-------------------------------- I・Oデータ製 --------------------------------



※GA-98NB2,GA-DR2/98,GA-DRV2/98のいずれでも,取説の図に描かれているケーブルは左端のタイプです.GA-98NB2とGA-DRV2/98は箱入り・付属品全揃いの中古品として入手したものであり,いずれも画像にあるケーブルが同梱されていましたが,画像左のものにはコネクタ部分にI・O DATAの文字列があるのに対して,画像中央のものにはこの文字列がありません.恐らくGA-DRV2/98に元々添付されていたケーブルは,画像左端のタイプなのでしょう.画像中央のケーブルは,I・Oデータの製品とは考えにくく,元々どのような用途のものなのかは不明ですが,問題なく使用できます.また画像右のケーブルは,新古品として入手した未開封のGA-DRV/98に添付されていたもので,コネクタ部分にI・O DATAの文字列もあり,このボード用のもので間違いありません.
  追記:これらとは形状の異なるケーブルが存在します.ヤフーオークションで出品者IDが aywjc68223,オークションIDが r1012498297(2021年10月18日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを180゜回転したものから切り出して半分に縮小したもの(左)と,ヤフーオークションで出品者IDが kotaro_pc711,オークションIDが t809180074(2021年5月8日に落札)の出品物の説明に使用されていたものを90゜回転したものから切り出して1/5に縮小したもの(右)とを併置しjpg形式に変換した画像を引用します.画像左は下記のCanopus製Power Window 6410VAのものと似た形状をしていますが,未使用品と思われるGA-DRV2/98に同梱されていたもので,画像右は"非純正ケーブル" だがGA-DRV4/98に接続してWindows95で使用できていたものといいます.後者の詳細は不明ですが(その出来映えから個人により作成したものとは考えにくいように思います),前者はGA-DRVシリーズに添付された状態でヤフーオークションで出品されているのを他に何件も確認していますので,少なくともGA-DRVシリーズでは,ロット(?)によっては前者が添付されていたものと思われます.


※※ミニDIN8ピンオスコネクタと途中までのケーブルを,Mac用シリアルケーブルから取った例があります[つねごんさんの2022年10月15日のツイート(12)を参照].Mac用シリアルケーブルは同じ種類のもの(シリアルストレートケーブル,シリアルクロスケーブル,シリアルポート用プリンタケーブル)でもメーカーにより両端のコネクタのピン間の結線数が異なる可能性がありますので,ケーブルを流用する場合には,テスターなどで実物の結線状態を確認する必要がありそうです.サンワサプライのシリアルストレートケーブル(モデム,TA接続用)KRS-405M1K(ミニDIN8ピンオス-Dサブ25ピンオス)では結線されているコードは6本,シリアルクロスケーブル(シリアルプリンタ,XYプロッタ接続用)KRS-406M2K(ミニDIN8ピンオス-Dサブ25ピンオス)では結線されているコードは4本,シリアルポート用プリンタケーブルKPU-MAC2(ミニDIN8ピンオス-ミニDIN8ピンオス)ではコードは全結線となっています.

※※※両端がミニDIN8ピンオスコネクタのケーブルと,ミニDIN8ピンオス-Dサブ9ピンオスコネクタのケーブルをジャンク品として入手しました.いずれも何用かは不明.前者では同一番号のピン同士が一対一で結線されており(枠同士も結線),後者ではDサブ9ピンオスコネクタの6ピン(左下隅のピン)以外のピンがミニDIN8ピンコネクタのピンと一対一で結線されています(枠同士は導通なし).いずれも何用のケーブルか不明ですが,ミニDIN8ピンコネクタのすべてのピンにコードが接続されていますので,これらも各社Cバス用グラフィックアクセラレータボードのケーブルの材料として使用できそうです.



■GA-DR2/98/GA-DRV4/98


■GA-98NB2/GA-98NB4/GA-98NBI/c


参考:GA-98NB,GA-DR,GA-DRV 各シリーズ取扱説明書の記述に基づくボード側ミニDIN8ピンメスコネクタのピンアサイン.


-------------------------------- Canopus製 --------------------------------



※画像右の黒いケーブルは,前の持ち主が新品で購入したという,箱入り・付属品全揃いのPower Window 928IILBに同梱されていたもので,同じものは,中古品として入手した箱入り・付属品全揃いのPower Window 805iにも同梱されており,またボードとケーブルのみのジャンク品として入手したPower Window 928IIにも付いていました.中古品として入手した箱入り・付属品全揃いのPower Window 964LBと,ボードとケーブルのみのジャンク品として入手した同ボードのものもこの外観のケーブルでした一方,画像左のケーブルは,ボードとケーブルのみのジャンク品として入手したPower Window 6410VAに付いていたものですが,問題なく使用できます.また画像中央のケーブルは,ボードとケーブルのみのジャンク品として入手したPower Window 805iあたりに付いてきたものではなかったかと思うのですが,これもやはり問題なく使用できます(ヤフーオークションでの出品物画像では,撮影条件のためかもしれませんが,この画像のものと同じ形状で色がかなり白っぽいものもあります.上の画像のケーブルはそれが紫外線等により変色した状態のものなのかもしれません).筆者は,Canopus製グラフィックアクセラレータボードに付属しているケーブルはすべて画像右のタイプのものと思っていましたので,当初はこのケーブルを紛失した以前のユーザーが,何かの機械用のケーブルでPower Windowシリーズのものと結線が一致する(ことが先人により割り出され,パソコン通信などを通じて一部に知られていた)ものを流用したのかなどと想像していましたが(注),ヤフーオークションで画像左の外観のケーブルとセットになったPower Windowシリーズ(Power Window T64S,Power Window 968など)の出品物をいくつも確認したことから,現在は,製品によってあるいは同一製品でもロットにより添付されていたケーブルが異なっていたのだろうと考えています.
 注:直上の画像は以前に執筆した記事からの使い回しで,画像中に "別ケーブルも存在" や "代用可能なケーブル" などの説明が入っているのは,当時のこの認識の名残です.

■Power Window 6410VA/Power Window 964LB


■Power Window 805i/Power Window 928II/Power Window 928IILB


参考:Power Window 801G・928G・928GLB・928II・928IILB,Power Window 805i,Power Window 6410VA,Power Window 964LB 各USER'S GUIDEの記述に基づくボード側ミニDIN8ピンメスコネクタのピンアサイン.なお複合同期信号についてはメルコ製の項を参照.



------------------------- Creative Technology製 -------------------------

■SOUND BLASTER 16GA



========================= その他の形状のケーブル =========================



■NECのDサブ15ピン2列―3列(Dサブ15ピン-ミニDサブ15ピン)のケーブル
PC-9821A-E01/02(ハイレゾボード)/09付属のDサブ15ピン2列―3列のケーブル.同一番号のピン同士結線(注1・2),また枠同士も結線.
 注1:ピン配置はPC-98用ディスプレイ変換コネクタを参照.
 注2:一般的なアナログディスプレイケーブル,あるいはそれにPC-98用ディスプレイ変換コネクタを接続した状態のものとは結線が異なりますので注意して下さい.
Cバス接続のPC-9801-85(ウインドウアクセラレータボードB),PC-9801-91(フルカラーウィンドウアクセラレータボードB),PC-9801-96(PC-9801B3-E02,ウィンドウアクセラレータボードB3)のケーブルも同じ結線です(どるこむの過去ログ,[7511] PC-9801-85のRGB IN[12807] グラフィックボードDOS画面使えません。エマティなリサイクル --> 研究発表会 --> GAケーブルピンアサイン表 を参照).

■出荷時からMATE-Aのローカルバススロットに装着されているウィンドウアクセラレータボード用のコネクタ(正式名称 "接続コネクタ",通称 "銀箱","階段"
上のケーブルと同じく,同一番号のピン同士結線(注),また枠同士も結線.なお本コネクタは,出荷時にPC-9821A-E09が装着されているPC-9821Afと,出荷時にPC-9821A-E11が装着されているPC-9821Ap2/C9T/An/C9Tの付属品です.
 注:ピン配置はPC-98用ディスプレイ変換コネクタを参照.

■PC-9821X-B03(フルカラーウィンドウアクセラレータボードX, Millennium相当品)のPCI用3列-3列のケーブル
Dサブ15ピン3段のオス-オスでストレート全結線,枠同士も結線.
I・OデータのGA-KiT-98PCIに含まれているケーブル(恐らくGA-PG3DVX8/PCIに付属するケーブルも)や,メルコのWGP-FX16N,WGP-SF32PNなどのPC-9821対応PCIグラフィックアクセラレータボードの付属ケーブルも同等品のようです.これらのケーブルは一般的なアナログディスプレイケーブルで代用できますが,短いケーブルよりは画質の劣化(ゴーストなど)の程度が多少大きいかもしれません.なお筆者の環境[PC-9821Xc13+Millennium(VRAM 4MB)+LCD-A15CE(I・Oデータ製15インチ液晶ディスプレイ)]では,PC-9821X-B03付属の短いケーブルを使用しても薄いゴーストが観察されます.
※画像右のケーブルは,PC-98で使用していたというMillenniumの中古品に付いてきたものと記憶しています.前の持ち主が作成したものかもしれません.

■Dサブ15ピン2列のオス-メス
・WAB-S/WSP-L(メルコ)
Dサブ15ピン2列のオス-メスでストレート全結線.枠同士も結線.

・GA-1024W/1024A/1280A(I・Oデータ)
Dサブ15ピン2列のオス-メスでストレート全結線.枠同士も結線.
フレームバッファである同社製GA-1024iのケーブルもこのタイプです.

・PCPKB4/PCPKB5(EPSON)
Dサブ15ピン2列のオス-メスでストレート全結線.枠同士も結線.
※PCSKB4/PCHKB4用のものも同じかもしれませんが未確認です.

他に,フレームバッファですが,HyPER-FRAME+/3(デジタルアーツ)のケーブルもこのタイプです.

■上と形状の異なるミニDIN8ピン-Dサブ15ピンのケーブル
・PowerWindow801/801+/928(Canopus)
ピン配置が上のものと異なるミニDIN8ピンオスコネクタのフレーム(プラスチック製ですのでハウジングと呼んだ方がよいのかもしれません)下部内側に階段状の突起があります.



※画像のケーブルは,箱入り・付属品全揃いのPowerWindow 801+に同梱されていたものです.同ボードの取説によれば,ケーブルはPowerWindow801/928と共通ということで,実際に,ボードのみのジャンク品として入手したPowerWindow 928でも使用できました.なおミニDIN8ピンオスコネクタのフレームの外径は12.5mmで,FM-TOWNS用のキーボードのコネクタ(クラシックPC研究会 --> FMTOWNSシリーズへPS2キーボードを接続する変換機 にある画像を参照)と,フレームの色は異なるようですが,同等のものではないかと思われます.
  追記:ヒロセ電機のHR12シリーズに該当するコネクタがあるといいます(鴨川ネギさんの2024年2月10日のツイート を参照).HR12 シリーズ 小型 高性能丸形コネクタのカタログを見ると,なるほどこの形状のものがあります.

参考:Power Window 801・801+・928 USER'S GUIDEの記述に基づくボード側ミニDIN8ピンメスコネクタのピンアサイン.



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